ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

ノッキング②

2006年08月31日 | エンジン

人気blogランキングへ 今日は35度と暑いのですが湿度は30%と低く、比較的すごしやすいですね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ノッキングの要因

ノッキングが発生するのは、運転方法やガソリンが原因となりますが、エンジンによっても異なります。それぞれのエンジンには設計コンセプトもあり、日本の高性能4気筒エンジンはすっかり標準化されてしまって(だからこそ?)必要以上ともいえるパワーを量産化することに成功し、それには勿論信頼性も伴い、なにか自由自在という感じさえします。

個性を売りのビッグツインエンジンでは、ともすればその必須条件であるビッグボアであったりロングストロークがパワーや排ガスの面では足を引っ張ってしまいます。ビッグボアは火炎伝播距離を大きくしてしまい、燃焼時間が長くなり、コレもノッキングが発生しやすい原因のひとつです。

BMWの最新フラットツインは圧縮比が12と驚異的に高く、122馬力を実現していますが、このように効率を重視すると、圧縮比はできるだけ高いのが望ましいのですが、高い圧縮比もノッキングが発生しやすい条件を作ります。ですから空冷でも油冷の併用だったりツインプラグも採用しています。

メカニカルオクタン価

アメリカではGMやフォードの経営不振が伝えられていますが、反面日本のメーカーの躍進も目立っています。この根本的原因として、マスキー法案の先送りがあったという意見も見られます。要は日本は日本版マスキー法案ともいえる昭和53年排ガス規制を実施して、日本のメーカーは世界に先駆けて厳しい規制に対応してきました。その当時はロクに走らないクルマばかりで成熟していないシステムはマイナスの印象しか残っていませんけれど、時は過ぎ、厳しい排ガス規制をクリアする技術は出力と燃費の向上にも大いに役に立ち、トヨタは世界一の自動車メーカーにもなろうとしています。

排ガス規制をクリアする技術はCVCCやサーマルリアクターなど当初様々な方法を試行し、ハイブリッドまで実用になりましたが、一時はリーンバーン(希薄燃焼)+3元触媒に落ち着きました。

リーンバーンでは燃焼速度が遅いため、燃焼室内の渦流やスキッシュなどの研究が相当おこなわれ、解決されたのです。マフラーの容量シリーズ(ココをクリック)の⑥⑦で燃焼室の解説、⑪でスキッシュの解説があります。

前置きが長くなりましたが、メカニカルな部分でノッキングの発生を抑える性能をメカニカルオクタン価と言います。メカニカルオクタン価を左右するファクターは、

  1. 適切な冷却(ヒートスポット防止含む)
  2. 渦流やスキッシュによる燃焼促進(燃焼速度)
  3. 火炎伝播距離の縮小(ツインプラグ含む)
  4. 燃焼室形状(エンドガスが残りにくい形状)

適切な冷却は自然空冷のエンジンには厳しいところで、前述いたしましたが、’07モデルのハーレーダビッドソンはエンジンが大きくなり、冷却が更に厳しくなりそうですけれど、燃費の大きな変化(悪化)はガソリン冷却をしている可能性を疑っております。CO削減が叫ばれている現在では無用に燃費を落とす事は自殺行為になりかねないとも思いますし、ガソリンの高騰は日本ばかりの問題ではありません。リーンバーンとガソリン冷却は相反するようにも考えかちですが、要は排ガスのテストモードに引っ掛からない域で行えば、キャブでは無理ですが、インジェクションなら技術的には可能でしょう。マフラーの出口が黒くなったら”当り”ですね。

意味合いがチョット異なりますが、これに付け加えると点火タイミングのコントロールもあります。マッピングによる諸条件によるタイミングを設定したり、ノックセンサーによるコントロールは条件により最大限に点火タイミングを早められ画期的なシステムでした。

最近のハーレーのモデルでは、クランク角センサーの感知によりモジュールでの点火マッピングでタイミングをはかっています。いまのところ未だ成熟していないと見えて、排ガス規制対応を優先するマッピングは時にはドライバビリティを犠牲にしているのではないかのような感想も良く聞きますけれど、’07で改善されているか楽しみであります。

*ココで”静じい”さんの疑問にお答えすると。

>しかし現行の燃料は鉛は環境上禁止 ではいかにして高圧縮エンジンの ノッキングやデイゼリングを制御しているのか? 聞いたことが無いのです。私の中ではまだ?疑問なんです。

メカニカルオクタン価の向上と無鉛ハイオクガソリンのお陰です。

>無鉛ガソリンは旧タイプの 高圧縮の バルブシートになんらかの悪影響があるのでしょう?

車種にもよりますが、連続高速運転などで高負荷を掛けなければ急激な故障の発生は考えなくてもヨロシイのではないでしょうか?無鉛ガソリンに対応しているバルブシートに較べて、多少傷みは早いかもしれませんが、圧縮が落ちてきたと感じてからシートの交換など対処すれば良いと思います。検索してみたらエルフから添加剤が今も用意されているようです。(詳しくはコチラ

>高圧縮なら Ducati なんか 現行のモンスターなんかレギュラーが 指定ですよ それで絶好調
所が 昨年ハーレーXL1200R 買ったのです ハイオク仕様でした  でも前に持っていたXL1200S 96年型はどんなガソリンでも 平気でした。  だからXL1200Rもレギュラーで 乗っていたら走るのは何も問題ないのですが、帰って エンジンキーOffにしても 5~6発自然点火して動いてる  でハイオクにしたら解消しました

オーバーヒートやそれに近い状態ではノッキングしやすい条件です。’04以降のスポーツスターではクランク角センサーの熱による影響で不具合もあるようです。マッピングデータの更新でも改善される可能性もあります。

気温の高い季節だけハイオクを使用するのも手かもしれませんし、デイゼリングは燃焼室にカーボンが堆積しても起りやすくなりますが、去年買ったバイクにそれは愚考ですから、IGプラグが火種になる例もありますから番手を一つ冷え型にしても良いかもしれません。

燃調のことはあまり触れたくはありませんが、これが一番可能性があります。薄い燃調で安定したアイドリングを保つには1000回転とかの高いアイドリングが必要ですが、これはスロットルバルブが開いていることなので、これはデイゼリングを起こしやすい条件になります。

ハイオクの使用で解消ですから、それほど深刻ではないでしょう。日本のレギュラーガソリンはヨーロッパのそれと較べてもオクタン価が低いようです。日本のレギュラーガソリンのオクタン価はだいたい90くらいだそうですが、経済産業省のプレスリリースによると、これを95程度にするというのが新・国家エネルギー戦略で検討されているようで、2008年度中に結論を出すそうです。

この先もバイクに乗り続けられるよう健康にお気をつけてください。

人気blogランキングへ ノッキングに悩む方もソウでない方もクリックお願いします。