語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~

2016年01月05日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)睡眠時無呼吸は、睡眠時にピタッといびきや呼吸が止まる一連の症状だ。家族の気を揉ませる。
 十把一絡げにされているが、2つに大別される。
   ①閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
   ②中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
 ①は、肥満や骨格上の問題で、あおむけで寝ていると舌の付け根や首回りの脂肪が垂れ下がり、気道が物理的に閉塞して発生する。呼吸が止まった際に、何とか息を吸おうと無意識的にあえぐのが特徴だ。睡眠時無呼吸症候群の9割以上が①だ。
 ②は、脳の呼吸中枢の働きが落ち、気道が開いていても呼吸が止まる。心不全患者の3人に1人が合併しているとされ、危険な睡眠時無呼吸症候群とでもいうべき代物だ。
 呼吸も特徴的で、無呼吸と過呼吸を周期的に繰り返す「チェーン・ストーク呼吸」が生じる。
 
 (2)先日、酢民事無呼吸のタイプと、心房細動(不整脈)との関連を調べた研究が米国から報告された。
  (a)調査では、心房細動の既往のない高齢男性843例を対象に、睡眠ポリグラフを実施。睡眠時無呼吸の有無を調べた後に、平均6.5年間追跡している。
   ・登録時平均年齢は75歳
   ・平均体格指数は27
   ・43%が高血圧
  (b)追跡期間中、99例が新たに心房細動を発症。睡眠時無呼吸のタイプとの関連を調べたところ、
   ・(1)-①(OSA)と心房細動との間では関連が認められなかった。
   ・(1)-②(CSA)の人は、睡眠時無呼吸ではない人に比べ、発症リスクが2.6倍近く跳ね上がった。

 (3)心房細動そのものは、命に関わる不整脈ではない。
 しかし、心臓内に鬱血した血の塊が血液の流れに乗って脳動脈を詰まらせ、「心原性脳梗塞栓症」という致命的な脳卒中を引き起こすリスクがある。
 心房細動を早期に発見し、「脳卒中予防」を心がけることが大切だ。

 (4)睡眠時無呼吸を家人に指摘されたら、念のため循環器科を受診するとよい。

□井出ゆきえ(医学ライター)「より危険な睡眠時無呼吸は 脳・心疾患のリスク増に ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.282~」(「週刊ダイヤモンド」2016年1月9日号)
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