語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】カテキンの効果 ~殺菌・消臭・口内の衛生~

2017年03月31日 | 医療・保健・福祉・介護
 静岡県島田市の六つの小中学校では、校内に緑茶の出る蛇口が設置されている。休み時間や運動の後に飲むのはもちろん、風邪が流行している時期などは、このお茶でうがいをすることを奨励しているそうだ。
 同県では、茶産業の振興とともに、緑茶の苦み成分であるカテキンの機能性や効用についての調査研究が盛んに行われている。緑茶うがいは、カテキンの酸化防止作用などにより、ウイルス除去だけでなく、口内の悪玉菌を除くとされ、歯周病や虫歯予防にもいいことがわかってきた。農研機構・野菜茶研究所(金谷茶業研究拠点)の報告によれば、高齢者介護施設で緑茶を使って口内の清拭をしたところ、口内の衛生状態が良好に保たれた高齢者の口臭は以前よりも気にならなくなったという。
 緑茶のカテキン類を抽出した製品は、消臭を目的に、衣類や寝具、おむつ、せっけん、脱臭剤などの日用品やペット用品にも利用されている。高齢者介護の面では、殺菌や消臭などを目的として、お茶で体を拭くという方法を行っている施設もあるという。

□南雲つぐみ(医学ライター)「カテキンの効果 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月10日)を引用
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【南雲つぐみ】健康にいい食べ方

2017年03月31日 | 医療・保健・福祉・介護
 「肥満を防ぐためには、食べたいものを『おいしい』と感じながら食べたいだけ食べること」というダイエット法を提唱するのが、医師の藤野武彦さん(九州大学名誉教授)だ。肥満をもたらす食べ過ぎ(過食)はストレスに由来することが多く、いわば「脳疲労」の症状である。それを「食べてはいけない」「食べるから太るのだ」と責め続けるとストレスがたまり、ますます過食に走って、肥満は改善しないという。
 そこで藤野さんは「やりたくない健康法は行わない」など、今の自分を肯定する「BOOCS理論」を使って、肥満やうつ、ストレス症状の改善を行ってきた。
 先ごろ、米ペンシルバニア大学の研究チームによる「肥満者を批判してダイエットさせようとしても逆効果だ」とする論文が医学誌「オゥビーシティ(Obesity=肥満)に掲載された。肥満治療中の159人を対象にした調査結果で、肥満に偏見があり、自己否定的になりがちな人は、心臓疾患や心臓発作、糖尿病のリスクが上昇するという結果が出たそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「健康にいい食べ方 ~歳々元気~」(日本海新聞」 2017年3月14日)を引用
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【南雲つぐみ】春休みの時差ぼけ

2017年03月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 人間は目が覚めて朝日を浴びてから16時間後にまた眠たくなるという睡眠リズムを持っているとされる。これはメラトニンという睡眠ホルモンの分泌によるものだ。
 日本と昼夜が逆の国に行くと、朝、日本をたって9時間後に到着したのに、着いた先ではまだ日中というような時間のズレが生じる。
 このような場合に起こるのが時差ぼけ。体内時計と環境にズレが生じるのが原因だが、同じ場所にいても生活リズムが崩れると、時差ぼけのような睡眠リズムのトラブルが起こりやすくなる。
 夜勤(交代勤務)がある仕事、試験勉強、締め切りなどがある仕事で、夜も昼と同じような緊張状態が続く人は要注意だ。夜遅くまでインターネットや携帯電話での情報のやりとりをしている場合も、眠れない状況になりやすい。その結果、朝も起きられなくなる。
 春休みは学生にとって、昼夜逆転しがちな時期だが、そのまま新学期を迎えると、新年度からいい生活リズムがつかめない。休み中もできるだけ普段と同じ生活リズムで過ごすことが理想なのだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「春休みの時差ぼけ ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月29日)を引用
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【ウィトゲンシュタイン】『論理哲学論考』

2017年03月30日 | 批評・思想
---(引用開始)---
1 世界は成立していることがらの総体である。
1・1 世界は事実の総体であり、ものの総体ではない。
1・11 世界は諸事実によって、そしてそれが事実の〈すべて〉であることによって、規定されている。
1・12 なぜなら、事実の総体は、何が成立しているかを規定すると同時に、何が成立していないかをも規定するからである。
1・13 論理空間の中にある諸事実、それが世界である。
---(引用終了--

 といった独特な構成で議論が展開される『論理哲学論考』。読み通すのは骨で、事実途中で挫折したりするが、何が書いてあるのかぐらいは知っておきたい本があって、本書もその1冊だ。
 幸い、訳者解説が丁寧懇切なので、少し引用しよう。

