樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

鳳凰は渡り鳥

2006年12月27日 | 木と言葉
昨日、花札の鳥を紹介しましたが、今日は桐と鳳凰の話です。

         

花札に描かれているのはキリですが、本家の中国で鳳凰が住むと言われているのはアオギリ。名前は似ていますが、全く別の木です。
幹が緑色なのでこの名前があります。中国原産と言われていますが、日本でも街路樹に使われるほどポピュラーです。カカオの仲間で、戦争中は実をコーヒーの代用に使ったそうです。

         

漢字では「梧桐」と書きます。日本では秋の季語として「桐一葉」を使いますが、これは中国の「梧桐一葉落ち、天下尽く秋を知る」という詩がルーツ。花札の「桐に鳳凰」もそうですが、中国で梧桐(アオギリ)だったものが、日本でいつの間にか桐(キリ)にすり替わっているのです。
アオギリの英名はPhoenix tree。フェニックス(不死鳥)はエジプトの伝説上の霊鳥ですが、中国の鳳凰伝説に合わせてネーミングしたのでしょう。
一方、鳳凰は昔から「聖人が世に出るときにだけ現れる」とか「竹の実だけを食べる」と言われてきました。その幻の鳥が、実は宇治に生息しています。しかも2羽。アオギリではなく、平等院鳳凰堂の屋根の両端で向かい合って翼を広げています。

      
         (平等院に生息する鳳凰)

最近は1万円札の裏側にまで生息域を広げています。しかも、渡りの習性があるようで、貧乏人の家からどんどん飛び去って、お金持ちの家に集まるようです。
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