語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【古賀茂明】世界が危惧する日本の報道弾圧 ~八方塞がり~

2016年04月30日 | 社会
 (1)日本の報道の自由の危機。
 パナマ文書の関係で、日本企業などについて大手メディアがほとんど報道しなかった【注】が、またしても日本の報道の自由に関して大きなニュースが2つあった。

 (2)1つは、デビッド・ケイ・国連人権理事会特別報告者が日本に派遣されてきたことだ。
 国連人権理事会とは、国連の人権擁護のための機関で、各国政府に勧告を行うなどの役割を果たしている。この理事会が特別報告者を派遣して調査するということは、国連が日本の「報道の自由について」心配しているということだ。
 しかし、心配されると困る人たちがいる。
 安倍晋三・首相と菅義偉・官房長官だ。
 そもそも、この調査は、2015年12月に予定されていたのだが、日本政府は2016年秋までの延期を求め、ドタキャンしてしまった。予算編成で忙しいから、というのだが、それは嘘だ。夏の参議院選挙前に、日本政府の報道抑圧を批判する勧告を出されると、政権として困るということなのだ。
 だが、ケイ氏は粘り強く早期の訪日実現を求めたことで、政府が折れ、今回の調査が実現した。安倍政権としては、4月の調査なら、報告書は春の人権理事会に間に合わず、先送りできる、という読みにちがいない。

 (3)しかし、世の中、そう甘くない。
 ケイ氏は、帰国前に記者会見を行う、と発表したのだ。
 じつは、古賀茂明氏も4月16日に2時間ほどケイ氏と話す機会を得、
   ・2014年11月に自民党が出した在京キー局宛の圧力文書、
   ・一般にはあまり知られていないが、同じく11月に出した報道ステ-ションのプロデューサー宛の圧力文書の写し、
   ・2015年2月の複数のテレビ局の政治部記者による菅官房長官とのオフレコ懇談のメモ
などを提出した。

 (4)4月19日、記者会見で、ケイ氏は驚くほど率直な政府批判と政策提言を発表した。特に、最重点課題の「メディアの独立」については、
  (a)テレビ局について、
   ①独立規制機関の設立や、
   ②「政治的に公平」であることを求め、恣意的に運用されかねない放送法4条の廃止を提言。
  (b)日本のメディアには、
   ①記者クラブの廃止や
   ②新聞・テレビ・ネットを横断する組織を作って政府の圧力と戦え、と提言した。
 政府批判と同時に、痛烈なメディア批判でもある。

 (5)これほど重要な会見だったのだが、驚くべきことに、当日夜のテレビも翌朝の新聞も、まったくこれを報じないか、あるいは報じたとしても、極めて通り一遍の簡単な扱いで終わってしまった。
 記者会見をちゃんと報道できるか否かが、日本のマスコミにとっての「テスト」である、という認識をケイ氏も古賀氏も持っていたのだが。

 (6)日本の報道の自由に関して大きなニュースの2つ目は、4月20日の「国境なき記者団」による「2016年報道の自由度ランキング」の発表だ。
   日本の順位は72位
 2015年からなんと11位も下がった。当然の評価だが、こんな状況では、もはや先進国とは言えない。
 それでもなお、国内主要メディアは政府に抵抗せず、国連の危惧にも反応しない。
 国民も重大な危機に気づくことができない。
 「八方塞がり」だ。

 【注】
【古賀茂明】政府・大企業を批判しない大手マスコミ ~波紋を呼ぶパナマ文書~

□古賀茂明「世界が危惧する日本の報道弾圧 ~官々愕々第197回~」(「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号)
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 【参考】
【古賀茂明】政府・大企業を批判しない大手マスコミ ~波紋を呼ぶパナマ文書~
【古賀茂明】亡国の農政 ~安倍政権の選挙対策~
【古賀茂明】武器輸出大国を目指す安倍政権 ~豪州政府との商談
【古賀茂明】民進党綱領の茶番 ~原発推進政策~
【古賀茂明】バカじゃねえのか、この国は ~被災者が見る原発推進~
【古賀茂明】【原発】再稼働の愚 ~事故頻発~
【古賀茂明】岩盤規制に負けた「安倍ドリル」
【古賀茂明】一線を越えた高市早苗総務相の発言
【古賀茂明】シャープ救済劇と官僚の思惑
【古賀茂明】ルールが守られない国、日本 ~途上国体質~
【古賀茂明】争点化すべき企業献金問題
【古賀茂明】基地をめぐる二つの選挙
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【古賀茂明】橋下市長の去就で、憲法改正が現実味?
【古賀茂明】空虚な「日本再興戦略」 ~成長戦略の挫折~
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【古賀茂明】勝っても負けても安倍自民には得 ~大阪ダブル選
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【古賀茂明】従順な小渕大臣と暴走する官僚 ~原発再稼働~
【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~
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【古賀茂明】またも折れそうな第三の矢 ~医薬品ネット販売解禁の大嘘~
【古賀茂明】「1年後の夏」に向けた布石 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】法人減税で浮き彫りにされる本当の支配者 ~官僚と経団連~
【古賀茂明】都議会「暴言問題」の真実 ~記者クラブによる隠蔽~
古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ
【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」
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【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任
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【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働
【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~  
【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~
【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~
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【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~
【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~
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【米国】「民主主義の国」の大統領選は実は不正だらけだ

2016年04月29日 | 社会
 (1)米国大統領予備選挙は、4月19日、
    ヒラリー・クリントン氏(民主党)
    ドナルド・トランプ氏(共和党)
が共にライバル候補者を押しのけ、地元ニューヨーク州を制した。
 指名獲得に向けて勢いを増す二人だが、選挙の行方はまだ予断を許さない。米国の選挙制度には、不正や手違いが忍び込む余地があり、どんな番狂わせが待っているか、予想しがたいからだ。大統領選挙で、
  (a)2000年、票の集計に不正があったとして、アル・ゴア氏(民主党)が連邦最高裁に提訴する騒ぎとなった。
  (b)2008年、オバマ大統領の対立候補だったジョン・マケイン(共和党)陣営の大々的な不正が発覚した。

 (2)(1)-(b)では、死者が選挙人名簿に再登録されたり、同一人物が複数の選挙区で何回も有権者登録をするということまで行われた。
 日本と違って住民基本台帳のない米国では、選挙の前にまず、自ら有権者登録をしなければならない。
 ところが、この名簿管理が杜撰なうえに、州によって事前登録の手続きが異なるため、不正だけでなく、選挙結果に影響を及ぼしかねない様々なトラブルが絶えない。
 トランプ氏の息子と娘ですら、ニューヨーク州の事前登録の期日を間違え、今回、父親に投票できなかったほどだ。

 (3)民主主義の根幹たる選挙制度の運営が不透明とは、世界の民主主義をリードする米国にとって皮肉の極みだ。
 いったい、何が問題なのか。
 <選挙制度改革の提唱者や運営当局がしきりに議論するのは、どの方向へ進むべきである。しかし誰ひとりとして、われわれが、いまどこにいるのかを示す地図をもっていないことだ>【注1】
 つまり、スポーツから消費行動まで、あらゆる減少をデータ化したがる米国が、肝心の「民主主義」をデータ化できていなかったのだ。

 (4)ガーケン・イェール大学教授(ロースクール)は、選挙運営の実態をはじめて数値化した。
 それによれば、米国では選挙管理システムの運営者である州務長官(州行政職のトップ)のかなりの部分が、民主党か共和党への支持を鮮明にしている。なぜなら、このポストは、より高い地位に就くためのステップであり、<中立的な無党派の立場をとると、後ろ盾となってくれる党から信用されず、出世の芽も摘まれてしまうからだ>【注2】。
 かくて、二大政党のもとでは、「ニワトリ小屋をキツネたちが警備する」ことになってしまう。
 もうひとつの足枷は、「極端な分権主義」だ。米国では、中央から州への権限移譲が盛んで、それによって地域のニーズにあった政策が生まれる、というメリットが生じる。
 反面、米国の3,000に近い自治体のほぼ半数が、有権者数1,400人以下の小さな規模となり、予算不足から制度運営の責任者である選挙管理人ですら、本業を持ちながらパートタイムで従事せざるえない、という。

 (5)州政府はデータを公表したがらない。ガーケン教授はしかし、独自に全国調査し、各州の選挙運動の公正さを格付けして公表した。
 世論の力で、米国の選挙制度に変革をもたらそうとする試みは、ゆっくりと、しかし着実に進みつつある。

