語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【加計学園疑惑】地方は国の道具にあらず ~本当の地域創生とは~

2017年07月31日 | 社会
 (1)江戸時代には、中央集権国家はなかった。徳川家は天領の経営で手一杯。地方各藩は、経済も法も文化も自ら決定し、自ら努力した。藩主導による地方の発展があったからこそ、明治維新は起こった。
 地方ではほとんどの人が食糧やものの生産に従事していた。
 他方、都市には武士たちが暮らし、彼らの消費生活を支える多様な仕事があった。特定の都市に人が過度に集中することはなく、三都や各藩の主要都市などに人が分散していた。江戸は世界最大の人口を擁する都市だったが、それでも今のように全人口の1割超が集中するようなことはなかった。

 (2)7月10日以来、衆参両院で行われた閉会中審査の中心は、加計学園が運営する岡山理科大学獣医学部新設に係る質疑だった。国民にとって重要な論点は二つ。
  ①政治権力を持つ者が、その権力を使って自らの関係者に有利な画策をしたか。
   →内閣府と文科省の関係者が「言った」「言わない」の水掛け論が続き、疑念は払拭されなかった。
  ②「国家戦略特区」や現在の「地方創生」政策は果たして正しいのか。
   →「規制緩和すべきかどうかと、加計学園の獣医学部をつくるべきかどうかは別次元の話」【前川喜平・前文科事務次官/参考人】
 では、「国家戦略特区」という方法による規制緩和は、日本にとって良い流れを生み出せるか。岩盤規制を壊して外資を呼び込み、経済成長をなしとげたか。
   →現在認定されている242件のうち、外資による事業はゼロ。

 (3)少子化に拍車がかかった今、大学機関の新設や自治体への誘致が進む現状をどう考えるか。4割の私立大学が定員を満たせない状況下での大学誘致は、経済活性化や地元の創生につながるか。
 「国家戦略特区」で学部を新設するために、自治体は用地を無償で提供し、多大な寄付をしている。しかし、開学してもその地域が投資に見合う活性化を手にできるとは限らない。
 大学が学生でにぎわうのは1年のうち約7ヵ月。残りの5ヵ月は、その地域の交通機関や飲食店に大きな利益はない。しかも、昨今の学生は倹約志向なので、価格を抑えねばならない。大学は、利益重視の業者なら敬遠する存在なのだ。
 アルバイト先に近い町に住みたい学生は郊外に住もうとしない、という現象もあった。
 大学誘致で地域を活性化したいなら、地元住民が中心になって新しい町をつくることだ。学生を「利益をもたらす顧客」とみなしたらうまくいかない。学生をコミュニティの一員と考えて企業を誘致し、働く場所を確保し、安価な住まいや飲食を用意する。それならば、教員も学生もそこで暮らし、やがてはそこの住民にもなるだろう。
 そこまでの整備をするための特区であれば、地方創生は実現するだろう。しかし、「国家戦略特区」は特定の人々、組織が「お手盛り」するために使われている。

 (4)地方行政は国家の道具ではない。まずは明治以来の中央集権を脱し、地方行政を国から各地域に取り戻す必要がある。
 その上で、地方創生は利益という観点でなくコミュニティの再構成という観点から、定住という観点ではなく流動性を前提とした観点から、組み立て直さなければならない。 
 地方が活性化して、はじめて日本の未来は見えてくる。

□田中優子(法政大学総長)「地方は国の道具にあらず ~現論~」(「日本海新聞」 2017年7月30日)
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 【参考】
【森功】【加計学園疑惑】「1校限定」の真の「背景と構図」 ~今治市元幹部は語る~
【加計学園疑惑】あの大物政治家に「医学部口利き」疑惑
【森功】【加計学園疑惑】もう一人のお友達の「暗躍」 ~下村元文科大臣~
【佐藤優】【加計学園疑惑】官邸最高レベル指示を「闇文書」にした理由
【加計学園疑惑】獣医学部新設では日本会議人脈、系列中学校では右派系教科書使用
【加計学園疑惑】安倍官邸に巣くう加計学園人脈 ~忖度や謀略の裏で“お友達”優遇~
【加計学園疑惑】安倍首相答弁にウソ ~獣医師会が反論~
【加計学園疑惑】プロセスの再考と公正を迫る前川前次官証言
【加計学園疑惑】前川前次官の告発が見事にあぶり出した「メディアの真贋」
【加計学園疑惑】説明責任は首相にある ~朝日紙社説・抄~
【加計学園疑惑】獣医学部新設に日本獣医師会が「反対」する理由
【加計学園疑惑】愛媛県・今治市も「共犯」か ~地元の発言・文書も示す加計学園「総理のご意向」~
【神保太郎】首相の妻(安倍昭恵)、日本の公教育を否定
【後藤謙次】【加計学園疑惑】沈黙していた政官双方から異論 ~加計学園問題が招く想定外反応~
【加計学園疑惑】と官邸 ~「総理の意向」隠蔽か~
【加計学園疑惑】「忖度」ではなく首相の直接指示か ~首相主導の“官製談合”~
【後藤謙次】共謀罪に加計学園問題まで炎上 ~予想以上に高い「6月の壁」~

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【米国】アマゾンのベゾス氏の資産800億ドル突破 ~世界一の大富豪ゲイツ氏に肉薄~

