巨人は生物か?

2021-05-24 00:00:19 | 美術館・博物館・工芸品
横浜戸塚区のアパート天井裏から体長3.2mのアミメニシキヘビが保護された翌日(5月23日)、今度は神奈川区の公園で、体長1.3mのイグアナが保護された。ヘビと異なりイグアナは草食性なので、食われることはないそうだ。草食男子は危ないかもしれない。

どうも横浜市は爬虫類サファリパークになったのかもしれない。ヘビ、トカゲとなれば残るはカメとワニ。カメは川には沢山いるが、さすがにワニはいないはず。アメリカでは一時、下水にワニが住み着いて大問題になったり、ゴルフ場の池にいたりする。

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そして、横浜を代表する高層ビルのランドマークタワーの一階の広場に、見慣れぬ物体が二個置かれている。一つは全身で怒りを表現している巨人。もう一つは、怒りに燃える巨人の頭部だ。

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近づいてみると、「進撃の巨人×ランドマーク」となっている(~6月20日)。ついに終結した漫画『進撃の巨人』の一億冊販売記念でもあるそうだ。巨人という言葉が好きじゃないので、今まで気にしていなかったが、突如現れた人食い巨人族に人類が追い詰められ、鉄壁の城壁の中で、細々と暮らしているそうだ。古い映画だが『猿の惑星』シリーズがそうだった。猿が世界の中心で、人間は捕まると、殺されるか奴隷にされる。

では巨人の生態はというと、よくわからない。鉄腕アトムは金属製だったので生物ではないが、巨人族は哺乳類なのか、あるいは爬虫類なのか。あるいは別物か。臍があるかどうかを調べればいいのだが、近寄ると食われる。致命傷を負うと、死体になるのではなく、ガス化して消える。見る者の心の奥深で眠っている恐怖心が集団幻覚を起こしているのかもしれない。逃げることのできない、大きな悪の前で怯える人類の幻視なのか。つまりナチスドイツとか帝国の皇軍といった抑圧存在の象徴か。ピカソのゲルニカとか。

展示された構造物について、もちろん触ったらいけないので離れた場所から観察してみると、石を掘った物ではなく、石膏でも彫像でもないし、木製(木彫)だろうか。

帰宅してから、調べると思いがけない物質だった。

バルーン。つまり風船だ。巨人の中身は空気だったわけだ。だから亡くなるとガスのように消える。人を食うのは、いつも空腹だからだ。