「法人円」と「個人円」

2004-10-14 15:40:39 | マーケティング
48c05bcd.jpg10月13日の12時と言うと、産業再生機構がダイエーに対して時間切れ通告を出したあと、あちこちからの圧力を受けて12時間の延長戦をもうけた最終的タイムアップ時間だ。正午を過ぎても港区浜松町のダイエー東京本社での交渉は続く。ダイエーも再生機構もやりたくないもの同士なので話しても進展しないだろう。UFJは融資先でありながら、過半の株を抑えているわけでもなく、高木社長に圧力をかけようとしても「クビ」にする権限はなく、「融資打ち切り」のカードしか使えないが、米ソ冷戦中の水爆みたいなもので、いきなり倒産し、大量の失業者と巨額の損失があちこちに発生する。

ところで、会議が延々と続くと、出席者の昼食の心配などしてしまう。ダイエーともあろうものが弁当の心配などする必要はないのだろうが、1階の店舗で生もの売っていたかな??現金で払うのだろうか?まさか他系列のコンビニ弁当ではないだろう。

というのも、その浜松町の事務所から1キロほど離れたところで、同じ時刻にビジネスランチだった。もちろんダイエー問題とはなんの関係もない。何気なく雑談風に、寿司屋で40分間の情報交換という感じ。

ところで最近ビジネスランチの店が激減している。原因は、「経費節減」、「役人接待の厳禁」、「ビジネスランチ店の減少」などのわかりやすい理由があるが、もう一つの理由としてIT化が進展した結果”対面ビジネスの減少”という側面がある。たしかに顔を合わさずとも、たいていの一般的なビジネスは済ますことができる。NETやFAXでたいていのものは送れる。たいていの事務所は静かだ。メールのためにキーボードをたたく小さな音が、カチャカチャするだけだ(もっとも、その半分は私用メールみたいだが)。

しかし、対面しなければできないようなビジネスシーンもある。「価値創造」に近い部分だ。「WIN=WIN関係の構築」ということもできる。つまり定型的なビジネスに入る前のシナジーの部分の打ち合わせなどである。相手企業のおかれた背景とか都合などを知ることにより理想的なプランに近づくことができる。「価値創造」の話しはおいておくが、直接会わないと分らないことは数多く存在するので、ビジネスランチそのものがなくなることはないだろう。しかし、かつては相場が一人2,500円から3,000円くらいだったのに、今は1,500円前後になっているように思える。
このビジネスランチの大衆化という傾向を考えると、「法人円」と「個人円」という話になっていく。特に、港区、中央区、千代田区は法人向け店舗と個人向け店舗が分離していたわけで、同じ内容の食事でも何倍も値段が違っていた。払う財布が違うからである。法人か個人か。ところが、大変いいことなのだが、小さな会社が元気で、大きな会社が病気になっている時代になってきて、法人円と個人円の中間層が増えてきたのである。それが1,500円価格帯であるのだが、結果として法人円が切下げになっただけということもできる。一方、本当に密室でこっそり話しをするという要件はあるのでそういった高額ランチは存続するのだろう。まあ、隣の人に聞かれても困らない程度の話しであるなら、1,500円というのが妥当なものなのだろう。

こうして、「法人円」という特殊換算レートは午後5時までの時間帯では、ほぼ消滅なのである。


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