東日本大震災から1年が経ちました。現地の様子をテレビで見るたびに心が痛みますが、逆に元気づけられたり、ほっとさせられることもありました。
樹木では、陸前高田市の「奇跡の一本松」。写真集が発行され、特に東北地方でよく売れているそうです。
津波と樹木について最近知ったことですが、百人一首に次のような歌があります。
ちぎりきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山 浪越さじとは
意味は、「約束しましたよね、涙を流しながら。末の松山が決して浪をかぶることがないように、2人の愛も変わらないと」。作者は、清少納言の父親の清原元輔。
この歌は、貞観11年(869)の巨大地震で東北地方が津波の被害を受けた史実を背景にしているそうです。貞観地震でも津波をかぶらなかった「末の松山」が不変の象徴として歌われているのです。
「末の松山」の場所は定かではありませんが、宮城県多賀城市にある宝国寺ではないかと推測されており、境内にある推定樹齢480年のクロマツがその名残ではないかと言われています。
宇治川べりのクロマツ
このお寺は海岸線から2kmの地点にあり、今回の津波でも石段までは水に浸かったものの波はかぶらず、約100人の市民が避難してきたそうです。
「奇跡の一本松」はクロマツとアカマツの交配種だったようですが、昔から「白砂青松」と言われるように海岸にはクロマツを植えることが多いので、津波をかぶることも多かったのでしょう。
今、町内で防災組織を立ち上げる話になっていて、その計画書を私が作成しています。
先日、テレビの3.11特集で、サクラの木が津波のがれきを防いだ話が放送されていましたが、木は災害を防ぐこともありますが、倒れると災害を招いたり、救助の障害になることもありますね。
今回の大地震・大津波はその後のテレビの特集記事などを見ていると、昔からの伝承の大切さを見直す機会になったのではないかと思いました。
私は自宅はだいぶ内陸で標高30mほどなのですが、でも津波が来ないとは限らないし、出先で海べりの宿に泊まったりするのでいろいろと考えました。