---(引用開始)---
1 目標と方法--序
 「私にはどれだけのことが考えられるのか」、これが『論考』の基本問題である。思考の限界を見通すことによって思考しえぬものを浮き彫りにする。ウィトゲンシュタインはそこに二つのことを賭ける。ひとつは、哲学問題が思考不可能な問題であることを示し、いっさいの哲学的お喋りに終止符を打とうとする。もうひとつは、倫理、価値、生に関わることを、思考によってではなく、ただ沈黙のうちに生きることによって受け入れようとする。
 しかし、「どれだけのことが考えられるのか」という問題に対して再び〈思考によって〉答えようとすることには、困難がある。そこでウィトゲンシュタインは、言語の限界を明らかにすることによって思考の限界を示そうとする。かくして、思考の限界の問いに代えて、「私にはどれだけのことが語りうるのか」という問いが問われることになる。まさにこれこそが、『論考』の核心をなす問いにほかならない。
---(引用終了)---

 以下、タイトルのみ。

2 世界/世界の可能性--1~2・063
3 像--2・1~2・225
4 思考--3~3・05
5 像としての命題--3・1~4・128
6 真理操作--4・2~5・5423
7 基底/独我論--5・55~5・641
8 操作と形式/数・論理学・自然科学--6~6・3751
9 倫理--6・4~6・45
10 謎の解消--6・5~7

□ウィトゲンシュタイン(野矢茂樹・訳)『論理哲学論考』(岩波文庫、2003)の「訳者解説」
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【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~

2017年03月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)飲酒は認知症の発症リスクになることが知られているが、少量飲酒は予防に働くらしい。中国海洋大学(山東省)の研究チームからの報告。

 (2)研究者らは、飲酒量と認知症発症との関係を検討した複数の試験結果を体系立てて再解析。データは次のものである。
  (a)全認知症・・・・4,586症例を含む73,330人、11試験のデータ。
  (b)アルツハイマー型認知症・・・・1,267例を含む52,715人、5試験のデータ。
  (c)血管性認知症・・・・542例を含む49,535人、4試験のデータ。
 解析の結果、(a)と大量飲酒との間には、以前から指摘されているように、発症リスクが増加する傾向が認められた。その一方で、少量飲酒では(a)の発症リスクが低下していた。
 具体的には、
   ①リスク低下に働くアルコール摂取量(純アルコール換算)は、1日あたり12.5グラムまで。
   ②アルコール度5%のビールなら350ミリリットル缶の8分目程度だ。ロング缶なら、二人で半分ずつ飲むといい。
   ③アルコール度数15度の日本酒なら0.5合が1日の上限である。
 最もリスク低下効果が示されたのはm、6グラム/日だった。この場合、ビールは135ミリリットル缶1本でおしまい。日本酒ならぐい飲み1、2杯である。
 逆に、1日あたりアルコール摂取量が38グラムを超えると、(a)の発症リスクが明らかに上昇。
 また、飲酒の影響は60歳未満の中高年で一層大きかった。

 (3)同じような調査研究は欧米でも行われている。
 各国でおおむね一致しているのは、
   ①1日のアルコール摂取量が12グラム以上だと認知症の発症リスクが上昇すること。
   ②逆に、1日5~10グラム程度の摂取量は酒を全く飲まない人よりリスクが低下する点。試験によっては、リスクが半減するとの報告もある。とはいえ、下戸の人は無理に飲酒する必要はない。

 (4)厚生労働省は、「節度ある適度な飲酒(アルコール摂取量)」を1日あたり20グラムとしている。しかし、認知症予防の見地からすれば、その半分でも多い。
 今日の1杯が、明日の認知機能に影響するのだ。

□井出ゆきえ(医学ライター)「認知症を予防する飲酒量は?/1日あたり0.5合程度が上限 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.343~」(「週刊ダイヤモンド」2017年4月1日号)
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 【参考】
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~

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【派遣】国民健康保険料の理不尽 ~中高年派遣社員物語11~

2017年03月29日 | ノンフィクション
 (1)筆者=森川氏は、月額約5万円の老齢厚生年金を60歳から受給していた。この2月に65歳になったので、フル年金の、「老齢基礎年金+老齢厚生年金」を受給する手続きをした。
 以前、年金相談を利用したとき、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の人には、子どもが18歳になるまで年額約22万円の加給年金が、妻についても妻が65歳になるまで同額の年金に特別加算額を加えた合計39万円の加給年金(妻の年齢によって異なる)がもらえると説明を受けた。若い頃に勤めていた学校で加入していた私学共済も含めたら、月に20万円弱の年金がもらえることになった。

 (2)しかし、65歳になって届いた介護保険案内には仰天した。まだ体が丈夫なのに、介護保険を利用できる被保険者証が届いたのだ。保険料も今までの約1.5倍で、年金からの引き落としである。