2017年07月30日 | 社会
 (1)過去23年間のうち18年間で世界一の大富豪の地位にある米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏。近いうちに世界一の座を明け渡すことになるかも。

 (2)米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス・CEOの資産がいま一気に膨らみ、ゲイツ氏に肉薄している。好調な業績を背景にベゾス氏が有するアマゾン株が大きく値上がりしているからだ。
 世界の億万長者(billionaire)を日々順位付けしている米ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、6月15日現在の個人資産額でベゾス氏は828億ドル(約9兆2,000億円)。あと66億ドルでゲイツ氏(894億ドル)に並ぶ。ゲイツ氏が世界一の座から降りるとなれば、カルロス・スリム氏(メキシコの実業家)に追い抜かれた2010年以来だ。

 (3)ベゾス氏が有する資産は、2017年初から信じがたいペースで増えている。6月中旬までの6カ月足らずで174億ドルも膨らんだ。円換算で2兆円に迫る。長者番付の上位10人の中では最大の増加額だ。ゲイツ氏も資産を増やしているとはいえ、増加額は半分以下の7億ドルにとどまる。
 主因はアマゾン株の急伸だ。4月下旬発表の1~3月期決算が予想を上回る内容だったため、5月末には、同社株は初めて1,000ドルの大台に乗せた。この結果、同社株の17%を保有するベゾス氏の資産も連動して増えたわけだ。ちなみに、同氏がCEOとして受け取る基本給は年8万2,000ドルであり、日本円で1,000万円にも満たない。

 (4)マイクロソフトとアマゾンは、たまたま同じIT業界に属するばかりか、共に米ワシントン州シアトル市を本拠地にしている。つまり、世界第1位と世界第2位の大富豪がそろって同市をホームタウンにしているのだ。地元紙シアトル・タイムズは5月上旬に次のように書いている。
 <もともとは中産階級を中核にしていたシアトルは大きく進化し、今では少数の億万長者が空前の富を手にする都市になった。その象徴がゲイツとベゾス。IT時代の申し子である2人は現代の鉄道王になった。>

 (5)長者番付の上位10人には米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏(5位)と米グーグル創業者のラリー・ページ氏(10位)も含まれる。10人のうち4人が世界のIT業界をリードしてきた米起業家なのだ。
 19世紀の米鉄道業で巨富を築いたコーネリアス・ヴァンダービルトやジェイ・グールドら鉄道王にちなんで「現代の鉄道王」と呼ばれるゆえんだ。

 (6)リーマンショック前年の2007年はどうだったか。米フォーブス誌の長者番付によると、米IT長者は、10位内では首位のゲイツ氏に限られていた。2000年に絶頂に達した「ドットコム・バブル」の崩壊が影響していたらしい。それから10年を経て、米IT業界は完全復活し、さらには世界で覇権を握るようになった。
 ベゾス氏とゲイツ氏の長者番付トップ争いが、それを如実に示す。

□牧野洋(ジャーナリスト兼翻訳家)「The world's richest man(世界一の大富豪)/アマゾン株急伸でベゾス氏の資産は800億ドル突破、世界一のゲイツ氏に肉薄 ~Key Wordで世界を読む No.147~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
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 【参考】
【スウェーデン】の実験 ~1日6時間労働 six-hour workday~
【米国】保育危機 child care crisis ~保育費が大学授業料を超える~
【米国】トランポノミクス ~ドナルド・トランプの経済政策~
【IT】米IBMはもはや「コンピューターの巨人」ではない ~Medium Blue~
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【南雲つぐみ】水泳後の目の洗浄 ~昔と今~

2017年07月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 海やプールで泳いだ後、かつては水道水で目をよく洗ったほうがいいといわれていた。小中学生の頃には、プールの入り口にある洗い場で、指で目を開くようにして目を洗っていたのを覚えている。
 現在では、目は洗わなくてよいとされるようになってきた。眼科専門医によれば、目の表面はもともと涙の層によって守られている。水道水に含まれる塩素は、むしろ目に刺激を与えてしまうのだ。泳ぐときにはゴーグルを装着して塩素消毒されたプールの水や海水から目を守り、上がったあとは目に刺激の少ない目薬をさす程度でよいという。
 一方、泳いだ後に毛髪はよく洗ったほうがいい。海に入ると髪がパサパサしてしまうのは、海水の塩分が浸透圧により髪の水分を奪い、髪が乾燥しやすくなるからだという。また、プールの水に含まれる塩素は髪のキューティクルという表面組織を壊し、髪の傷みや切れ毛の原因になる。シャワーでよく洗い、保湿成分のあるトリートメント剤などでケアしておこう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「水泳後の洗浄 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月23日)を引用
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【南雲つぐみ】冷蔵庫のお掃除を ~食中毒を予防~

