樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

シャボン玉売り

2012年11月15日 | 木と子ども
先日、ムクロジの実で作った洗剤をご紹介しましたが、ある人から「昔はムクロジの実で作ったシャボン玉を売る商売があった」と教えていただきました。
調べてみると、シャボン玉を吹きながら売り文句を唱え、子どもたちにムクロジの実で作った石鹸液とストローを売る「サボン玉売り」が江戸時代から明治にかけてあったようです。
その売り文句が、江戸では「玉屋~、玉屋~」、大阪や京都では「ふき玉やサボン玉、吹けば五色の玉が出る~」。キャッチフレーズとしては関西の方が優れていますね。
三都とも夏の風物詩で、特にお祭りの日はよく売れたそうです。このシャボン玉売りは日本舞踊の「玉屋」という作品にも残っているとか。
わが家ではムクロジの洗剤が却下されたので、シャボン玉を作ってみました。



ムクロジが子どものおもちゃに使われたのはシャボン玉だけではありません。種は羽根つきの羽根に使われました。下の写真はたまたま現在、宇治市歴史資料館で開催されている「子どもたちの近代誌」の展示品。



今ではほとんど見られなくなりましたが、昔はお正月になると「カチーン、カチーン」という羽根つきの音が聞こえてきました。ムクロジの種は硬いので、この羽根のほか数珠にも使われます。お寺の境内にムクロジの樹が多いのはそのせいかも知れません。
下の写真は、あるイベントで展示されていたムクロジの種。葉っぱと実も並んでいます。



ちなみに、羽子板の方の材はキリ。子どもが手に持っても軽いからでしょう。現在は遊びよりも装飾用として豪華な羽子板が作られています。
埼玉県の春日部市がその主な産地らしいですが、ここはもともと桐箪笥の産地であったことから、端材を利用して羽子板を作ったようです。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国旗でバードウォッチング | トップ | 飛行機でバードウォッチング »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (guitarbird)
2012-11-18 09:04:07
こんにちわ
あの羽根つきの「玉」がムクロジだったのですね。
ということはある程度硬いものかなと思う反面、羽根つきはおそらく正月くらいしかやらないだろうから、正月の間持つくらいの硬さであればいいのかな、そして毎年作ればいいのかな、とも思いました。
久しぶりに羽根つきをしたくなりました、今度どこで買えるか探してみようかな(笑)。
返信する
ムクロジの種は (fagus06)
2012-11-19 06:18:23
とても硬いです。多分、羽根つきの羽根も何年も持つと思います。数珠にも使うくらいですから、耐久性はあるでしょうね。
今度のお正月は、弟さんとぜひ羽根つきをしてみてください。大の男2人が羽根つきしていると、違和感あるかも知れませんが(笑)。
返信する
初めまして (yoh)
2013-06-23 01:58:27
ふと「江戸時代にもシャボン玉があったんだろうか?」と疑問に思って調べてみたら、ここがヒットしました。ありがとうございました。

どうやらシャボンの語源はポルトガル語らしいですね。
返信する
yoh様 (fagus06)
2013-06-23 09:06:57
わざわざコメントをいただき、ありがとうございます。
昔のことを調べるのはおもしろいですね。私も大好きです。
「シャボン」はポルトガル語なんですね。
このムクロジの実やエゴノキの実に含まれている成分は「サポニン」と言うそうですが、多分、語源は同じでしょうね。
返信する

コメントを投稿

木と子ども」カテゴリの最新記事