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樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

おいらはドラマー

2008年09月10日 | 木と楽器
幼い頃は祭りの太鼓が好きで、高校の入学祝いに買ってもらったのは「四大ドラマー世紀の競演」というジャズのLP。CDに切り替えた時にレコードはほとんど処分しましたが、これは捨てられませんでした。

           
   (このジャケットのドラムの打面は皮ですが、今はプラスチックフィルム)

ドラムを叩きたくて入学後すぐに軽音楽部に入部。当時はエレキブームでベンチャーズ全盛でしたが、私は北欧系のバンドが好きでした。ドラムやシンバルを買うゆとりがないので、いつも自転車の荷台にまたがってサドルを叩いて練習していました。文化祭で演奏したり、アルバイトでイベントのステージに登ったこともあります。
そのころは気にも止めませんでしたが、ドラムのシェル(胴)はほとんどが木製。メーカーのサイトで調べると、ブナ、カエデ、ナラ、カバなどの薄い板を何枚か貼り合わせ、その合板を円筒形の型枠に押し込んで作るそうです。その樹種によって微妙に音が違うとか。

       
            (今でもドラムセットを見るとウズウズします)
       
         (プラスチックの打面が透けて胴内部の木が見えます)

叩く方のスティックも木製。こちらはヒッコリーという北米産の木が主流です。昔はスキー板やテニスラケットに使われたくらいですから、粘りがあって衝撃に強いのが特徴。ドラムは手首のスナップで叩くので、しなりが必要なのでしょう。
高校時代の先輩は激しいドラムを叩く人で、演奏中によくスティックを折ったり、ヘッド(打面)を破ったりしました。その度に予備を持って走るのがボーヤの私の役目。

       
          (知り合いのドラマーのスティック。先がボロボロ)

先日、あるロックフェスティバルのDVDを見ていたら、ほとんどのドラマーがPearlかTAMAかYAMAHAを使っていました。いずれも日本のメーカーです。私が叩いていた頃、ビートルズをはじめ有名バンドは海外メーカーのドラムを使っていましたが、いつの間にか日本勢がメジャーになっています。ギターはほとんどがFenderかGibsonのアメリカ勢で、こちらは昔から変わりませんね。
ドラムの画像は知り合いのアマチュアドラマーから頂きました。練習スタジオのもので、Pearlだそうです。
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音響と木

2008年08月27日 | 木と楽器
ビクターはスピーカーのコーン(振動板)に木を使っています。これまでは紙やプラスチック、金属などでしたが、世界で初めてウッドコーンの開発に成功したのです。
樹種は樺。カバノキと言ってもシラカバ、ダケカンバ、ミズメなどいろいろありますが、多分ウダイカンバのことでしょう。
カバは音の伝達速度が速い(=立ち上がりいい)、残響を抑える(=音に濁りがない)、他の素材のような共振がない(=音がなめらか)など、理想的な音響特性を備えているとか。他にもシナノキ、ブナ、オーク、チェリー、スプルースがテストされましたが、カバが最もいい数値を示したようです。

       
       (コーンの木目が見えます。この非均一性が共振を防ぐとか)

振動板に木を使うアイデアは以前からあったものの、薄いコーン状に加工する技術がなかったそうです。ところが、開発者が飲み屋でスルメイカを一晩日本酒に漬けると伸びることを知り、薄い木のシートを日本酒に浸せばひび割れせずにコーン状に加工できることを発見。世界初のウッドコーン開発に道が開けたという話です。
また、キャビネットにはタモ、マホガニー、カリンなど9種類をテストしてチェリーを採用。さらに、吸音材もそれまでの綿からチェリーのチップに切り替えたそうです。
樺と桜は全く違う種類ですが材質はよく似ていて、家具業界で「サクラ」と言えばカバを意味しますし、木材(カバ)を「カバザクラ」と呼んでいます。音響の世界でも樺と桜は相性がよかったんですね。

       
            (わが家のスピーカー。デカいので横置き)

