(1)睡眠が不規則になるシフトワーカーは2型糖尿病発症リスクが高いことは知られている。
睡眠が不規則になると、夜勤とは関係ない中高年女性の2型糖尿病発症リスクも上昇するようだ。米ピックバーグ大学の研究から。
(2)研究では、
(a)対象者の平均就寝時刻と就寝時刻の変動、遅れ、もしくは前倒しだったかどうかの記録
(b)体格指数(BMI)および「インスリン抵抗性」(血糖を正常に下げるインスリンの働きを反映)
の(a)と(b)の関連を検討した。
インスリン抵抗性が上昇するほど、血糖値が上がりやすくなる。
研究対象は、48~58歳の非夜勤業務の女性370人。白人、アフリカ系米国人のほか中国人女性。
(3)結果は、
①就寝時刻がコロコロ変わり、寝る時刻が遅くなるほどインスリン抵抗性が上昇。
②就寝時刻が前倒しになるほど、つまり普段より睡眠時間が長くなるほどBMIが増加。
研究者は、「シフトワーカーではなくても、不規則な睡眠は健康な代謝を損なう」と強調している。
さらに、対象者の5年後の記録を検討した結果、平日と週末との睡眠時間のギャップが大きいほど、インスリン抵抗性が最大2倍も上昇することが判明している。
要するに、平日の寝不足を補う週末の寝だめは、逆に健康に悪い、ということだ。
(4)週末の寝だめに関する報告は、同じピッツバーグ大学の他の研究グループからも出されている。
研究対象は、シフトワーカー1,447人(35~54歳の男女)。
やはり平日と休日とで就寝・起床時刻のギャップが大きいと、インスリン抵抗性が上昇していた。
さらに、中性脂肪が上昇する一方で、善玉コレステロール(HDL-コレステロール)が低下した。
研究者は、「不規則な睡眠は、糖尿病だけでなく、心血管疾患の発症リスクだ」としている。
(5)男女を問わず、規則正しい睡眠が健康によいのは明らか。
急な残業やおつきあいが入った人は、家人に「先に寝ていて」の一言を入れておくといい。「私の健康を心配してくれている」と評価があがる・・・・かも。
□井出ゆきえ(医学ライター)「先に寝ていて、の一言で 妻の2型糖尿病リスクが減少 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.292~」(「週刊ダイヤモンド」2016年3月9日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~」
「【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~」
「【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~」
「【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~」
「【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高」
「【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~」
「【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~」
「【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~」
「【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~」
「【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~」
「【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~」
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」
睡眠が不規則になると、夜勤とは関係ない中高年女性の2型糖尿病発症リスクも上昇するようだ。米ピックバーグ大学の研究から。
(2)研究では、
(a)対象者の平均就寝時刻と就寝時刻の変動、遅れ、もしくは前倒しだったかどうかの記録
(b)体格指数(BMI)および「インスリン抵抗性」(血糖を正常に下げるインスリンの働きを反映)
の(a)と(b)の関連を検討した。
インスリン抵抗性が上昇するほど、血糖値が上がりやすくなる。
研究対象は、48~58歳の非夜勤業務の女性370人。白人、アフリカ系米国人のほか中国人女性。
(3)結果は、
①就寝時刻がコロコロ変わり、寝る時刻が遅くなるほどインスリン抵抗性が上昇。
②就寝時刻が前倒しになるほど、つまり普段より睡眠時間が長くなるほどBMIが増加。
研究者は、「シフトワーカーではなくても、不規則な睡眠は健康な代謝を損なう」と強調している。
さらに、対象者の5年後の記録を検討した結果、平日と週末との睡眠時間のギャップが大きいほど、インスリン抵抗性が最大2倍も上昇することが判明している。
要するに、平日の寝不足を補う週末の寝だめは、逆に健康に悪い、ということだ。
(4)週末の寝だめに関する報告は、同じピッツバーグ大学の他の研究グループからも出されている。
研究対象は、シフトワーカー1,447人(35~54歳の男女)。
やはり平日と休日とで就寝・起床時刻のギャップが大きいと、インスリン抵抗性が上昇していた。
さらに、中性脂肪が上昇する一方で、善玉コレステロール(HDL-コレステロール)が低下した。
研究者は、「不規則な睡眠は、糖尿病だけでなく、心血管疾患の発症リスクだ」としている。
(5)男女を問わず、規則正しい睡眠が健康によいのは明らか。
急な残業やおつきあいが入った人は、家人に「先に寝ていて」の一言を入れておくといい。「私の健康を心配してくれている」と評価があがる・・・・かも。
□井出ゆきえ(医学ライター)「先に寝ていて、の一言で 妻の2型糖尿病リスクが減少 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.292~」(「週刊ダイヤモンド」2016年3月9日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~」
「【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~」
「【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~」
「【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~」
「【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高」
「【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~」
「【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~」
「【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~」
「【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~」
「【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~」
「【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~」
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」