以前、ナスカの地上絵には5種類の鳥が描かれていることをご紹介し、世界最古の鳥の絵はナスカではなく1万5千年前のフランスのラスコー洞窟に描かれた鳥であると書きました。
ところが、その後に調べたところでは、さらに時代をさかのぼった3万年前のフランスのショーベ洞窟のものであることが判明しました。描いたのは旧石器時代のネアンデルタール人、描かれているのはフクロウ。著作権の関係で掲載できないのでこちらでご覧ください。
この絵について、動物学者であるデズモンド・モリスはその著書『フクロウその歴史・文化・生態』の中で「ワシミミズクである」と書いています。
こんなシンプルな絵からフクロウの種類が同定できるのか疑問ですが、多分、羽角(耳のような突起)がはっきり描かれているからでしょう。一般的に羽角のあるものをミミズクとかズク、ないものをフクロウと呼んでいるからです(ただし、アオバズクとシマフクロウは例外)。
ワシミミズク(photo by Softeis from Wikipedia)
現地の洞窟ガイドは、「背中の羽根を見せながら、顔はこちらを向いた姿で首が180度回るフクロウの特徴を表現しています」と説明しているそうです。
古い鳥のアートは東洋にも遺っています。最古かどうかは分かりませんが、下の写真は中国遼寧省旅順で出土した新石器~青銅器時代の鳥頭形石器。モチーフはカラスのようです。
画像提供:東京国立博物館
中央の穴に木製の柄を通して使ったものと考えらていて、ロシア沿海州、中国江蘇省北部、北朝鮮でも類似の石器が出土しているそうです。
日本の縄文時代には鳥は食糧としてしか見ていなかったようで、弥生時代になってようやく鳥がアートとして描かれます。フランスのワシミミズクや中国のカラスは、食糧としてではなく造形のモチーフになっています。当時から、人間は鳥に憧れとか畏敬の念を持っていたということではないでしょうか。
ところが、その後に調べたところでは、さらに時代をさかのぼった3万年前のフランスのショーベ洞窟のものであることが判明しました。描いたのは旧石器時代のネアンデルタール人、描かれているのはフクロウ。著作権の関係で掲載できないのでこちらでご覧ください。
この絵について、動物学者であるデズモンド・モリスはその著書『フクロウその歴史・文化・生態』の中で「ワシミミズクである」と書いています。
こんなシンプルな絵からフクロウの種類が同定できるのか疑問ですが、多分、羽角(耳のような突起)がはっきり描かれているからでしょう。一般的に羽角のあるものをミミズクとかズク、ないものをフクロウと呼んでいるからです(ただし、アオバズクとシマフクロウは例外)。
ワシミミズク(photo by Softeis from Wikipedia)
現地の洞窟ガイドは、「背中の羽根を見せながら、顔はこちらを向いた姿で首が180度回るフクロウの特徴を表現しています」と説明しているそうです。
古い鳥のアートは東洋にも遺っています。最古かどうかは分かりませんが、下の写真は中国遼寧省旅順で出土した新石器~青銅器時代の鳥頭形石器。モチーフはカラスのようです。
画像提供:東京国立博物館
中央の穴に木製の柄を通して使ったものと考えらていて、ロシア沿海州、中国江蘇省北部、北朝鮮でも類似の石器が出土しているそうです。
日本の縄文時代には鳥は食糧としてしか見ていなかったようで、弥生時代になってようやく鳥がアートとして描かれます。フランスのワシミミズクや中国のカラスは、食糧としてではなく造形のモチーフになっています。当時から、人間は鳥に憧れとか畏敬の念を持っていたということではないでしょうか。
私は図書館で借りて読みました。以前紹介した、ピカソがフクロウを飼っていたとか、ナイチンゲールがフクロウをかっていたという話もこの本で知りました。
モリスは「ワシミミズク」と断定していますが、最初は「こんなシンプルな絵から種類は同定できないだろう」と疑問でしたが、「耳角で判断したのかな?」と思い直しました。
ということは、ヨーロッパのフクロウ類で耳角のあるのはワシミミズクだけ、ということになりますね。
デズモンド・モリスのその本は興味深くて面白い上に読みやすいのが好きです。
海外のこの手の本には珍しく日本の事例にも幾つか触れられているのがちょっと嬉しい。
フクロウは夜に見られる鳥であることが昔の人も興味を引かれた部分だと思います。
カラスも昔から人間に近しい鳥だったのかな、とも。