2017年07月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 最近の冷蔵庫はチルドや氷温、パーシャルなどさまざまな温度設定ができ、生鮮食品の鮮度が長持ちするようにできているものもある。ここ数年で登場した最新機種には、熱いものをそのまま入れても大丈夫で、庫内の温度も保たれるのでラップ包装も不要という製品が主流になっている。
 しかし温度も湿度も高いこの時期に冷蔵庫を過信するのは危険だ。食品を入れっ放しにすれば、庫内で変質することもある。
 食中毒を予防するためにも、賞味期限の過ぎた食材は整理し、雑菌のもとになるこぼれたソースなどのふき取りはこまめにしてほしい。重曹小さじ1~2杯を水200ccに溶かして庫内にスプレーすると、油汚れなどが取れて消臭効果もある。
 冷蔵庫の食品庫の仕分けに、プラスチック容器や弁当箱などを使うことがある。古くなったプラスチック製品は細かい傷が付きやすく、そこに食べものの油や肉汁がつくと雑菌が繁殖しやすくなる。プラスチックは腐らないが、実は腐敗の原因になるのだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「冷蔵庫のお掃除を ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月8日)を引用
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【後藤謙次】急浮上する電撃解散説 ~ダブル補選と内閣支持率急落の絡み合い~

2017年07月30日 | 社会
 (1)政界の「補選地獄」という言葉は、たった1議席を争う選挙の勝敗が、重要政策や政権の命運を左右する、という意味だ。日本税制史にその名を残す補欠選挙がある。
  (a)1987年3月の「岩手ショック」。現職参院議員の死去に伴う参院岩手選挙区の補選。保守王国といわれた岩手で自民党は社会党に惨敗した。その結果、中曽根康弘・首相(当時)が国会に提出していた「売上税法案」は廃案に追い込まれた。
  (b)(a)の2年後、今度は参院福岡補選で反自民の火の手が上がった。89年2月、消費税導入を4月1日に控え、リクルート事件も重なったタイミングでの補選だった。竹下登・首相(当時)のコメントが残る。「完敗だ。雪崩現象といえる。参院岩手補選のときと少し似ている」・・・・20万票近い大差で自民党公認候補が大敗。これを契機に、竹下内閣は坂道を転げ落ちるように求心力を失っていった。消費税導入にはこぎ着けたものの、補選から2カ月後、竹下は首相退陣を表明した。

 (2)歴史をひもとけば、一つの議席を争う補選が、政治の流れを一変させた。補選のきっかけは議員の死去によるケースが多く、政権与党といえども都合のいい時期に選挙が行えないことも「番狂わせ」の大きな要因となる。
 そんな現職議員の死去による衆院の補選が、10月22日に実施されることが決まった。しかもダブル選だ(青森4区と愛媛3区)。
 補選は、本来の「欠員補充」に加え、その時々の国民世論の動向を判断する重要なリトマス試験紙の役割を果たす。
 東西二つの補選は、安倍晋三・首相に試練になるだろう。中でも愛媛3区は、岡山の学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題で話題の焦点になっている今治市に隣接する選挙区だ。この問題の影響を受けないはずがない。
 しかも、東京都議選前はおおむね40%台後半で推移してきた安倍内閣の支持率が急落し、反転の兆しが全く見えてこない。今や「毎日新聞」で26%(調査日7月22~23日)という驚くべき数字。最も高い「日本経済新聞」ですら39%(同21~23日)で、40%の大台を割り込んだ。

 (3)この急落と重なるように、仙台市長選(7月23日)で自公が支援した候補が野党候補に競り負けた。仙台市長選では都議選で圧勝した都民ファーストの会のような第3の受け皿はなかった。“ガチンコ対決”で敗退しただけに自民党にとって事態はより深刻だ。
 「自民党支持層の7割しか与党候補に投票してくれなかった」
 自民党のベテラン選対幹部は敗因をこう分析する。自民党支持者の間にも政権批判が広がり始めているのだ。過去の、自民党の典型的な負けパターンだった。
 昨年の参院選でも、東北6県で自民党が当選したのは秋田だけだ。安倍政権の農業政策に対する批判が背景にあり、「安倍1強」の弱点が露呈した選挙だった。依然としてその弱点が克服されていないことが証明された。

 (4)安倍がリスクを冒して設定した加計学園問題をめぐる衆参両院での閉会中審査では、安倍の答弁矛盾が逆に政権不信を増幅させた。
 「やらなくてもいい審議で失点を重ねた」
 自民党内からも恨み節が聞こえる。そこにダブル補選。もともと内閣支持率の急落は政策の失敗が原因ではない。大阪の学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題に端を発した、安倍の「身びいき」に対する不信感が雪だるま式に拡大した結果だ。このため支持率回復への特効薬、挽回策がない。

 (5)安倍が表明した8月3日の内閣改造も効果は限定的だろう。内閣でも党でも、主要ポストには手を付けない「守り優先」だからだ。自民党のベテラン幹部も人事に当たって安倍にこんなアドバイスをしたという。
 「お友達は使わない。族議員も使わない」
 お友達排除は当然にしても、族議員からの起用見送りによって、業界とのつながりなど予期せぬスキャンダルが発覚しないとも限らないからだ。さらに金田勝年・法相の不安定な答弁ぶりが国会を混乱させたとして、「答弁能力」も入閣の適否を判断する重要なポイントになりそうだ。つまり劣勢挽回というよりは減点を極力減らすことが目標の「べからず改造」にならざるを得ないのだ。

