語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】七草がゆ ~殺菌と消化によい生姜~

2017年01月07日 | 医療・保健・福祉・介護
 日本には万葉の時代から「若菜摘み」という習慣があった。青菜のない冬の栄養補給のため、雪の中に芽を出した薬草を摘むという風習だ。
 「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ」(光孝天皇 古今集・春上)
 この風習に中国発祥の人日の節句(1月7日)に7種類の野菜を入れた吸い物を食べるという習慣が結び付き、無病息災を祈って七草がゆを食べるようになったという。
 春の七草はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)【引用者注】。これらの食材の代わりにミツバ、シュンギク、ホウレンソウ、コマツナ、ワケギ、ナノハナなどを入れてもよいだろう。青菜のおかゆは消化がよく、正月で疲れた胃腸を休めてくれる。
 1月は食中毒の発生が多い。ロタウイルス、ノロウイルスなどが原因だ。食欲がない、吐き気の症状があれば、おかゆにショウガの搾り汁をたらすと良い。ショウガには殺菌成分があり、スパイシーな香りが唾液を増やして胃の消化活動を活発にしてくれるからだ。

 【引用者注】土地によって異なる。鳥取県大山町では、セリ、ナズナ、正月飾りのスルメや昆布、かち栗、干し柿。島根県松江市西浜佐陀町では、セリ、ジンバ(ホンダワラ)、カブ、ダイコン、ナズナ、餅。

□南雲つぐみ(医学ライター)「七草がゆ ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年1月7日)
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 【参考】
ミカンのうんちく ~延命長寿の果実~
【南雲つぐみ】鍋で養生 ~今年1月5日は小寒~
【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~



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