 【注1】ヘザー・ガーケン『民主主義の指標』(未邦訳)。
 【注2】前掲書。

□岩瀬達哉「「民主主義の国」アメリカの大統領選は実は不正だらけだ」(「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号)
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【保健】香料による健康被害 ~宅配業者~

2016年04月28日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)洗濯用柔軟剤・洗剤、香料が添加された整髪料・制汗剤、芳香剤・芳香消臭スプレーなどが巷にあふれ、多用されている。
 香料から健康被害を受ける人がいる。香料自体が嫌な人もいる。

 (2)2013年6月、環境省は女性クールビズで香りが着いている製品(着香製品)を推奨したが、健康被害を危惧する市民団体らの反対で撤回した。
 同年9月、洗濯用柔軟剤を中心に香料被害の苦情が増加したことで、国民生活センターが「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」を報道発表。各地の消費センターも、着香製品使用の注意について広報している。
 メーカー各社も、「香りのマナー」として「周囲の方へご配慮のうえ、お使いください」(花王)などと、ホームページやCMで記すようになった。
 2005年の岐阜市を皮切りに、「香料自粛のお願い」などのポスターの掲示が、市民団体らの働きかけで各地でなされている。

 (3)日本消費者連盟関西グループが、2013年10月に行った同会会員へのアンケート調査では、香りで気分が悪くなる原因として挙がった項目の中に、
   「宅配便などの配達員の「衣類(の匂い)」
   「宅配荷物に付いた柔軟剤臭」
があった。中には「(香料が)ひどく臭うときは、お店の責任者に話して対処してもらう」という回答もあった。
 しかし、その後も被害を訴える声は続いているいるので、着香製品による健康被害そのものの認知度が低いらしい。

 (4)これまで香料問題に取り組んできた各務原ワークショップ、香料自粛を求める会、反農薬東京グループ、日本消費者連盟関西グループの4団体は、2016年1月末、宅配会社6社の社長宛に
  (a)要望「着香製品使用についての配慮のお願い」
  (b)質問「香料への対応について(4項目)」
という2件の文書を郵送した。
 (a)は、配達車両では芳香剤などの使用は止め、配達員は無香料を基本にしてほしい、というもの。
 (b)は、着香製品の被害について、①2010-15年の香料苦情件数と内容、②車両や配達員の香料使用規定、③(a)を受けて②をどう改善するか、④会社の香料被害窓口。
 〆切りまでに回答してきた会社はゼロ。架電し催促すると、5社が「回答しない」。理由はハッキリ述べていない。福山通運のみ文書で回答があったが、「香料に関する苦情なし」を理由に、着香製品への対応は見られない。

 (5)<日本では香料成分の表示義務がまだないが、EU(欧州連合)では2013年から、アレルゲン性香料の一部分を成分表示する規制が始まっている。専門家は香料に、アレルギーや神経毒性、内分泌攪乱作用、デトックス阻害作用などの健康影響があると指摘し、そうした被害が実際に生じている>

 (6)今回の宅配各社の姿勢は、香料に関する苦情には対応しない、利用者や配達員の健康には配慮しない、とも取れる。

□村田直美「香料による健康被害に目を向けてほしいと宅配会社にアンケートしてみたら」(「週刊金曜日」2016年4月1日号)
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書評:『娘の学校』

2016年04月27日 | エッセイ
 「娘の学校」は、校長はなだ いなだ、生徒は2歳から10歳までのかれの娘4人の小さな「学校」である。

 ところが、この校長、ときどき生徒のほうから学ぶのだ。げにも、ジャン・ピアジェがいったとおり、「子どもはおとなの先生である」

 一例をあげよう。
 長女が6歳のとき、いつものように「ありがとう」の言葉を報酬にするつもりで煙草を買いに行かせた。買物から帰ってきた娘はのたまうた。
 「パパ、ありがとうも、いい子だ、も言わなくてもいいよ。煙草買いごっこ、もう面白くないよ」

 なだ いなだは、一瞬当惑を感じた、と告白している。自分の下手な演技がいつから見破られていたのか気づかなかったこと、娘の演技に自分が騙されていたことに気づかなかったこと、その「二重の敗北感みたいな感情」におそわれた、と。
 なだ いなだは、その後は、煙草買いは二女、三女に委ねた。

 なだ いなだ自らいうように、いい子とは親にとっていい子なのだ。
 親よりも同年齢の友だち同士で遊びたい時期に達した子どもにとっては、煙草買いはいい子ではない。
 ましてや、禁煙キャンペーンをはる保健所にとっては、いい子ではない。
 いい子は相対的なものにすぎない。
 一般的にいって、ある価値判断は一定の条件付きでしか通用しない。

 こうした相対主義は、市民社会全般に適用される(校長の得意とするところである)。
 たとえば、フランスの5月革命におけるドゴールである。
 かつてドゴールは、前大戦中亡命先のロンドンから本国のペタン元帥に向けて言った。「あなたは老いすぎている。国民を指導するためには、頭が固くなりすぎている」と。
 そのドゴールは、自分が当時のペタン元帥と同じ年齢になったとき、なおも国民を指導していることを忘れた、となだ いなだは指摘する。
 人は知らず知らず年をとるものだ、その新しい年齢は自分にとって未知のものだから自分が若い時に老人と目した年齢に達していることに気づかないのだ、云々。
 ドゴールを歴史の人と呼ぶならば、21世紀の日本に探してもよい。全共闘世代なら、すぐさま実例をあげることができるかもしれない。

 一般的にいって、AがBに対していったことは、当のAに対しても適用される。
 AがBに対していったことが、当のAに対して適用されないならば、Aの言葉になんら信頼をおくことはできない。
 相対主義は、市民社会の原理である。

 親子関係に話をもどすと、親子のなかの相対主義に不都合があるだろうか。
 あるだろう、いつまでも「いい子」であってほしい親にとっては。
 いつまでも親のスネをかじっていたい子どもにとっては。
 しかし、人も社会も変化する。
 相対主義は、変化を前提としている。

□なだ いなだ『娘の学校』(中公文庫、1973)

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【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~

2016年04月26日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)最近ビジネスマンの間で話題のマインドフルネス。集中力が高まり、パフォーマンス向上が期待できる・・・・らしい。
 もともとは、マインドフルネス・ストレス低減法だ。これは、瞑想とヨガをベースにした精神・心理学的治療プログラムで、慢性疼痛や鬱病など、気分障害の緩和のために開発された。医療分野では30年以上の歴史がある。

 (2)先日、世界5大医学誌の一つ「米国医師会誌:JAMA」に慢性腰痛に対するマインドフルネスの効果の検討が掲載された。
 試験では、慢性腰痛持ちの20~70歳の男女(平均年齢49.3歳)324人を無作為に次の①~③に分け、効果を比較した。腰痛に悩んでいる期間は3か月~50年と幅広いが、平均は7年だった。
   ①マインドフルネス(MBSR)群
   ②認知行動療法(CBT)群
   ③指圧など一般的なケア群
 ③はふだんどおりのケアを、①と②はそれぞれ1回/週、2時間のプログラムを8週間実施。
 26週時点で、腰痛のために仕事や家事ができない、椅子から立ち上がれない、etc.どれだけ日常生活が制限されているかを評価し、さらに試験開始時点からの痛みの変化を自己申告してもらった。 

 (3)(2)の結果は、26週時点で日常生活の制限が改善されたのは、
   ①60.5%
   ②57.7%
   ③44.1%
で、①も②も6割前後が改善された一方、③は半分に達しなかった。
 痛みの改善度も、③より①、②が高かった。

 (4)研究者は、「マッサージや指圧など一般的なケアは、短期的には良いが、長期的に効果が下がる。一方、①や②など『心身』に働きかける方法は、長期の効果が期待できる」としている。
 ①のキーは、「今、ここ」への気付き。
 瞑想やヨガで今に集中する力を磨き、「この瞬間」の自分の感情・思考・感覚を客観的にモニター(観照)することで、痛みや苦痛へのとらわれを手放す。
 日本の禅から発した方法論でもある。
 身体の感覚に集中することから始めるとよい。

□井出ゆきえ(医学ライター)「マインドフルネスで腰痛改善/認知行動療法と同じ効果 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.298~」(「週刊ダイヤモンド」2016年4月30日・5月7日合併号)
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 【参考】
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~
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【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源