 (6)何があるか分からないのが政治だ。とりわけ補選前に新内閣で不祥事、スキャンダルが発覚すれば、政権の命取りになる可能性が生じる。仮に補選を乗り越えても臨時国会、そして来年の通常国会を無事に乗り切れる保証はどこにもない。
 そこで、再び取り沙汰されるのが、「電撃解散説」だ。口火を切ったのが二階俊博・幹事長だった。
 「そう遠くない日に解散がある。立ち遅れは許されない」
 公明党も急速に早期解散論に舵を切りつつある。公明党は都議選で小池百合子・都知事が率いる都民ファーストと選挙協力を結び、候補者全員の当選を勝ち取った。しかし、都民ファーストが国政に打って出るとなると、長年の自公協力か、都民ファーストとの連携かの選択を迫られることになる。小池が国政進出を決断する前の衆院総選挙を期待する所以だ。
 そして何よりも、「混乱の続く民進党の選挙準備が整わないうちに選挙に持ち込む」(自民党幹部)。そんな声が自民党内に出始めた。
 「いつの選挙なら勝てるというよりも、いつの選挙なら負けが少ないか」(選対幹部)
 内閣支持率の急落とダブル補選が絡み合い、「解散」の2文字が急浮上する。

□後藤謙次「ダブル補選と内閣支持率急落が絡み合い急浮上する電撃解散説 ~永田町ライブ!No.350」(「週刊ダイヤモンド」2017年8月5日号)
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 【参考】


【後藤謙次】反自民の受け皿になれないし、小池知事との連携も困難 ~民進党~
【後藤謙次】内閣改造は「専守防衛」でも活路が見えない「守りの安倍」
【後藤謙次】経世会(額賀派)・宏池会(岸田派)・石田茂 ~都議選大惨敗後の動き~
【後藤謙次】安倍首相の改憲案の前倒し発言 ~「年内解散」に向けた思惑~
【後藤謙次】支持率急落で首相が「反省の弁」 ~それでも止まらぬ内部文書流出~
【後藤謙次】憲法改正発議までの長い道のりが賭のリスクに ~天皇退位・総裁選・衆院選~ 
【後藤謙次】【加計学園疑惑】沈黙していた政官双方から異論 ~加計学園問題が招く想定外反応~
【後藤謙次】共謀罪に加計学園問題まで炎上 ~予想以上に高い「6月の壁」~
【後藤謙次】安倍1強時代を揺るがすリスク ~森友学園問題で一躍「渦中の人」~
【後藤謙次】北朝鮮、金正男氏殺害の深層 ~日本政府内に異なる二つの見方~
【後藤謙次】政府与党内の二つの見方 ~北方領土交渉は頓挫?~
【後藤謙次】トランプの地滑り的勝利で始まった未知なる対米外交
【後藤謙次】築地市場の移転延期の決断が小池都知事の手足を縛るリスク
【後藤謙次】幹事長の入院が人事に波及、「ポスト安倍」めぐり早くも火花
【後藤謙次】参院選大勝も激戦12県で大敗 ~劣る「勝利の質」~
【後藤謙次】都知事選で与党分裂の理由 ~自民党内の反安倍勢力~
【後藤謙次】日本が直面する「ABCリスク」 ~英EU離脱で顕在化~
【後藤謙次】甘利大臣辞任をめぐる二つのなぜ ~後任人事と直後のマイナス金利~
【政治】不可解な時期に石破派が発足 ~その行方は内閣改造で~
【政治】震災後2度目の統一地方選 ~異例なほど注力する自民党本部~
【政治】安倍が描いた解散戦略の全内幕 ~周到な準備~
【政治】安部政権の危機管理能力の低さ ~土砂災害・火山噴火~
【政治】「地方創生」が実現する条件 ~石破-河村ラインの役割分担~
【政治】露骨な安倍政権へのすり寄り ~経団連が献金再開~
【政治】石原発言から透ける政権の慢心 ~制止役不在の危うさ~
【原発】政権の最優先課題 ~汚染水と廃炉作業~
【政治】「新党」結成目前の小沢一郎の前にたちはだかる難問
【政治】小沢一郎、妻からの「離縁状」の波紋 ~古い自民党の復活~
【政治】国会議員はヤジの質も落ちた
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【南雲つぐみ】白衣高血圧症

2017年07月29日 | 医療・保健・福祉・介護
 病院や検診施設などで血圧を測ると、高い数値が出て驚いてしまうことがある。このようなときは、まずリラックスできる自宅で朝晩の決まった時間に血圧を測り、「家庭血圧」を調べよう。
 家庭血圧が正常であれば、緊張感やストレスで起こる一時的な血圧上昇と見なされることになる。白衣の医師や看護師の姿に緊張するということから、「白衣高血圧」と呼ばれている。
 白衣高血圧は、頭痛などの高血圧による症状がなければ、すぐに治療が必要とはされていない。ただ、「緊張すると血圧が高くなりやすい」という体質であることは確かで、将来的に高血圧になる可能性もあるため、家庭血圧を測る習慣をつけていものだ。
 反対に診察室や検診では正常値なのに、家庭で測ると高い「仮面高血圧」も注目されている。医師の前では正常値なので見逃されがちだが、実際は血圧の高い状態が続くことになる。心臓や血管に大きな負担がかかり、高血圧で治療を受けている人よりも脳卒中や心筋梗塞を起こしやすいといわれているそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「白衣高血圧症 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月20日)を引用
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【保健】鬱に効くボルダリング ~悲観的な自動思考を解消~

2017年07月28日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)切り立った崖や壁を身一つで登るボルダリング。装備は専用シューズと手指の汗を止めるチョークくらい。東京オリンピックの追加種目でもあり、このところ競技人口が増えている。

