中吊り小説

2021-05-04 00:00:58 | 書評
1990年から1992年にかけてJR東日本の通勤電車内の中吊りに、さまざまな作家が短い小説を書いていたそうで、全19作をまとめて新潮文庫になっている。

自分のことを考えると、ちょうど1990年からあとはJRを通勤手段として使っていないので、この企画についてはまったく知らなかった。日能研のテスト問題は東急かメトロの中でみたことがある。実際には、すごくよかったというのはあまりなかった。長編小説が好みになっているからかもしれない。といっても長編はそうたくさん読めるわけでもなく、400ページぐらい細かな文字で埋まったような未読の在庫本が何冊もマイ書棚の隙間に押し込まれている。



おそらく、好きな作家の文体を楽しむという程度に思えばいいのかもしれない。実際には、好みの作家である吉本ばなな、森瑤子、安西水丸、浅井愼平などは安心して読める。Amazonの書評でも大勢に批判されている後にAKBのプロデューサー氏、「自信がなければ引き受けなければいいのに」とまで親切に助言されている。こういうのを慇懃無礼というのかな。いや、ただの真実なのかもしれない。

掲載作は以下、
『新婚さん』吉本 ばなな / 原 マスミ 画|『解決主婦仮面』高橋 源一郎 / 松本 小雪 画|『別れの朝』阿刀田 高 / 和田 誠 画|『ある日。』椎名 誠 / 沢野 ひとし 画|『TOKYO物語』村松 友視 / 南 伸坊 画|『車窓越しの幻想』泉 麻人 / 渡辺 和博 画|『帰る』曽野 綾子 / みとま まゆこ 画|『幸せのお菓子』森村 桂 / 森村 桂 画|『心の風景』高橋 三千綱 / 大竹 明輝 画|『電車古典文学大系』嵐山 光三郎 / 安西 水丸 画|『背中』秋元 康 / 能登 文子 画|『あなたに似た人』森 瑤子 / 橋本 シャーン 画|『赤チンの午后』ねじめ 正一 / 植松 利光 画|『留守番電話』赤川 次郎 / 水田 秀穂 画|『東京走馬灯』和田 誠 / 和田 誠 画|『東京感傷列車』浅井 愼平 / 浅井 愼平 写真|『遠い夏』安西 水丸 / 安西 水丸 画|『街の風景』常盤 新平 / 宇野 亜喜良 画|『秋の風鈴』伊集院 静 / 長友 啓典 画