 (3)定年退職後に入る国民健康保険にも保険料が高いという問題がある。それが如実にわかる体験をした。
 森川氏は、一昨年、3社に勤めた。最後の会社で、前の会社の源泉徴収票を出すように言われた。まとめて源泉徴収票を作るという。しかし、森川氏には、年金収入と給与収入の二つの収入があり、3社の源泉徴収票を税務署に持ち込み、確定申告した。その結果、所得税納付額は25,000円と出た。まあ年金収入もあり、こんなものかと思っていたら、昨年6月、市から国民健康保険料の通知が来た。年額約30万円とあって仰天。夜、寝ながら考えた。どうしてこんなに高額なのかと。
 最後の会社で作った3社を合計した源泉徴収票と、2社の源泉徴収票を二重に計算したため、年収が400万円となったのではないか。最後の会社が3社分をまとめて作った源泉徴収票に2社の額を明記していなかったため、気づかなかったのだ。
 大慌てで税務署に出かけ、修正申告をし、その足で市役所に出向いて減額の手続きをしたが、確定するまで2ヵ月以上もかかってしまった。

 (4)この間違えた年収額、実は森川氏が40代で民間研究所に勤めていた時の年収と同額なのだ。その時の給与明細書を持っていたので、保険料を比較することができる。当時1ヵ月の健康保険料が15,000円だった。
 つまり、国民健康保険料は、正社員の健康保険料の2倍くらい高い。
 収入によって額は異なるだろうが、正社員は企業が半額を負担してくれているので安いのだ。
 自営業や学生、非正規など裕福でない人の保険料の方が高くて、福祉国家といえるだろうか。
 そこで提案だが、国民健康保険料も政府が半額負担して、正社員の保険料と同額になるようにしてはどうか【注】。また、短期の仕事の多い非正規も、会社を辞めても同じ保険がそのまま使えるようにしてはどうか。将来的には、国民健康保険を健康保険に統合するよう提案したい。

 【注】森川氏は気づいてないが、実は市町村国保に対しては、国庫支出金、都道府県支出金、前期高齢者交付金、共同事業交付金などの施策が既にある。

□森川海守「国民健康保険料で感じた理不尽 ~中高年派遣社員物語11~」(「週刊金曜日」2017年3月24日号)
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 【参考】
【派遣】中高年の保険は医療保険で十分 ~中高年派遣社員物語10~
【派遣】中高年は厨房に入る ~中高年派遣社員物語9~
【派遣】海外を目指す! ~中高年派遣社員物語8~

【派遣】中高年の節約術 ~中高年派遣社員物語7~
【派遣】原子力損害補償業務はホームズの赤毛組合? ~中高年派遣社員物語6~
【派遣】中高年、手に資格を ~中高年派遣社員物語5~
【派遣】ハローワークは使えるか? ~中高年派遣社員物語4~
【派遣】転職・就職サイトに登録しまくる ~中高年派遣社員物語3~
【派遣】FXでの損が運の尽き ~中高年派遣社員物語2~
【派遣】余はいかにして派遣社員となりしか ~中高年派遣社員物語1~


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【派遣】中高年の保険は医療保険で十分 ~中高年派遣社員物語10~

2017年03月29日 | ノンフィクション
 (1)森川氏は、3年間、損害保険の営業をしていたことがある。スキー保険という新保険を作ったこともある。これは事故があったら、保険会社の損害額が大きくなるが、通院日額を低くして会社の損害額を減らす設計にもなっている。だから森川氏は、生命保険にも詳しいと自負している。

 (2)60歳になると定年退職となるケースが多い。フルの年金がもらえる65歳まで、まだ5年もある。そこで問題になるのが生命保険だが、多くの人が退職後の保険で悩む。月給が高額だったために在職時は保険料を月1万円以上払っていたケースも多いのではないか。
 ところが退職すると年金額がそれに見合わないため、死んだら保険金が家族に支払われる死亡保険に疑問を呈する方が多い。平均寿命の男性約81歳、女性約87歳までも生きるとしたら、万一に備えるにしても、少ない年金から月1万円の保険料を20年以上も払い続けるのはどうかと思う。
 ここは、死亡保険は家族に理解してもらって解約、生きている間、病気・交通事故で入院した場合に備える掛け捨ての医療保険で十分ではないか。終身タイプが安全だが、死ぬまで保険料を払い続けなければならないため、月の保険料は5,000円以下が家計にやさしい。
 森川氏は、月保険料3,000円の一生保険料が変わらない終身タイプの医療保険に入っている。

 (3)若い時はまだ保険の知識がなく、10年満期の生命保険にしか加入していなかった。10年ごとに保険料が変わるので、若い時に終身保険に入っておくべきであったと後悔したのは後の祭りで、その時は入院日額5,000円の終身医療保険にしか加入していなかった。とはいえ、この医療保険には随分とお世話になった。気胸になったり、痔の手術をしたり。治療費等を賄うのに役立った。森川氏より若い中高年の方には、入院日額1万円の終身の医療保険に入るよう勧めたい。