2016年04月25日 | ●佐藤優
   
 ①アンドリュー・クレピネヴィッチ/バリー・ワッツ(北川知子・訳)『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』(日経BP社 2,400円)
 ②的場昭弘/佐藤優『復権するマルクス 戦争と恐慌の時代に』(角川新書 800円)
 ③トリストラム・ハント(東郷えりか・訳)『エンゲルス マルクスに将軍と呼ばれた男』(筑摩書房 3,900円)

 (1)①は、2015年に93歳で現役を退くまで、米国の戦略策定に多大な影響を与えたアンドリュー・マーシャルについて詳しく紹介している。
 <マーシャルの知的貢献が十分に理解されていないのは、彼が自己宣伝を極端に嫌うからだ。「手柄を気にしなければ、人間はいくらでも優れたことを成し遂げられる」と、彼はよく言う。あまり知られていないもう一つの理由は、人は、特に彼が指導した人々は、自身もそうしてきたように、発見という知的旅路をそれぞれが独自に歩むべきだという考えによる。マーシャル自身の功績は、独学と、同僚との日常的なアイデアのやり取りに負うところが多い。彼は他者に自分の考えを押しつけるのではなく、彼らが自分なりの探究を深めるために必要な指導と励ましを与えようとした>
 日本のインテリジェンス能力を高めるためにも、マーシャルのネットアセスメント(総合的評価)から学ぶことが多いはずだ。

 (2)②は、異なる視座からマルクスについて討論した知的格闘技だ。特に興味深いのが第4章で展開されている『資本論』をめぐる論戦だ。
 <本章では、『資本論』をめぐって議論します。『資本論』の読みを少々ひねっていきます。宇野弘蔵的・関係論的読みと、実体論的読みを対照していきます。佐藤氏は前者、的場氏は後者です。
 まずは冒頭の商品をめぐって、商品所有者がいなくとも、使用価値が成り立つかという議論から始まります。商品の使用価値を決めるのは商品の所有者である。商品所有者を置かないマルクスの冒頭の説明はおかしい(のであるかどうか)>
 これについて踏み込んだ議論の応酬がなされている。

 (3)③は、マルクスの盟友だったが故にその独自性が実際よりもかなり低く評価されているフリードリヒ・エンゲルスに関する優れた思想的評伝だ。
 <マルクス主義の学者が高く評価することはめったにないが、『イギリスにおける労働者階級の状態』は(「国民経済学批判大綱」とともに)、共産主義理論の草分けとなる文献であった。(中略)驚くほどの知的な成熟さを見せて、24歳のエンゲルスは青年ヘーゲル派の疎外の概念を、ヴィクトリア朝時代のイギリスの物質的現実に当てはめ、そこから科学的社会主義の思想面の構造をつくりだしたのである>
 ハントのこの指摘は正しい。
 資本主義における格差問題、貧困問題の起源を理解する上で、『イギリスにおける労働者階級の状態』は、今も有効性を失っていない。

□佐藤優「格差問題、貧困問題の起源 ~知を磨く読書 第147回~」(「週刊ダイヤモンド」2016年4月30日・5月7日合併号)
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【佐藤優】『佐藤優の実践ゼミ』目次
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【佐藤優】の略歴
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【佐藤優】この機会に「国名表記」を変えるべき理由 ~ギオルギ・マルグベラシビリ~
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【佐藤優】貪欲な資本主義へ抵抗の芽 ~揺らぐ国民国家~
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「森訪露」で浮かび上がった路線対立
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【佐藤優】水面下で進むアメリカvs.ドイツの「スパイ戦」
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【佐藤優】日本は「戦争ができる」国になったのか ~閣議決定の限界~
【ウクライナ】内戦に米国の傭兵が関与 ~CIA~
【佐藤優】日本が「軍事貢献」を要求される日 ~イラクの過激派~
【佐藤優】イランがイラク情勢を懸念する理由 ~ハサン・ロウハニ~
【佐藤優】新・帝国時代の到来を端的に示すG7コミュニケ
【佐藤優】集団的自衛権、憲法改正 ~ウクライナから沖縄へ(4)~ 
【佐藤優】スコットランド、ベルギー、沖縄 ~ウクライナから沖縄へ(3)~ 
【佐藤優】遠隔地ナショナリズム ~ウクライナから沖縄へ(2)~
【佐藤優】ユニエイト教会 ~ウクライナから沖縄へ(1)~ 

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【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~

2016年04月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)口の健康を守ることは、心臓を守ることにつながるらしい。
 2016年初め、「歯磨きと心血管のリスク因子との関係」をテーマにした日本の調査研究が、英国医学会誌のオープン・アクセス版に報告された。

 (2)研究者らは、2004年1月~10年6月までの間に、聖路加国際病院予防センターで健康診断を受けた85,866人(男性の割合:49.0%、平均年齢47歳)を対象に、自記入方式で日々の歯磨き習慣について質問した。その回答、
   ①「毎食後」
   ②「少なくとも1日1回」
   ③「1日1回未満」
に基づき、対象者を3群に分け、高血圧症、糖尿病、脂質異常症など心疾患リスクになる全身病との関連を調べた。解析に先立ち、BMI(体格指数)、喫煙、飲酒などの生活習慣の影響を排除している。
 その結果、
  (a)歯磨きの習慣が③群は、①群より
   ・糖尿病の有病率が2.03倍高く、
   ・脂質異常症の有病率が1.5倍高いことが判明した。
  (b)一方、高血圧症、高尿酸血症、慢性腎臓病との関連は見出せなかった。
  (c)改めて生活習慣と歯磨きとの関連を調べたところ、①群に比べ、②群や③群では
   ・喫煙率や飲酒率が高く、
   ・BMIとメタボ検診で計測される腹囲径がより大きいことが判明した。

 (3)糖尿病と歯に関しては、これまでの調査研究から、歯周病菌の毒素が歯肉から血管内に入り込むと、血糖値をコントロールするインスリンの作用を受ける分子の働きが鈍ることがわかっている。
 結果として、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が上昇。2型糖尿病を引き起こしてしまうのだ。
 脂肪を分解する作用も抑えられるため、中性脂肪が増加し、脂質異常症も発症しやすくなる。

 (4)研究者は、「よい歯磨き習慣は、お口の健康だけでなく、糖尿病や脂質異常症といった全身性の疾患の予防に有用」と断言している。
 たかが歯磨き、されど歯磨き。

□井出ゆきえ(医学ライター)「歯磨きが心血管疾患を予防?/毎食後で発症リスクを軽減 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.297」(「週刊ダイヤモンド」2016年4月23日号)
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【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~

2016年04月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)口の健康を守ることは、心臓を守ることにつながるらしい。
 2016年初め、「歯磨きと心血管のリスク因子との関係」をテーマにした日本の調査研究が、英国医学会誌のオープン・アクセス版に報告された。

 (2)研究者らは、2004年1月~10年6月までの間に、聖路加国際病院予防センターで健康診断を受けた85,866人(男性の割合:49.0%、平均年齢47歳)を対象に、自記入方式で日々の歯磨き習慣について質問した。その回答、
   ①「毎食後」
   ②「少なくとも1日1回」
   ③「1日1回未満」
に基づき、対象者を3群に分け、高血圧症、糖尿病、脂質異常症など心疾患リスクになる全身病との関連を調べた。解析に先立ち、BMI(体格指数)、喫煙、飲酒などの生活習慣の影響を排除している。
 その結果、
  (a)歯磨きの習慣が③群は、①群より
   ・糖尿病の有病率が2.03倍高く、
   ・脂質異常症の有病率が1.5倍高いことが判明した。
  (b)一方、高血圧症、高尿酸血症、慢性腎臓病との関連は見出せなかった。
  (c)改めて生活習慣と歯磨きとの関連を調べたところ、①群に比べ、②群や③群では
   ・喫煙率や飲酒率が高く、
   ・BMIとメタボ検診で計測される腹囲径がより大きいことが判明した。

 (3)糖尿病と歯に関しては、これまでの調査研究から、歯周病菌の毒素が歯肉から血管内に入り込むと、血糖値をコントロールするインスリンの作用を受ける分子の働きが鈍ることがわかっている。
 結果として、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が上昇。2型糖尿病を引き起こしてしまうのだ。
 脂肪を分解する作用も抑えられるため、中性脂肪が増加し、脂質異常症も発症しやすくなる。

