三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「リオの奴隷墓地博物館に閉鎖の危機、ブラジル」

2017年05月23日 | 個人史・地域史・世界史
http://www.afpbb.com/articles/-/3128928
http://www.afpbb.com/articles/-/3128928?pid=0&page=2
「AFPBB News」2017年5月20日 14:09 発信地:リオデジャネイロ/ブラジル
■リオの奴隷墓地博物館に閉鎖の危機、ブラジル

【写真】ブラジル・リオデジャネイロの新黒人記憶・研究博物館(2017年5月5日撮影)。
     (c)AFP/YASUYOSHI CHIBA

【5月20日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に住むメルセド・ギマラエス(Merced Guimaraes)さん(60)の家で、改装中に床下から大量の人骨が見つかった。連続殺人鬼が残した証拠だろうか。警察に言えば、自分が犯人だと疑われるのではないか──恐れをなした大工たちは仕事を放棄して逃げてしまった。
 だが、さらに恐ろしいことが分かった。彼女の家はアフリカ人奴隷数千人の遺骨の上にあったのだ。そこは米大陸で発見された最大の奴隷墓地だった。その歴史に触れた1996年の偶然の出来事が、エネルギッシュで陽気なギマラエスさんの人生を変えた。
 彼女は小さな家族経営の会社を子どもたちに譲り、快適な家を建てる代わりに、その家を博物館に変える計画に乗り出した。「人道に対する罪の生きた証拠」をつくりたかったのだ。

 2005年についにそれが実現し「新黒人記憶・研究博物館(Instituto de Pesquisa e Memoria Pretos Novos)」が開館した。まだ掘り出されていない骨が詰まった大きな穴を中心にすえた同博物館には、昨年までに7万人が訪れた。来館者の数はさらに急速に増え続けている。
 だがその成功にもかかわらず、博物館は閉鎖寸前となっている。明らかな理由は資金不足だ。厳しい不況とリオデジャネイロ五輪開催の後遺症で政府からの補助金は削られ、電気代の支払いや掃除用具の購入もままならなくなった。
 だがギマラエスさんは、究極的には問題の根はもっと深く、ブラジル人は単に「国の恥」を直視したくないのだと言う。

■隠された歴史
 ブラジルは米大陸で最後まで奴隷制があった国で、1888年に廃止されるまでに米国の10倍、計500万人近い奴隷が送り込まれた。この奴隷の大量移入が、ブラジルにアフリカ外で最大の黒人人口と、豊かな音楽的・文化的遺産をもたらした。だがその負の側面が語られることはめったになく、ましてや犠牲者の尊厳のための取り組みはさらに少ない。
 リオの旧港地区はかつて奴隷売買の中心地だった。奴隷船が到着すると「新黒人」は検疫を受けさせられ、生存者は売られていった。しかしそれを思わせるものは消えてしまったか葬り去られ、専門家の間以外では歴史は失われてしまった。
 新黒人博物館を訪れる学校や学者は多いが、一般社会にはほとんど知られておらず、リオの観光地図上の小さな一点に過ぎない。施設を3階建てに拡張する大掛かり計画は幻のように見える。
 「ブラジル政府はこうした問題に関心はなく、持とうとしたこともない。今日の金融危機など問題ではない。こちらは昔からずっと続いている問題だ」と同博物館のアントニオ・カルロス・ロドリゲス(Antonio Carlos Rodrigues)事務局長は語った。ギマラエスさんは「人種差別だ」と言う。
 ブラジル政府の財政が破綻寸前となった今年、博物館への助成金は突然カットされた。残っている資金で運営できるのはせいぜい7月までだ。明らかな解決方法の一つは入館料を徴収することだが、そんなことは考えられない、「入館料をとって犯罪行為を見せるなんて、おかしい」。
 だが、博物館がどうなろうとも、ギマラエスさんが予期していなかった同居人たちを見捨てることは絶対にない。彼らはまるで「ゴミ」のように捨てられたのだ、とギマラエスさんは頬に伝わる涙をぬぐった。彼女にとって「彼らは子どもたち、この家の子どもたちです。私たちの家の」。
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