討論の後、ことし3月と4月の海南島での「現地調査」についての報告がおこなわれました。
3月の「現地調査」については、キムチョンミさんから、臨高県で日本軍に道路工事を強いられた人からの聞き取り、洋龍村でほとんどの村民が殺された村の人からの聞き取り、屯昌県における水晶鉱山の強制労働の聞き取り、白沙県での黎族の抗日闘争の根拠地で日本軍の襲撃を受けた地域での聞き取り、村を襲われて、家畜を盗まれ、女性が強姦され、暴行された聞き取りなどについて報告を受けました。
次に、4月初旬に海南島を訪問した久保井規夫さんから、日中戦争時に中国で日本軍とともに動いていた同仁会、博愛会などの医療宣撫機関が海南島でもハンセン病療養所や衛生保健所を設置し、医療宣撫活動を行っていたこと、またこれらの活動に従事した軍医や医者の手記が残されていること、さらにこれらの医師の中に海南島で生体解剖をおこなった者がいること、などが報告されました。
最後に佐藤正人さんが海南島における研究組織との共同研究の現状について、政府の規制などがあり、なかなか進展していないが、今後も粘り強く追求してきたいという旨の報告を受けたのち、今年の10月末から11月にかけて海南島で「現地調査」を行いたいという提案があり、総会を終えました。
日本の社会が意識的・無意識的に消し去った海南島での日本の侵略犯罪の実態をひとつひとつ確かめながらおこなわれた会の活動を総括するための討論が、参加者それぞれの活動と経験を踏まえて語られた意義深い研究集会になったように感じます。
斉藤日出治・竹本昇
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