厚さの違うギアを重ねてスプリングディスクをスナップリングで押さえた、まあそれほど複雑ではないが。
ホンダCBX1000は、SOHC時代から受け継がれたクランク中央からプライマリーチェーンを介してクラッチに動力を伝達するメカニズムになっているが、プライマリーシャフト先端(画像右下)のドライブギア(パーツリストの呼び名はGear,Ass,Primary,Driven)がバックラッシュを低減させる構造になっている。
薄いサブギアは歯数が1枚少ないので、ギアを180°回転させると相対位置が異なるのが分かる。薄いほうのサブギアはスプリングディスクによりテンションが掛かっているものの、メインギアに対しては回転するので、噛みあっているクラッチ側のギアとのバックラッシュの分だけ角度がずれるということになり(バックラッシュを)なくすことができる。
バックラッシュは各部品の熱膨張などを考えるとなくてはならないものだが大きければ騒音も大きくなったり弊害も出てくる。CBX1000とほぼ同時期に開発されたRC04も同様のメカニズムだが、後の4気筒はプライマリードライブにチェーンを使っていないからこのメカニズムも存在しない。
ttp://orange.ap.teacup.com/thefourthelement/34.html(転載させていただきましたが、不適切でしたら削除いたします)
同じ様なメカニズムに”シザーズギア”がある。こちらはメインギアとサブギアの歯数は同じで内蔵したスプリングで回転方向にテンションを掛ける。
こちらはカムの駆動にギアを使った場合にトヨタの”ハイメカツインカム”など採用実績が多くある。
冒頭の”サブギアが1枚歯数が少ないほう”は、ヤマハもRZV500Rの2本のクランク間に使っていて、その時に”不思議歯車”と呼んでいた。強いて言えば”フリクションギア”かと思うが、名称はともかく、その後はかなり広範囲に使われているようなので、もう誰も不思議歯車とは呼ばないと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます