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マフラーから又遠ざかってしまいますが、今日はバルブ回りのことについて考察してみたいと思います。
これは初期エボの燃焼室ですが、量産品としては限界近くまで追い込んだ設計です。
気になる各寸法を測ってみるとコンナ具合ですけれど、大きいバルブを押し込めるために(安全を見た上では)最小限になっています。
鉄製のバルブシートは焼き嵌めしてあるだけなので、各寸法がコレ以下であると、脱落してエンジンが全壊する危険性があります。バルブシート脱落など想像もしたくありませんね。
エボリューションエンジンがデビューして20年以上経っていますが、悲惨な事故を聞く事がないので妥当な設計と評価できます。
特にロングストロークエンジンで、4バルブに較べて面積のとりにくい2バルブでは、目一杯大きいバルブを使う必要があります。
バルブシートの外径が邪魔になり、大きいバルブを使えないとも思いますが、強度を考えると4mmは最低限ですね。鉄のバルブシートを嵌めこむ替わりに「アモルファスの溶射」というアイデアも以前見かけましたが、実用化されませんね。
エボまでのIGプラグは14mmのBタイプですが、TCになって12mmのDタイプが使われた理由はより良い位置を求めたのでしょう。こうして考えると疑問も解消します。
バルブ開口面積はDの円周×リフト量Lで求められますが、コノ計算で出た面積はバルブの傘の面積以上あったとしても意味がありません。そうなると、LはDの1/4もあれば充分です。
バルブは闇雲に大きくしてもシリンダー壁などと接近してしまいますから、マスキング効果が出てしまうことがありますので、苦労してビッグバルブを使っても効果が出ない場合もあります。
バルブシートの各面の角度は図のように3面にカットされています。
数値はマニュアルによるものです。
生産コストを考えると3面カットが妥当ですけれど、レーシングチューンでは、まず緑矢印と線のようにカットしてシートリングの内径をポートと同一にし、周りの突起を削り落とします。
更に出来る限りの事をやろうと思うと、赤矢印と線の部分を加工してカドバッた部分を丸くして空気抵抗の減少を図ります。
聞くところによるとメルセデスでは大分前から5面カットになっているそうで、吸入ガスの通路としてはボトルネックになり抵抗を生じるココに気を配るとは、ヤハリ只者ではありません。
ナイジェル・パトリックの製作するドラッグレースエンジンでは、(タブン手作業で)16バルブのシートを丸く仕上げてあったのには驚嘆いたしました。
こういった対策は全て吸入通路の抵抗を少しでも減らして、充填効率を向上させるものです。前述したように吸入ガス速度が90m/sにも達すると、時速では300km以上にもなるので、努力の積み重ねが重要になります。
頂きましたコメントにも最高回転に関してありましたが、一般的な平均ピストン速度では25m/sが限界です。
「pistonvelocity.xls」をダウンロード ココに数字を当て嵌めると7000rpmで平均ピストン速度25.2m/s、最大速度は40m/sにもなってしまいます。
数字的には可能のように見えますが、バルブ面積/ボア面積は4倍ですから、大変大雑把に考えて、吸入ガス速度は平均ピストン速度×4とすると100m/sと、大変難しい数字になってしまいます。
つまり、エンジンの最高回転数の限度は無負荷であれば、バルブがサージングを起こすか、壊れるかのどちらかですから、メカニズムを強化すればソレナリの回転が可能になります。
ところがレースチューニングで難しいのは、高回転でパワーを出す事にあります。
特にロングストロークのビッグツインやシングルのエンジンで、2バルブとなると、バルブ面積に制約があるのは今までに説明いたしましたが、早いピストン速度は吸入ガス速度が速くなり、充填効率が最大トルク発生回転数より高回転では大幅に低下してしまいますので、パワーの落ち込みも大きくなります。
更に強化したバルブスプリングの弊害により、ロスがおおきくなり、バルブ周辺の部品の寿命も短くなってしまいます。
そう考えるとドウカティのアプローチは、高回転のパワーに関しては正しいと言えますね。オーバースクエアで充分なバルブ面積を確保して、市販車唯一(でしたっけ?)のデスモドロミックドライブのバルブスプリング張力はゼロに等しいようで、フリクションロスの増大を防ぎ(プラグを抜くとクランクを軽く手で回せます)、スーパーバイクレースでは(重量制限や排気量で有利であったとしても)日本メーカーの4気筒レーサーが敵いませんでした。
ま、フィーリングとカタログ数値は別物ですから。ガッカリしないでください。
続きます。
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ショベル=スグ壊れる という図式が一般に出回ってますから、それでも良いのカト・・・。
当時のエンジン開発者もこれほど何十年も使われるとは思ってもいなかったのでは?
ショップはどうしても営業主導になりますから・・・。
US05 1200R さん、
ワタシは大型船舶ディーゼルが2サイクルとは、割りと最近に認識しました。
でも、船舶用の大型ディーゼルは燃焼効率が50%取れていたと記憶しています。まあ、たしか300rpmくらいだったと思いますが・・・
感じましたが、寸法で見るとやはり狭いですね。
でもクラックが入ったという話を聞いたことがないですし
強度的にもモダンな設計なんですね。
旧トライアンフユーザーにはお馴染みの話ですが、
60年代までのボニーのヘッドは、スタッドボルト穴とバルブの間が狭く、
9割のヘッドにクラック入ってるそうです。
よく旧車でもしっかり組めば問題なしと言う台詞を聞きますが、
上記のような問題は、昔の機械は実のところ、
現代の常識では明らかに構造欠陥を持ってると思います。
何かと旧車至高主義みたいなものがありますが、
そういう点まで認識して提供・関与してる人が
どのくらいいるのでしょうかね。