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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

続・アルミシリンダーのフランジ固定

2010年02月08日 | エンジン

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SRX400/600はスポーツ性の高いビッグシングルとして存在感があったが、SR400は復活したのに比べ、その気配もない・・・・。

MT03もあるが、復活切望するSRXファンにあのスタイルではきっとだめだろう。

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雑な図で申し訳ないが、ヤマハはシリンダーにも拘るメーカーであり、ビッグボアの単気筒にも拘りが見える。

SRからの伝統なのか、4ストのアルミシリンダーでもフランジ固定。長い袋状のナットが特徴だった。

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2ストと違ってヘッドが大きく重い4ストエンジンでは、兆部にフレームに固定するブラケットがある。特に背の高いビッグシングルでは欠かせない存在だ。

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というのは自分で経験したことだが、レースチューンではお決まりのボアアップをして、時にはボーリングでボア拡大だけではスリーブの厚さが足りず、既存のスリーブを取り去り大きなものに交換することもある。そうなるとシリンダーの強度は落ちるがパワーは上がり、振動も増えることもあるわけだ。そうしてサーキットを走り回ると・・・・・。フレームのブラケットが割れて、シリンダーも割れてしまったことが・・・・あった。確かカムチェーンテンショナーの取り付け穴のところだった。

エンジンが止まってしまいピットへ帰ってきたのを見て、シリンダーの割れ目からピストンが見えたのには愕然と・・・・。25年くらいまえの話だ。

まあ、普通ではあまりないことだけど、一番の原因はフレームの点検不足だ。レースチューンでは何が起きるか分からない例だと思ってください。

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しかし、その後(かなり経ってから)確認できたのは後期型から対策が施されヘッドボルトがすごく長くなっていた。意外とトラブルが多かったのだろうか。しかし、ボルトも折れるときは折れるもので、某イタリア製の空冷ツインはヘッドボルト(貫通式)折れが多発して、材質変更でリコ-ルかサービスキャンペーンを行ったことがある。

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アルミシリンダーのフランジ固定

2010年02月07日 | エンジン

102128 画像はttp://www.hawayaracing.com/より転載

ドラッグレース専用のハーレーエンジンはシリンダーにフィンがない。もっともHarley‐Davidsonの部品は一つも使っていないだろう。

エンジンマウントから見るとTWINCAM以降のものだが、シリンダーの固定方法はフランジ式になっている。シリンダーの材質はダクタイル鋳鉄。ちなみにダクタイルとは強靭という意味だそうだ。

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量産車のほとんどは、このように貫通スタッド式。

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つまりこういう感じ。

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ところが、モトクロサッサーなどのエンジンではシリンダーにアルミニウムを使っており、しかもメッキシリンダーなどのライナーレスが多い。となると排気や掃気のポートで穴だらけのシリンダーを貫通スタッドで締め付けると、ボアの変形からピストンクリアランスの狂いが生じる可能性が高いことから、図のようにフランジ式を採用することが多い。

ピストンクリアランスは分解や組み立てるときの冷間時に測定し設定するが、それはエンジンを運転しているときの温度を想定したものだから、鉄のライナーならピストンのアルミニウムと熱膨張率が違うことから、それは大きくなる。シリンダーは外部から冷却、ピストンはクランクケースの混合気によってのみ冷却という条件は違うものの、メッキシリンダーなどのライナーレスシリンダーは、熱膨張率がほぼ同じと考えられるのでピストンクリアランスを小さく出来る。小さくしたピストンクリアランスは出力向上にもなるが、ライナーレスは軽量化や放熱性向上にもなる。小さいピストンクリアランスは僅かな歪に影響を受け、部分的であっても過小は焼きつきなど過大はガスの吹き抜けを招きトラブルの元になる。

