樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木の根の楽器

2010年04月08日 | 木と楽器
関西に音楽の単科大学がひとつだけあります。その大阪音楽大学の博物館に行ってきました。
世界各国から収集された多数の民族楽器が所狭しと並んでいて、ピアノなど場所をとる鍵盤楽器だけでも30台くらいあります。私の興味はもちろん「木の楽器」。
特に気になっていたのは、スイスのアルプホルン。木管楽器としては最大ではないでしょうか。


(1978年製作のアルプホルン)

興味があったのは、根曲がりの木をくり抜いて作るという点。アルプスの急斜面に生える木は、垂直に伸びようとして根元で曲がります。その曲がったところをラッパに使うのです。
その発想がスゴイな~と以前から感心していました。樹種はバイオリンやピアノにも使われるヨーロッパトウヒ。
でも、1本の木をくり抜いて作ったのは1930年代までで、現在は手元、中央、先端を別々に作って接合するそうです。展示品をよく見ると、ラッパ部分は板が貼り合わせてあって、ちょっとガッカリ。


(ラッパ部分は板の接合)

その半面、新しい時代との融合も進んでいて、アルプホルンのジャズバンドとかソウルやロックを演奏するプロの奏者もいるそうです。どんな音楽なんだろう? 想像できません。
博物館にはもう一つ木の根を使った楽器がありました。ミャンマーのサウン・ガウ、いわゆる「ビルマの竪琴」。



小説や映画でお馴染みですが、説明パネルによると「アジアに現存する唯一のハープ」とのこと。象の鼻みたいに曲がった棹はアカシアの1種シャーという木の根、船のような共鳴箱はパダウという木をくり抜いて作ってあるそうです。
このほか、おもしろい楽器、珍しい楽器、見たこともない楽器がいろいろありました。楽器の好きな人にはたまらない場所ですよ。
大阪音楽大学「音楽博物館」のサイトはこちら
コメント (4)
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