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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

ラジアルエンジン モーターサイクル

2007年11月23日 | エンジンの怪

人気blogランキングへ  今日は意外と暖かい。

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このバイクは以前に紹介した気がいたしますが、あるサイトでYouTubeを見つけました。

走っているところではありませんけれど、そのサウンドを聞くことができます。

多気筒ならではのレーシングさせると凄まじい音が楽しめます。

星型エンジンの作動原理が分かります。

オジサンの説明が長いのですが、自分で作ったのかな?

*YouTubeが欠けてしまいましたので、ブログデザインを変更いたしました。

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デスモハーレー?

2007年07月14日 | エンジンの怪

人気blogランキングへ  招かれざる客がコチラにも来そうで・・・。  

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先のハーレーダビッドソンとドゥカティの合併話が早くも具現化したのか?

もちろん違います!

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ハーレーのレース用パーツメーカーとして知られているアクステルのシリンダー(ケースも?)に無加工の900SSヘッドを載せてしまったらしい。

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恐らく唯一最大の苦労したところだと思われます。

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製作者のChris Barber氏はイタリア製品がお好みなのか、アルファロメオのエンジンを搭載したバイクも作っています。

バイク盗難情報

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V8エンジン?!

2006年11月23日 | エンジンの怪

人気blogランキングへ   今日は予報と違って爽やかな良い天気になりました。

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この写真をみて正体が分かりますか?

ある物を探して検索をしていましたら、このような物に辿りついてしまいビックリしました。

下のスケールはインチのようですから、約8インチですから約20cmで、さほど大きな物ではありません。

Sv8stock

正体はこのⅤ8エンジンのシリンダーブロックなんですね。

ココを見ていただくと、動画と音を楽しむ事ができます。

更にココを見ていただくと、キットの内容を見ることができます。

模型のエンジンが多種多様にレベルアップしているのは知っていましたが、コレはレベルが高すぎ?

Scl300

何を捜していたかというと、卓上の工作機械です。これはココです。只今セール中で85.000円です。

Challennger Ⅴ8を製作するのには旋盤のほかにフライスも買わなくてはなりません。

全長が680mmですから大きな物は加工できませんけれど、反面場所をとりませんから片隅にでも置いておけます。

バイクの部品でもチョットした加工に充分使えそうです。

ココで考えたのは、モデラーの世界はワタシも分かりませんけれど、こうした卓上旋盤が安価に販売されている理由は需要があるということで、エンジンやSLの他にロボット製作も相当に人口が多いとみました。テレビ番組でも時折ロボットバトル大会を見ることができます。

私事で恐縮ですが、ワタシのスキルの基盤は小学生のころのプラモデル製作です。かなり夢中になりましたが、そのうちにバイクの味を知ってからは自分が乗れるもののほうが良くなり、紆余曲折を経て現在に至っています。

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これはワタシの愛用の旋盤で、大したメンテナンスもしないのに20年も故障せずに働いています。

50万で買った記憶がありますが、普通高校から整備技術学校へ行ったため、旋盤の技術は未だ素人ですが、まあ普通には使えます。

こうした機械を使うことにより、手仕事では不可能な精度を保った加工ができるのは勿論ですが、それ以上に意味があるのは、1/100mmの意味や重要さが理解できることです。

簡単な例では、ホイールのディスタンスカラーを調整するのには軸と端面は直角が必要ですが、旋盤なしでは不可能とは言いませんが困難なことです。(フライスでできると突っ込まないで!)

特に現物あわせのカスタマイズには必要不可欠ですね。

話が横道に逸れてしまいましたが、工作機械まで用意されている模型の世界に驚愕すると、1/1のバイクは乗って楽しむ事ができるからなのか、売っているものをポン付けするだけの方が大多数なのを考えると複雑な気持ちです。

同じ85.000円を出すとしたら、ハーレーのクロームパーツなら大した物も買えませんから、旋盤を買って自分で作る楽しみもありますね。全ての人が作り出してしまったらワタシの出る幕がなくなってしまいますが、乗るだけでなく、もっとイロイロな楽しみ方があるのではないかとフト思いました。

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スーパーボールエンジン?