 (4)研究者は、「よい歯磨き習慣は、お口の健康だけでなく、糖尿病や脂質異常症といった全身性の疾患の予防に有用」と断言している。
 たかが歯磨き、されど歯磨き。

□井出ゆきえ(医学ライター)「歯磨きが心血管疾患を予防?/毎食後で発症リスクを軽減 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.297」(「週刊ダイヤモンド」2016年4月23日号)
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 【参考】
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【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
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【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
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【食】炭酸水の飲み方には気をつけたい ~糖類や食品添加物~

2016年04月23日 | 医療・保健・福祉・介護
  ①コカ・コーラカスタマーマーケティング「い・ろ・は・す スパーリングれもん(炭酸水 瀬戸内産れもん)」
  ②サントリーフーズ「南アルプスの天然水 スパークリングレモン」
  ③アサヒ飲料「ウィルキンソン タンサンレモン」
  ④キリンンビバレッジ(セブン&アイ・ホールディングス「セブンプレミアム ほんのりレモン炭酸水」

 (1)炭酸水は、水に二酸化炭素を加圧しながら溶かして作る。水に溶けた二酸化炭素は、炭酸に変化するため、弱い酸性となる。ボトルの栓を開けると、圧力が下がって炭酸が二酸化炭素に戻り、気泡が出てくる。
 二酸化炭素は、食品添加物の一つ。
 各メーカーは、フレーバー入り炭酸水を次々に発売し、さらなる売上げアップを図っている。
 しかし、注意を要する。特に水代わりに飲むのは適切でない。

 (2)まず問題なのは、①のように糖類(砂糖や果糖など)が入っている製品だ。1本(515ml)に
   炭水化物(糖類)が24.72g、
   エネルギーが97.85kcal、
も含まれる。現代日本では、炭水化物や脂肪などの過剰摂取によって肥満の人が増えている傾向がある。糖類を含む炭酸水を水代わりに飲めば、さらにカロリーの摂りすぎが助長され、肥満を加速する。

 (3)ついで問題なのは、①には食品添加物の香料が使われていることだ。香料は、合成が約150品目、天然が約600品目もあって、それらを数品目から数十品目組み合わせて独特のにおいが作られている。
  (a)合成香料の中には毒性の強いものがある。
   ・サリチル酸メチルは、2%含む餌をラットに食べさせた実験で、49週ですべて死亡。
   ・ベンズアルデヒドは、マウスに1日に体重1kg当たり0.2~0.6gを週5日2年間投与した実験で、前胃の腫瘍発生率を増加させた。
   ・このほか、フェノール類、イソチオシアン酸アリル、エーテル類なども毒性がある。

  (b)天然香料のほとんどは、植物から抽出される。原料に使われる植物の多くは、食用として利用されている。ただし、コカ(COCA:麻薬の原料)やヤドリギ、スイセンなど食用でないものもある。オケラなど正体不明のものもある。

  (c)香料の製法は企業秘密になっている。そのため、香料を使っている大手食品メーカーですら、正体を知らないケースが珍しくない。①に使われているのはレモンの風味を出すものだが、実際に何が使われているか、不明だ。

 (4)さらに酸味料は、乳酸やクエン酸、アジピン酸など25品目程度ある。いずれも毒性の強いものは見当たらないが、具体名が表示されていないので、不安要因になっている。

 (5)消費者が毎日食べている食品には、食品添加物や残留農薬、抗生物質など、安全性に問題のある化学物質が数多く含まれている。それらが、胃腸などを汚染している。
 それを水を飲むことで洗い流している面がある。
 しかるに、①を飲んだ場合、新たに香料や酸味料を胃や腸の中に入れてしまうことになり、汚染がさらに進む。
 よって、香料などの添加物が入った飲料を水代わりに飲むのは好ましいことではない。

 (6)同じことは、②、③、④にも言える。これらにも香料や酸味料が添加されている。

 (7)そもそも、水に二酸化炭素を溶かしただけの通常の炭酸水でも、水代わりに飲むのは疑問だ。
  (a)炭酸水を飲むと膨満感を覚え、あまり食事が摂れなくなる。その結果体重が減っていくから「ダイエット効果がある」などとネット上で言われているが、この状態が続けば栄養不足に陥る危険性がある。 
  (b)炭酸水は胃を刺激するから、胃酸の分泌が活発になる。そのため消化がよくなるメリットがある半面、飲み過ぎると胃酸過多になり、胃粘膜を損傷する恐れがある。胃もたれの時などに適宜飲むのはよいとしても、毎日水代わりに飲むのは避けるべきだ。

□渡辺雄二「人気上昇中の「炭酸水」は飲み方に気をつけたい ~新買ってはいけない 219~」(「週刊金曜日」2016年4月15日号)
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【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学

2016年04月22日 | ●佐藤優
   
 ①米原万里『偉くない「私」が一番自由』(文春文庫 720円)
 ②八木橋康広『備中高梁におけるキリスト教会の成立 新島襄の伝道と新しい思想の受容』(ミネルヴァ書房 4,500円)
 ③旦部幸博『コーヒーの科学』(講談社ブルーバックス 1,080円)

 (1)①は、10年前に惜しまれつつ亡くなった米原氏のアンソロジーだ。彼女は、学生時代にネクラソフ(19世紀のロシア詩人)の研究をした。その精神が彼女の中でずっと生き続けていた。
 <ネクラソフの「私」は人類一般でも神でも民族でもなく、また自分と同じ気分の人々でもなく、ただただネクラソフ一人を、有名な詩人ではあるが、神でも英雄でもない等身大の一個人を代表しているにすぎない。
 その気楽さが、同時代の他の詩にあった記憶から詩の言葉を解き放った。そして彼の作品におけるテーマの選択の幅と発言の自由度を画期的に押し広げたのである。主観的に語り、偏向した発言をする自由を得るのである。個人のものになった言葉は、切実で激烈にもなり得る。
 (中略)偉くない「私」、一個人に過ぎない「私」の言葉が一番自由なのだ。そんなことを、たとえばNHKのキャスターの、あるいは大新聞の論説の、退屈で生気の無い言葉を耳や目にする度に思ってしまうこの頃である>
 米原氏の言葉に対する基本姿勢がよく表れている。

 (2)②は、博士論文をまとめ直したものだが、読みやすい。新島襄お感化を受けた高梁(岡山県)の人びとがキリスト教を土着化させていった過程がよくわかる。
 <約5千人の高梁町民の内から16名の人々の魂が、新島襄の教えに触発した。彼らは一味同心して、その教えをもって新時代の高梁と町民の指導原理にしようとした。これが明治15(1882)年4月の高梁基督教会の創立だった。(中略)すなわち、旧藩時代に彼らの精神に影響を及ぼしていた儒教や備中松山藩という器は、幕末維新の未曾有の動乱と社会革命で粉々に砕かれてしまった。しかしその器の中にあった霊性は、人々の人格の奥底になおも健在だった。新島襄とその同志達は、伝道活動によってその霊性を目覚めさせたと言える>
 事柄の本質を突いた考察だ。強い知的刺激を受ける。

 (3)③は、コーヒーに関する知識を深めてくれる。
 <透過式のドリップでも「おいしい成分が先に出て、その後に雑味が流れ出てくる」という文章を見かけます。どの説明でも概ね一致しているのは、抽出後半に雑味が出るので適切なタイミングで抽出を終えるのが大事、ということです。これを理論モデルに重ねると一つの経験則が見えてきます。(中略)透過抽出では「流出量が増えるにしたがって」、溶け出しにくい成分の割合が増えてきます。これに伴って雑味も増える>
 常識が科学に裏づけられていることがわかる。