ビクターはこのウッドコーンの技術をヘッドホーンにも展開し、本体と振動板に木を使った製品を発売しています。
わが家のリビングルームには20年以上前に買ったバカでかいスピーカーが鎮座しています。昔流の3wayですが、おそらく3つとも紙でしょう。そろそろ換え時かな~?
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びっくり!エコ百選

2008年08月25日 | 木と楽器
先週、京都の島屋で「びっくり!エコ百選」という催しをやっていたので、市内に出たついでに覗いてきました。
子どもには環境系のクイズやゲームで遊んでもらい、大人には各企業のエコ商品やNPOの活動を合計100点紹介するというイベントで、東京でも開催されたようです。

       

私の目はどうしても木材関連の展示物に引き寄せられます。中でも、オークヴィレッジのコーナーでは足が止まりました。
オークヴィレッジは飛騨で家具や木工品を製作しているグループで、主宰者は稲本正さん。木に興味を持ち始めた頃、この人の著書を何冊か読んで勉強しました。ここの商品はデザインもいいし、コンセプトがはっきりしていて、ついつい買いそうになります。

       

子どもでもないのに「欲しいな~」と思ったのは、上の木琴。ケヤキ、カエデ、ナラ、ヒノキなど異なる樹種で2オクターブ分の木片が並んでいます。1個ずつ音色が違うので、楽器としてはどうなのか知りませんが、子どもたちはそんなこと気にせず弾いていました。私もポロンポロン鳴らしてみましたが、いちばん気に入った音色はトチノキ。

       

もう一つは、白川郷の合掌造りのようなジャングルジム。これは商品ではなく、木の温もりや香りを子どもたちに実感してもらうために、間伐材で作ったイベント用の構造物。ここでも子どもたちはワイワイ言いながら遊んでいました。

       

新製品の木鈴も展示してありました。土鈴の木工版。中に何かの粒が入っていて、振ると可愛い音が鳴ります。これもさまざまな樹種がそろっていて、女性に喜ばれそう。
オークヴィレッジはビジネスも上手で、期間中は一つ下の階で特別コーナーを設けて展示即売会をやっていました。もちろん私も見に行きましたが、手が出そうになる気持ちをグッと抑えて帰ってきました。
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マリンバと馬頭琴

2008年01月18日 | 木と楽器
京都では毎月21日に東寺の「弘法さん」、25日に北野天満宮の「天神さん」の市が立ちます。それに習って、宇治でも去年の秋から万福寺で毎月8日に「布袋さん」が開かれるようになりました。先日、妻とその友人の3人でブラッと覗いてきました。
市そのものは小規模でしたが、このお寺が煎茶道の拠点になっている関係で、先生にお茶を入れていただいたり、金堂の前で行われたコンサートを聴いてきました。

       

以前ご紹介しましたが、この金堂はチーク材が使われていて、木材業界では有名な建築物です。その前で、第1部はマリンバと電気ピアノのデュオ、第2部ではモンゴルの馬頭琴とホーミー(同時に2つの声を出す歌唱法)のコンサートが行われました。
みなさんも小学生の頃に木琴を演奏したことがあると思いますが、マリンバも木琴の一種。NHKの「きょうの料理」で流れる曲がマリンバです。

       

マリンバに使われているのは、南米のホンジュラス産のローズウッド。コンサートが終った後に演奏者に尋ねたら、「現在は輸出禁止になっているので、国内の在庫分しか新しいマリンバは作れない」とおっしゃっていました。
ヤマハのホームページによると、木材が入手困難なため、現在はFRP製のマリンバも開発されているとか。ちなみに、私たちが子供のころに演奏した木琴はカツラかホオノキ製。

       
       (楽器も音楽もモンゴル製ですが演奏者は日本人)

馬頭琴とホーミーはテレビで観たことはありますが、生で聴くのは初めて。ゆったりとした音の流れが心地よく、日本の伝統音楽に近い世界でした。
共鳴箱や棹、名前の由来になっている馬の頭の彫刻などは木製で、2本の弦も弓の弦も馬の尻尾の毛。後で調べたら、木材は内モンゴルではマツ、外モンゴルではシラカバを使うようです。
この日の演奏者は、表にヤギの皮を張ったものを使っていましたが、最近は表にも木を使ってバイオリンのようなf孔をつけたものが多いそうです。