Article1 画像はttp://blog.zaq.ne.jp/tgracing/より転載

画像のシリンダーはライナー付だがフランジ固定になっており、アダプターを介して旋盤のチャックに固定している。

転載元の運営者のショップではシリンダーの加工や再生を受けているようだ。

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続・Monosoupape

2010年02月05日 | エンジン

Mm_gnomemono_b2_3 画像はttp://www.wwi-models.org/Photos/Engines/Monosouppe/index.htmlより転載

Gnôme Monosoupapeはいくつか展示してあるようだが、ヘッドを真上から見ることができる画像は珍しい。

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102123 画像はttp://www.wwi-models.org/Photos/Engines/Monosouppe/index.htmlより部分的に拡大して転載

吸気と排気を一つのバルブでコンロトールするのは、パッカードDR980の先例となるわけだが、エンジンの先端から直接排気するとはどんな音がしたのか興味は深い。

と思っていたら、動画があった。

音は再生音なので実際とは違うかもしれないが、意外と軽い音質なのはエキパイがないとこんなものだ。整備の都合上エキパイとマフラーを付けないでバイクのエンジンを掛けたことは何回かあるが、ペコペコとかポコポコという感じだ。

Gnome1 画像はttp://homepage.mac.com/nagaih1/MOFPCW/MOFPCW-9.htmlより転載

シアトルのThe Museum of Flightに展示してあるMonosoupape。

後の機体はアメリカ陸軍に納められたというNieuport28。このころからエンジンカウルが取り付けられているが、その理由は燃料のガソリンにオイルが混合されていて、その量は多く(1/3とも)排気ガスとともに排出されるから、後の乗員はたまらなかったのでカバーを付けたという説がある。Nieuport28はフランス軍には採用されず、アメリカ陸軍向けには297機が生産されたけれど、トラブルが多く4ヵ月後にはSpadに置き換えられてしまったそうだ。

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シリンダーの固定方法

2010年02月04日 | エンジン

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歴史上にはこのような固定方法もある。

シリンダー下部にネジが切ってあって、クランクケースに捻じ込むのだ。赤い部分はロックナット、は実際に使われたかは分からないが、シールするOリング。

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信じられない方のために画像がある。そのためにとった方法か分からないが、圧縮比が可変になっている。

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バイクのエンジンでは珍しい、トライアンフの水冷エンジンはウエットライナーになっており、ライナーの外側は直接冷却水に接していて、シリンダー軸に対して横方向は位置決めしてあり、固定はシリンダーヘッドで押すだけだ。

トラック用などのディーゼルエンジンでは古くから使われている方法だが、利点はピストンとシリンダーの交換が簡単なことだ。問題は冷却水がエンジン内部に漏出するトラブルが多かったことで、当時はシールするOリングの材質なども良くなかったということもあり、次第に薄肉の 乾式ライナーに変わっていった。

トライアンフの湿式ライナーは確か、ライナー下端部とクランクケースが直接接していて何もシールする部品はなかったと思う。

この方法ではライナーに掛かるストレスは燃焼圧力とピストンのサイドスラストだけなので、シリンダーに対する締結力の圧力は突き出し寸法+ガスケットの沈む量だけだから、貫通スタッド方式のような変形はごく少ないとみて良いだろう。

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貫通ボルト固定

2010年02月03日 | エンジン

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現代のエンジンのほとんどが左側の例のように、長いボルトでシリンダーとヘッドを固定している。

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シリンダーがただのブロックなら良いのだが、そうではなく中に大きな穴が開いている。

空冷なら冷却フィンがあるから外観は大きく見えるが、最近は肉が薄くおまけに鉄のライナーも薄いから、意外と剛性は低い。

ヘッドボルトを締めるとヘッドはシリンダーをクランクケースに押し付けるが、ストレスが掛かり変形してボア寸法に影響することがあるわけだ。

更にシリンダーはアルミニウムだから鉄のボルトより熱膨張率は高く、温度が上がるほど変形量は大きくなることが考えられる。

図中の左右のボルトの形状が違うのは、右側は強度を落として影響を緩和している。

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画像は”シリンダーボア測定③”からの画像。

シリンダー壁に見える縦筋はそうした変形が原因と考えられる。

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ハーレーではこのような”トルクプレート”を使用して再ボーリングすることを推奨している。

