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2016ー46|肉食の思想|鯖田豊之

2016年09月25日 | 
2016ー46|肉食の思想|鯖田豊之

サトーおすすめ度★★★

2007年8月発行(初版は1965年11月)
本書の中心課題は、人間にとって一番基本的な食生活の面から、ヨーロッパの思想的伝統の奥底にあるものを掘り出し、その特質を明らかにすることである。著者は肉食の文化的側面に注目してこのような課題を設定した。食事は文化だとは言われているが、このような視点はとても珍しい。例えば、「日本人の肉食はままごとである。」とか、「ヨーロッパでは、主食・副食の区別がなかったのではないか。」などの指摘は面白いし、ハッとさせられる。日本では、米飯は文字どおり主食であるが、ヨーロッパではパンは主食ではない。肉・野菜・バターをおいしく食べるためにパンが利用されるにすぎない。
「日本の風土的条件のもとでは、熱量不足をカバーできない肉食は一種の贅沢である。」、「ヨーロッパの肉食率が高いのは、風土的条件により穀物で満腹になれなかったからである。」などの記述もなるほどと頷けるものである。
著者によると、ヨーロッパの思想的伝統とは、人間と動物との間にはっきりと一線を引き、人間をあらゆるものの上位におくことであり、これを鮮明に打ち出したのがキリスト教である。肉食の文化を論じることは宗教や地理的風土を論じることなのである。

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