□佐藤優「気負いから解き放たれた言葉 ~知を磨く読書 第146回~」(「週刊ダイヤモンド」2016年4月23日号)
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 【参考】
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【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】殺しあいを生む「格差」と「貧困」 ~「殺しあう」世界の読み方~
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】一時中止は沖縄側の勝利だが ~辺野古新基地建設~
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】情報のプロならどうするか ~「私用メール」問題~
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【佐藤優】テロリズムに対する統一戦線構築 ~カトリックとロシア正教~
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【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
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【佐藤優】日本のインテリジェンス機能、必要な貯金額、副業の是非 ~知の教室~
【佐藤優】世の中でどう生き抜くかを考えるのが教養 ~知の教室~
【佐藤優】『知の教室 ~教養は最強の武器である~』目次
【佐藤優】『佐藤優の実践ゼミ』目次
『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』
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【佐藤優】サハリン・樺太史、酸素魚雷と潜水艦・伊400型、飼い猫の数
【佐藤優】第2次世界大戦、日ソ戦の悲惨 ~知を磨く読書~
【佐藤優】すべては国益のため--冷徹な「計算」 ~プーチン~
【佐藤優】安倍政権、沖縄へ警視庁機動隊投入 ~ソ連の手口と酷似~
【佐藤優】世の中でどう生き抜くかを考えるのが教養 ~知の教室~
【佐藤優】冷静な分析と憂国の情、ドストエフスキーの闇、最良のネコ入門書
【佐藤優】「クルド人」がトルコに怒る理由 ~日本でも衝突~
【佐藤優】異なるパラダイムが同時進行 ~激変する国際秩序~
【佐藤優】被虐待児の自立、ほんとうの法華経、外務官僚の反知性主義
【佐藤優】日本人が苦手な類比的思考 ~昭和史(10)~
【佐藤優】地政学の目で中国を読む ~昭和史(9)~
【佐藤優】これから重要なのは地政学と未来学 ~昭和史(8)~
【佐藤優】近代戦は個人の能力よりチーム力 ~昭和史(7)~
【佐藤優】戦略なき組織は敗北も自覚できない ~昭和史(6)~
【佐藤優】人材の枠を狭めると組織は滅ぶ ~昭和史(5)~
【佐藤優】企画、実行、評価を分けろ ~昭和史(4)~
【佐藤優】いざという時ほど基礎的学習が役に立つ ~昭和史(3)~
【佐藤優】現場にツケを回す上司のキーワードは「工夫しろ」 ~昭和史(2)~
【佐藤優】実戦なき組織は官僚化する ~昭和史(1)~
【佐藤優】バチカン教理省神父の告白 ~同性愛~
【佐藤優】進むEUの政治統合、七三一部隊、政治家のお遍路
【佐藤優】【米国】がこれから進むべき道 ~公約撤回~
【佐藤優】同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか」「【佐藤優】プーチンのメッセージ
【佐藤優】ロシア人の受け止め方 ~ノーベル文学賞~
【佐藤優】×池上彰「新・教育論」
【佐藤優】沖縄・日本から分離か、安倍「改憲」を撃つ、親日派のいた英国となぜ開戦
【佐藤優】シリアで始まったグレート・ゲーム ~「疑わしきは殺す」~
【佐藤優】沖縄の自己決定権確立に大貢献 ~翁長国連演説~
【佐藤優】現実の問題を解決する能力 ~知を磨く読書~
【佐藤優】琉球独立宣言、よみがえる民族主義に備えよ、ウクライナ日記
【佐藤優】『知の教室 ~教養は最強の武器である~』目次
【佐藤優】ネット右翼の終わり、解釈改憲のからくり、ナチスの戦争
【佐藤優】「学力」の経済学、統計と予言、数学と戦略思考
【佐藤優】聖地で起きた「大事故」 ~イランが怒る理由~
【佐藤優】テロ対策、特高の現実 ~知を磨く読書~
【佐藤優】フランスにイスラム教の政権が生まれたら恐怖 ~『服従』~
【佐藤優】ロシアを怒らせた安倍政権の「外交スタンス」
【佐藤優】コネ社会ロシアに関する備忘録 ~知を磨く読書~
【佐藤優】ロシア、日本との約束を反故 ~対日関係悪化~
【佐藤優】ロシアと提携して中国を索制するカードを失った
【佐藤優】中国政府の「神話」に敗れた日本
【佐藤優】日本外交の無力さが露呈 ~ロシア首相の北方領土訪問~
【佐藤優】「アンテナ」が壊れた官邸と外務省 ~北方領土問題~
【佐藤優】基地への見解違いすぎる ~沖縄と政府の集中協議~
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【佐藤優】安倍外交に立ちはだかる壁 ~ロシア~
【佐藤優】正しいのはオバマか、ネタニヤフか ~イランの核問題~
【佐藤優】日中を衝突させたい米国の思惑 ~安倍“暴走”内閣(10)~
【佐藤優】国際法を無視する安倍政権 ~安倍“暴走”内閣(9)~
【佐藤優】日本に安保法制改正をやらせる米国 ~安倍“暴走”内閣(8)~
【佐藤優】民主主義と相性のよくない安倍政権 ~安倍“暴走”内閣(7)~
【佐藤優】官僚の首根っこを押さえる内閣人事局 ~安倍“暴走”内閣(6)~
【佐藤優】円安を喜び、ルーブル安を危惧する日本人の愚劣 ~安倍“暴走”内閣(5)~
【佐藤優】中小企業100万社を潰す竹中平蔵 ~安倍“暴走”内閣(4)~
【佐藤優】自民党を操る米国の策謀 ~安倍“暴走”内閣(3)~
【佐藤優】自民党の全体主義的スローガン ~安倍“暴走”内閣(2)~
【佐藤優】安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本 ~安倍“暴走”内閣(1)~
【佐藤優】ある外務官僚の「嘘」 ~藤崎一郎・元駐米大使~
【佐藤優】自民党の沖縄差別 ~安倍政権の言論弾圧~
【書評】佐藤優『超したたか勉強術』
【佐藤優】脳の記憶容量を大きく変える技術 ~超したたか勉強術(2)~
【佐藤優】表現力と読解力を向上させる技術 ~超したたか勉強術~
【佐藤優】恐ろしい本 ~元少年Aの手記『絶歌』~
【佐藤優】集団的自衛権にオーストラリアが出てくる理由 ~日本経済の軍事化~
【佐藤優】ロシアが警戒する日本とウクライナの「接近」 ~あれかこれか~
【佐藤優】【沖縄】知事訪米を機に変わった米国の「安保マフィア」
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【佐藤優】バチカンの果たす「役割」 ~米国・キューバ関係~
【佐藤優】日米安保(2) ~改訂のない適用範囲拡大は無理筋~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
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【佐藤優】【沖縄】キャラウェイ高等弁務官と菅官房長官 ~「自治は神話」~
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【佐藤優】【ピケティ】『21世紀の資本』が避けている論点
【ピケティ】本では手薄な問題(旧植民地ほか) ~佐藤優によるインタビュー~
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【佐藤優】国際情勢の見方や分析 ~モサドとロシア対外諜報庁(SVR)~
【佐藤優】「イスラム国」が世界革命に本気で着手した
【佐藤優】「イスラム国」の正体 ~国家の新しいあり方~
【佐藤優】スンニー派とシーア派 ~「イスラム国」で中東が大混乱(4)~
【佐藤優】サウジアラビア ~「イスラム国」で中東が大混乱(3)~
【佐藤優】米国とイランの接近  ~「イスラム国」で中東が大混乱(2)~
【佐藤優】シリア問題 ~「イスラム国」で中東が大混乱(1)~
【佐藤優】イスラム過激派による自爆テロをどう理解するか ~『邪宗門』~
【佐藤優】の実践ゼミ(抄)
【佐藤優】の略歴
【佐藤優】表面的情報に惑わされるな ~英諜報機関トップによる警告~
【佐藤優】世界各地のテロリストが「大規模テロ」に走る理由
【佐藤優】ロシアが中立国へ送った「シグナル」 ~ペーテル・フルトクビスト~
【佐藤優】戦争の時代としての21世紀
【佐藤優】「拷問」を行わない諜報機関はない ~CIA尋問官のリンチ~
【佐藤優】米国の「人種差別」は終わっていない ~白人至上主義~
【佐藤優】【原発】推進を図るロシア ~セルゲイ・キリエンコ~
【佐藤優】【沖縄】辺野古への新基地建設は絶対に不可能だ
【佐藤優】沖縄の人の間で急速に広がる「変化」の本質 ~民族問題~
【佐藤優】「イスラム国」という組織の本質 ~アブバクル・バグダディ~
【佐藤優】ウクライナ東部 選挙で選ばれた「謎の男」 ~アレクサンドル・ザハルチェンコ~
【佐藤優】ロシアの隣国フィンランドの「処世術」 ~冷戦時代も今も~
【佐藤優】さりげなくテレビに出た「対日工作担当」 ~アナートリー・コーシキン~
【佐藤優】外交オンチの福田元首相 ~中国政府が示した「条件」~
【佐藤優】この機会に「国名表記」を変えるべき理由 ~ギオルギ・マルグベラシビリ~
【佐藤優】安倍政権の孤立主義的外交 ~米国は中東の泥沼へ再び~
【佐藤優】安倍政権の消極的外交 ~プーチンの勝利~
【佐藤優】ロシアはウクライナで「勝った」のか ~セルゲイ・ラブロフ~
【佐藤優】貪欲な資本主義へ抵抗の芽 ~揺らぐ国民国家~
【佐藤優】スコットランド「独立運動」は終わらず
「森訪露」で浮かび上がった路線対立
【佐藤優】イスラエルとパレスチナ、戦いの「発端」 ~サレフ・アル=アールーリ~
【佐藤優】水面下で進むアメリカvs.ドイツの「スパイ戦」
【佐藤優】ロシアの「報復」 ~日本が対象から外された理由~
【佐藤優】ウクライナ政権の「ネオナチ」と「任侠団体」 ~ビタリー・クリチコ~
【佐藤優】東西冷戦を終わらせた現実主義者の死 ~シェワルナゼ~
【佐藤優】日本は「戦争ができる」国になったのか ~閣議決定の限界~
【ウクライナ】内戦に米国の傭兵が関与 ~CIA~
【佐藤優】日本が「軍事貢献」を要求される日 ~イラクの過激派~
【佐藤優】イランがイラク情勢を懸念する理由 ~ハサン・ロウハニ~
【佐藤優】新・帝国時代の到来を端的に示すG7コミュニケ
【佐藤優】集団的自衛権、憲法改正 ~ウクライナから沖縄へ(4)~ 
【佐藤優】スコットランド、ベルギー、沖縄 ~ウクライナから沖縄へ(3)~ 
【佐藤優】遠隔地ナショナリズム ~ウクライナから沖縄へ(2)~
【佐藤優】ユニエイト教会 ~ウクライナから沖縄へ(1)~ 
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書評:『憂国のスパイ -イスラエル諜報機関モサド-』

