「村祭り」は小学校のころには習ったと思う。いかにもお祭りらしい響きが今も耳に残っている。知っているうちに記しておこう。最近はこの歌を聞かなくなった。
村の鎮守の神様の 今日はめでたい御祭日
どんどんひゃららどんひゃらら どんどんひゃらら どんひゃらら 朝から聞こえる笛太鼓
年も豊年満作で 村は総出の大祭
どんどんひゃらら どんひゃらら どんどんひゃらら どんひゃらら 夜まで賑わう宮の森
稔の秋に神様の 恵み仰ぐや村祭
どんどんひゃらら どんひゃらら どんどんひゃらら どんひゃらら 聞いても心が勇み立つ
残念だが歌にあるような祭りは記憶に無い。子どものころの見た祭りは町内の中央にある社に大きな幟が飾られ、行灯が広場を取り囲む。その行灯には墨で描かれた時代物の絵が貼られ、夜には蝋燭がともされる。
社の広場に舞台が作られ芸自慢の大人が持ち芸を披露する。ラジオしか娯楽のない時代、大きな拍手が起こっていた。今思えばそこは町内の寄り合いの場でもあったのだろうか。
氏神様は長い石段の上に社がある。初詣の時はそこまで上る。石段の数は変わらないのに時間は少しずつ延びている。早朝ウオーキングの途中、石段の麓から「昨日の無事に感謝し今日の安泰を願って」拍手を打っている。
鎮守と産土神を含めて今は氏神と呼ぶそうだが、地域のこうした伝統を継承するのは困難な時代になっている。それでも後世へと力を注がれる人に心から感謝したい。喧騒の中でふと休まるところが鎮守の森かもしれない。
(写真:氏神様の祭礼を告げる幟と行灯)
(ぽちっと押してください)