 (4)家族に癌を患ったことのない森川氏には、癌保険はまったく役に立たなかった。たしかに「癌になった」と宣告されただけで保険金が下りる癌保険は手厚いが、その分保険料が高い。癌にならないと保険が下りないので、これほど役立たない保険はない。 
 しかも、公的健康保険に入っていれば、高額療養費制度があって、森川氏の収入程度であれば、月の医療費の自己負担額は上限44,000円。癌保険に入っていなくても困らない。
 メットライフやアフラック、オリックス等が扱っている医療保険だけで十分だ。
 癌で手術を受けても10万円なにがしかの手術代が補償されるし、2ヵ月分なにがしかの入院日額も補償される。
 通院日額が付いているものや、配当金付き生命保険は、保険料も高くなるので、勧められない。運用は自分でやると考え、保険とは切り離して考えるのがいい。

□森川海守「中高年の保険は医療保険で十分なのだ ~中高年派遣社員物語10~」(「週刊金曜日」2017年3月17日号)
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 【参考】
【派遣】中高年は厨房に入る ~中高年派遣社員物語9~
【派遣】海外を目指す! ~中高年派遣社員物語8~

【派遣】中高年の節約術 ~中高年派遣社員物語7~
【派遣】原子力損害補償業務はホームズの赤毛組合? ~中高年派遣社員物語6~
【派遣】中高年、手に資格を ~中高年派遣社員物語5~
【派遣】ハローワークは使えるか? ~中高年派遣社員物語4~
【派遣】転職・就職サイトに登録しまくる ~中高年派遣社員物語3~
【派遣】FXでの損が運の尽き ~中高年派遣社員物語2~
【派遣】余はいかにして派遣社員となりしか ~中高年派遣社員物語1~

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【南雲つぐみ】菜種梅雨 ~春雨、催花雨~

2017年03月28日 | 医療・保健・福祉・介護
 公園や川の土手、畑のまわりが菜の花の明るい黄色で染まってくると、いよいよ春本番を感じるものだ。目線の高い場所を彩るサクラやモモのピンクとの共演は、見事なコントラストだ。
 辞書を見ると、菜種とは「アブラナの種のこと」とある。その花が菜の花なのだが、植物学的には、菜の花という植物はないらしい。
 現在、採油用に栽培されるセイヨウアブラナという品種以外にも、アブラナ科アブラナ属の菜類の花は、全部菜の花というそうだ。ハクサイ、キャベツ、ダイコン、カラシナ、カブなど、どれも黄色くて4枚の花弁が十字形に配列した形の花を咲かせるので、みんな「菜の花」なのだ。
 菜種梅雨は、春の季語で、この時期の梅雨を思わせる、ぐずついた天気を指す。冬の間に日本列島を覆っていた高気圧が北上し、日本列島の南岸沿いに前線が停滞するため、主に関東より西で起こる。「春雨」とも、「催花雨(さいかう)」ともいわれ、一雨ごとに暖かさを運び、菜の花やサクラをはじめ、春の草花の生長と開花を促す役目を果たしている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「菜種梅雨 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月28日)を引用
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【派遣】中高年は厨房に入る ~中高年派遣社員物語9~

2017年03月28日 | ノンフィクション
 (1)中高年、何が怖いかといったら、やはり認知症だろう。NHK「ためしてガッテン」で認知症予備軍の男女3人の中高年に調理、運動、昼寝を実行してもらったら、認知機能が改善されたという。運動とは、番組では高さ20cmほどの踏み台の昇降だったが、ウォーキングが認知症や鬱病の予防にいいということが、周知されてきた。特に早足と普通の歩き方の交互の運動が効果的だという。節約の面からも、地下鉄やバスに乗らず、できるだけ早足で歩く習慣を勧めたい。

 (2)実は4年前に森川氏はパーキンソン病と診断され、以来3ヵ月に1回通院して薬を処方されていたが、3ヵ月分で自己負担金が1万円と高額な上に、薬が効いているかがよくわからない。経済的な理由から、最近すっぱり飲むのを止めた。しかし、毎日1時間半、通勤時に自宅から駅、駅から事務所まで徒歩通勤を続けていたら、病からくる左足の震えが改善に向かっている。
 薬の代わりに飲み始めたコエンザイムQ10も有効らしい(あくまで森川氏の場合の話で、薬を止める場合は医師と相談したほうがよい)。Q10は、細胞の中でエネルギーを作り出しているミトコンドリアの成分となっている。費用は薬の3分の1。