       
           (馬頭琴のヘッドには名前のとおり馬の彫刻が)

最後にマリンバ、電気ピアノ、馬頭琴が即興でセッションをしてくれました。南米産の木の楽器とモンゴル産の木の楽器が、東南アジア産の木の建築物の前で音楽を奏でる。「インターナショナルやな~」と思いながら聴いていました。
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木のオーケストラ-②

2008年01月11日 | 木と楽器
宇治市には「宇治シティーフィルハーモニー」という管弦楽団があります。プロ、音楽の先生、京都芸大の卒業生など宇治在住のメンバーが集まったアマチュアの楽団です。
昨年の年末、久しぶりにその定期演奏会に行ってきました。前売りなら500円でクラシックが聴けるありがたいコンサートです。やっぱり、生の音楽はいいですね。

       

全80人の団員のうち57人が弦楽器と木管楽器。オーケストラの7割は木の楽器ということです。
バイオリンやビオラ、チェロなど弦楽器に使われている木はドイツトウヒ。以前、ピアノの記事でもご紹介しましたが、楽器にはなくてはならない大切な木です。
名器と呼ばれるストラディバリウスに匹敵するバイオリンを製作するために、ロシアが独自の音響測定法で研究したことがあります。その結果、220年前の建築物を壊して得たトウヒを使ったら、よく似た振動特性が得られたそうです。トウヒなどの針葉樹は200年くらいまでは時間経過とともに木部の結晶性が高まり、振動特性が良くなるらしいです。

            
      (ドイツトウヒ。クリスマスツリーも元はこの樹でしたが今はモミ)

専門的なことはよく分かりませんが、オーケストラのピッチはA音が440ヘルツと決まっているのに、ボストン交響楽団は443ヘルツ、フィラデルフィア交響楽団は444ヘルツと、古いバイオリンをたくさん持っている楽団ほどピッチが高くなっているとか。

       
           (ピアノの先生の家にあった古いチェロ)

ドイツトウヒが使われているのは表板だけで、裏板や側板、ネックはカエデ。以前ご紹介したギターと同じで、表は針葉樹、裏は広葉樹という組み合わせです。また、指板や顎あてにはコクタン、糸巻にもコクタンやツゲなどの硬い木が、弓にはペルナンブコというブラジル産の木が使われています。
ピアノの記事に「木のオーケストラ」というタイトルをつけましたが、バイオリンも同じで、いろんな木が響き合ってあの美しい音を出しているんですね。
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スペインとザクロ

2007年06月11日 | 木と楽器
以前、ピアノの記事を書くために鳥仲間のピアノの先生宅へ行ったとき、スペイン土産のカスタネットも見せてもらいました。フラメンコのダンサーが手につけて踊る例の楽器です。このカスタネットの素材はザクロ。

      
          (親指にはめて、4本の指で叩くそうです)

スペインとザクロは縁が深く、スペインの国の木に選定されています。また、アルハンブラ宮殿で知られるグラナダという古い街がありますが、Granadaはスペイン語でザクロの意味です。
スペインの特にアンダルシア地方にはザクロがたくさん自生していて、花を愛で、実を食用にし、木材はカスタネットをはじめさまざまな道具に使う、言わばザクロ文化圏を形成しているようです。

      
        (ちょうどいま、あちこちでザクロの花が咲いています)

カスタネットにはザクロのほかツゲ、クルミ、コクタンなど堅い木が使われていますが、木は寒さや乾燥で割れることもあるので、最近は気温の変化に強いグラスファイバー製のカスタネットも出回っているようです。

      
           (いかにも堅そうなザクロの幹)

先日、テレビ番組の雑学クイズで、「小学校で使うカスタネットが赤と青に塗り分けられているのは何故でしょう」という問題があって、「どちらか1色にすると男女の数が合わないことがあるので、どちらでも使えるように赤と青でセットにした」という答でした。
あの赤と青のカスタネットはザクロではなく、多分ホオノキとかブナなど軽くて入手しやすい木だと思います。懐かしいですね、私もカチャカチャた叩きました。
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木のオーケストラ