 (2)このボルダリング、どうやら「鬱病」の治療に有効らしい。その効果が、先月開催された米国の心理学関連の学会で紹介された。
 紹介された研究は、約100人の鬱病患者を次の2群に分けて実施。
   (a)介入群
   (b)待機群
 (a)は、鬱病の重症度の評価を受けてすぐに週3時間のボルダリング療法を始め、8週間続けてもらった。
 (b)は、一般的な治療を8週間行った後、ボルダリング療法を開始した。
 参加者は、8週間ごとに鬱病の重症度と自覚症状のチェックリストを使い、症状の推移を記録した。
 その結果、(a)の自覚症状が大きく好転した。喩えて言うと、重症が軽症になるほど劇的な変化だった。
 他方、(b)はわずかな改善にとどまった。

 (3)研究者は、「登攀中は意識を拡大しつつ落ちないよう一心に集中する状態。人生のあれこれに悩んでいる暇がない」という。
 集中が途切れれば落ちる、という危険な状況が脳内の神経伝達物質に影響し、一種ニュートラルな状態を生み出すのだろう。

 (4)この治療法は、2015年にボルダリングの治療効果を初めて示したドイツの小規模研究から発展したもの。ドイツでは、すでに鬱病治療に取り入れられている。
 ボルダリング療法の良い点は、「鬱病で最も問題になる悲観的な考えをあれこれ反芻するパターンを解消できること」だ。さらに、「社会から孤立しがちな患者が仲間と交流できること」も見過ごせない。実際、ボルダリング療法を受ける患者の多くは初心者だが、とても楽しんでいる様子だ。
 鬱病イコール薬物治療の日本とは違い、欧米では認知行動療法など非薬物療法が盛んだ。ボルダリングほど劇的ではないが、ウォーキングやジョギングの治療効果も認められている。

□井出ゆきえ(医学ライター)「ボルダリングがうつに効く/悲観的な自動思考を解消 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.355~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
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 【参考】
【保健】主食をしっかり食べると公平な判断ができる
【保健】梅雨明け~お盆は熱中症の季節 ~危ない人、予防と対応法~
【保健】塩分過剰で空腹に ~高血圧どころかメタボに~
【保健】満腹より栄養素に目を向けて ~収入が低い世帯は主食頼み~
【保健】だるいときほど階段昇降を ~カフェインより効果的~
【保健】成人ADHDの予備診断 ~六つの質問でクリーニング~
【保健】“ベンゾ系薬剤”に注意 ~常用量でも薬物依存を形成~
【保健】ギャンブル依存症ってなに? ~最新の定義は「プロセス依存」~
【保健】グルテンフリー食の功罪 ~結局、2型糖尿病に?~
【保健】アジア系2型糖尿病でも全がん死リスクが上昇
【保健】「男の更年期」改善効果に疑問符 ~テストステロン補充療法~
【保健】狩猟・採集民族のチマネの人々に学ぶ ~現代的な生活は健康リスク~
【保健】玄米でカロリー消費! ~30分程度の運動に匹敵~
【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~

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【南雲つぐみ】モヤシで夏を乗り切る

2017年07月27日 | 医療・保健・福祉・介護
 最近、モヤシの値上げが話題になっていた。しかし、「もやし生産協会」のホームページによると、モヤシの価格は平成に入ってから次第に値下がりしてきたそうだ。さきごろの平均価格は100グラムあたり14円から15円。原料の種子が値上がりしているのに販売価格が上がらないので、廃業する生産者も増えているという。
 確かにモヤシは安い。それに栄養価が高い。種に蓄えられているタンパク質やカルシウム、葉酸、食物繊維などに加えて、豆が発芽することでビタミンCの量が増える。同協会のデータでは、緑豆のモヤシより大豆モヤシのほうが栄養価は優れているそうだ。
 ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすいが、ゆで時間が短くて済むモヤシは、ビタミンCを逃さずに食べることができる。だからあまり長いこと冷水にさらさないようにしよう。
 夏は食欲が落ちやすい。さっとゆでてキュウリやニンジンなどとあわせ、ごま油、しょうゆ、白ゴマをまぜたナムルはどうだろう。冷やせばさっぱりして夏バテ予防にもぴったりだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「モヤシで夏を乗り切る ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年6月23日)を引用
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【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~

2017年07月27日 | 社会
 (1)1970年代、スペインはフランコ独裁政権による長い抑圧から解き放たれた。カタルーニャ州では独自の文化や言語への回帰現象が見られた。
 それから40数年、再び同州が独自色を強めている。

 (2)カタルーニャは、10月1日に独立を問う住民投票を行うことを決めた。独立の票が残留を上回った場合、48時間以内にスペインからの独立を宣言すると公表した。独自の憲法はもちろんのこと、軍隊、中央銀行、税務署などを設置し、海外からの融資を呼び込もうとしてる。
 住民投票を10月1日にした理由は、英国のEU離脱に伴い、ロンドンにある欧州医薬品庁の移転先としてカタルーニャの州都、バルセロナが最有力候補に挙がっているからだ。EUは7月末までに候補地を絞り込み、10月に決定する見込みだ。
 カタルーニャはこの決定前に住民投票を行い、欧州医薬品庁の誘致をEU加盟への道筋にしようと考えている。
 欧州委員会は、カタルーニャが独立してもEUへの参加を認めない姿勢だった。しかし、態度が軟化してきている。とはいえ、EU加盟には全27カ国の承認を得なければならい。当然ながら、スペインは首を縦に振らないだろう。