 (3)昼寝も認知症予防によいという。
 独身の頃、居眠り運転でガードレールを飛び越え、水田に落ちて車がひっくり返る事故を起こし、新車を全損させてしまったことがある。幸い車両保険に入っていたので、ことなきを得たが、原因はいびきだ。
 結婚後は、妻からうるさくて眠れないと訴えられ、たどり着いたのがマウスピースだ。内科で睡眠時無呼吸症候群の診断が出れば、歯医者で保険適用のマウスピースを作ってもらえる。はじめは違和感があるが、自分でも眠られるので愛用している。
 最近、インプラントを新しく装着したので、今までのマウスピースが使えなくなった。すると、使えなくなったその日から、「いびきがうるさい」とさっそく家族から苦情が出た。
 身に覚えのある方にはぜひ勧めたい。
 睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと、高血圧、高脂血症、糖尿病、はては脳梗塞、心筋梗塞などにつながりかねない。睡眠も6時間を切ると、認知症になりやすいそうで、30分以内の昼寝も推薦したい。今の職場は、昼休みに節電のため消灯するので、机の上に伏せるだけでも昼間の眠気がとれてよい。

 (4)調理も認知症予防によいという。
 森川氏の場合、土日に料理を担当することが多く、18時までに、味噌汁、から揚げ、ポテトサラダなどのおかず2品を作ることにしている。18時までに間に合わせるのに、段取りをきちんと整えないと、すべての料理が温かい状態で提供できない。
 このような頭の使い方が認知症予防にいいのだ。今や、中高年になったら厨房に入るというのが常識になりつつあると言えようか。

□森川海守「中高年、厨房に入れ! ~中高年派遣社員物語9~」(「週刊金曜日」2017年3月10日号)
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 【参考】
【派遣】海外を目指す! ~中高年派遣社員物語8~

【派遣】中高年の節約術 ~中高年派遣社員物語7~
【派遣】原子力損害補償業務はホームズの赤毛組合? ~中高年派遣社員物語6~
【派遣】中高年、手に資格を ~中高年派遣社員物語5~
【派遣】ハローワークは使えるか? ~中高年派遣社員物語4~
【派遣】転職・就職サイトに登録しまくる ~中高年派遣社員物語3~
【派遣】FXでの損が運の尽き ~中高年派遣社員物語2~
【派遣】余はいかにして派遣社員となりしか ~中高年派遣社員物語1~

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【南雲つぐみ】お花見 ~3月27日は「さくらの日」~

2017年03月27日 | 医療・保健・福祉・介護
 3月27日は「さくらの日」。全国でサクラの植樹や整備を行う公益財団法人日本さくらの会が、「3(さ)×9(く)=27」の語呂合わせで、1992(平成4)年に制定したものだ。
 お花見は、もともと貴族の風習で、五穀豊穣を祈願する宗教行事の一部でもあったそうだ。その散り際の潔さが武士道と重ねられ、武家でもサクラをめでるようになる。
 江戸時代になると、徳川吉宗が江戸の各所に桜の木を植えて花見を奨励したので、一般の人々も花見を楽しむようになった。これには江戸の風紀を良くすることと、庶民に娯楽を与えて治安の維持を図ろうとする思いがあったそうだ。
 落語の「長屋の花見」では、長屋の大家が、家賃を払わない店子(たなこ)の熊さんを連れて上野の山に花見に出掛ける。酒は番茶を薄め、重箱の中は卵焼きのつもりのたくあんと、かまぼこのつもりのダイコンの漬物だ。大家に「一句どうだ」といわれて熊さんは「長屋中歯をくいしばる花見かな」などと辛辣なことをいう。気の置けない関係性が楽しそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「お花見 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月27日)を引用
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 【参考】
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【南雲つぐみ】冷えのぼせに注意 ~血行不良~
【南雲つぐみ】栄養はバランスよく ~若者より高齢者の方が健康的~
【南雲つぐみ】クロロゲン酸の効用 ~珈琲~
【南雲つぐみ】潮干狩り ~アサリの旬~
【南雲つぐみ】風が吹けば桶屋が儲かり、歯の数が減ると医療費がかさむ
【南雲つぐみ】春は突風に注意 ~飛来物・落下物・転倒事故~
【南雲つぐみ】春苗の植えどき ~ハーブ、青菜、花~
【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~
【南雲つぐみ】せきを抑えるツボ ~自衛法~
【南雲つぐみ】加齢黄斑変性とその治療法
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【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~

2017年03月27日 | ●佐藤優
 (1)インテリジェンスとは、国家が生き残るための情報を収集、分析し、さらに情報分析に基づいてさまざまな働きかけをすることを意味する。
 旧陸軍参謀本部は、インテリジェンスを「秘密戦」と称した。そして、秘密戦を①諜報、②防諜、③宣伝、④謀略の四つに区分した。
 ①(積極)諜報(ポジティブ・インテリジェンス)とは、相手に察知されずに相手が秘匿する情報を入手することだ。
 ②防諜(カウンター・インテリジェンス)とは、敵対組織に情報を取られないようにすることだ。もっともその場合、防御一辺倒ではなく、あえて敵に偽情報を流して撹乱させる積極防諜(ポジティブ・カウンター・インテリジェンス)という応用技法もある。
 ③宣伝(プロパガンダ)は、わが方に不利な事柄を隠し、有利な事柄を誇大に伝える。
 ④謀略(コンスピラシー)は、①、②、③を用いて、わが方に実力以上の成果をもたらすようにすることだ。陸軍の参謀本部や中野学校(インテリジェンスの専門組織)は、秘密戦の目的は④と考えた。CIA(米中央情報局)、SVR(露対諜特務庁)、モサド(イスラエル諜報特務庁)などの優秀な機関も、公言はしないものの、インテリジェンスについては日本陸軍と同じような認識をしている。
 ちなみに、インテリジェンス活動のうち法に抵触する内容のものをスパイ活動という。

