語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~

2015年10月20日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)日本人男性は、非喫煙者も受動喫煙のため「歯周病」リスクが高くなるらしい。東京医科歯科大学と国立がん研究センターの共同チームの報告から。

 (2)同研究は、1990年、秋田県横手市の住民(当時40~49歳)に対して行った喫煙状況に係るアンケート調査をもとに、その後の歯の状態と喫煙との関連を検討したもの。2005~06年に歯の健康状態を確認した。
 最終的な解析対象者は、男性552人、女性612人、計1,164人。
 2005年の年齢は、55~75歳。
 受動喫煙と喫煙状況で6群に分類し、6mm以上の「歯周ポケット」が1歯以上ある場合を重度の歯周病と定義した。

 (3)年齢、学歴、糖尿病の既往、飲酒状況、歯科への通院歴など、歯周病の発生に関連する因子の影響を調整して解析した結果は、次のとおり。
   喫煙者のリスクは受動喫煙経験がない非喫煙者の約3.3倍
 しかし、男性の場合、非喫煙者であっても歯周病発生リスクは、
   家庭内でのみ、受動喫煙の経験がある場合は約3.1倍
   家庭や職場で受動喫煙のの経験がある場合は約3.6倍
 他方、女性の場合、喫煙状況と歯周病との間には明確な関連は認められなかった。女性はタバコの害に対する意識が高く、喫煙や受動喫煙を避けたためだろう。

 (4)タバコのニコチンは、歯周病菌の発育を促進し、病原性を高める。
 今回の研究で受動喫煙でも同様のメカニズムが働く可能性が示唆された。

 (5)たかが歯周病、されど歯周病。
 歯を失う原因のトップであり、さらに糖尿病など全身性疾患との関連が指摘されている。慢性的な歯茎の炎症によって細胞から放出される「内毒素」が、血糖値を下げるインシュリンの効き目を弱めるからだ。実際、糖尿病患者の歯周病を抗菌薬で治療すると、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー/血糖コントロールの状態を示す)値が改善する。

□井出ゆきえ(医学ライター)「受動喫煙が歯周病リスクに ただし、男性に限ります ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.2~」(週刊ダイヤモンド」2015年10月日号)
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