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フランジ固定

2010年02月02日 | エンジン

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ハーレーのショベルヘッドエンジンのシリンダーベースガスケットは左のような形状で、栄エンジンなら右側のような形になる。

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800pxflanschverbindung_gasleitung 画像はウイキペディアから

P1010349_4 画像はttp://non-chan.sakura.ne.jp/Okkiimono/PKc/PKc_01.htmより転載

パイプなどをつなげる方法として、端に出っ張りを設けボルトで接続するのはフランジ継手といって基本的接続方法だ。強度を必要とする大径の水道管(画像上)や高圧線の鉄塔(画像下)などに良く見られる。ボルトの多さは栄エンジンを見ているようだ。

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そのフランジを使ってシリンダーを固定するなら最低でもボルトは4本が必要だが、45度Vツインではシリンダーの角度が狭く、このように前後のシリンダーの間隔はぎりぎりだからフランジの大きさは最低限といえるほどだ。スペースを広げようとすれば挟み角を広げるか、クランクケースを大きくして取り付け面をクランクセンターから遠ざけるしかない。

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そういうわけでガスケット面積に制約があり、どうしてもこのような形状になってしまうが、この形状はスペースを有効に使うには合理的だが、面圧を均一にできない。

シリンダーの中心線に直角に赤い線を引くと、それを中心に穴の中心から内側と外側ではガスケットの面積が大きく異なるのが分かる。

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これは以前、”鋳鉄シリンダーボア測定””鋳鉄シリンダーボア測定②でも紹介しているが、A’Aはガスケットだが、面積が小さいAは高い面圧を受けて”座屈”してしまい薄くなる。そうなるとフランジには付け根部分を中心に曲げのモーメントが働き、ボアの寸法に影響を与え、B>B’の関係になる。メーカーのサービスマニュアルでは、再ボーリングに”トルクプレート”を使用することが推奨しているのはこういう理由だ。もちろんその時は組み立て時と同じガスケットも使わなくてはならない。

ボア寸法の変化は場所によって異なるが、紹介ページのときの測定では最大5/100mm変わってしまい、ボーリング時の指定クリアランスと近い数値になるから、組み立てると部分的にクリアランスはなくなってしまう。見た目では丈夫そうなフランジもネジの締結力には1/100mm単位で簡単に変形してしまうをお忘れなく。

続きは貫通ヘッドボルト。

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シリンダーの固定

2010年02月01日 | エンジン

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これは”モリブデンショット”で紹介した、ショベル以前のシリンダーを4本のボルトでクランクケースに固定するフランジの一部分だ。

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101019 画像はttp://www.enginehistory.org/usaf.htmより転載し、部分的に拡大し矢印を加えてあります。

これは”パッカードDR980”で紹介した画像だが、シリンダーを固定するリングを分かりやすいように画像を拡大した。矢印が締め付けるターンバックルと思われる。

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雑な図で申し訳ないが、想像通りターンバックルだとしたらナットとリングの両端は正ネジと逆ネジになっていてナットを回転させれば締めたり緩めたりできるが、黄色矢印のフランジの角がリングに食い込まないだろうかという心配もしたくなる。各シリンダー間にナットを設ければその心配も薄らぐが、それでは部品点数も増え折角の軽量化も無駄になってしまう。鈴木先生はこの方法にダメ出しをしておられた。この方法を採用した理由はもう一つ考えられるのだが、それを今出してしまうとネタばれするので、後のお楽しみということに・・・・。

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これはゼロ戦の栄エンジンだ。12本という多くのスタッドボルトで固定してある。これなら確実だろう。基本設計はプラット&ホイットニーだという説もあるが、数多く作られたエンジンだけに熟成している。12本というスタッドは8本から10本程度でも充分じゃないかとも思われるが、何か理由があるのだろうか。それも一応考えてある。

