日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

山女は焙る

2009年11月10日 | 地域
               

国道2号線から山合を抜けるカーブの多い道に入る。といってもこの地域唯一の幹線道路で国道を示す逆三角形で青色の標識にそのNoが記入してある。ヘアピンのようなカーブもいくつかあり、気を使いながらも楽しめる国道だ。

道筋は稲刈りの終わった田がひと休みしている。すすきの茂った休耕田が増えたかな、思いながら車を走らせる。しばらく進むと何本も並んで立てられたピンク色の旗が広場へ誘導する。

車から出ると、こんがりと焼けたこうばしい匂いが漂っている。初めてそれを食べたのは何年か前、久しぶりの匂いに誘われるように近づく。思ったとおりの姿で山女の塩焼きが並んでいる。

青竹の串にさされたそれは1本300円。値段は変わっていない。身は淡白な味だが引き立てる塩のまぶし方がいい。食べ終わるには数分とかからない。食い気が強すぎたのか「もう1本?」と進めらた。

「満足」と言うと「これを味わってみんさい」とどんぶりから数ミリくらいの丸い粒をスプーンですくって手にのせてくれた。「山女の腹を割いて取り出した卵をイクラ風にわが家で味付けした」という自作の食品。ちょっと甘みのある卵に醤油味のそれは熱いご飯に合うと思った。ちょっと生臭いところもいい。

焼け具合を見ていると年配の人が問わず語りに教えてくれた。養殖池からすくいあげて内蔵を出し、塩もみして滑りなどを取り除く。串にさし、塩をして、あとはジックリと強火の遠火で焙る。焼くのではない。

うま味を逃がさないで味よく焙るコツは炭火の強さを一定に保つ、そのとき早く焼こうと焦って火に近づけないことがポイントという。火に近づけすぎて焦げたら只の焼き魚。ヒレが焦げないように化粧塩で守るのは常識。

広場への車の出入りは頻繁で、集落の何倍もの人がやってくるだろう。モチや野菜を売るテントからのおばさんたちの呼び声にも張りがある。

(写真:焙り終えられた山女)
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コメント (6)
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