2006年10月16日 | エンジンの怪

人気blogランキングへ  昼間は夏日になりましたが、夜はメッキリ涼しくなりました。

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yukkyさんのインターモトのレポートでコノ物体を見て驚愕いたしました。

オイルが燃焼室に回って従来の2ストエンジンと同じ結果になるのでは?と余計な心配をしておりますが、既成概念を覆すのには充分です。

すごく重い動画ですが、リンクはコチラ。是非ご覧になってください。

ワタシはこんなヘンテコ(失礼!)なのは大好きですから、yukkyさんに感謝いたします。

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オイルパン?

2006年09月07日 | エンジンの怪

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例のMHeですが、矢印のオイルパン?はベースエンジンの900ssなどには見られなかったものです。

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継続車検時にはエンジン打刻の確認作業もあり、オイルパンをずらさないと?エンジンシリアルを見ることが出来ません。

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そうなんですね。オイルパン?はナンチャッテオイルパンで、脱着可能なのです。

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ところがサイドスタンドの取り付けボルトもオイルパン?を貫通して、下の写真のようにクランクケースにボルト止めしているので、継続車検の現場での作業は厳しいものがあります。

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オイルフィルターの交換にも邪魔になります。

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オイルパン?のサイドスタンドの根元の部分には、このような厚さのスペーサー?になっています。

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オーナーの希望もあってオイルパン?を外す事になりましたが、ワタシの記憶でやはり”同じようにクランクケースにサイドスタンドが付いている900ss”で、転倒した際にモゲテしまい、スンでのところで”クランクケースがダメになるところ”だったのを思い出し、直接サイドスタンドを取り付けないで、写真のプレートを製作して、もしもの事があってもチョット安心できるようにしておきました。

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オイルパンを外した風景です。しかし何のためのオイルパン?なのだろう。イタリア人は格好のために何でも犠牲にしますが・・・・。

ベベルのLツインは確かに特徴的な出っ張ったオイルパンの容量は4Lもあり、安心感と引き換えに維持費の高さに音をあげたオーナーもいましたね。

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縦置きエンジン

2006年05月31日 | エンジンの怪

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このカットではとてもモーターサイクルのエンジンとは見えません。

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反対側からみたらどうでしょう?

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正体はトライアンフ ロケットⅢです。

もっとも初代ロケット3はBSAのブランドであり、トライアンフの3気筒はトライデントでした。命名権は現在のトライアンフ社が所有してあるのでしょうけれど、考えてみると変な話ですね。

縦置きエンジンではBMWのKシリーズが有名でしたが、まるでロケットⅢと入れ替わるように横置きのエンジンになってしまいました。

縦置きエンジンは、やはりBMWのRシリーズやモトグッチなどが採用していますが、強烈なトルクリアクションが「○○○がエクボ」ではなくドチラかというと「エクボが○○○」になってしまうのか、根強いファンがいても中々普遍なモノにはなりません。

ロケットⅢに乗ってみると、意外や意外ケッコウ普通に乗れます。その大きさと重さ、2300ccの巨大なエンジンにしては普通です。

強烈さではカワサキKZ1300が一番だったかな?750クラスのバイクをそのまま2回りほど大きくした車体は重心も高く、当時のプアな性能のタイヤは、スロットルを開けても締めてもキュッと鳴り、不安を増幅させるシロモノでしたね。今乗ってみれば印象も違うかもしれませんが。

こういったバイクの印象は食べ物にも共通するような気がします。誰でも「アソコで食べたアレをもう一度味わいたい」と思うものが幾つかあると思います。強烈に美味いと感じた料理であり、お菓子であったり。

