市ヶ尾横穴古墳群は絶景だった

2008-03-19 00:00:30 | 歴史
1d64a277.jpg歴史は好きだが、専門は江戸時代。6世紀とか7世紀とかはまったくの門外漢だが、ある用事で横浜市の市ヶ尾駅(東急田園都市線)に行った折、寄り道してみる。ある用事とは、個人的な確定申告で、この駅の南側に税務署があるからだ。そして北側にあるのが「市ヶ尾横穴古墳群」という遺跡とは、前から知っていたが、まったくイメージができていなかった。

西日本に行くと、結構、田園の中に、こんもりと殻付きピーナッツ状の丘が森になっていて、小型の古墳(円墳とか)が多いのだが、横穴古墳というコトバからイメージできるものは何もない。横穴に住んでいたのは先史時代の話ではなかったかと思うし、横向きに前方後円墳を作るわけにはいかない。さて・・・

1d64a277.jpgしかも、市ヶ尾の町は複雑なのだ。町が部分的に集落の塊みたいになっていて、広い道路も曲がっていたり、袋小路が多かったり、四角形を基本にはできていない。おおざっぱな地図を駅前でデジカメで撮影しただけなので、やや不鮮明。何しろ、目的地が、森なのか公園風なのか絶壁なのかもわからない。しかも隣地が小学校なのだが、小学校風の建物があると思えば、地区センターだったり、デイケアセンターだったり保育園だったり・・森があると思ったら、放置された私有地だったり、そして、ついに米軍通信施設まで発見。しかし、駅から10分以内にあるはずの目的地に到達したのは約1時間後。疲れた。。。

よく考えてみると、小学校の奥に隠れるように、その遺跡はあるのだが、古墳とは、要はお墓。地元民から言えば、墓地の隣に住んでいるとは、あまり公開したくない事柄なのだろうか。

そして、疲れた足にさらに厳しいのが、その横穴の場所。丘の中腹である。まあ古城めぐりよりは楽だろうか。山の中腹には、A群と言われる12の横穴とB群と言われる7の横穴がある。もっともA群とB群は数分しか離れていない。小高い丘の斜面に横穴を掘り、そこに近親者を埋葬したのだろう。遺跡からは人骨や歯が出土している。

横穴の形状は、穴の一番前に平らな部分があり、その先、やや上向きのトンネルになっていて、一番奥が墓室になっているそうだ。なんとなく、女性性器あるいは子宮と産道のようなイメージであり、産まれてきた逆コースで埋葬されるというイメージを喚起されるのだが、あまり深い意味がなく、単に雨が流れ込まないように穴を掘るからやや上向きトンネルになるだけなのかもしれない。

1d64a277.jpg研究によれば、豪農の家族の墓ではないかと思われているそうだ。この近くには稲荷山古墳群という地方豪族の古墳もあり、その二つの古墳群に関連があるのか、あるいはないのか。まだよく判っていないそうだ(来年の確定申告の際は稲荷山の方へ行ってみよう。

ところで、市ヶ尾横穴古墳群のB群の方だが、横穴の前に広がる視界はまったく良好。富士山や大山、丹沢が一望の場所である。古代人も現代人と同様、富士山の見える場所に墓を作りたかったのだろうか。

ところで、市ヶ尾の街中をうろうろしてから数日後。新聞に「市ヶ尾高校連続放火」という記事が載っていた。犯人はまだ捕まっていないようだ。事件発生の数日前に現場近くを歩き回って下調べをしていた不審者を見つけたとしても、「その男、犯人にあらず」であるから・・


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