2024年06月07日
「リニア期成同盟会」東京で総会 長崎知事は静岡の知事と会談(NHK山梨)
リニア中央新幹線の早期整備に向けて、沿線の都府県でつくる「建設促進期成同盟会」の総会が東京都内で開かれ、静岡県内の工事に早期に着手することや、工事で周辺住民の生活環境に問題が発生した際は速やかに対策を講じることなどを求める決議を採択しました。
7日、東京・千代田区で開かれた同盟会の総会には、会長を務める愛知県の大村知事や山梨県の長崎知事、それに先月就任した静岡県の鈴木知事など、沿線の知事やJR東海の幹部など、およそ270人が出席しました。
はじめに大村知事は「ことし3月、開業時期が遅れることが判明した。大変残念だが、沿線自治体の知事たちの思いは切なるものがあり、まず、東京・名古屋間を開業したうえで、大阪までの全線開業を早期に進めてもらいたい」と述べました。
また、長崎知事は「山梨県内ではリニア開業に向けた機運が高まりつつある。リニア中央新幹線が、沿線地域全体に大きなメリットをもたらすことの共通認識を確立し、建設の促進や沿線地域の振興につなげていきたい。早期開業に向け、山梨県として貢献していきたい」。
と述べました。
総会では、水資源や自然環境への影響を回避・軽減しながら、静岡県内の工事に早期に着手するとともに、2027年に代わる新たな開業時期を示すことや、岐阜県内の井戸などの水位低下を踏まえ、工事で周辺住民の生活環境に問題が発生した際は、速やかな対策を講じることなどを求める決議を採択し、総会のあと、知事らは岸田総理大臣と面会し、決議の内容を要望しました。
この会合に先立つ午前中、長崎知事は元山梨県顧問で、新たに静岡県知事に就任した鈴木康友知事と東京都内でおよそ20分間会談しました。
冒頭、長崎知事は「鈴木知事には山梨県の顧問としていろいろとご指導いただいたが、引き続き、両県で諸課題に対応していきたい」と述べました。
これに対し鈴木知事は「山梨県と静岡県、いろいろな連携をしてきたが、これからより一層、連携を密にして、両県の発展のために頑張っていきたい」と応じました。
その後の意見交換は非公開で行われましたが、長崎知事はリニア中央新幹線の山梨県内で行われているボーリング調査について、安全確保の観点から不可欠な調査だという考えを伝え、鈴木知事に対し現地の視察に行くことを求めました。
これに対し、鈴木知事は静岡工区の視察のあと、山梨県内の現場も視察に訪れたいという考えを示し、両者は調査の円滑な推進に向けて連携していくことを確認したということです。
このほか、会談では長崎知事から富士山の火山防災での連携やオーバーツーリズム対策などについて説明し、鈴木知事も連携して取り組むべきだとして両県共通の課題について認識を共有しました。
リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の取り組み リニア中央新幹線建設促進期成同盟会は、1979年(昭和54年)に「中央新幹線建設促進期成同盟会」として発足し、2009年(平成21年)に現在の名称に変更しました。東京都、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、奈良県及び大阪府の沿線10都府県で構成し、新しい時代を開くリニア中央新幹線の早期実現を目指して、広報啓発、要望活動などに積極的に取り組んでいます。
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