樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

丹後半島の猛禽

2023年09月14日 | 野鳥
前回に続いて丹後での鳥見のご報告です。
天橋立から丹後半島に向かい、いつも利用する温泉施設で1泊。翌朝、朝食前に近くの経ヶ岬へ行きました。以前からハヤブサの生息地として知られていて、私も20年ほど前に来たことがあります。ただ、今もハヤブサが生息し続けているかどうか不確かなまま、7時頃からカメラを構えて待っていました。
当初は駐車場周辺をウロウロしているイソヒヨドリの幼鳥と成鳥を観察していましたが、突然、灯台の上空に大きな鳥の影が現れました。カラス? トビ? いやハヤブサだ! 



撮影はできなかったものの、2羽が飛ぶ姿も確認。多分、成鳥と幼鳥でしょう。前回「想定外の鳥に出会うことがバードウォッチングの醍醐味」とお伝えしましたが、こうした想定通りの出会いもワクワクします。バードウォッチングの面白みは宝探しに似ていて、宝探しに出かけて想定通りに宝を見つけたときの喜びもこういう感じなのでしょう。この例えでいうと、前回の場合は宝探しに出かけて別の宝を発見した喜びかな。
宿泊施設をチェックアウトした後、もう一つの猛禽を求めて丹後半島の山中へ…。このあたりでは風力発電事業が2件計画されていて、風車のブレードで猛禽が切断される事故が懸念されるので、野鳥の会は事業の中止を求めて自治体や事業者に意見書を提出しています。
その効果があったのかどうか、1件は事業者が撤退しましたが、もう1件の計画は継続中なので、希少な猛禽類の状況を確認しようというのが目的でした。
野草摘みにいそしむ妻を横目に上空を眺めてるいると、カラスにモビング(ちょっかい)された大きな鳥が現れました。ハチクマの幼鳥です。「蜂を食べる熊鷹」が名前の由来で、ちょうど今の時期は南へ帰る渡りの時期。ところが、渡りの方向とは逆に西から東へ飛んで行きます。ということは、この周辺で生まれて育った幼鳥のようです。



予想していた猛禽・クマタカではなかったものの、丹後半島の山中でハチクマが繁殖しているらしいことが確認できました。今回の丹後ツアーでは、阿蘇海でソリハシシギ、経ヶ岬でハヤブサ、丹後半島でハチクマに出会いました。帰り道、満ち足りた気分で、道の駅でいろいろ買い物する妻に付き合っていました。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2023-09-14 11:51:09
想定通りの出会いもワクワクします---これ1つでも、ご良好に行かれた甲斐がありますね。
風車のブレードで猛禽が切断される事故が懸念される---、何か有効な対策はないものでしょうか。
テレビではハチクマを見ましたが、私には、猛禽類と分かる程度です。
うふふふふ、海辺のご馳走は魅力たっぷり、奥様のお気持ちが良く分かります。
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kazuyoo60様 (fagus06)
2023-09-15 08:19:49
ヨーロッパに見習って、日本でもゾーニングマップを作成することになりました。鳥の渡りルートやその他の野生生物の生息エリアを区切って、風力発電を建ててもいいゾーンと、建ててはいけないゾーンをあらかじめ設定するという方法です。
現在、各自治体でマップ作りが進められていて、東北や北海道の一部の自治体では、そのゾーニングマップに従って建設されているところもあるようです。
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