 (2)梶山季之氏が光文社から1962年に『黒の試走車』を公刊した時点では、戦前・戦中に日本が行ったインテリジェンス活動は全否定されていた。しかし、そのノウハウは民間には生きていた。モータリゼーションが本格化する1960年代の日本社会を背景に、梶山氏は、タイガー自動車、ナゴヤ自動車、不二自動車などの自動車会社が繰り広げる企業インテリジェンス戦争(そこには違法なスパイ活動も含まれる)を見事なエンターテインメント小説に仕上げている。
 筋書き自体は単純だ。タイガー自動車の新車パイオニア・デラックスが東海道本線の掛川駅と袋井駅の無人踏切で特急列車と衝突事故を起こす。自動車の運転手は、踏切の真ん中でエンジンが突然止まったと主張し、タイガー自動車からカネをせしめようとする。その背後で、ライバル会社の陰謀、タイガー自動車内部の権力闘争があり、業界紙記者や謎の美人社長、バーの女性などが暗躍する。小説の最終局面で、いくつかのどんでん返しが起きる。
 このあたりはエンターテインメント作家として当時、超売れっ子だった梶山氏にしか書けなかったであろう独特な筆の勢いがある。

 (3)タイガー自動車で企画PR室長というカヴァー(偽装)で活躍する朝比奈豊には天性のインテリジェンス能力がある。本書には、インテリジェンスの現場で実際に用いられている様々な情報収集の技法が披露されている。〈例〉読唇術。
 この読心術を用いるインテリジェンスは、北朝鮮情勢の分析でよく用いられる。金正日や金正恩が視察をし、人々に何か話しかけている動画が北朝鮮のテレビに映されるが、音声が消されている場合がある。そういうときには、読唇術の専門家が、動画を視て金正日や金正恩の発言を再現する。この種の情報は貴重な一次資料になる。
 本書の盗聴の技法も興味深い。朝比奈は、入院中の望月タイガー自動車社長を見舞ったときに、盗聴のからくりに気付いた。盗聴を依頼していたのは、不二自動車ではなく、タイガー自動車の者だった。
 盗聴のような陰湿な手段まで用いた社内抗争が展開されていると、とりあえず読者は納得させられるが、これも最後にどんでん返しがある。
 ちなみに、ソ連時代、外国人が泊まるホテルの部屋には、すべて有線ラジオが備えつけられていた。このラジオはいつでも盗聴器の役割を果たすことができたのだ。現在は、スマートフォンを乗っ取って盗聴することが簡単にできる。スマートフォンは携帯盗聴器と思っていた方がいい。

 (4)さて、インテリジェンスの世界では、医療関係者から情報を得ることは「禁じ手」とされている。だが、実際には、要人の健康状態に係る機微に触れる情報を入手するために、インテリジェンス機関員は巧みに医師や看護師、臨床検査技師に接触する。あまり詳しくは説明できないが、モスクワの日本大使館に勤務していたときに、佐藤優の重要な情報源には数人の医師がいた。

 (5)産業スパイ活動が露見し、自殺したタイガー自動車の課長が朝比奈に宛てた遺書にこんなくだりがある。
 <企業の競争が激化すればするほどスパイはふえる。なにもスパイは外部の人間ばかりではない。秘密とは所詮、守り得ないものなのだ。スパイは内部にいる。そうして、気をつけなければならないのは女という存在である。きみも女にだけは、用心したほうがいい。>
 人間には秘密を喋りたくなる習性がある。そこにつけ込むのがインテリジェンス・オフィサーだ。愛情に飢えていて、女性に弱い男性から機密情報が漏れることは確かに多い。

□佐藤優「梶山季之『黒の試走車』/企業インテリジェンス小説 ~ベストセラーで読む日本の近現代史 第43回~」(「文藝春秋」2017年4月号)
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 【参考】
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
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【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
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【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
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【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
 
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【保健】アメリカで「添加された糖類」の栄養表示へ

2017年03月26日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)米国で2016年5月に決定した新しい栄養成分表示基準に係る運用指針案が、1月19日に発表された。20年ぶりの改正の中で最も注目すべき変更は、加工食品への「添加された糖類(Added sugar)」の表示が始まることだ。