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現代のクルマのエンジンは通常はシリンダーとクランクケースは一体構造だが、多くのバイクエンジンは図の左側のような貫通ボルトで、シリンダーを挟みシリンダーヘッドを同時に固定している。

シリンダーの材質による理由もあるのだが、ハーレーでは鋳鉄シリンダーのショベル以前はフランジ。アルミシリンダーのエボ以降は貫通シリンダーだ。

それぞれにメリット、デメリットがあるのだが、それはまた続きで。

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パッカードDR980

2010年01月31日 | エンジン

300pxvervilleaircoach 画像はWikipediaより

国土が広いアメリカでは、自動車よりも空を飛んだほうが早いということで、早くから4人乗り程度の小さい飛行機が商品化されていた。

そして燃料費が安いディーゼルエンジンは期待が大きく、Verville Air Coachはエンジンを3種類選べるが、生産された10~16台のほとんどはパッカードDR980ディーゼルエンジンだったようだ。1929年では機体が10.500ドル、エンジンは11.000ドルから。

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101016 画像はttp://www.enginehistory.org/usaf.htmより転載し、矢印を加えてあります。

気になるDR980の謎だが、緑矢印のダクトの前部から吸気をして、後部から排気をする。それを1本のバルブで開け閉めするわけだ。

クランクケースが黒く塗装してあるのはマグネシウムだからだと思うが(まあ、別に黒くなくても良いわけだが)バルブが1本なのは軽量化のためだという説もある。バルブ自体の重さは大したことがなくとも、動弁機構を含めれば結構な重量になるのだろう。

このメカニズムが成り立つのは、航空機エンジンという前提があるわけで、サイレンサーが必要ならプロペラ後流で排気ガスを吹き飛ばすのに抵抗になるから、新しい空気を吸入できない。

そしてディーゼルならではなのは、吸気は混合気ではなく空気だけで済むから構造も単純になる。

画像の赤矢印はシリンダー固定用のリングだ。途中にターンバックルがあり、締め上げてシリンダーをクランクケースに固定する構造になっている。その前のぐるぐる巻いてあるパイプはオイルクーラー。

101017画像はttp://gasengine.farmcollector.com/Gas-Engines/Packard-Diesel-Aircraft-Engine.aspxより転載

Packard6 画像はttp://www.oldengine.org/members/diesel/duxford/aviat.htmより転載

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1つのバルブとポートが吸気と排気を兼ねているのがお分かりだろう。

この成功しなかったとはいえ、100台も生産し、正に独創的といえるメカニズムにも先例があったとは驚きはしないだろうか?しかもガソリンエンジンだ。

実は”エンジン歴史シリーズ”を始めるきっかけになったのが、このパッカードDR980であり、存在を知った当初は「ああ、飛行機にディーゼルエンジン?重くてパワーがないからダメだったんだね」くらいにしか考えず、エンジンの発展途上のよくある失敗例の一つに過ぎないと思っていたが、そうではなく歴史上のできごとがどこかで交差し、互いに影響しあい、現在のパワーがあって使いやすく、しかも燃費の良いエンジンが出来上がったことを改めて感じた。それはバイク・クルマ・船舶・飛行機というだけではなく、蒸気・ガソリン・ディーゼルという燃焼方法の分野にまたがり存在したと思う。

とはいえ当ブログは”バイクブロブ”なので、なるべくバイクに絡めた構成にするべく腐心した。

このようなことを書くと、ブログの最後の挨拶のようだが、そうではなく当ブログの重要な内容である”エンジン歴史シリーズ”の開始のきっかけになった記事を書く段階にたどり着けたからであり、ずいぶんと長いプロローグと思っていただければ幸いだ。

ところで、パッカードDR980の失敗は振動の多さと排ガスの臭いだという。

続きはワンバルブ・エンジンの先例です。

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Mustang is back!

