地域を楽しむ、家族を楽しむ、少しだけ仕事を楽しむ。

自分の住んでいる「甲府」、出身地である「大月・猿橋」、そして自分と関係のある人々の故郷に関連する出来事を綴る場所。

2016ー42|下り坂をそろそろと下る|平田オリザ

2016年08月21日 | 
2016ー42|下り坂をそろそろと下る|平田オリザ

サトーおすすめ度★★★

2016年4月発行
9月読書会の課題図書。
本書のタイトル「下り坂をそろそろと下る」とは、これからの日本は成長や拡大ではなく、衰退、縮小が当たり前であり、その現実とどう向き合いながら国のあり方、進み方を考えるかという問いから導き出されたものであることが、本書を読むとよく分かる。
著者は、日本人はすでに下り坂を下り始めていることを受け入れられず、過去の栄光再びと思っていると指摘する。しかし、以下に示す3つのことを受け入れ、そこから次の手を打つべきであると説く。
3つのこととは「日本は、もはや工業立国ではない」「この国は、成長はせず、長い後退戦を戦っていかなければならない」「アジア唯一の先進国ではない」である。
つまりこれまでの日本像を白紙にし、そして、長い後退戦を戦う覚悟をする必要があるのだ。そしてそうした現実に必要なのが「文化の自己決定能力」であったり、「寛容と包摂」であったりと言っている。
「猜疑心にあふれる社会を、寛容と信頼によって再び編み替えない限り日本の未来はない」と言い切り、そのためにはコミュニケーションデザインやコミュニティデザインが必要であるとの著者の指摘には大いに同意する。しかし、どのようにアプローチすれば多くの人がこれらのことを理解し、行動に移すのか。私にはそこがまだ見えない。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加