語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~

2015年12月15日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)年始年末は太りやすい時季だ。
 肥満が誘因の病気といえば、糖尿病だ。この季節の諫めとして、日本の調査からメタボ男性の糖尿病予防策を紹介する。

 (2)体格指数(BMI)25以上の肥満男性が炭水化物を食べ過ぎると、糖尿病の発生リスクが上昇する【櫻井勝・「金沢医科大学公衆衛生学部」ら】。
 工場勤務の男性、33~55歳(平均年齢45.9歳)、約2,000人を調査。平均BMIは23.4。
 2003年の登録時に栄養摂取状況を調査し、その後10年にわたり毎年の検査結果から2型糖尿病の発症を確認。食事の内容と発症リスクの関連を調べた。
 1日の総摂取エネルギーに対する炭水化物の割合を検討したところ、
  (a)全体としては糖尿病の発症リスクとの因果関係は認められなかった。
  (b)しかし、BMI25以上の肥満男性に限った場合、炭水化物から摂取するエネルギー比率が65%超になると、同50~57.4%の人よりも発症リスクが2倍に跳ね上がった。
 さらにいえば、
   ①日本人男性の食事摂取基準では、炭水化物エネルギー比は50~65%なのだが、肥満の人に限れば、さらに制限したほうがよさそうだ。
   ②同じ肥満でも、おなかがポッコリで筋力低下を伴う「ダイナペニア」の人は、食事改善に加えて筋トレがオススメ。

 (3)日本企業に勤務する男性、45~65歳(平均年齢51歳)、約5,000人の検診データと握力測定データを収集し、握力32.5kg、37.8kg、41.5kg、47.3kgの4層別で評価した。【宮地元彦・「国立健康・栄養研究所」ら】
 調査期間中に糖尿病を発症した人について、①BMI25以上と②25未満に分けて解析した結果、
   ①の肥満者では、握力(筋力)の低下と有意に逆相関して糖尿病の発症率が上昇した。
 研究者は、「痩せるだけでなく、筋力を高める運動やスポーツが推奨される」としている。 

 (4)日本の成人男性の平均握力は、48kg前後。
 おなか周りを意識し始めた男性は、忘年会のビールを2杯減らし、ダンベルを2つ購入すべきか。

□井出ゆきえ(医学ライター)「日本人肥満男性の食事と運動 糖尿病予防に関するエビデンス ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.2~」(週刊ダイヤモンド」2015年12月19日号)
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