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ロンドンの北朝鮮大使館前で脱北者が集会…抗議した北大使は現地警察に制止される

2023年02月20日 | 北部朝鮮
「朝鮮日報日本語版」 2023/02/20 10:46
■ロンドンの北朝鮮大使館前で脱北者が集会…抗議した北大使は現地警察に制止される

【写真】ロンドンの北朝鮮大使館前で脱北者らが集会を開き、これにチェ・イル北朝鮮大使が抗議したところ、現地の警察官に制止された。16日撮影。/写真提供=キム・ジュイル国際脱北者連帯代表

 今月16日にロンドン郊外の北朝鮮大使館前で金正恩(キム・ジョンウン)体制反対デモが行われ、これに北朝鮮のチェ・イル駐英大使が抗議したところ、チェ大使が現場の警察官に制止されていた事実が後から明らかになった。2月16日は2011年に死去した金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日だ。北朝鮮はこの日をいわゆる「光明星節」と呼び今なお国慶日(祝日)としている。
 国際脱北民(脱北者)連帯のキム・ジュイル代表は18日(現地時間)、自らのSNS(交流サイト)に「16日に英国の北朝鮮大使館前で行われた(脱北者団体の)デモにチェ・イル駐英大使が出てきて(デモに参加した)脱北者たちに抗議したが、現地の警察官により館内に戻らされる事件が発生した」と伝えた。
 この集会には国際脱北民連帯、在英脱北民総連合会、平壌福音賛揚宣教団の3団体を代表する脱北者約10人が集まり、北朝鮮政権による人権侵害や脱北者への拷問などを非難する声明を発表した。さらに脱北者の手記朗読、金正恩政権発足後の粛清事例発表なども行われた。
 国際脱北民連帯は北朝鮮大使館に「北朝鮮外交官たちは金正恩の部下として生きるのではなく、太永浩(テ・ヨンホ)議員に見習い自由世界に脱出せよ」「独裁政権との決別を決断せよ」などと訴えた。太議員は駐英北朝鮮大使館の公使だったが、2016年に韓国に亡命した。集会には太議員も支持メッセージを送った。
 チェ大使は大使館前に設置された外部監視カメラなどで集会の様子を見守っていたが、後に自ら大使館の外に出て集会を阻止しようとした。チェ大使が脅迫的な発言をしたかは確認されていない。しかし現場でデモを見守っていた警察官がチェ大使を発見すると「平和なデモを行う権利は保障されねばならない」としてチェ大使に大使館の中に戻るよう求めたという。
 昨年10月16日にマンチェスターの中国領事館前で香港民主化を求める中国系のデモ隊が領事館の中に連れ込まれ、暴行を受ける事件が発生した。そのため英国警察は国内外の人権団体から「平和的な合法デモさえしっかりと保護できないのか」などと非難を受けてきた。
 キム代表は今回のデモで「金正日の81回目の誕生日となる今日、英国駐在の北朝鮮大使館は管内に追悼所を設置し、親北の関係者を数多く呼んで独裁者の死亡を追悼している」「北朝鮮政権は住民の苦しい生活には何の関心も示さず、ただ独裁政権維持のために国際社会の安全に脅威となっている」と非難した。
 デモに参加した脱北者のハン・ソンイさんは「国連北朝鮮人権委員会発足から10周年となる今年、北朝鮮住民の人権問題を国際社会に改めて訴え、金正恩政権に対して北朝鮮住民の人権改善を求めていきたい」とコメントした。
     パリ=チョン・チョルファン特派員
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