2010年01月31日 | エンジン

Newmustang_classic 画像はttp://www.californiascooterco.com/index.htmlより転載

このほどCalifornia Scooter co.よりMustangが発売になった。お値段は4.995ドル。

詳細は画像転載元サイトをご覧ください。

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Gillman 画像はttp://www.mmcoa.org/index.htmlより転載

最近フォードからリバイバルしたムスタングは1964年のデビューだが、Mustang Motorcycleは1947年創業で、1963年に生産を終えている。

つまりCalifornia Scooter co.より発売になったMustangがレトロに見えるのは、そのデザインを再現したからだということになる。

3298025032_cba063a5cf_b 画像はttp://www.flickr.com/photos/cv_dusty/3298025032/sizes/l/より転載

1950年モデルから最終型まで、ほぼ同じの外観を持つエンジンだが、吸気と排気が同じ側にあるのはバイクエンジンとしては珍しい。ややこしい話だが、最初のモデルはイギリスの会社から供給を受けた122~197ccの2ストエンジンだった。その後このエンジンに切り替わったのだけれど、シリンダーヘッドの外観からMustangは2ストエンジンと誤解されていることがある。

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綺麗にレストアされたエンジン。Mustang専門のレストア屋さんのサイト(ttp://mustangmotorcycles.net/index.html)

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正体は318ccのサイドバルブエンジン。ハーレーのサイドバルブみたいにプッショロッドが見えても誤解する人がいるのに、(プッシュロッドの存在が)外から見えなければ余計にそうかもしれない。

動画はやはり大したものだ。オトーサンが始動に手こずっている様と、フライホイールが回転している様子、右足チェンジとサウンドがクリックひとつで分かる。

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パッカード

2010年01月30日 | エンジン

パッカードという言葉を聞くと、小林旭の張りのある声で ♪ ~パッカ~ド♪ というフレーズを思い出してしまうのだが。曲は1964年のリリース、この動画は投稿者の作品みたいだ。

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1933_packard_v12_convertible_coupe_ 画像はttp://oldcarandtruckpictures.com/OldClassicConvertibles/index-a.htmlより転載

パッカードはご覧のように威風堂々としたラジエターグリルで、1915年にはV12エンジンを搭載した乗用車を発売し、ストレートエイトのエンジンもその後採用したりと、アメリカの大排気量高級乗用車の象徴的存在だったが、”フラッシュサイド”(フェンダーが車体と一体化)になってからはスタイルが少々つまらない。

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パッカードは第2次大戦中にロールスロイス・マリーンをライセンス生産していたと知られているが、その前から航空機エンジンとの関わりがある。

ロールスロイス・マリーンの設計自体が、墜落したメッサーシュミットのダイムラーエンジンを大いに参考にしたという話もあるが、それはさておいて。

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パッカードが結局は成功しなかった空冷星型ディーゼルエンジンを開発、製造(100台といわれている)した理由は、それまで水冷”リバティ・エンジン”で成功していたパッカードがアメリカ海軍の方針で空冷エンジンの開発が急務であったことという説と、スピリット・オブ・セントルイス号の単独大西洋横断の成功で一躍ヒーローになったリンドバーグが使ったライト・ホワールウインド エンジンに対抗するためだったという説がある。

Type - 4-stroke cycle diesel
Cylinders - 9-static radial configuration
Cooling - Air
Fuel injection - Directly into cylinders at a pressure of 6000 psi
Valves - Poppet type, one per cylinder
Ignition - Compression-glow plugs for starting -air compression 500 psi at 1000 F.
Fuel - Distillate or "furnace oil"

上記はスペックの一部だが、Valves - Poppet type, one per cylinderに注目していただきたい。そう、1シリンダーあたりのバルブが1本なのだ。

前にも述べたように、船舶用2ストロークディーゼルは掃気をシリンダーに開いたポートから行うので、排気用のバルブが1本だけでも済むが、これは4ストロークエンジンなのだ。

気になる続きは後ほど。

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