昨年は太宰治の生誕100年ということもあって、『ヴィヨンの妻』『斜陽』『パンドラの匣(はこ)』の3作品が立て続けに映画化されました。今年も『人間失格』が公開されています。若者の間では太宰ブームだそうで、出版部数が前年比5.5倍になったとか。
太宰治は青森県出身。その青森県を代表する木といえば、県木にもなっているヒバ。太宰もこの木を誇りにしていたようで、『津軽』という作品に次のように書いています。
「古い伝統を誇つてよい津軽の産物は、扁柏(ヒバ)である。林檎なんかぢやないんだ。林檎なんてのは、明治初年にアメリカ人から種をもらつて…」。
(津軽と言えばリンゴではなくヒバ)
(森林総研関西支所樹木園で撮影)
また、「青森」という県名もヒバに由来すると書いています。
「関東、関西の人たちは、津軽と言へばすぐに林檎を思ひ出し、さうしてこの扁柏(ヒバ)林に就いては、あまり知らないやうに見受けられる。青森県といふ名もそこから起つたのではないかと思はれるほど、津軽の山々には樹木が枝々をからませ合つて冬もなほ青く繁つて…」。
(「青森」の由来? ヒバの葉)
「ヒバ」は東北地方特有の呼び名で、全国的な名前は「アスナロ」。井上靖の小説「あすなろ物語」が教科書に掲載されたこともあって、どんな木か知らなくても名前だけはご存知の方が多いでしょう。その小説で書かれているように「明日はヒノキになろう」とする木で、ヒノキの近縁種。
(ヒノキの葉)
東北地方にはヒノキが自生しないので、一般的に言う「総ヒノキ造り」は東北地方では「総ヒバ造り」。平泉の中尊寺もヒバ造りで、特に金色堂の木材は93%がヒバとのこと。
太宰治の生家は現在「斜陽館」という名前のミュージアムになっていますが、この建物もヒバ造り。
大地主の父親が建てたこの家について太宰は、「父はひどく大きい家を建てたものだ。風情も何もないただ大きいのである」と皮肉っぽく書いています。
太宰治は青森県出身。その青森県を代表する木といえば、県木にもなっているヒバ。太宰もこの木を誇りにしていたようで、『津軽』という作品に次のように書いています。
「古い伝統を誇つてよい津軽の産物は、扁柏(ヒバ)である。林檎なんかぢやないんだ。林檎なんてのは、明治初年にアメリカ人から種をもらつて…」。
(津軽と言えばリンゴではなくヒバ)
(森林総研関西支所樹木園で撮影)
また、「青森」という県名もヒバに由来すると書いています。
「関東、関西の人たちは、津軽と言へばすぐに林檎を思ひ出し、さうしてこの扁柏(ヒバ)林に就いては、あまり知らないやうに見受けられる。青森県といふ名もそこから起つたのではないかと思はれるほど、津軽の山々には樹木が枝々をからませ合つて冬もなほ青く繁つて…」。
(「青森」の由来? ヒバの葉)
「ヒバ」は東北地方特有の呼び名で、全国的な名前は「アスナロ」。井上靖の小説「あすなろ物語」が教科書に掲載されたこともあって、どんな木か知らなくても名前だけはご存知の方が多いでしょう。その小説で書かれているように「明日はヒノキになろう」とする木で、ヒノキの近縁種。
(ヒノキの葉)
東北地方にはヒノキが自生しないので、一般的に言う「総ヒノキ造り」は東北地方では「総ヒバ造り」。平泉の中尊寺もヒバ造りで、特に金色堂の木材は93%がヒバとのこと。
太宰治の生家は現在「斜陽館」という名前のミュージアムになっていますが、この建物もヒバ造り。
大地主の父親が建てたこの家について太宰は、「父はひどく大きい家を建てたものだ。風情も何もないただ大きいのである」と皮肉っぽく書いています。