日本シリーズの終了を待っていた人物たち

2004-10-27 15:09:17 | スポーツ
c9d8a234.jpg日本シリーズは、西武ライオンズがプレシーズンマッチをすべてフルセットまで戦い、優勝した。全15戦を9勝6敗。現在のアメリカの方式なら最長19試合だが、日本ではとうぶんこの15試合の記録は破られないのではないか。
しかし、なぜか、「今一感」が残るのは、パリーグ2位のチームであるということが一点なのだが、もう一点はライオンズの親会社が100%コクドであるということからくるのだろう。あまりクリアな気持ちになれない。最近の西武鉄道株式の騒動を知る前は、西武鉄道が出資している球団と思っていたのだが(近鉄、阪急、阪神等と同様に)、西武鉄道とは兄弟会社ということになる。

それで、事件は約1億株の西武鉄道株を架空口座の個人株主が所有していたことになっていて、実質的にはコクドが所有していたため、西武鉄道の浮動株比率が20%を割り込んでいることが判明。急遽、1億株分(実際には7000から8000株)を取引先企業に売却していたということ。結果、報道がなされて以降、株価は下落を続け、ほぼ半額になっている。そのため60社ともいわれる肩代わり企業のうち既に数社は、買取り請求(もちろん、元の値段でだろうが)を始めている。

今後の問題は、西武鉄道の上場が維持されるかどうかだが、もはや難しそうである。堤氏自身、その気がなさそうである。そうなると60社以外の個人株主などはどうなるのかというと、よくわからない。実際に自由に売買できなくなる株に評価をつけることは難しい。上場廃止後、株主全部からコクドが株を買い取る方式は考えられる(下落前の1100円程度で)。しかし、そうなると西武鉄道は完全な個人出資会社のようになってしまう。

次の問題は、実質的にコクドと一体とみて、親会社コクドの連結決算はどういうことになるかであるが、早い話、さっぱりわからない。非公開だからだ。一応、新聞などの資料を読むと、コクド自体の資本金は1億円、自己資本43億円。グループ全体の借入金1兆円。営業収支は5年連続赤字、西武鉄道の時価総額は2,200億円なので、その8割ホールドとすると1,800億円。記事の数字がすべてならダイエーと同類ではないか。環八井荻の立体交差工事が遅れていたことを思い出してしまう。結局、国土交通省が求めている経営内容の開示という点についていえば、開示すべきはコクドであり、西武ではないのであろう。

話しがそれで終わるのかどうかはコクドの現在の体力による、既にコクド側に経営危機が発生していて、ホテル、ゴルフ場などの資産を売却しなければならないのか、球団のような付加価値の高いものまで売却が必要なのか、あるいは、もっと壊滅的な状態で鉄道事業全体を売却しなければならないかはよくわからない。報道上も多様である。鉄道事業の売買の場合、東武や東急といった同業者が考えられるが、エリアが異なるために相乗効果は限定的であると考えられる。コクド本社は原宿駅近くにあるが、小さなビルである。1階にライオンズの写真やグッズが展示されていなければ気付かないような建物である。バブル期には、堤氏は世界最高の長者と報道されたのだが、この古いビルを離れることはなかったようだ。何か思い入れがあるのだろうか。

さて以前、球団の有名投手の交通違反の際、冬季オリンピックのメダリストを身代わりにしようとしたことがあったが、今回も西武鉄道の白柳元常務がすでに責任をとって辞職している。前回の身代わり人物は「黒」という字がついていたが、今回は「白」かなどと思ってしまう。しかし、前回の身代わり作戦は、発覚してしまい失敗だった。

日本シリーズ第7戦は、前半に大差がつき、優勝の確率は残りイニングが少なくなるにつれ高まっていったのだが、西武の勝利を待って行動しなければいけない人たちがいるわけだ。たとえば、パーティー会場の関係者やデパートの優勝セールの関係者などだ。ところで、その他にも、まず一人、書き上げた原稿を何度も頭の中に入れている男がいる。日本シリーズ終了後に記者会見をすると予告していた東京六大学リーグのピッチャーで三又交際が発覚した男である。彼のおかげで3人の高齢オーナーがリタイアすることになったわけだが、「野球を続けたい」といきなり表明されると、ちょっと違和感がある。この違和感の原因は「大学4年にもなって、謝りかたもうまくないし、軽い気持ちで受取ったので許してほしいといわれても、1年くらいボランティアでもしたらどうだ」って言いたくなる。少なくても社会人として、「運動部だから」とか「野球バカだから」というようなことばでは通じない。大して反省無くプロになっても、そのうち事件を起こしそうである。

そして、実はライオンズの優勝の瞬間をじっと営業車の中のラジオで聞いている小集団がいたはずである。しかも、場所はナゴヤドームとは、大きく離れた所沢市の西武鉄道本社の近くである。小集団といっても、おたがいに面識はなく、ただの取引業者たちである。9回裏が終わると、直ちに、お祝いの小品を届けに走ったはずだ。さいわいなことに、台風で1試合が流れたために、日曜日をつぶすことは免れたのだが。