しかし、同じ感動はほとんどの場合再び味わうことはできません。つまり全く同じシチュエーションは有り得ないので。


空冷エンジン②

2005年09月24日 | エンジンの怪
「政治家は暦史法廷の被告である」と中曽根元首相は言っていますが、本当に政治家が皆様そう考えていただけば良いと思うのですけれど、それは置いておいて。
果敢なチャレンジを試みた「エンジン」も暦史法廷の被告になってしまいます。ホンダ空冷1300をもう少し煮詰めてまともな形で販売していたら、どういう評価が得られていたのでしょうか?
例えば、たった2年後の緊急リリーフとしてリリースされたシビックの車体に、油冷などで冷却を増強したエンジンを搭載したような、当時でも使えた周辺技術で問題解決をしたなら空冷エンジンはトレンドになり得たのでしょうか?

しかし、答えをだすためには、空冷エンジンが水冷に比べ何処にアドバンテージを持っていたのでしょうか。
①軽量?  音を遮断するため、その名の(デュオダイナエアクール)通りの二重ダクトなど複雑になってしまい、補機類を含めたエンジン重量は20kgほど重くなってしまった。
②コスト? オールアルミの複雑な形状にしなければならなかったため、コストはかなり掛かってしまったと思われる。そのアルミが解体業者には魅力であったらしく、リサイクル率?が高かったという悲しいエピソードもあります。
③性能?  4キャブモデルは110馬力でしたから、他社の競合モデルと較べて圧倒的に数字の上ではパワフルでしたが、バイク(クルマより遥かに軽い)のエンジンのように低速トルクを犠牲にすれば、当時でもそれほど困難ではなかったと思います。しかしそのため常用回転域が高くなってしまい燃費は非常に悪かったと記憶しています。
④魅力? 深く刻まれた冷却フィンはバイクなら魅力がありますが、ダクトに囲まれなおかつボンネットの下のエンジンは
誰も見る事は出来なかった。

と、多分最初に考えられたようなアドバンテージは、ことごとく結果に結ぶ付くことなく終えてしまいました。
史実は、時を同じくして、牛込柳町の一件をきっかけに環境汚染問題が勃発し、排ガス規制が施行されることになり、空冷エンジンではとても対応できないと、2度とひっぱりだされないコンセプトになりました。
それがなければ、深みに嵌り、今日のホンダはなかったかもしれません。




エンジンの焼き付き④

2005年09月18日 | エンジンの怪
ピストンが焼き付くと?

昔のマン島レースでは、2サイクルエンジンのレーサーは良く焼き付いたそうです。通常のサーキットより遥かに長いストレートをずっと全開で走っていって、ピストンとシリンダーがキンキンに熱くなっているときに、コーナーが目の前に迫ってきてアクセルを戻してシリンダーが先に冷えると・・・
ローエッキスピストンができる前はすぐに焼き付いたのだろうな。
2サイクルエンジンのこのような状況でのピストン焼き付きは急激ですから、クラッチをすぐに握らないと悪夢の後輪ロックです。
2サイクルエンジンのスクーターではオイルを切らすと必ずピストンは焼き付きます。2サイクルエンジンのクランク、コンロッドの両端部はニードルベアリングやボールベアリングで支えられていますので、ガソリンに混ぜられたオイルによるという劣悪な潤滑環境下(意外なほどオイルでウエッティです)でも正常な運転が行われますが、シリンダーとピストンはガソリンに洗われ高熱に晒されているので、オイルの供給が止まるとすぐに焼き付いてしまいます。
運がよくて、たまたま低回転で焼き付いたとすると、冷えるとまた始動が可能になることも多いのです。オイルポンプのエア抜きなどして、的確な対処をするとオーバーホールしなくても乗り続けることができる事もあり得ます。不運なことに高回転時に起ったり、冷やしてまた乗れるからといって、そのまま乗り続けたりすると、焼きついた事によって生じた金属粉がベアリングに噛み込まれ、修理代が莫大になります。

ハーレーのピストン焼き付き?