2007年05月09日 | 木と楽器
4月25日のギターに続いて、「木と洋楽器」のパート2はピアノです。
私が木に興味を持ったのは、植物としての不思議さもさることながら、材としての用途の多彩さに感心したからです。例えば、ピアノは響版にドイツトウヒ、鍵盤にバスウッド(シナノキ)、絃を叩くハンマーにシデ、木枠にはカエデが使われていると本に書いてあります。その細分化された用途に、自然の創造とそれを活用する人間の知恵の偉大さを感じて木の世界に引きずり込まれました。

      
      (ピアノの響板は産地によって名前が違うものの全てトウヒ類)

その耳学問を確かめるために、先日、鳥仲間のピアノの先生を訪ねてきました。驚いたことに、そのレッスン室にはグランドとスタンドの2台のピアノのほかにチェンバロ2台、電気ピアノ1台、なぜかチェロも2台置いてありました。
ピアノの最も大切なパーツは弦の音を共鳴させる響板。その先生がメーカーに確認したところ、「ドイツ製のスタンドピアノはドイツトウヒ、ヤマハのグランドピアノはスプルース」だそうです。スプルースはドイツトウヒを意味したり、北米産のトウヒを意味したり、あるいはトウヒ属の材木を総称することもあります。また、日本産のアカエゾマツ(マツ科トウヒ属)もピアノの響板に使われています。いずれにしても、響板はトウヒ類と決まっているようです。

      
    (ドイツ製のスタンドピアノ。響板はドイツトウヒ、鍵盤はスプルース)

次は、鍵盤。本には「日本ではアカエゾマツ。欧米ではバスウッド(アメリカシナノキ)を、狂いを防ぐために凍結した丸太から製材し、天然乾燥して使う」と書いてあります。先生のピアノはグランドもスタンドもスプルースだそうです。昔は白鍵には象牙、黒鍵にはコクタンを使ったそうですが、今では望むべくもないでしょう。

      
      (ハンマーはカエデ。硬い素材がいいようです)

絃を叩くハンマー(アクション部)について、本には「シデ、カエデ、ツバキ」とあり、先生の確認でもカエデということでした。また、絃の張力を支える木枠(ボディ)は強さが必要なので、現在はカエデやケヤキ、ブナなどの合板が使われているようです。
カワイのホームページによると、最近は黒いピアノだけでなく木目を生かしたピアノも人気があり、それらはマホガニー、ウォルナット(クルミ)、チェリーなどの化粧材が使われているとか。
「ピアノは楽器のオーケストラ」と言われるそうですが、私にとっては木のオーケストラです。
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マツVSヒノキ

2007年04月25日 | 木と楽器
これまでに太鼓や琴など和楽器に使われる木を紹介しましたが、洋楽器にもいろんな木が使われています。
下の写真は友人のクラシックギター。スペインの名門、ラミレス製です。もともとギターの表板はスプルース(マツ科)が常識だったらしいですが、この名門家のラミレス3世が1963年にレッドシダー(ヒノキ科)のギターを作って以来、著名なギタリストもレッドシダー製のギターを使うようになったそうです。あのナルシソ・イエペスもラミレスのレッドシダー製で日本公演したとのこと。

         
     (ヒノキ科のレッドシダーを使ったラミレスのギター)

スプルース製はクールで透明感があり、キラキラ光るような音、レッドシダー製は音量が豊かで、音色が柔らかくて甘いそうです。友人はスプルース製のギターも持っていて、「音質は全く違うけど、良し悪しではなく好み」だそうです。
楽器に使われるスプルース(材木名)は、植物名で言うとヨーロッパトウヒ(またはドイツトウヒ)で、バイオリンやチェロの表板にも使われます。一方、レッドシダーは北アメリカ産の木で、材木の世界ではスギでもないのに「米杉(ベイスギ)」と呼ばれています。建材としても有用です。