 (2)①炭水化物、②糖質、③糖類の違いを整理しておく。
   ①炭水化物:脂質、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つ。体内で消化吸収されエネルギー源になる②糖質と、消化吸収されない食物繊維に分けられる。
   ②糖質:米やパンなどに含まれるでん粉などの多糖類や、甘味のあるブドウ糖、果糖、砂糖などの単糖類・二糖類のこと。

 (3)日本の栄養成分表示では、糖質も糖類も区別せずすべて炭水化物の量が表示されるため、個別の加工食品に糖類がどれだけ含まれているかは分からない。
 米国では、2015年に発表された食事ガイドラインで、新しく炭水化物から独立して糖類の摂取基準が定められた。特徴的なのは、その糖類の摂取基準は、果物などにもともと含まれている糖類は除外され、加工食品に意図的に添加される糖類に限定される点だ。代表的なものが砂糖だが、でん粉を分解して作られる果糖ぶどう糖液糖」なども糖類に含まれる。これら添加された糖類は他の栄養素を含まない「エンプティカロリー」と見なされて摂取制限の対象とされた。

 (4)これら添加糖類の多い食事をしている人の間で、肥満や糖尿病・脂質代謝異常などの生活習慣病のリスクが増えるということが、多くの研究でわかってきたためだ。平均的な米国人は、食事からの総摂取カロリーのうち13.4%を添加糖類から摂っているが、
  ①摂取割合が10%未満の人たち
  ②摂取割合が10~25%の人たち
  ③摂取割合が25%以上の人たち
において、心疾患での死亡率が、②は①より1.3倍増え、③は①より3倍に増えたという調査結果も出ている。

 (5)そこで米国の食事ガイドラインでは、添加糖類の摂取量を1日の総摂取カロリーの10%未満とした。平均的な成人の1日の摂取カロリーを2,000キロカロリーとすると、砂糖の場合、50g未満となる。
 WHOや米国心臓協会は、さらに削減して総摂取カロリーの5%未満が望ましいとしている。砂糖の場合、25g未満となる。
 そこで、栄養成分表示でも、添加糖類の量がわかるように変更されたわけだ。食品表示の中で、天然に含まれる分も含んだ糖類送料の表示の下に「××gの添加された糖類を含む」と表示される。〈例〉炭水化物37g、食物繊維4g、糖類送料2g(添加糖類10gを含む)。
 さらに添加された糖類の量が1日の上限値(50g)の何%にあたるかも表示される。
 具体的な表示の猶予期間は2018年7月26日なので、まだ新しい表示の商品は出てきてないが、米国では「缶ジュース1缶とドーナツ一つで軽く超えてしまう」と加工食品メーカーからの反発もあった。

 (6)日本で売られているコカコーラの表示では、炭水化物の量は100mLあたり11.3gとある。すべての炭水化物が添加糖類だとすると、500mL缶1本で1日分の上限値を超えることになる。
 この制度は、消費者の商品選択の目安となるだけでなく、加工食品への添加糖類のさらなる減少にもつながることが期待されている。

□植田武智(科学ジャーナリスト)「アメリカで「添加された糖類」の栄養表示へ」(「週刊金曜日」2017年2月24日号)
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【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~

2017年03月25日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)受動喫煙対策をめぐる議論が沸騰している。
 先日「キャンサー・リサーチUK(英国)から「電子たばこ」の安全性に関する研究結果が報告された。
 研究では、
   ①普通のたばこの喫煙者
   ②喫煙+ニコチン補充療法(NRT)or電子たばこで禁煙を試みている最中の人
   ③禁煙後にNRTor電子たばこに切り替え、半年以上経過した人
の181人について、唾液と尿中の有害物質濃度を検査した。
 その結果、②は、①に比べて発癌物質や有害物質のレベルが低いことが判明した。
 ただし、喫煙を完全に止めない限り、有害物質の低下は認められず、恩恵を受けるには完全に禁煙する必要があることも示された。
 研究者は、「われわれの研究結果は、電子たばこが喫煙より安全で、長期的なリスクが少ない可能性を示唆している」としている。

 (2)英国では、禁煙補助の選択肢として電子たばこが利用されている。
 2016年秋に報告された疫学調査によると、英国在住の17万人を10年間追跡した結果、電子たばこの普及に伴い、禁煙成功率が2006年の11%から、2015年の19%に上昇した。
 電子たばこに好意的な研究者からは、「禁煙成功率が50%以上改善された可能性がある」とのコメントが出たが、疑義を挟む専門家も少なくない。

 (3)一方、米国は未成年者の電子たばこ使用を規制したFDA(食品医薬局)を筆頭に、電子たばこの禁煙効果には懐疑的な立場だ。
 一番の理由は、10代のうちに電子たばこを使っていると、「本物」の喫煙者になる確率が上がるからだ。
 実際、米国の高校生を対象とした調査では、10代の喫煙者の4人に1人が喫煙に先立つ30日間に電子たばこを使っていたことが判明している。禁煙補助どころか、「喫煙予備軍」を養成するようでは本末転倒だ。