ショベル以前のハーレーのエンジンを分解してシリンダーを見てみると、ほとんどがピストンの側圧を受ける部分には、ピストンの摺動どおりの縦キズが刻まれています。それに較べて、側圧を受けない部分はクロスハッチが新品のように残っています。これはある意味ロングストロークエンジンの宿命と言えて、エンジン高をできるだけ低くしたいので、コンロッドの長さが理想より短いために側圧が大きくなっているのです。
エボ以降は新しい設計のピストンと薄肉ライナー/アルミシリンダーのおかげでシリンダーの大きな傷跡は解消されています。更に最近のピストンのスカート部にはモリブデン溶射によるコーティングが施されていて極限状況にも対処されています。
クロスハッチの摩滅により、ピストンの潤滑が不足してピストンが焼きつくかという疑問に対しては、ほかの状況もあわせて考える必要があり、これを考えるとすごく長くなりそうなので一つだけにしておきます。
ショベル以前では、側圧、アルミピストン/鉄シリンダーの膨張率、それにクロスハッチの摩滅の諸条件を懸案しますと、焼き付き以前にオーバーヒートの兆候が出てくるのではないかと思われます。潤滑不足による摩擦熱の増大で、エンジンの回転が重くなりパワーダウンの症状ですね。
少なくとも2サイクルエンジンのように、カキーンと後輪がロックする事態にはならないでしょう。

エンジンが爆発!コンロッドには4000G!!

ドラッグレース用にK社の水冷4気筒1000ccのエンジンを目一杯レーシングチューンしたのです。(15年くらい前)スイングアームも長くして固定し、ウイリーバーなども付け結構本格的に作って、エンジンもパワーが出ていました。ドラッグレーサーを慣らし運転する場所はないので、本番の1発目は回転を抑えて、2レース目を許容回転まで回したらエンジンが爆発してしまいました。正確に言うと爆発したわけではないのですが、結果は同じようなものです。クランクケースに大穴があき、得体の知れない金属の塊が散らばっていて悲惨でしたね~。
これをもう1度同じことをやったのです。初回はコンロッドを軽量化して、4本を1/100グラムの誤差で同じ重さに揃え鏡面仕上げをするなど(4本仕上げるのに1週間!)して使ったのですが、2回目はもう元気がなく有名なH型のコンロッドを使いました。
2回目も初回とまるきり同じで、まるでデジャブですよ。
クランクは鍛造一体ですから、ジャーナルもクランクピンもベアリングメタルの軸受けです。日本製の4気筒エンジンもスズキ刀1100あたりの空冷エンジンまでは組み立て式クランクでボールベアリングやローラーベアリングを使っていましたが、水冷になってからは一体式になっています。
2回のエンジン爆発?は壊れ方も同じでコンロッドのビッグエンドの焼き付きです。コンロッドの上はピストンの動きに同調して上下運動、下はクランクに同調して回転運動していたのが、ビッグエンドが焼き付くと、ピストンも一緒にクランクと同じ回転運動するしかなくなりますので、コンロッドがどこかで千切れます。千切れた残りのコンロッドがクランクに付いたままクランクケースを掻き回しますので、ガラクタの山を築いてしまいます。
仮にストローク60mm 回転数12000rpmだとすると0.06×2×12000/60=24m/秒と平均ピストンスピードがでますが、上死点と下死点の中間はこれの約1.4倍の33.6m/秒ですから最大速度120.96km/時になります。大した事はないスピードと思うかもしれませんが、6cmの間を0⇔120km/h⇔0を繰り返しています。そうすると約4000Gも加速度が掛かる事になり、コンロッドのビッグエンドは変形し、オイルクリアランスは無くなり焼き付いてしまうのでした。
メタルのオイルクリアランスも慎重に調整したはずなのに、12000rpmはさほど高回転と思えないのに何故ビッグエンドが焼きついたかは、多分コンロッドの長さにあると思います。コンロッドが短すぎるとピストンの側圧が大きいと前述しましたが、それ故コンロッドに掛かる荷重も大きくなります。
エンジンのレースチューニングもパワーを出すだけなら可能な範囲は大きいのですが、壊さないで持続させるのには困難だという見本でした。

