以前、近くのお寺にある鶯張りの廊下をご紹介しました。人が歩くと音が鳴って侵入者を防ぐという武家屋敷特有の造りです。「あの仕組みはどうなっているのかな~」と思っていたところ、二条城で見られると知って行って来ました。
(二条城は世界遺産)
国宝の二の丸御殿は重厚な造りや豪華な欄間、狩野派の障壁画など見応えのあるものばかり。大勢の人が歩くので、廊下は常にキュルキュルと鳴っています。
「ウグイスというよりヒヨコに似ている」とある観光客。「なるほど、ピヨピヨとも聞こえるな~」と感心しながらもバードウォッチャーとしてのプライドが湧いてきて、もっと正確に識別しようと耳を澄ませた結果メジロと同定しました。人や敵が近づくと、メジロはこんな警戒音を出して仲間に知らせます。
(二の丸御殿は国宝)
花札の「梅にウグイス」は「梅にメジロ」の間違い、ウグイスの体色はウグイス色ではなく茶色でメジロの体色がウグイス色、というのはバードウォッチャーの常識。昔の人はウグイスとメジロを混同していたようなのです。
それと同じく、キュルキュルと鳴くメジロをウグイスと思い込んで「鶯張り」と名づけたのであって、本来は「目白張り」というのが私の新説。しかも、侵入者が近づいたときの警報をメジロの警戒音に例えたのではないでしょうか。(ちょっと穿ち過ぎかな?)
(二の丸御殿の外廊下))
撮影禁止の内部を見学した後、外の廊下に潜り込んでチェック。その仕組みを見て驚きました。廊下の板と根太は釘で固定せず、下の写真のように金具で引っ掛けてあるだけ。板に体重が掛かるとわずかに上下し、木が擦れて音が鳴るようにしてあるのです。
廊下の板には金具の爪を引っ掛ける小さな溝が彫ってあります。板1枚に2ヶ所の溝を彫り、専用の金具で爪を掛け、根太とゆるやかに固定する。撮影したのは外廊下で、見学で歩いたのは内廊下。二重の廊下すべてにこんな手間のかかる細工がしてあるのです。恐るべし、日本の技!
(鶯張りの仕組み)
内部を歩いているとメジロ(?)の声が聞こえると同時に、築後400年の今でもヒノキの香りが漂っています。石やレンガの建築物では音や臭いを生かすことはできないはず。この御殿は強度や耐久性という構造上の特性だけでなく、人間の聴覚や嗅覚も計算して造られていることに気づきました。恐るべし、木造建築!
(二条城は世界遺産)
国宝の二の丸御殿は重厚な造りや豪華な欄間、狩野派の障壁画など見応えのあるものばかり。大勢の人が歩くので、廊下は常にキュルキュルと鳴っています。
「ウグイスというよりヒヨコに似ている」とある観光客。「なるほど、ピヨピヨとも聞こえるな~」と感心しながらもバードウォッチャーとしてのプライドが湧いてきて、もっと正確に識別しようと耳を澄ませた結果メジロと同定しました。人や敵が近づくと、メジロはこんな警戒音を出して仲間に知らせます。
(二の丸御殿は国宝)
花札の「梅にウグイス」は「梅にメジロ」の間違い、ウグイスの体色はウグイス色ではなく茶色でメジロの体色がウグイス色、というのはバードウォッチャーの常識。昔の人はウグイスとメジロを混同していたようなのです。
それと同じく、キュルキュルと鳴くメジロをウグイスと思い込んで「鶯張り」と名づけたのであって、本来は「目白張り」というのが私の新説。しかも、侵入者が近づいたときの警報をメジロの警戒音に例えたのではないでしょうか。(ちょっと穿ち過ぎかな?)
(二の丸御殿の外廊下))
撮影禁止の内部を見学した後、外の廊下に潜り込んでチェック。その仕組みを見て驚きました。廊下の板と根太は釘で固定せず、下の写真のように金具で引っ掛けてあるだけ。板に体重が掛かるとわずかに上下し、木が擦れて音が鳴るようにしてあるのです。
廊下の板には金具の爪を引っ掛ける小さな溝が彫ってあります。板1枚に2ヶ所の溝を彫り、専用の金具で爪を掛け、根太とゆるやかに固定する。撮影したのは外廊下で、見学で歩いたのは内廊下。二重の廊下すべてにこんな手間のかかる細工がしてあるのです。恐るべし、日本の技!
(鶯張りの仕組み)
内部を歩いているとメジロ(?)の声が聞こえると同時に、築後400年の今でもヒノキの香りが漂っています。石やレンガの建築物では音や臭いを生かすことはできないはず。この御殿は強度や耐久性という構造上の特性だけでなく、人間の聴覚や嗅覚も計算して造られていることに気づきました。恐るべし、木造建築!