 (3)2012年の時点では、独立57%、残留20%と明らかな差があった。
 2014年の住民投票では80%以上が独立に票を投じた。ただし、投票所に足を運んだ住民は、投票権のある540万人のうち、たった4割(220万人)だった。
 それが、2016年12月時点では(州政府の調査)、45.3%が独立、46.8%が残留を支持と、ほぼ均衡している。EU加盟が容易でないことに加え、Brexitを目の当たりにして、EU離脱のマイナス面に対する懸念が広がっているのだろう。

 (4)カタルーニャは、スペインの人口の15%、経済の20%を占めている。スペインでは最も生産性が高い地域で、1人当たりのGDPはスペインの平均に比べて20%ほど高い。ポルトガルと同規模の経済を持ち、スペインの流通の重要拠点でもある(輸出の70%を取り扱う)。
 スペインは、欧州債務危機の際に緊縮財政という誤った処方箋をEUから与えられた。その結果、重い債務と高い失業率(約25%、若年層では約50%)に苦しむ。カタルーニャが独立し、稼ぎ頭が出ていってしまえば、EU第5位のスペイン経済は間違いなく揺らぐ。そうなれば、スペイン発の金融危機が再来する可能性は高い。

 (5)だから、スペイン政府はいかなる住民投票も無効と見なす、という姿勢を崩していない。
 2014年に住民投票を行ったカタルーニャ自治州政府の、アルトゥール・マス首相(当時)に対し、2年間の公職就任禁止措置を取った。
 また、独立を強行した場合は、憲法155条(地方政府の権限凍結)を適用する方針だ。州政府による自治がスペイン民主主義の目玉だったのだが、政府はそこまで追い詰められているわけだ。政府の対応は、12月に行われる総選挙にも強い影響を及ぼす。
 しかし、155条の適用は明らかに逆効果だ。独立派、残留派の区別なく、80%のカタルーニャ住民が住民投票を望んでいるからだ。中央政府が強権的に出れば、独立派の票は伸びる。スペイン政府は微妙なかじ取りを迫られている。

□竹下誠二郎(静岡県立大学経営情報学部教授)「カタルーニャ独立ならスペイン経済は大打撃/欧州金融危機の再来か」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月29日号)
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 【参考】
【欧州】のゴミ箱扱いに憤慨する東欧諸国 ~深まるEUの東西分裂~
【英国】の地政学的優位性がBrexitで喪失 ~領内で高まる独立気運~
【欧州】北欧も難民入国規制強化へ ~形骸化するシェンゲン協定~
【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~


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【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~

2017年07月26日 | 批評・思想
 
★E・F・シューマッハー(小島慶三、酒井慧・訳)『スモール イズ ビューティフル ~人間中心の経済学~』(講談社学術文庫、1986)

 資源の枯渇や公害によって大量生産・大量消費が「不可能になる」ため、質を重視した“人間中心の経済”へのシフトが必要──。シューマッハーが目指した資源・エネルギー使用量の少ない経済は、今日、一部が実現しつつある。
 ただし、その原動力は、資源不足や環境問題ではない。消費者の好みの変化こそが、最大の原因だ。その結果、企業は質を重視し、デザインやストーリーといった非物質的な特徴で競争している。1973年、本書の原著は、オイルショックへの警鐘として、世界経済への批判と提言として、一世を風靡した。一方、現代においては、革新的な経済システムの提言としてではなく、堅実に進みつつある経済のソフト化についてのヒントとして読み直してみる価値がある。

□飯田泰之(明治大学政治経済学部准教授)「物質至上主義批判の古典 ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月29日号)を引用
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【森功】【加計学園疑惑】「1校限定」の真の「背景と構図」 ~今治市の元幹部は語る~

2017年07月26日 | 社会
 (1)<加計学園問題「1校限定」どこへ>
 このような記事が、7月7日付け愛媛新聞に掲載された。
 二度目の国会閉会中審査で、安倍晋三・首相がどう説明するか。マスコミはことさらそこをクローズアップしている。なかでも「加計ありきだったのかどうか」「首相官邸の圧力、関与があったかどうか」・・・・メディアはその解明を叫ぶ。

 (2)が、くだんの地元を取材してみると、問題意識に温度差がある。今治市で国家戦略特区に携わってきた関係者は、「なぜ今になって政府の方針が変わったのか」と、そこに首を傾げるのだ。
 同紙では、こうも書く。
 <安倍首相はかねて、新設計画について「私が介入する余地はない」と強調してきた。
 ところが、神戸市の講演では「今治市だけに限定する必要は全くない。2校でも3校でも、意欲のあるところにはどんどん認めていく」と一転、トップダウンで決めるような印象を持たせた>
 この首相の“変貌”に対し、今治市の元幹部はこう本音を吐露した。
 「今頃になって加計ありきかどうか、なんて騒いでいるが、それは当たり前。我々は、安倍総理が後ろ盾になって加計学園の獣医学部新設を応援してきたからこそ、ここまで来れたと認識しています。友人がいいことをやっているので、特別に規制を緩めたといえば済む話。それを、今になって他の大学にも獣医学部をつくるなんて言い出している。仮に京都みたいな都会にできれば、こっちには学生が来なくなるのでは」