まだまだ続きます。




エンジンの焼き付き③

2005年09月17日 | エンジンの怪
オイルを切らして焼き付かせた「間抜けな理由」は問題外ですが、こんな話もあります。ずっと2サイクルのスクーターに乗っていた方が、クルマにグレードアップして乗り換えました。オイルを足さなくてはと思いつき、自分のクルマのエンジンフードを開けてオイルキャップを外して、オイルを入れたのは良いのですが、なかなか満タンにならないと苦情を言ったというオチです。
オイルの潤滑の必要性はここでは触れませんが、19世紀の終わりにアメリカのペンシルバニア産の原油を精製してオイルを作ったら、バルブの焼き付きを防ぐ事ができこれがバルブオイル。言い易くしてバルボリンだそうです。それでペンシルバニアが有名になりペンシルバニアオイルがペンゾイル。ウソのようですが本当?

エステル

オイル話でついでに。最近テレビのコマーシャルで「磁石のように金属に吸着するオイル」というフレーズを謳っています。実はエステルには元々吸着力があるのだそうです。エステルはジェットエンジン用に開発されたもので超高熱(500℃)での潤滑性能があり、ヒントはカストロールつまりひまし油なんです。
考え起こしてみると、スポーツスターの1500を作ったときに、熱量がものすごくカストロールのひまし油と鉱物油のブレンドオイルを使った事があり、これをオーバーホールしたときはこびり付いたオイルを掃除するのが大変でした。
オイルの耐熱性だけ考えると、普通のガソリンエンジンではオイルシールなどゴム製部品の耐熱温度は120℃あたりが上限なので、エステルはもったいないのですけれど、エンジンを暫くぶりに始動するときのドライスタートには吸着性は有効のようです。
シンセティックオイルを真っ先に開発したのは、ヨーロッパのオイルメーカーですが、これにはそれだけの理由があり、潤滑オイルの基本性能は、北米大陸産の原油から精製されたオイルの分子構造はパラフィン系で、中近東産のそれはナフテン系のものより格段に良いのです。北米大陸の原油はもうすぐ枯渇しそうなので、密かに輸出を禁止されているという説もあります。パラフィン系のある特定の地域の油田で採れた優れたものはジェットエンジンにも使えるそうですから。
エステルの弱点は加水分解されやすい点がありますので、ヨーロッパなどのメーカーが日本向けにブレンドしたものは安心ですが、平行輸入された何処の国向けなのか不明なものは、いくら安くても避けたほうが無難でしょうね。
ちなみにてんぷら油もグリセリンと脂肪酸が結合したエステルだそうです。

ハーレーのオイル

ワタシの店は1年前まで正規販売網の傘下にあったものですから、純正オイルの使用がどうしても多かったので、色々なブランドのオイルを試した事はありません。純正オイルは特別な性能を持っていない代わりに、エンジンを壊してしまうほどの劣悪な性能でもありません。しかし、通常以外の使い方、例えば乗り出す機会(気持ち?)がないので、真夏でも毎日30分間走らずにエンジンを掛ける人がいたのですが、あるスゴク暑い日にもそれをやっていたら、エンジンから「キューキュー」という異音が出てきました。そのハーレー(エボ・ビッグツイン)を預かって診てみたら、エンジンオイルは酸化したようなキツイ匂いがしたので、とりあえず純正オイルでオイル交換して様子をみたのですが変わりません。そこでモチュール300Vともう一度取り替えたら異音は消えてしまいました。興味だけでエンジンをバラす訳にはいかないので、お客さんには注意していただき様子をみてもらいましたが、その後は大丈夫でしたね。
濁った音ではなかったので、分解して点検しても、多分ベアリングに焼き色が残っているぐらいで「焼き付き」は見られなかったでしょうけれど、このときはエステルの威力を見た思いでした。
シンセティックオイルにもエステルと鉱物油から発展した化学合成油のポリアルファ・オレフィンがありますので、なんともいえませんが、気候条件を考慮されていないエステルはやはりハーレーにも使わないほうは良いでしょう。
オイルには様々な添加剤が入っていますが、ポリマーという粘度指数向上剤は高い圧力で破壊されてしまいます。ミッションなどは多くのギアを過酷な条件で潤滑していますが、その条件ではポリマーは破壊されて「シャブシャブ」なオイルになってしまう事があります。日本で売られている「2輪車用オイル」はそれに対策されたブレンドをしてありますが、通常のクルマ用オイルはもちろん違います。ですから、そんなことはしないでしょうがクルマ用エンジンオイルはハーレーのミッションには使わないほうが良いでしょうね。
使用条件は様々ですから、ワタシにはどのオイルがベストだとはいえませんが、あまり乗らなくても最低春、秋年2回のオイル交換をお勧めします。日本の夏は酷く暑いのでその後の秋。エンジンの内部に結露した水分が多くなる冬のあとの春です。

