三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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文字・絵・音・声・映像 12

2008年07月02日 | ドキュメンタリー
 たとえば、54分のドキュメンタリー『“朝鮮報国隊”』は、2001年1月以後に撮影した100時間近い原映像を編集したものです。編集にさきだってキム チョンミさんと共同で、構成を決定し、シナリオを書きましたが、それは、文字による歴史叙述の場合と方法的には同じ作業でした。
 撮影を開始したときには、わたしは自覚していなかったのですが、「朝鮮報国隊」にかんする証言や現場を撮影することは、「朝鮮報国隊」にかんする史料を創出することでした。
 ドキュメンタリー『“朝鮮報国隊”』のシナリオを、わたしたちは、海南島と韓国で撮影した原映像を史料として執筆しました。
これまで、わたしたちは、「朝鮮報国隊」に入れられ、生き残って故郷にもどることができた人たちから、韓国で話を聞かせてもらうことができました。そのうち、証言している映像の公開を承諾してくれた人は、高福男さん、柳濟敬さん、呂且鳳さんでした。
 わたしたちは、高福男さん、柳濟敬さん、呂且鳳さんを何回も訪ね、そのたびに話を聞かせてもらい、「朝鮮報国隊」にかかわる証言の際には、すべてを撮影させてもらってきました。
 その数10時間の映像記録のうち、ドキュメンタリー『“朝鮮報国隊”』で紹介できたのは、5分ほどです。したがって、高福男さん、柳濟敬さん、呂且鳳さんの証言の史料としてのドキュメンタリー『“朝鮮報国隊”』の役割はきわめて限定的です。
 「朝鮮報国隊」にかんする文書史料は、ほとんど公開されていません。わたしたちが撮影した映像史料を検討することなしに、これからは、「朝鮮報国隊」にかかわる日本の侵略犯罪事実を明らかにしていく作業はほとんど進展しないと思います。
 「朝鮮報国隊」にかんする史実探求においてだけでなく、国民国家日本の海南島侵略犯罪にかんする史実探求においても、わたしたちが撮影してきた証言映像・現場映像は、その史実にかかわる史料となっています。
                                佐藤正人
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