樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

WとXとY

2006年07月28日 | 樹木
「木曾五木」と呼ばれ、昔から木曾地方で大切にされてきた木があります。ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキの5種類。前の4種はいずれもヒノキ科、コウヤマキだけが別の科(コウヤマキ科)です。
神社やお寺の建材として需要の多いヒノキをはじめいずれも有用材で、無断で伐採すれば打ち首にするという掟が設けられたほど。しかし、本当に守りたかったのはヒノキで、その他の樹はヒノキによく似ているため、「サワラだと思って伐採しました」という言い訳をさせないために、類似の木をすべてリストアップしたという説もあります。

コウヤマキだけは葉の様子が違いますが、他の4種は葉も樹皮もそっくり。見わけ方は葉の裏の白い気孔の模様です。クロベには白い模様がありません。

      ヒノキの気孔はYの字
      

      サワラの気孔はXの字
      

      アスナロの気孔はWの字
      

尾張藩によって守られてきた木曾のヒノキ林は、現在は国有林になっています。江戸時代は伊勢神宮に建材を供給していましたが、現在は特定の宗教団体だけを優遇できないので、文化財的な建造物に限って供給することになっているそうです。
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4 コメント

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おもしろいものですね (scops)
2006-07-29 21:01:49
言われてみるとそんな文字に見えます。ヒノキしか知りませんでした。



私はサワラはチョウチョに、アスナロはコウモリ妖怪がのようにも見えます。(笑)



ネズコは特徴がないんでしょうか?特徴のないのが特徴?
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なるほど (fagus06)
2006-07-30 07:53:50
サワラはチョウチョ、アスナロはコウモリ妖怪ですか。

ネズコはクロベとも言われていますが、私自身まだ現物はみたことがありません。図鑑で見ると、葉の表も裏も同じ緑で白い気孔はありません。
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Unknown (guitarbird)
2006-07-30 08:18:29
おはようございます、guitarbirdです



こちらはそれらの針葉樹がほとんどないので、

見分け方も本でちょっと読んだくらいです。

スギだけ、円山にまとまって生えているのでなんとか分かります。

勉強になりました。ありがとうございます。

ですが、それらの木に接していないと、また忘れそうです・・・
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北海道には (fagus06)
2006-07-31 08:09:16
ヒノキやサワラはないんですか。

そのかわりエゾマツやトドマツがたくさんありますね。

私もそちらに行ったとき、確かエゾマツとトドマツの違いを覚えたのですが、もう忘れました。
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