2016年04月21日 | ノンフィクション
 著者ゴードン・トーマスは、1933年中東生まれ、英国育ち。スエズ動乱から天安門事件まで海外特派員として活躍した後、ノンフィクション作家に専念する。本書を公刊するまでに37の著書があり、『さすらいの航海』は映画化されてアカデミー賞5部門にノミネートされた。

 本書は、イスラエルの諜報機関、モサドことハ・モサド・レ・テウム(「調整の機関」を意味する)に関するレポートである。1951年の創設からダイアナ妃の事故死まで、主な作戦あるいは事件がしばしば新事実をもとに綴られる。
 規模は小さいが、大国の諜報組織を凌駕するほどの力を発揮してきたモサドに新たな照明があてられた。

 取材の範囲は広い。
 「主な取材協力者」だけでも、2人のモサド元長官をはじめとする21名。このほか、本文にたびたび名があげられている元機関員たち、モサドと敵対したPLOの戦闘員やバチカンの協力者などとのインタビューの録音テープは、合わせて80時間に及ぶよし。

 古くは、アイヒマンの逮捕やエンテベ空港人質救出作戦などの世界を感嘆させた作戦、ちかくは惨めな失敗に終わった作戦、たとえば近く1997年、ハマスのリーダーであるハーリド・メルシャン暗殺未遂事件が記される。
 これらは今ではわりとひろく知られた事どもだが、本書で初めて明らかにされた事実もある。

 たとえば、第14章(メイドが運んだ爆弾)。1986年、ヨルダン生まれのパレスチナ人ネザル・ヒンダウィは、妊娠中の愛人に爆弾をもたせてエルアル航空に乗り込ませようとした。ロンドン空港に限らないが、イスラエルへ向かう者の検査は厳しい。爆弾は発見され、首謀者は逮捕され、関与を疑われたシリア大使館は閉鎖された。
 イスラエルの厳重な保安体制の賛歌として引かれる例である。
 ところが、本書によれば、これには裏があり、モサドがシリアの影響力を弱めるべく画策した陰謀なのであった。

 かにかくに、かって闇の中に埋もれていた歴史的事実が、市民の目にふれるようになった。歴代のモサド長官の実名がすべて、初めて本書で公開された点からしても、時勢の変化を感じとることができる。
 それは、本書公刊当時のパレスチナにおける和平への動きを反映していたのかもしれない。

 本書をもとに、その後5年間にテレビで6本の2時間ドラマが制作されることになっていた。また、12本のドキュメンタリーも制作されることに。
 実現したのであれば、隠蔽されていた国家活動が市民によって検証されることになったはずだ。

□ゴードン・トーマス(東江一紀訳)『憂国のスパイ -イスラエル諜報機関モサド-』(光文社、1999)

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【古賀茂明】政府・大企業を批判しない大手マスコミ ~波紋を呼ぶパナマ文書~

2016年04月20日 | 社会
 (1)国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公表したパナマの法律事務所の膨大な内部文書(いわゆる「パナマ文書」)が大騒動を巻き起こしている。
 合法的な節税だけでなく、脱税やマネーロンダリングなどを行うために、法人税や所得税がゼロかそれに近い国や地域(「租税回避地」)のペーパーカンパニーを使うのは珍しくない。
 今回はしかし、キャメロン・英国首相、習近平・中国国家主席、プーチン・ロシア大統領ら超大物の名前が並び、しかも、「アイスランドの首相辞任」「英国キャメロン首相窮地」などと世界に激震が走っている。

 (2)租税回避地のペーパーカンパニーは、資産の真の所有者を隠すためのものだから、真相はわかりにくい。これを曝くのがマスコミの責務だ。
 ICIJには、朝日新聞と共同通信の記者が協力しているが、今のところ日本の個人や企業名について、詳細な報道をする大手メディアはない。
 安倍政権に批判的な新聞社の記者の最近の話では、政府や大企業に都合の悪い記事の場合、単に取材してメモを取るだけでは記事にならない。上司に取材源の話の録音を要求されたり、ひどいときには録画して来いと言われ、結局ボツになることもある。
 むろん「裏取り」は報道の基本だが、デスクや編集幹部がリスク回避のために、「裏取り不足」という口実で政府・大企業批判の記事をボツにしているのだ。
 「リストに名前があっても違法行為があるということではない」と断りつつ、政治家や著名人の名前を報道するICIJとは正反対だ。

 (3)政府の姿勢も同様だ。この事件に対する民主的な国の対応は共通している。
 オバマ米大統領、オランド仏大統領、キャメロン英首相など、世界中のトップが、本件を機に関係当局の捜査着手や租税回避対策推進を発表している。

 (4)一方、中国、ロシアの政府は、報道規制や「西側諸国の陰謀」説などで火消しに走る。
 日本政府も中露と同じで、菅官房長官は「調査するつもりはない」と早々に宣言した。安倍政権に追従する日本のマスコミに、「余計な調査はするな」というメッセージを伝えたのだろう。
 これを受けて、4月からリニューアルされたニュース番組が並ぶ日本のテレビでは、スポンサー企業への配慮も加わって、パナマ文書については「日本関連は除く」報道が続いている。

 (5)日本外国特派員協会は、2015年5月創設の「報道の自由推進賞」発表の際、日本では「調査報道」が少なく、報道の自由が危機的な状況に陥っていると警鐘を鳴らした。
 確かに、日本の大手マスコミは、政府の「発表もの」の記事ばかり流している。
 現在、国連人権理事会から派遣された特別報告者が、日本の報道の自由について調査中だ。彼の目に日本の報道機関の状況は、いったいどう映るか。
 
 (6)ICIJは、5月初めに、今回の情報に含まれる①個人や企業のリスト、②すべてのメール、③パスポート、④銀行口座、⑤財務資料、などの情報を公表する予定だ。
 その時、大手マスコミがどういう報道をするのか。
 それを見れば、日本の報道の自由の危機がどれほど深刻なのかがわかるだろう。

