倉敷刀剣美術館で、聞いたこと

2015-10-04 00:00:26 | 美術館・博物館・工芸品
刀剣美術館といえば、東京の初台にあり、また岡山県では歴史的に戦国時代までは有名な産地であり、備前長船刀剣博物館には昨年訪問している。

今回は、倉敷の茶屋町という場所にある倉敷刀剣美術館へ。

kurato


実際、そんなに広いスペースではないが、日本刀や脇差が大量に展示されている。というか、ケースではなく、無造作に脇差が並んでいて、手に取ることだって可能だ。といっても手に取ったりはしない。何しろ、展示品の多くには、価格が書かれている。45万円とか38万円とか。

もっとも巨額と思われる太刀は、ガラスの中だし、価格表示もない。

通路は意外に狭く、最近、腰が痛いことが多く、急な激痛でよろけたりしたら、痛い目にあうだろう。血の海だ。さわらないように注意しながらも、転ばないようにあるかなければならない。

由緒ある刀は、「おためし」といって、罪人が処刑されたあと、死体を使って切れ味を試したりしている。死体を何重かに重ね、一振りでどこまで切れるかのテストを行う。フォルクスワーゲンの排ガス検査みたいなものだろう。

また、脇差は切腹にで使われたのだろうか。「葉隠」では、武士に生まれた以上、毎日、家の門を出た後、何らかの非条理があって、心ならずも「切腹を申し受ける」ことだってあると、武士の心構えを説くのだが、実際に、非条理によって切腹した武士はどれくらいいるのだろう。0.001%?。

たまたま、見学者は誰もいなかったので、以前から日本刀の展示で気になっていたことを、美術館の方に聞いてみた。

刀を展示するときに、上反りになった刃の方を上に向ける方法と、下に向ける方法。いったいどちらが正しいのか。


実は、意外な回答だった。

この美術館では、打刀(うちがたな)は刃を上にし、太刀(たち)は刃を下に向けるとのこと。ただし、別の基準もあるとのこと。

太刀というのは、ふつうの刀で、腰に鞘をぶらさげ、馬に乗る。刃は、下向きなのだが、打刀は、陸戦用で腰の帯に鞘をさす。刃は上を向いていて腰から抜いたら「直ちにバックハンドでたたきが始まる。

で、気に入った脇差があったのだが、買うか買わないか熟慮の末、やめた。

護身用というか、持っていると切腹させられるかもしれない。