 (3)要するに、今治市は依怙贔屓(えこひいき)されるからこそ、獣医学部新設にうま味があると考えてきたのだ、という。こう憤った。
 「そもそも我々が獣医学部に乗り気だったのは、珍しい分野だから。ふつうの学部を新設しても、学生は都心にとられてしまうけど、獣医学部なら他にできないので、今治のようなところにも学生が来てくれる。特別扱いだからやっていけると考えていたから、1校限定でなければ困るのです」
 これまで1校限定だとした背景は、内閣府が日本獣医師会の反対を和らげるための折衷策として提案したものだとされてきたが、その実、地元はそうでないと学校経営が危うくなると恐れているわけだ。

 (4)地元ではここに来て、資金計画そのものにも疑問の声が上がり始めている。加計学園では、獣医学部のキャンパスにかかる建設費用を192億円と算定。今になって、この算定基礎が示されていない、と市議会が騒ぎ出している。
 従来、菅良二・今治市長は、建設費の192億円のうち半分の96億円を市と県の補助金で見る、という。今治市が3分の2の64億円を負担し、残り32億円について県から支援を仰ぐという皮算用である。
 もっとも、これはあくまで8月末の文科大臣による学部設置認可があっての話だ。すでに工事は進んでいるが、認可が下りなければ、今治市は予算を執行できない。万が一「不認可」となれば、加計学園は工事中の土地を更地にして今治市に返還しなければならない。森友学園の構図と同じなのだ。
 なぜ、こんな危機的な事態になっているのか。そこも首相が説明責任を負うのだが、その責任を安倍首相は果たしているか。

□森功「地元・今治市の元幹部が語った加計学園問題「1校限定」の真の「背景と構図」とは? ~ジャーナリストの目 第349回~」(週刊現代 2017年8月5日号)
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 【参考1】
【加計学園疑惑】あの大物政治家に「医学部口利き」疑惑
【森功】【加計学園疑惑】もう一人のお友達の「暗躍」 ~下村元文科大臣~
【佐藤優】【加計学園疑惑】官邸最高レベル指示を「闇文書」にした理由
【加計学園疑惑】獣医学部新設では日本会議人脈、系列中学校では右派系教科書使用
【加計学園疑惑】安倍官邸に巣くう加計学園人脈 ~忖度や謀略の裏で“お友達”優遇~
【加計学園疑惑】安倍首相答弁にウソ ~獣医師会が反論~
【加計学園疑惑】プロセスの再考と公正を迫る前川前次官証言
【加計学園疑惑】前川前次官の告発が見事にあぶり出した「メディアの真贋」
【加計学園疑惑】説明責任は首相にある ~朝日紙社説・抄~
【加計学園疑惑】獣医学部新設に日本獣医師会が「反対」する理由
【加計学園疑惑】愛媛県・今治市も「共犯」か ~地元の発言・文書も示す加計学園「総理のご意向」~
【神保太郎】首相の妻(安倍昭恵)、日本の公教育を否定
【後藤謙次】【加計学園疑惑】沈黙していた政官双方から異論 ~加計学園問題が招く想定外反応~
【加計学園疑惑】と官邸 ~「総理の意向」隠蔽か~
【加計学園疑惑】「忖度」ではなく首相の直接指示か ~首相主導の“官製談合”~
【後藤謙次】共謀罪に加計学園問題まで炎上 ~予想以上に高い「6月の壁」~

 【参考2】
【森功】【加計学園疑惑】もう一人のお友達の「暗躍」 ~下村元文科大臣~
【JAL】社員の賃上げの前に余ったカネを社会に還元するのが筋 ~大幅賃上げを進める日本航空~
【空港】民営化元年の今年 ~地方空港は赤字経営だらけ~
【社会】「工藤会」脱税容疑逮捕で暴力団の資金が枯渇するか
【米国】が狙い撃ちする日本の自動車部品メーカー ~カルテル摘発続出~
【社会保障】報酬の大幅減額で浮き彫りになった介護保険制度の「矛盾」
【電力】会社が再生エネ買い取りに消極的な本当の理由
【政治】パソナと安倍政権が目論む労働市場「改悪」
【原発】朝日叩きに走る各紙が過去に飛ばした「大誤報」

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【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』

2017年07月25日 | ●佐藤優
★奥野長衛、佐藤優『JAに何ができるのか』(新潮社 1,200円)
 
  「佐藤優さんが農業問題ですか」と驚きました。ご本人は「歴史を学ぶなかで農業の大切さを痛感していた」と言います。渦中の人でもあるJA全中会長との対談が『JAに何ができるのか』。
 日本農業の構造改革はいつもホットなテーマですが、注目したのが協同組合という組織形態が果たす役割についてでした。奥野会長は、自身の出身農協であるJA伊勢の青ネギ栽培やヨーロッパの事例などから「儲かる農業も大切だが、共助の組織こそ農業が生き残る肝だ」と訴えます。JA応援本かと思いきや、そこは佐藤氏のインテリジェンスがさえ、知っているようで実は知らない日本農業と農協を取り巻く状況を整理した格好の入門書になっています。

□岡崎史子(三省堂書店有楽町店主任)・選・評・談「変化の時代を生き抜くためにかみしめたい9の原理原則  ~目利きのお気に入り~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月29日号)から『JAに何ができるのか』に係る部分を引用
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 【参考】
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
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【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
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【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
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【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【南雲つぐみ】土用丑の日 ~ウナギのビタミンA~

