三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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文字・絵・音・声・映像 11

2008年07月01日 | ドキュメンタリー
 ドキュメンタリーは、記録であるとともに、歴史叙述なのだと思います。
 ドキュメンタリーのシナリオは、ことばによる記録と歴史叙述ですが、文章形式のことばだけによる記録・歴史叙述とは違い、影像による表現を前提としています。
 11月6日に、朱学平さんの姿と証言を撮影したわたしは、11月中旬に、『海南島月塘村虐殺』のシナリオを書き換えました。
 ドキュメンタリーシナリオという形式での記録・歴史叙述は、撮影してきた映像および撮影しようとする映像に規定されますが、同時に、撮影できない映像をも前提としなければ、書きあげることができません。
  『海南島月塘村虐殺』のシナリオを書いていく過程は、わたし自身が、月塘村虐殺を認識しているのかを確かめる過程でもありました。ドキュメンタリーのシナリオは、証言を文字で記録しているという意味では記録ですが、映像を前提とし数百個のクリップを編集しているという意味では歴史叙述です。わたしにとって、『海南島月塘村虐殺』のシナリオを書くということは、歴史を認識すると同時に歴史を叙述するということでした。
 ナレーションという形式の歴史叙述を書くためには、依拠する文献史料の史料批判を厳密におこなわなければならないのは当然です。
 ナレーションは、現在の証言映像に示されている過去の歴史的事実、現在の廃墟の映像に示されている過去の歴史的事実をことばによって「解説」するものでもあります。ナレーションは、文献史料と影像史料を結びつける役割を果たすものだと思います。
                                   佐藤正人
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