 (4)日本では、タバコの葉を電子機器で加熱する「蒸気」タイプが出回り始めたばかり。製造企業は安全性を唱えているが、長期的な影響は不明だ。
 普及に注力する前に、長期の健康リスクや、若年層への影響を調べる必要があろう。  

□井出ゆきえ(医学ライター)「電子たばこで禁煙補助?/英米で見解の相違 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.340~」(「週刊ダイヤモンド」2017年3月11日号)
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 【参考】
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~

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【南雲つぐみ】カテキンの効果 ~殺菌・消臭・口内の衛生~

2017年03月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 静岡県島田市の六つの小中学校では、校内に緑茶の出る蛇口が設置されている。休み時間や運動の後に飲むのはもちろん、風邪が流行している時期などは、このお茶でうがいをすることを奨励しているそうだ。
 同県では、茶産業の振興とともに、緑茶の苦み成分であるカテキンの機能性や効用についての調査研究が盛んに行われている。緑茶うがいは、カテキンの酸化防止作用などにより、ウイルス除去だけでなく、口内の悪玉菌を除くとされ、歯周病や虫歯予防にもいいことがわかってきた。農研機構・野菜茶研究所(金谷茶業研究拠点)の報告によれば、高齢者介護施設で緑茶を使って口内の清拭をしたところ、口内の衛生状態が良好に保たれた高齢者の口臭は以前よりも気にならなくなったという。
 緑茶のカテキン類を抽出した製品は、消臭を目的に、衣類や寝具、おむつ、せっけん、脱臭剤などの日用品やペット用品にも利用されている。高齢者介護の面では、殺菌や消臭などを目的として、お茶で体を拭くという方法を行っている施設もあるという。

□南雲つぐみ(医学ライター)「カテキンの効果 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月10日)を引用
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【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて

2017年03月24日 | ●佐藤優
 ①山内昌之・編著『中東の地政学 イスラーム、アメリカ、ロシアから読む21世紀』(朝日新聞出版 1,900円)
 ②金正恩(チェチェ思想国際研究所・編)『金正恩著作集2』(白峰社 1,800円)
 ③鳥飼玖美子『話すための英語力』(講談社現代新書 800円)

 (1)①は、一級の中東専門家たちによる優れた論集だ。山内氏は、次のように指摘するが、「中東複合危機」という言葉が現下の国際情勢を分析する鍵となる。
 <現在のような政府軍とテロリストの非対称の対決、アメリカとロシアなど大国間の代理戦争など多様な構図の戦闘や対決が同時進行している状況は、「複合危機」と呼ぶにふさわしいものである。シリアを例にあげると、アサド政権側対反体制派という戦いだけでなく、イスラーム国(IS)とシャーム(シリア)解放戦線(旧ヌスラ戦線)などテロ組織同士の戦いや、クルド人勢力対トルコ軍、クルド人同士の衝突など異質な軍事対決も同時に起きている。もはや中東での戦争は「人民対国家」や「国家対国家」や「国家対反政府勢力」という単純な政治構図では理解できないのだ>

 (2)②には、2014年2月から16年12月までに発表された金正恩・朝鮮労働党委員長の著作が収録されている。16年5月6、7日の朝鮮労働党第7回大会における演説で、金正恩委員長は次のように強調した。
 <全社会を金日成・金正日主義化するということは、金日成・金正日主義を唯一の指導指針として朝鮮革命を前進させ、金日成・金正日主義にもとづいて人民の理想社会を建設し完成していくことを意味します>
 金日成、金正日時代の「金日成主義」と一線を画する「金日成・金正日主義」という新たなイデオロギーが金正恩・委員長の行動を読み解く上で重要だ。これは、ヨシフ・スターリンが、マルクス主義をマルクス・レーニン主義に改変し、独裁体制のイデオロギーとしたのに似ている。

 (3)③において鳥飼氏は、次のように強調する。
 <2002年の早稲田大学卒業式で芸術功労者として表彰された狂言師の野村万作さんが、こんなことを語っていたのを思い出します。創造的になるためにこそ基本を覚えなければならない。「型」を学ぶことなく好き勝手を自己流ですることが創造ではない、という趣旨の話でした。
 これは、他の芸術やスポーツにも言えることでしょうし、英語にも当てはまると思いました。英語の「基本」「型」が何かと言えば、文法や語彙や音韻などの基礎知識でしょう。必ず使う定型表現や決まり文句を覚えることも入ります。基本を学んでこそ、自分らしい英語を創りだし発信することができるように思います>
 何事においても「型破り」な人間になるためには「型」をきちんと習得しておくことが重要だ。「型」を踏まえない「型破り」というのは、ただのデタラメにすぎない。

□佐藤優「金正恩の行動を読み解く鍵 ~知を磨く読書 第191回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年3月25日号)
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 【参考】
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【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
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【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
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【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
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