GMSの行方とイオンの不思議

2015-10-27 00:00:23 | マーケティング
買い物の3%割引(キャッシュバック)につられてイオンの泡沫株主になっていて、送られてきた上半期(3-8月)の決算説明をみて考え込んでしまった。もっとも7&IでもGMS(総合スーパー)の粗利が、ほぼゼロというのだから同じなのだろうけど、部門別営業利益(粗利から人件費などの一般管理費を引いたもの)の部門ごとの差があまりに激しいことだ。

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まず、売上げは全体で4兆745億円のうち、総合スーパー部門が32%、小型スーパー及びディスカウント(マックスヴァリュー等)が36%で合計68%もあるのに、営業利益をみると、GMSは87億円の赤字、小型スーパー+ディスカウント部門が61億円の黒字で、合計では26億円の赤字である。

全体では723億円の利益というのに、他の分野はどうかというと、総合金融事業が273億円の黒字、ディベロッパー事業(ショッピングセンターの賃貸)が209億円の黒字、サービス専門店事業が164億円の黒字、ドラッグ・ファーマシー部門が82億円の黒字、小型店(ミニストップなど)が22億円の黒字というような内容だ。

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といって、GMSやスーパーをやめてしまうと、クレジットカードやワオンカードを使う人もいなくなるだろうから、おかずだけ食べて、ご飯を捨ててしまうわけにもいかないだろうか。

ワオンカードは5210万枚も発行している。私も2枚持っている。クレジットカードも2枚あるし、金利につられて、預金も他行から少しずつイオン銀行に移している。


ところで、イオンの不思議をいくつか。

個人的に、横浜と岡山の両方で生活していて、仕事で都内に行く時も多い。イオン銀行の問題は、都心にATMが少ないこと。東京駅、有楽町駅の周りにミニストップがないこともあるが、それだけのエリアの中で八重洲口のビルの上階の方に場違いに一台あるだけだ。

本来はミニストップを作るべきなのだろうが、簡単にできないならATM設置してほしい。羽田空港でもAYMを探すのに大苦労だ。岡山空港なんか堂々と一番目立つところにあるのに。


次の不思議だが、岡山県はイオン王国になってしまい、旧来のスーパーをイオン化しただけではなく、薬局チェーンも重複して複数あるし、「イオンカードなしでは生きていけない県」になっているのだが、残念なことに「おウチでイオン」というネットショッピングに登場する商品は、安物ばかりだし、小分けしたものも少ない。店員の方が、売り場から指定商品を箱詰するだけだから、店にある高い商品や小包装の画像を追加したって構わないはずだ。

たとえば2キロの無洗米なんてものもリストにないのでセヴンに走らないといけないのだが、商品を運んでくる元のイオンモール倉敷の店舗には何種類も置いてある。

もう一つの不思議が、子会社のミニストップ。私にとって最も大切なコンビニだ。世界最高のデザートがあり(特に夏)、ローソンにあるはずのLoppiもある。サプライチェーン上は、イオン系のスーパーが多い場所に沢山あるはずだが、イオン系スーパーが手薄な横浜市北部にはかなり多くのミニストップがある半面、イオン王国の岡山県には一軒もない。

さらに不思議な点は、株主の3%(大株主は5%)割引だが、利益のないスーパー部門では使えるのだが、利益幅の多いミニストップでは使えないわけだ。なんとなく使うとイオンをさらに赤字にしているようで、買い物を遠慮してしまう。