□古賀茂明「波紋を呼ぶパナマ文書 ~官々愕々第196回~」(「週刊現代」2016年4月30日号)
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 【参考】
【古賀茂明】亡国の農政 ~安倍政権の選挙対策~
【古賀茂明】武器輸出大国を目指す安倍政権 ~豪州政府との商談
【古賀茂明】民進党綱領の茶番 ~原発推進政策~
【古賀茂明】バカじゃねえのか、この国は ~被災者が見る原発推進~
【古賀茂明】【原発】再稼働の愚 ~事故頻発~
【古賀茂明】岩盤規制に負けた「安倍ドリル」
【古賀茂明】一線を越えた高市早苗総務相の発言
【古賀茂明】シャープ救済劇と官僚の思惑
【古賀茂明】ルールが守られない国、日本 ~途上国体質~
【古賀茂明】争点化すべき企業献金問題
【古賀茂明】基地をめぐる二つの選挙
【古賀茂明】前半がバラマキ政策、後半が憲法改正 ~「先楽後憂」の今年~
【古賀茂明】玉虫色の民主・維新政策合意 ~平和主義も放棄?~
【古賀茂明】シリア空爆の裏にある真実 ~軍需産業の大儲け~
【古賀茂明】橋下市長の去就で、憲法改正が現実味?
【古賀茂明】空虚な「日本再興戦略」 ~成長戦略の挫折~
【古賀茂明】「なかったこと」にされた議事録 ~閣議決定の記録~
【古賀茂明】【原発】大手電力のエゴ丸出し
【古賀茂明】勝っても負けても安倍自民には得 ~大阪ダブル選
【古賀茂明】問題だらけの軽減税率 ~最悪の方向へ~
【古賀茂明】【原発】骨抜きの「ノーリターンルール」
【古賀茂明】アベノミクス「第二ステージ」 ~失敗を隠す官僚の常套手段~
【古賀茂明】難民と安倍とメルケルと ~ドイツと差がつく日本~
【古賀茂明】安保法成立の最大の戦犯
【古賀茂明】軽減税率、本当の問題 ~官々愕々第170回~
【古賀茂明】国民のために働く官僚の左遷 ~読売新聞の問答無用~
【古賀茂明】安倍首相の「積極的軍事主義」が根付くとき
【古賀茂明】電力自由化は進んでいない
【古賀茂明】【TPP】の漂流と「困った人たち」
【古賀茂明】安保法案の裏で利権拡大 ~原子力ムラ~
【古賀茂明】東芝の粉飾問題 ~「報道の粉飾」~
【古賀茂明】「反安倍」の起爆剤 ~若者たちの「反安倍」運動~
【古賀茂明】維新の党の深謀遠慮 ~風が吹けば橋下市長が儲かる~
【古賀茂明】腐った農政 ~画餅に帰しつつある「日本再興」~
【古賀茂明】読売新聞の大チョンボ ~違法訪問勧誘~
【古賀茂明】「信念」を問われる政治家 ~違憲な安保法制~
【古賀茂明】機能不全の3点セット ~戦争法案を止めるには~
【古賀茂明】維新が復活する日
【古賀茂明】戦争法案審議の傲慢と欺瞞 ~官僚のレトリック~
【古賀茂明】「再エネ」産業が終わる日 ~電源構成の政府案~
【古賀茂明】「増税先送り」「賃金増」のまやかし ~報道をどうチェックするか~
【古賀茂明】週末や平日夜間に開催 ~地方議会の改革~
【古賀茂明】原発再稼働も上からの目線で「粛々と」 ~菅官房長官~
【古賀茂明】テレビコメンテーターの種類 ~テレ朝問題(7)~
【報道】古賀氏ら降板の裏に新事実 ~テレ朝問題(6)~
【古賀茂明】役立たずの「情報監視審査会」 ~国民は知らぬがホトケ~
【報道】ジャーナリズムの役目と現状 ~テレ朝問題(5)~
【古賀茂明】氏を視聴者の7割が支持 ~テレ朝問題(4)~
【古賀茂明】氏、何があったかを全部話す ~テレ朝「報ステ」問題(3)~
【古賀茂明】氏に係る官邸の圧力 ~テレ朝「報道ステーション」(2)~
【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~
【古賀茂明】これが「美しい国」なのか ~安倍政権がめざすカジノ大国~
【古賀茂明】原発廃炉と新増設とはセット ~「重要なベースロード電源」論~
【古賀茂明】改革逆行国会 ~安倍政権の官僚優遇~
【古賀茂明】安部総理の「大嘘」の大罪 ~汚染水~
【古賀茂明】「政治とカネ」を監視するシステム ~マイナンバーの使い方~
【古賀茂明】南アとアパルトヘイト ~曽野綾子と産経新聞~
【古賀茂明】報道自粛に抗する声明
【古賀茂明】「戦争実現国会」への動き
【古賀茂明】日本人を見捨てた安倍首相 ~二つのウソ~
【古賀茂明】盗人猛々しい安倍政権とテレビ局
【古賀茂明】安倍政権が露骨な沖縄バッシングを行っている
【古賀茂明】官僚の暴走 ~経産省と防衛省~
【古賀茂明】安倍政権が、官僚主導によって再び動き出す
【古賀茂明】自民党の圧力文書 ~表現の自由を侵害~
【古賀茂明】自民党が犯した最大の罪 ~自民党若手政治家による自己批判~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走 ~傾向と対策~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走
【古賀茂明】文書通信交通滞在費と維新の法案
【古賀茂明】宮沢経産相は「官僚の守護神」 ~原発再稼働~
【古賀茂明】再生エネルギー買い取り停止の裏で
【古賀茂明】女性活用に本気でない安部政権
【古賀茂明】【原発】中間貯蔵施設で官僚焼け太り
【古賀茂明】御嶽山で多数の死者が出た背景 ~政治家の都合、官僚と学者の利権~
【古賀茂明】従順な小渕大臣と暴走する官僚 ~原発再稼働~
【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道 ~虚構のアベノミクス~
【古賀茂明】【原発】原子力ムラの最終兵器
【古賀茂明】【原発】凍らない凍土壁に税金を投入し続けたわけ
【古賀茂明】【原発】勝俣恒久・元東電会長らの起訴 ~検察審査会~
【古賀茂明】安倍政権の武器輸出 ~時代遅れの「正義の味方」~
【古賀茂明】またも折れそうな第三の矢 ~医薬品ネット販売解禁の大嘘~
【古賀茂明】「1年後の夏」に向けた布石 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】法人減税で浮き彫りにされる本当の支配者 ~官僚と経団連~
【古賀茂明】都議会「暴言問題」の真実 ~記者クラブによる隠蔽~
古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ
【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」
【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~
【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任
【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造
【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~
【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~
【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~
【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~
【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~
【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~
【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~
【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働
【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~  
【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~
【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~
【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~
【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと
【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~
【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~
【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~
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【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~

2016年04月19日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)2016年初頭、全国がん(成人病)センター協議会加盟16施設の治療成績をまとめた「がんの10年生存率」が公表された。
 全部位、全ステージ(病期)をまるめた生存率は58.8%。例を大腸癌にとると、
   転移がない早期なら98.8~84.4%
   リンパ節転移がある進行癌でも69.6%
が10年を乗り切っている。

 (2)発生部位や診断時の病期にもよるが、進行が比較的遅い大腸癌や乳癌については「癌=死」という認識を改める頃合いだろう。
 「癌=生存」という事実は、治療中~治療後の生活設計や就労計画が必要だ、ということだ。実は、新規に癌と診断される3人に1人は、20~60歳の生産年齢なのだ。

 (3)ところが、2015年、内閣府が成人(20代以上)を対照に行った世論調査によると、「2週間に1度ほど通院する必要がある場合、働き続けられると思うか」との設問に対し、
   「どちらかといえば、そう思わない」
   「そう思わない」
という回答が3分の2を超えた。
 特に乳癌の好発年齢である40代の女性では、76.7%が治療が始まったら「働き続けられない」と考えていることが分かっている。
 
 (4)乳癌の10年生存率は、
   早期 93.5%
   Ⅱ期(脇の下のリンパ節転移を認める) 85.5%
   Ⅲ期 53.8%
と高い。この間、仕事を失うことは治療費の問題だけではなく、社会との絆や自己効力感の喪失を招きかねない。

 (5)「癌でも働きたい」との悲痛な声を受け、厚生労働省は2016年2月、企業向けに癌患者が仕事と治療を両立できるよう支援するガイドライン(指針)を公表した。
 指針では、
 <例>午前注に放射線を受け、午後出勤に対応できる時間単位の有休休暇制や時差出勤の在り方、企業側から主治医に意見を求める際の書面のひな型が示されている。
 いわゆる「私傷病」の取り扱いは各社の就業規則に委ねられている。指針に拘束力はない。
 しかし、3人に1人が癌に罹患する時代に、癌患者を安易に切り捨てるのは時代錯誤だ。
 癌と共に生きる社会に何が必要か。皆で考える時が来た。

□井出ゆきえ(医学ライター)「がん=生存時代の就労を支援 治療と仕事の両立に指針 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.2~」(「週刊ダイヤモンド」2016年4月16日号)
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 【参考】
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~
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【労働】非正規社員の給料水準を頭打ちする「そこそこスキルアップ」という考え方