      
     (マツ科のスプルースを使ったギター。こちらは日本が誇る河野製)

現在のギターの世界はスプルース(マツ)派とレッドシダー(ヒノキ)派に分かれているようで、それほどラミレス3世はギター史に大きな足跡を残したと言うことです。
表板は両派に分かれていますが、裏板と側板はローズウッド(マメ科)と決まっているようです。中でもブラジル産のローズウッド(別名ハカランダ)が最高で、写真のギターもハカランダ仕様。現在はワシントン条約で輸出が規制されているので、ハカランダを使ったギターは150万円以上するそうです。

      
        (裏板はブラジリアンローズウッド=ハカランダが最高)

バイオリンの裏板もカエデなどの広葉樹。弦楽器の場合、表板は軽くて柔らかい針葉樹、裏板は重くて硬い広葉樹というのが共通のようです。
また、指板にエボニー(黒檀)が使われるのも、ギターとバイオリンの共通点です。
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チョ~ン!

2007年03月12日 | 木と楽器
子どもの頃、「マッチ1本火事の元、火の用心!」と言いながら拍子木を打ち鳴らして夜回りしたことがあります。紙芝居のおじさんが鳴らしていたのを覚えている方もいるでしょう。今はほとんど見かけませんが、大相撲や歌舞伎で使われる拍子木の音をテレビなどでたまに耳にします。

      

上の写真は消防団員の友人に送ってもらったもの。現在も夜回りに使っているそうで、かなり使い込まれていますが、新しい拍子木よりもいい音がするとのこと。
拍子木にもいろいろ種類があって、この夜回りに使われるのはシラカシ製。硬くて重い材質なので、木刀やカンナの台などにも使われます。歌舞伎で使う拍子木もシラカシで、樹木の産地まで指定されているそうです。
カシと言えば関西ではアラカシ、関東ではシラカシを意味するくらい分布が異なるため、私も自生のシラカシは見たことありませんが、関西でも街路樹やマンションの緑地などによく使われています。

      
        (大阪の本町通りの街路樹もシラカシ)

大相撲で使われる拍子木はヤマザクラ。カシの拍子木は金属的な乾いた音がする一方、サクラは染みるような澄んだ音がするそうです。
歌舞伎や相撲など日本の伝統文化の中では、拍子木のことを「柝(き)」と呼び、打ち鳴らすことを「柝(き)が入る」と言います。
拍子木の断面は正方形ですが、どの面で打っても同じ音がするわけではなく、それぞれに振動数が違うそうで、2本の相性によっていい音と悪い音があるそうです。
シラカシやヤマザクラのほか、紫檀や黒檀など高価な材料で作った拍子木もあります。
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ドド~ン

2007年01月26日 | 木と楽器
日本の祭には和太鼓が欠かせません。私も小さい頃から太鼓が好きで、お祭が近づくとワクワクして、食卓の茶碗を箸で叩いてはおばあちゃんに叱られていました。それでも太鼓好きが抑えられず、高校では軽音楽部(言い方が古いな~)でドラムを叩いていました。

      

和太鼓の胴には普通ケヤキが使われます。太いケヤキをくり抜いて作るのですが、最近は胴にするような巨木がなかなか手に入らないそうです。
ケヤキ材の特長は、ダイナミックな木目。年輪が明確なので、力強い模様を描きます。太鼓と関係ないですが、ニュースで日銀の記者会見が報道されると、福井総裁の後ろに大きな木目の立派な板壁が映るのですが、あれは多分ケヤキだと思います。
太鼓にはケヤキのほかセン(ハリギリの材木名)も使われます。胴の壁が硬いほど反響する時間が長くなり、残響を生み出して迫力のある音になるそうです。
皮は黒毛和牛の牝牛のもの、バチにはホオノキ、ヒノキ、カシなどが使われます。
日本にはこの和太鼓のほかに、独特の形をした鼓があります。こちらの胴はサクラが最上とされ、皮は生後3ヵ月の子馬の背の部分を使うそうです。先日、琴の話を書きましたが、木と楽器の関係もなかなかおもしろいです。
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