『囲碁界の真相・石田章著』に見る将棋界

2008-03-01 00:00:38 | しょうぎ
b4e7c3cf.jpg図書館で、つい面白そうな本を借りてしまったのだが、あまり面白くなかった。『囲碁界の真相・石田章著』。同じ河出から『将棋界の真相・田中寅彦』というのも出ているが、何しろ、この囲碁界本は、字も大きいし、ちょっと速攻で一丁できあがり、という出来栄えだろう。ただし、囲碁棋士から見た、将棋界との比較という項があった。

もともと、この本の書き出しは、なぜ、囲碁のタイトルマッチで日本人が勝てなくなったか?というところからはじまるのだが、結論は、賞金が少ないこと、と結論をつけている。なにしろ、年収1000万円という額は日本人の優秀なサラリーマンなら30代、40代で到達するのだろうが、韓国・中国ではかなり魅力的な金額に見えるそうだ。そのため、ハングリー精神で日本人より強くなった、というようなことが書かれている。

そして、将棋のプロに対して、囲碁のプロの方が厳しい、として、将棋界は、順位戦のような、一見、厳しそうで、実は『名ばかりな、古参に厚く、新人に厳しい、順位がまったく反映しない制度』になってしまった、と批判している。囲碁界には給料のようなものはなく、収入は各自なんとかすること、ということになっていて、したがって、『碁打ちの方が厳しい面もある。』と慎重なコトバ遣いで、巧みに『碁打ちぬるま湯論』を否定している。

ただ、おそらく囲碁の方が、レッスンの口が多く、棋士が泳ぎやすいようになっているのだろう。

そして、このレッスンについて書かれていて、例えば門弟3000人と言われる白江さんのこととか、大阪の某女流棋士のこと。その女流の方は入段(つまりプロ初段として認められる)した時に40歳までのレッスン計画を立てたそうで、今では手帳を見ないと、どこに何時にお稽古に行かなければならないかわからないほどの売れっ子棋士にだそうだ。月に65回の稽古の予定が入り、一日6ヶ所に行ったこともあるとか、朝から出かけて帰りは深夜。石を打ち過ぎて腱鞘炎になったこともあるらしい。

ところで、将棋のレッスンでの二面指しというのは、右の対局で取った駒を、左の駒台に乗せたりしないように、結構、神経を使うのだが、囲碁の場合は、間違えても一向に構わないのだから稽古も気が楽なのかもしれない。

b4e7c3cf.jpgさて、2月16日の解答。

▲7一角成 △同玉 ▲6一馬 △同玉 ▲5二龍 △同玉 ▲4二飛 △同玉 ▲4三銀 △3三玉 ▲3四金 △2二玉 ▲2三金 △1一玉 ▲2一銀成 △同玉 ▲3二銀成 △1一玉 ▲2二成銀まで19手詰

b4e7c3cf.jpg答えは単純で大ゴマを連続で切ったり捨てたりで右辺に呼び込むわけだ。むしろ、変化の方が難しいのではないだろうか。3手目の▲6一馬に△8二玉には、▲8四飛 △8三銀(金) ▲7一銀(変化1)となり、以下△9三玉 ▲9四金 △同銀 ▲8二飛成まで、

さらに、5手目の▲5二龍に△7一玉は、▲6一飛 △8二玉 ▲7三銀(変化2)△同玉 ▲6三龍 △8四玉 ▲8一飛成以下・・

それぞれの変化を短編詰将棋に仕立てようかと思っても、微妙に完成作にならない。


b4e7c3cf.jpg今週の問題は何か漠然とした配置。中段玉は嫌われやすいのである。それぞれの駒の意味がわかれば解けるはず。3九角はいつどこへ。

解けたと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評いただければ正誤判断。