不思議の国のIKEA

2006-09-17 00:00:27 | マーケティング
74baa17a.jpg「待ちに待った」ではなく「待たされに待たされた」”IKEA”が、自宅近くの横浜港北インター前にオープン。開業2日目の9月16日に行ったが、・・・

たいして宣伝もしないのに、店内は人で充満。その割りに駐車場には隙間がある。駐車場待ちになることは、今後もなさそう。何しろ、屋上駐車場に入ったのだが、1階まで降りるエレベーター、エスカレーター、階段、すべてに列ができている。もちろん早く行っていいことなどないから、誰も慌てない。やっと店舗のある1階へ降りると、買い物システムが複雑。およそ予習していたのだが、ショッピングリストというメモ帳に、買いたい商品の番号を書いておき、最後に倉庫エリアで棚から何としてもカートに積み込み、レジを通してからクルマで自宅に持って帰り、組み立てる。そんな感じだ。小物は売場で備え付けの黄色い袋に放り込み、自分でかついで持ち歩く。レナウンやオンワードのバーゲンと同じだ。

ところが、カートなど押して歩くことはほとんど困難。朝8時50分の東京駅と同じだ。推測だが、同時時間帯に1万人位入っているのではないだろうか。1日4回転で4万人。3連休で10万人といったところかもしれない。浜っ子はこういうのが大好きだ。

さて、家具店は自分の必要なものを買うのだから、本来、目的売場に直行するのが普通だが、簡単にはいかない。一応、ガイドラインの矢印が床に書かれているが、人が多すぎてよく見えない。さらに、面白いものがあって横道にそれると、どこにいるのかわからなくなり放浪しなければならない。エリア毎(キッチン、キッズ、・・)に仕切ってある場所もあり、そこに入ると中に小さな入口がついていたりして、さらに場所がわからなくなる。すいている方を選んで歩いていたら、トイレブラシの山の前に出てしまった。万博会場のアフリカ共同館みたいな話だ。

それで方針を変えてメインコースに戻ろうとすると、大半の人と逆行してしまい、猛烈に歩きにくい。また、小部屋エリアに逃れて放浪すると、またもトイレブラシにたどりつく。不思議の国のアリスみたいだ。

そのうち、何も買わないで空の袋をかついでいるとはずかしいので、何か買おうと思うが、だいたい予想していたような展開になっている。安い家具はかなり安っぽいし、中ぐらいの家具は普通の値段だし、非常に高いものはない。

中ぐらいのものの中で、お勧めは、皮のソファー類かもしれない。普通の皮を使っていて、安っぽくはない。ただし、滑らかとか肌触りは、あと一息というところかな。革靴でたとえると、6,000円というのでも20,000円というのでもなく12,000円の靴といった感じだ(これは例であり、靴は売っていない。)それと、足付きテーブルは比較的良さそうだった。もう一つ挙げると絨毯類。やや高いが、本場風の4畳程度の絨毯が10万円位。品質、手触り、問題ないのだが、一つ気がかりは、素材のところに、「羊毛、毛」と書かれていること。羊以外の毛も使っているということなのだろうか。それは何だろう。まさかQBhouseと提携?。

実は、一つ探していたものがあった。ワインラック。結局、みつからなかった。以前、大塚家具でも探したのだが、日本では売れないものなのだろうか。

74baa17a.jpgそれと、店内には、こどもが非常に多い。地元の小学校は運動会の日だと言うのに商圏範囲が30キロくらいなのだから集まってくる。ところが、こどもに対する配慮が今ひとつというところがある。あるエリアでワードローブの良さそうなのがあったので、開けてみたら、中から手品のように小さなこどもがでてきた。やはりアリスかな。ちょっとあぶない。さらに、冒頭に書いたショッピングリスト用の鉛筆は各自持ち歩くことになっているが、ちょうど大人の手の位置にこどもの顔が近い。さらに屋上のエレベーター待ちの空間のすぐ前まで駐車場が設定されているが、人とクルマが近すぎる。さらにキッチン用品ではIKEAマークの刃物(ナイフや包丁)を売っていたが、買う人いないから置かない方がいい。

店長はスウェーデン人女性(1階の入口のところでスタッフと談笑していた。会話が何語かは不明。)なので、このブログを読むことはあり得ないので、各自注意されたし。

そして、小物中の小物のようなポプリ2袋、食器棚の中敷1.5メートルを2本。コルクの鍋敷3枚セットを袋に放り込む。買物終わり。そして、商品の生産国を調査してみる。結構、そういう調査みたいなことをしている人が多い。日本は第三次産業従事者が60%から70%近くいる大商業国家なので、多くの人がマーケティングやコスト調査が好きだ(第三次産業が多い理由の一つは役人天国ということもあるが、その話は省略)。

なかなかいい、と思った繊維関係は、ほぼインド製。簡単な工業製品は中国製。ちょっと細工が入っているのがルーマニア製。さらにデザインが入っているのがスウェーデン製というところだ。実は、日本製もある。システムキッチンやAVセットに組み込まれた家電。HITACHIだ。しかし、日本人は中国製は嫌というほどデフレ時代にお目にかかっているので、すぐ見抜いてしまう。ちょっと心配。

新たな興味は、数ヵ月後に、店内のレイアウトや展示アイテムが、売上げを見ながら変えられるのか、あるいはまったく変えないで、世界共通のイケアスタイルを押し通しているか。どちらもあり得る。


74baa17a.jpgそして、レジに行くと、ポリ袋がない。紙袋20円というのもあったが、大きな青いショッピングバッグがあった。70円。実は、このあたりのスーパーにはポリ袋有料店が多い。この威圧的な青い袋は、1週間位は目立つだろう。きょう一番のお気に入りを追加。そして巨大に装置化されたレジシステムで計算すると2,000円と10円玉が2個。予算内だ。レジの外には軽食コーナーがあってホットドッグ100円なのだが、ここも列が長い。ついでにトイレの列も長いし、男女共用トイレなので、男も並ばなければならない。


さて、自宅に帰って、いつものバーゲンのように和室に商品をぶん投げて、買ったものを調べると、ポプリと中敷ロールがインド製、コルク鍋敷が中国製。そしてショッピングバッグはベトナム製だった。アヘン戦争もこうして始まった。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