オイル話で終わってしまいましたが続きます。


エンジンの焼き付き②

2005年09月16日 | エンジンの怪
エンジンの焼き付きは現在ではほとんど見られなくなりましたが、もし起るとしたら「間抜けな理由」しかありえないのでしょうか?
2サイクルエンジンは現在の排ガス規制により、すでに絶滅に近い状態ですが、1990年ころにはスゴいレーサーレプリカブームというのがありまして技術的にも一つの頂点であったのでしょう。
その背景には、1973年にアメリカの環境保護委員会が2サイクルに不利な規制をしたことにより途絶えてしまった2サイクルエンジンを、ヤマハが水冷にしてオイルスモークを大幅に減らしたRZシリーズのリリースにあります。
毎回転ごとに燃焼行程をもつ2サイクル(2ストローク1サイクル)エンジンは、4サイクルエンジンに較べてパワーは同排気量だったら2倍近く(理論上)あるし、カムで動かすバルブなどないので構造が簡単でコストも安く済む、小型軽量、高出力安価という理想的なエンジンなのですが、構造上どうしても潤滑オイルを燃料に混ぜなければならないので、排ガスに炭化水素が多く含まれしまい、それを克服できないと規制に対応できないので姿を消してしまっています。
水冷とともにオイルスモークを大幅に減少させた分離給油の技術の出現以前は、ガソリンスタンドには混合ガソリンといって予めオイルを混合させたガソリンを売っていたのですよ!!いまもレーサーは混合ガソリン使っていますけどね。
ロードレースもモトクロスも今や4サイクルに取って代わられようとしていますが、ワタシの知り合いに、S80という趣味?のロードレースに、以前のモトクロッサーの2サイクルエンジンを使って自作のレーサーを作って、出場し続けているチューナーがいます。彼のエンジンのシリンダーは2時間しか持たないそうなので、ガソリン代よりシリンダー代のほうが高くついてしまいます!!
初期の航空機エンジンで、重さで考えるとバルブの消費量が燃料より大きかったというのがあったそうですが、これは100年も前の話です。

熱で変形!

2サイクルエンジンでは、シリンダーに開いた穴(ポート)が4サイクルエンジンのバルブの替わりの役目をいたします。
レースエンジンは、吸排気をダイナミックに行いたいので、この穴を大きくするのです。一つの穴を大きくすると、そこにピストンリングが嵌ってしまって動かなくなりますので、複数の穴を設けますが排気ポートの場合は大体2つですね。その穴の間はどうしても狭くなってしまいますが、両脇を高熱の排気ガスが通っているし、水冷でも水が通らないのでココがどうしても熱を持ってしまうのです。アルミの熱伝導が良いといっても熱の伝導は断面積に比例するので、空冷エンジンのフィンのような形状(薄くて長い)は意外と熱の伝導は悪いのですね。
特に熱膨張率の大きい金属でできた部品は、形状によりその膨張による変形があります。シリンダーなどはそういったことが起ると都合が悪く、適切と思われていたピストンクリアランスも、想定外に変形してしまってはなにもなりません。
もう一つ余談ですが、1960年代にグランプリレースで大活躍した、某メーカーの時計のように精密だと評されたエンジンでも、マグネシウム製のクランクケースが熱変形でオイル漏れが止まらなかったそうです。

熱以外でも変形!

