泥人

2012-12-30 00:00:05 | 美術館・博物館・工芸品
リビングボードの中に、色々なものがランダムに並んでいるのだが、その中の一つに、「いかにも中国」というような小さな人形がある。高さは10センチ弱。



中国の色彩というのも独特で原色の赤や黄色は、いかにも風水上、お金持ちになれそうな予感がある。

ところが、この色彩をディズニーランドに持ち込むと、まったく似合わない。日本でこそ風水的色彩が意味をなすのであって、中国ではこの色彩は当たり前で、こういう色彩に囲まれると、「金儲け至上主義」に陥ることになるのではないかと、心配になるが、既に手遅れかもしれない。


それで、この人形だが、何の予備知識もなく、ネット上で調べているうちに、『泥人形』ではないかと思い始めた。

実は、『泥人形』というコトバは知らなかった。(というか、泥でできた人間の姿をした怪物が大暴れする東欧の伝説があったような気がする)

この美しい人形が『泥』とは、いかなことだろう。さらに、中国語では、ずばり『泥人』と書くようだ。それこそ怪物だ。

さらに、この泥人形のことを調べると、生産地によって2種類あるようだ。

一つは、「天津泥人形」。これは、清代に始まったということで、約200年の歴史があるそうだ。何千年の歴史ということではなく、ほっとする。

これに対し、「こちらの方が歴史がある」と主張しているのが、「恵山泥人形」。こちらは明代からの400年の歴史があるそうだ。

製法は、どちらの地域でも、粘土に綿花を混ぜ込んで、成形してから、窯で焼くのではなく、天日干しにする。そして日干し煉瓦のように乾かしてから筆で着色するそうだ。

そのため、陶磁器のような微妙な色合いではなく、いかにも風水的な色彩を楽しむことができるようだ。


ところで、この自宅の人形の来歴をよく覚えていない。歴史的には、いくら古くても400年以内ということになるのだが、たぶん、どこかの空港で、あまった小銭とかで買ったのではなかったかとか思い出すわけでもないのだが、一体500円以下のような気がする。

300年ほど後世の美術品愛好家のために、大事にしておくことにするが、大事にし過ぎると、一緒に箱詰にされた上、壺詰めされかねない。天日干ししたものを、焼き直すと、陶器になるのだろうか。それを想像すると、ちょっと嬉しい。


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