2016年04月19日 | 社会
 (1)東京都「中小企業の賃金事情調査」(対象:従業員10人以上300人未満の都内中小企業)によれば、2015年の正社員の賃金(大卒やモデル賃金【注1】)は、
   ①初任給:月給204,134円(時給1,276円)【注2】
     ※【参考】2015年の高卒の初任給:月給176,222円(時給1,101円)
   ②30歳:月給275,002円(時給1,719円)
   ③40歳:月給359,040円(時給2,244円)
   ④50歳:月給432,796円(時給2,705円)
   ⑤60歳:月給455,309円(時給2,846円)
 他方、派遣社員の場合、
   全年齢 時給1,683円

 (2)非正規社員(アルバイト・パート・契約社員・派遣社員)の給料は、正規社員と比べてどれほど安いのか。
 (1)が意味することは、勤続8年で時給が443円アップするということだ。
 非正規社員の中で時給水準が高いのは派遣社員だ。リクルートの派遣求人サイトで「東京23区内」「全職種」で求人検索してみると、平均時給は1,683円。派遣社員の賃金水準が高いといっても、実際には正社員30歳のモデル賃金より安い。
 その後も差は広がる。 
 正社員は、平均すると毎年41円時給がアップする。
 非正規社員は、数年勤めてやっと時給が50円アップするのが関の山だ。
 非正規社員の賃金問題は、給料が正規社員より安いことだけでなく、上がらないことも問題なのだ。

 (3)では、なぜ非正規社員の時給がなかなか上がらないのか?
 そして、なぜ会社が非正規社員を増やすことができたのか?

 (4)終身雇用の正社員が中心だった時代の日本は、高度経済成長期だ。経済発展とともに、従業員にもスキルアップしてもらわないと、会社が成り立たなかった。そのため、従業員はスキルアップし続け、会社もそれを求めていたので、給料も上がり続けた。
 しかし、経済成熟期に入り、長く不況が続いた。
 さらに、ITの発展でマニュアル化、効率化が進み、知識・経験をさほど積まなくてもこなせてしまう業務も増えた。
 <例>事務分野。入力する箇所さえ間違えなければ、システムが自動的に計算する。覚えることも少なく、早く結果を出せるようになっている。
 こうした状況で会社がスキルアップし続けて欲しい従業員は、特定の業務に就く人だけ。あとの人は、決められたマニュアルやシステムに従って業務をこなせるまでそこそこスキルアップしてくれるだけでいい・・・・。
 これが会社の本音だ。  

 (5)この「スキルアップはそこそこでよい」業務の人材として雇っているのが非正規社員だ。
 多くのスキルアップを求めない代わりに、時給水準も低く、給料アップも頭打ちというわけだ。
 つまり、非正規社員の給料水準を上げて「同一労働・同一賃金」を実現するのは、スキルアップし続けることが必要な業務が今よりも増えることが前提となる。

 【注1】普通の能力と成績で勤務した場合。 
 【注2】1日8時間労働、1月の平均労働日数は20日(土・日・祝日・盆・年末年始は休日)の会社の所定労働時間は160時間/月。以下、同じ。

□稲毛由佳(社会保険労務士)「非正規社員の給料水準を頭打ちする「そこそこスキルアップ」という考え方」(「週刊金曜日」2016年4月8日号)
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【堤未果】学費高騰で自衛隊入隊が増加? ~「経済徴兵制」~

2016年04月18日 | 社会
 (1)2016年4月、自民・公明両党は、返済不要な「給付型奨学金」の導入を政府に提言した。具体的な制度設計や財源に関する議論は、これから詰めていくという。
 OECD諸国内で唯一「給付型奨学金」を持たない日本。
 学資ローンは、初めは無利子だったが、1984年に中曽根政権が新設した有利子枠が10年間で約10倍に拡大、今では4分の3が有利子だ。
 2007年には民間金融機関も参入し、実質的な金融事業と化した。
   ①学費高騰
   ②非正規雇用急増による世帯年収下落
などから、大学生の2人に1人が借りている学資ローンの延滞率は年々上昇している。

 (2)学生の7割が平均400万円弱を借り入れ、4人に1人の割合で返済が延滞、または不良債権化している米国でも、「学資ローン問題」は深刻な社会問題だ。
 熾烈な大統領選が繰り広げられる中、教育無償化を掲げるサンダース候補(民主党)に若者の支持が集まっている最大の理由もここにある。
 オバマ大統領が実施した返済期限延長、金利減免、給付型奨学金枠拡大などがさほど効果をあげていないのはなぜか?
 それは、問題の本質が、「教育のビジネス化」にあるからだ。
 アイビーリーグと呼ばれる一流校に資金が集中し、富裕層だけが質の高い教育を受けることができる状況は、教育と経済格差を悪化させる。 
 法外な利益を上げる学資ローン業界が政府と癒着し、規制緩和が進んだ結果、学生たちは延滞金が膨れ上がっても自己破産ができなくなった。
 政府が「教育改革」の名の下に教育に競争を導入し、学生たちが学費や学費ローン肩代わりを条件に入隊する「経済徴兵制」を『ルポ・貧困大国アメリカ』が日本に伝えたのは2009年だ。

 (3)日本の学資ローンは、見事に米国の後を追っている。
 安保法制で若者が戦場に行く可能性が議論になっているが、憲法を改正しなくても、今のまま国が教育予算を削減し続ければ、日本でも「経済徴兵制」によって子どもたちは自ら入隊する羽目に陥るだろう。
 オバマ政権下で勢いを増した公立学校の民間化も、日本では国家戦略特区で解禁される見通しだ。

 (4)今夏の選挙を前に、自民党から出た給付型奨学金枠新設の目指す先がどっちを向いているのか、有権者は注意深く見る必要があるだろう。
 今や「教育ビジネス」は、グローバルな投資先の一つとして注目されている。安倍政権の目指す「世界一ビジネスがしやすい日本」というスローガンと合致するからだ。
 この国の「教育」の位置づけを
   ①ヨーロッパのような国力としての「市民育成」
   ②米国のような「産業」
のいずれにしたいのか、国民は決めなければならない。

 (5)少子高齢化問題に直面する多くの先進国が「教育」に投資するのは、将来の税収確保という意味でも財政的に高齢者を支えることになるからだ。
 資源の乏しいこの国では、目先ではなく長期にわたり持続可能な経済政策、真の経済政策が求められている。

□堤未果「教育費の高騰が続けば「経済徴兵制」が日本に根付くだろう ~ジャーナリストの目 第252回~」(「週刊現代」2016年月日号)
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 【参考】
【堤未果】労働環境の「地盤沈下」 ~同一労働同一賃金~
【堤未果】再生可能エネルギーを悪用する投資家たち
【堤未果】【TPP】国家の枠組みが形骸化 ~医療への影響懸念~
【堤未果】「消費増税は福祉のため」という大ウソ ~大手マスコミの沈黙~
【堤未果】最も儲けるのは大国の産軍複合体 ~対テロ戦争の拡大~
【堤未果】【TPP】妥結で日本の農地は海外企業のものになる
【堤未果】情報漏洩・巨大利権など不安材料が多数 ~マイナンバー~
【堤未果】大衆を好戦ムードへ向かわせたマスコミの大罪
【堤未果】【ギリシャ】緊縮財政なのに軍事予算を削減できない理由
【堤未果】地方の介護現場を完全に無視 ~高齢者の「移住」提言~
【堤未果】本当に患者のためか疑問 ~国民健康保険法の改正~
【堤未果】サービス残業は絶対なくならない ~残業代ゼロ法案~
【堤未果】医師不足に拍車をかける国家戦略特区
【堤未果】「イスラム国」掃討と膨れあがる米の軍事費 ~いつか来た道~
【堤未果】格差大国アメリカの後を追う日本 ~金融緩和と年金改革~
【堤未果】米国社会の変質 ~ミズーリ州の武装警察~
【米国】国民皆保険という美名の裏で大増税開始 ~オバマケア~
【食】中国の鶏肉問題--流通のグローバル化で食の安全はますます困難に
【堤未果】「水道の民営化」が招く社会インフラ大崩壊 ~価格高騰に水質低下~
【堤未果】「社会保障のための増税」のウソ ~来るべき医療崩壊~
【堤未果】世界が危惧する日本のジャーナリズム ~「監視大国」米国以下~
【堤未果】アベノミクスと米国経済の危うい共通点
【食】中国の鶏肉問題--流通のグローバル化で食の安全はますます困難に
【政治】国家戦略特区法の危険性
【米国】と日本における民営化の悲惨 ~株式会社化する国家~  
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