2017年07月25日 | 医療・保健・福祉・介護
 旧暦で立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日を「土用」という。また、365日を十二支に当てはめて丑に当たる日が「丑の日」なので、本来、土用の丑の日は春夏秋冬ごとにやってくることになっている。
 今年の夏の土用の丑の日は7月25日と8月6日。この日にウナギを食べる習慣が定着している。その発祥には諸説あるが、江戸中期、発明家の平賀源内が、客の入らないウナギ店に頼まれて「本日、土用丑の日」と張り紙したところ、話題になったという。
 それ以来、ウナギは夏バテ防止の健康食となった。ウナギの特筆すべき栄養素はビタミンAで、1串(100グラム)に1,500マイクログラム含まれている。これは成人男性の一日のビタミンA推奨量850マイクログラムの約2倍にあたる(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、2010年版)。
 ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保つために重要だが、取り過ぎると肝臓に貯蔵されて、脂肪肝などの症状も出るので食べ過ぎには注意したい。
 なお、薬味の粉さんしょうは、脂肪を燃やす作用があるそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「土用丑の日 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月25日)を引用
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【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感

2017年07月25日 | ●佐藤優
 ①守屋淳『もう一つの戦略教科書「戦争論」』(中公新書ラクレ 840円)
 ②松岡幹夫著『仏教とお金』(柏艪舎 1,400円)
 ③五木寛之、田原総一朗『われらマスコミ渡世人』(祥伝社新書 800円)

 (1)①は、クラウゼヴィッツの名著『戦争論』をビジネスに活かそうとする意欲的な試みだ。クラウゼヴィッツの基本概念を次のように翻訳する。
 <「戦略」--戦闘力の配分を決める
 「戦術」--戦闘の仕方を決める
 わかったような、わからないような指摘ですが、会社で考えるととてもわかりやすくなります。
 たとえば大きい会社では、複数のジャンルで事業をやっている場合がほとんど。そうなると、「どの事業にどの程度お金とヒトを配分するか」と、「それぞれの事業で、どのように利益を稼ぐか」という二つの方法論が必要になってきます。このうち前者を「戦略(企業戦略)」と、後者が「戦術(事業部戦略)」と呼んだのです>
 本書は、企業や官庁のマネジメント力を強化する。

 (2)②の著者は、東日本国際大学教授にして僧籍を持つ。その松岡氏によるユニークな人生論。
 <悪人は厚かましく、したたかです。お金を稼ぐのに、手段は選びません。ウソにウソを重ね、手練手管を弄してお金を取ろうとしてきます。そんな相手に正攻法で立ち向かっても、まず勝ち目はありません。いいように手玉にとられるだけでしょう。悪人に勝つには、相手を出し抜くぐらいの智慧が必要です。悪人がウソでだましにかかってきたら、それを上回る智慧でワナにはめる。悪人と同じ次元に落ちるのはみっともない、などと言うのは無責任な人の発言でしょう。同じ次元に降りないと、実際には戦いすらできません>
 現実社会の悪との闘いから逃げてはいけない。

 (3)③で展開されている五木氏のロシア観が興味深い。〈例〉ウクライナとのクリミア問題について五木氏は次のように指摘する。
 <ロシアのクリミア併合にしても、ロシア正教とギリシャ正教の対立として捉えていく視点も重要になると思います。ロシアというのはビザンチン帝国の正統な継承者という意識があって、モスクワを第三のローマと捉えるのですが、これはドストエフスキーの考えのなかにもあるのです。
 ビザンチン帝国は異教徒に滅ぼされたけれども、ロシアに引き継がれたという感覚があって、ロシアには東方に対する使命感があるのです。つまり、国土を領有するという地政学的な問題だけではなくて、東ローマ帝国の文明を再興するという精神的な使命感が、ロシア人にはあるといわれている>
 政府が五木氏を文化大使に任命し、ロシアに派遣して講演してもらえば、北方領土交渉が進展するはずだ。

□佐藤優「ロシア人の意識と使命感 ~知を磨く読書 第208回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月29日号)
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【南雲つぐみ】水出しのお茶 ~その味わいと作るコツ~

2017年07月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 暑い時季、熱を使わずに作れる冷たい飲み物は手軽でうれしいもの。麦茶だけでなく、緑茶やほうじ茶、紅茶、コーヒーなども、水出しでおいしくいただける。
 「お茶の科学」(裳華房)の著者、山西貞さんによれば、緑茶の甘味成分であるテアニンは、低温の水でも溶出するのに対して、渋み成分のタンニンは低温では溶け出しにくい。だから水出しのお茶は甘みがあって、まろやかな味わいになるのだそうだ。煮出さないことにより、くせやあくが出にくいので、たくさん飲むのにはちょうどいいかもしれない。
 水出しでおいしく入れるコツは、煮出すときよりも茶葉を多めに入れること。味が出るまでに時間がかかるので、茶葉やコーヒーをだしパックなどに入れてお茶用のボトルに浸し、冷蔵庫に一晩ほど入れておこう。
 調理用の合わせだしも、水出しで十分な味が出るそうだ。昆布とかつお節、昆布と煮干しなどの材料を水に漬けて冷蔵庫に半日以上おくといい。その場合は3日以内に使い切るようにしよう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「水出しのお茶 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月22日)を引用
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