樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

囲碁・将棋

2010年04月29日 | 木とスポーツ
私は全く打ちませんが、木の本を読んでいると囲碁や将棋の話がよく出てきます。例えば、「最高級の碁盤はカヤ材の四方柾で、家が1軒買えるほどの値段…」。
「四方柾」とは盤面と側面(2面)、裏面の4面が柾目の材という意味で、樹齢700年クラスのカヤでないと取れないとか。それにしても、家1軒分の値段というのはスゴイですね~。


(この碁盤は家が買える値段かな?)

カヤは色やツヤなど見た目の美しさだけでなく、打った時の音がいいそうです。しかも弾力性があって、石や駒を打っても疲れない、打った後の凹みが復元するという特長があるといいます。
しかし、現在は国内産のカヤはほとんど流通していないので、中国産のカヤとか北米産のスプルースを「新カヤ」という名前で使っているそうです。
ちなみに、中級品の碁盤や将棋盤はカツラやイチョウ。また、碁石入れる碁笥(ごけ)にはケヤキが、将棋の駒を入れる箱にはキリが使われます。


(近くにあるカヤの巨木。これならン千万円の碁盤が作れるかも)

盤にはもう一つ木がからんでいます。あの独特の形の脚は、他人が対局に口を挟まないようにという戒めの意味で、クチナシ(口無し)の実をかたどっているとか。


(クチナシの実をかたどった脚)

話としては面白いですが、私は「後からこじつけたんじゃないの?」と疑っています。下の写真がクチナシの実ですが、そんなに似てないでしょう?


(クチナシの実)

また、碁盤や将棋盤の裏面にくり抜いてある穴を「血だまり」と呼び、口出しした人の首を切って置くためだと説明されますが、これも眉ツバっぽいです。そうではなくて、分厚い木材が反らないように、あらかじめくり抜いてある穴ではないでしょうか。
こういう話が生まれるほど昔から多くの人が囲碁や将棋に熱中し、他人の口出しを嫌ったということでしょうね。
コメント (2)
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