友人、藤田アキト画伯の個展が東京日本橋高島屋の美術画廊で行われている。先日は、会場脇のフォションのティールームでごちそうまでいただいてしまった。会期は10月12日まで。文化勲章受賞者である父、ガラス工芸作家、藤田喬平氏の「手吹きガラス創作展」(同特設会場で10月11日まで)と同時開催である。相当の混雑で、親子とも作品はどんどん成約していく。
父の作風は、「絢爛豊潤」である。手吹きガラス自体の持つ「透過性」「光沢」「自由でありながら流体のもつ柔らかさ」という特徴に、すべての色彩の可能性を組み合わせていく。魔術的であり、色ガラスに金箔を加えた飾り箱は、国際的に「フジタのドリームボックス」と呼ばれる。宮城県松島には既に美術館もある。
一方、息子のアキト画伯は父の「動」に対して「静」なのかもしれない。静物画が多い。ただし、それは作品の第一印象であり、数分間見つめているとプラス側のエネルギーが放出されていることがわかる。2年ほど前から彼は「気」を集中すると、物体が揺らぐことに気付いたそうである。今まで不思議に感じていたゴッホの糸杉の奇妙な波状の雲や山々が、自然に見えるようになったそうだ。その後、彼の解釈では、物体がゆらぐのではなく、自分の内側からのエネルギーで体から15センチほどのところに揺れている層ができることを発見したそうである。
彼自身の表現を紹介してみる。
父の作風は、「絢爛豊潤」である。手吹きガラス自体の持つ「透過性」「光沢」「自由でありながら流体のもつ柔らかさ」という特徴に、すべての色彩の可能性を組み合わせていく。魔術的であり、色ガラスに金箔を加えた飾り箱は、国際的に「フジタのドリームボックス」と呼ばれる。宮城県松島には既に美術館もある。
一方、息子のアキト画伯は父の「動」に対して「静」なのかもしれない。静物画が多い。ただし、それは作品の第一印象であり、数分間見つめているとプラス側のエネルギーが放出されていることがわかる。2年ほど前から彼は「気」を集中すると、物体が揺らぐことに気付いたそうである。今まで不思議に感じていたゴッホの糸杉の奇妙な波状の雲や山々が、自然に見えるようになったそうだ。その後、彼の解釈では、物体がゆらぐのではなく、自分の内側からのエネルギーで体から15センチほどのところに揺れている層ができることを発見したそうである。
彼自身の表現を紹介してみる。
以前、ゴッホのように空が見えると言いましたが、そんな経験の直ぐ後、
やはりゴッホの晩年の自画像の背景のように、壁の模様が揺れて見えること
がありました。
でも良く見てみると壁が揺れているのではなくて、自分の15cm位離れ
た周囲に、揺れている層があるのに気が付きました。それは湯気のようでも
あり、まるで水中から見た水面の波のようでもあり、また無数の蛇のように
も見えました。所謂オーラと呼ばれる自分を取り巻くエネルギーを内側から
見ると、こんな風に見えるのかと思いました。
そして、ゴッホの絵の空に見える光の波も、同じようなエネルギーで、そ
れが絶えず、自分の中にエネルギーを補充し満たしているように感じられま
した。
今年 富士山を描きましたが、背景の空に広がる「気」のエネルギーも描
いています。
彼の内なるエネルギーは、「白」の色彩をもって表現される。ゴッホの「糸杉」の空のゆがみは、精神的苦悩の入り口を示し、「西洋精神の病み」としてムンクの「叫び」へと繋がっているかもしれないが、藤田アキトのエネルギーは、原初人類がいだいた「希望への祈り」に通じるのであろう。ロバート・ライマンの白は「世界そのもの」であるが、藤田アキトの白は「エネルギーの表出」だ。
東京での展覧会のあと、大阪なんばの高島屋大阪店に場所をかえる。藤田アキト画伯の方は11月17日から23日まで、父藤田喬平氏の創作展は11月24日から30日まで。
ところで、個展を直前に控えた9月18日の未明、親子は夢の中で出会ったそうである。第三者の私は、二人がドリームボックスの中で何を語ったのかは想像しない。
そして、残念ながら、45回目となる今年の会場に、父が現われることはなかったのだ。
ガラス工芸作家 藤田喬平氏 1921.04.28---2004.09.18 He was 83 years old.
やはりゴッホの晩年の自画像の背景のように、壁の模様が揺れて見えること
がありました。
でも良く見てみると壁が揺れているのではなくて、自分の15cm位離れ
た周囲に、揺れている層があるのに気が付きました。それは湯気のようでも
あり、まるで水中から見た水面の波のようでもあり、また無数の蛇のように
も見えました。所謂オーラと呼ばれる自分を取り巻くエネルギーを内側から
見ると、こんな風に見えるのかと思いました。
そして、ゴッホの絵の空に見える光の波も、同じようなエネルギーで、そ
れが絶えず、自分の中にエネルギーを補充し満たしているように感じられま
した。
今年 富士山を描きましたが、背景の空に広がる「気」のエネルギーも描
いています。
彼の内なるエネルギーは、「白」の色彩をもって表現される。ゴッホの「糸杉」の空のゆがみは、精神的苦悩の入り口を示し、「西洋精神の病み」としてムンクの「叫び」へと繋がっているかもしれないが、藤田アキトのエネルギーは、原初人類がいだいた「希望への祈り」に通じるのであろう。ロバート・ライマンの白は「世界そのもの」であるが、藤田アキトの白は「エネルギーの表出」だ。
東京での展覧会のあと、大阪なんばの高島屋大阪店に場所をかえる。藤田アキト画伯の方は11月17日から23日まで、父藤田喬平氏の創作展は11月24日から30日まで。
ところで、個展を直前に控えた9月18日の未明、親子は夢の中で出会ったそうである。第三者の私は、二人がドリームボックスの中で何を語ったのかは想像しない。
そして、残念ながら、45回目となる今年の会場に、父が現われることはなかったのだ。
ガラス工芸作家 藤田喬平氏 1921.04.28---2004.09.18 He was 83 years old.