樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

聞きなしの今昔

2023年06月08日 | 野鳥
前回ご紹介した信州旅行では、戸隠の後、斑尾高原へ足を延ばし、妻を温泉に預けて、私は沼の原湿原でバードウォッチングに勤しみました。
戸隠は仲間3人で訪れて以来23年ぶりでしたが、ここも14年ぶり。2009年6月6日(土)、京都から夜通し走って朝5時に到着し、3時間ほど探鳥した後、車で仮眠しました。
3人と1人では鳥の姿や声をキャッチする範囲が違うこと、時間が前回は早朝・今回は午後であることに加えて、私の聴覚が衰えているので期待したほどの鳥は見聞できませんでした。
収穫はイカルのさえずり。関西でも聞かれますが、なぜかタイミングが悪くてさえずりを撮影できなかったのです。
私がいちばん好きな鳥のさえずりはイカル。美しい声ではないですが、のほほ~んとしていて、聞いていると気持ちがゆるみます。



斑尾高原の後、さらに北上して新潟県の妙高高原へ。ペンションで1泊し、朝食前にいもり池へ行きました。ここも14年前の鳥見ツアーで訪れ、関西では見る機会の少ないノジコを堪能しました。
今回もノジコとの再会を期待しましたが、結局遭遇できず。代わりに、ホオジロのさえずりを楽しみました。この鳥も関西でよく見られますし、さえずりもよく耳にします。
ホオジロの聞きなしは「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」と言われてきましたが、きょうびこんな古い言い方は若い人には通じません。その後「札幌ラーメン味噌ラーメン」という聞きなしになり、さらにある漫才コンビのギャグ「ラッスンゴレライ」と聞きなす人も現れました。そんな風には聞こえませんが、リズムだけは合っているようです。



最近、探鳥会で初心者に鳥を説明する際「意味が通じにくいな~」と思うことがあります。ホオジロの聞きなしもそうですし、上述のイカルの聞きなしは「お菊二十四」ですが、きょうび「お菊」というような名前の女性はいないので、女性の年齢の意味であることが通じません。最近は「キーコーヒー」と聞きなすようです。
また、タカとトビの違いを「三味線のバチみたいな尾羽はトビ」と説明しても、三味線のバチを見たことがない人には意味が分かりません。昔は三味線を持った漫才師がテレビによく登場したので、高齢者には通じますが、若い人は「?」のようです。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2023-06-08 18:26:35
ホオジロ、かなり高い声で鳴くのですね。我が家へは来てくれません。
そう聞こえたから、その鳥の鳴き声で定着していても、現在の鳥に、鳥好きの方に通じなかったら、新しい何か標準のものを---、適度なのが有れば良いのですが。
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kazuyoo60様 (fagus06)
2023-06-09 08:26:06
ホオジロは住宅地ではほとんど見かけませんが、今年の春、初めてわが家の庭に飛来したのでびっくりしました。
鳴き声や鳥の姿を何かに例えた場合、その例えが時代とともに古くなって通じなくなりますが、これは鳥に限らずですね。古いことわざなんかも若い人には伝わらないものが多くなっているのではないでしょうか。
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