2サイクルエンジンではシリンダーとヘッドをクランクケースに固定するのに貫通スタッドボルトは使いません。ハーレーのショベルヘッドエンジンのように別々にボルトで固定します。その理由は貫通スタッドでシリンダーをサンドウイッチみたいにはさんで締め上げると、アルミ製のものは変形してしまうからなんです。
2サイクルエンジンのシリンダーのように、構造上変形しやすいものは固定方法をかえて解決できましたが。それは2サイクルエンジンはシリンダーヘッドが小さく軽いはという利点がありました。4サイクルエンジンでは簡単にはいきません。
600cc単気筒OHCのエンジンでは、ヘッドはシリンダーの倍の大きさがあり、重さはそれ以上です。このエンジンはシングルレースと呼ばれたビッグシングルエンジンだけで行われたにレースで人気が高く、ワタシも使った事があります。やはりサンドウイッチ方式だとビッグボアのシリンダーが変形するのを嫌がったのか、ショベル方式で上下別々の固定方式をとっていたのですが、レースの過酷な状況ではよくシリンダーがパックリ割れていました。
4気筒エンジンではシリンダーの剛性が高いので、ほとんど貫通スタッドボルトですが、見た事があるひとは気付いているかな?と思いますが、スタッドボルトのネジ以外の部分はネジ径より細くなっています。これは細くしてあるところが捩れてオーバートルクを防止してあるのですね。
ドラッグレース用のゴリラシリンダーなどを使う場合は、用意されているクロモリ製のごついスタッドを必ず使用してください。
ハーレーのエンジンではエボ以降は貫通スタッドを採用しています。それにより、新車組み立てのコストは下がったようですが、ピストンのサイズアップのためにボーリング加工する場合には、トルクプレートなるものを使って使用状態と同じ条件で切削加工しないと、くみ上げた場合に変形してしまいます。
ワタシが10年以上前になりますが、スズキグース350を450にボアアップしてレースに使ったときも、シリンダーの1部がガスの吹き抜けで溶けたようになっているのを解消した方法がトルクプレート使用のボーリングでした。

エボリューションエンジンの怪

ハーレーエボエンジンの整備において、ワタシが何回も経験したことをここで紹介しましょう。
今話題のアスベストはその昔はペーパーガスケットにも含まれていて、いまのアスベストフリーのガスケットより性能がよかった気がします。ガスケットの性能とは、遮断性能が持続することにありますが、エボのシリンダーベースガスケットは純正部品でも3年くらいで弾力を失ってしまい、オイルが滲んできてしまいます。それはガスケットを取り替えれば簡単に修理することはできますが、時々、外したシリンダーを良く見ると縞模様になっているのがあります。その縞模様はスタッドボルトが通る穴の付近が、模様をつくっている変色度合いが強いですね。
このことを考察してみると、鉄のスタッドボルトは熱の影響はさほど受けませんが、シリンダーはアルミで、しかも熱の影響は多いに受けます。そこに想定外のオーバーヒートで許容範囲外の熱膨張をしたとすると、オーバートルクでスタッドを締めたと同じ事になってしまいます。縞模様の変色部分は異種金属の溶接跡はありませんでしたから、シリンダーがオーバートルクで締められると、樽型に変形してガス抜けした高熱での変色が残ったと考えられます。
当然ですが、このストライプシリンダーをそのまま組み上げても、決して調子の良いエンジンにはなりません。
ワタシも最初は無視して組んでしまったら、やはり「甘く見るとろくな事は無い」を実証してしまい酷い目にあいました。


あまり焼き付きの話になっていませんが、まだ続きます。