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2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】「書く」鍛錬が現代社会で自由になるための方法 ~『小論文 書き方と考え方』~

2018年05月24日 | ●佐藤優
★大堀精一『小論文 書き方と考え方』(講談社選書メチエ、2018)

(1)大学入試の小論文に必要とされる能力、ビジネスパーソンに必要とされる能力
 <大学入試の小論文を題材に、書くことを通じて、思考力の強化を狙った意欲的な作品だ。この本が優れているのは、小論文の対象を拡散させずに、大学入試一本に絞り込んだことだ。大学入試の小論文では、高度な専門知識は必要とされないが、高校の教科書レベルの知識を総合し、表現する能力が問われているからだ。これはビジネスパーソンに必要とされる能力と重なるところが大きい。そもそも高校で学ぶ政治・経済、倫理、現代社会のテーマは、大学の専門課程とほぼ同じである。大学では、論理を深く追求するが、高校レベルでは結論だけを理解すればよいという構成になっている。いずれにせよ、社会人として真剣に考えなくてはならない問題が、大学入試の小論文には相当程度反映されている。
 さらに実際の小論文を紹介する際、著者の大堀精一氏は出題校名と年度をあえて伏している。小論文の出題内容と大学の難易度は関係ないのであるが、大学名を伏せないと、読者が難関大の問題が難しいと勘違いするからだ。また、出題年度を記さないのは、昔の出題だと現代的意味がないと読者が勘違いする可能性があるからだ。実用書としては、このような細かい配慮が重要なのである。>

(2)思うことと、それを口に出すこととの違い
 <前書きはこれぐらいにして、本書の内容の紹介に入ろう。大堀氏は、本書の目的についてこう記す。
 〈「皆さんはそれぞれに心の中で思っていることがありますよね。でも、それを人の前で抵抗感なく言える人はいますか」
 尋ねられて目を泳がせたり、うつむき加減になったり、生真面目な表情になったりする生徒たち。でも、それは自然な反応なのだ。思っていることを抵抗なく言えると胸を張れる人など、ほとんどいない。自分が思うことと、それを口に出すこととは、イコールでもないし、連続もしていないのだ。
 思っていることをその真意や重みが伝わるように言うのは難しい。たとえば映画でも音楽でも読んだ本でも、何でもいいが、心を揺さぶられるような経験の感想を口にしようとしても、うまく言葉に出てこないことがある。せいぜい「良かった」とか「感動した」「すごかった」といった程度だ。でも、この場合は自分の中に満足感があるから、言葉でうまく表現できなくても嫌な気分が残ることは少ない。もちろん、それを人にうまく伝えられたほうがいいけれど、感動が深いほど、表すのは難しいというのはよくあることだ。「筆舌に尽くしがたい」という言葉もある〉>

(3)書くことの先に出会う「自由」
 <このような問題設定を冒頭で行っていても、明確な結論が記されていない本が少なくない中で、本書の末尾では明確な結論が述べられている。
 〈思ったことをうまく口に出せないという「感じ」が、本書の始まりだった。その違和感から出発して「書く」ことは論理的思考を呼び寄せ、その思考こそが「書く」にふさわしい言葉、普遍性のある言葉を探り当てる。その先で私たちが出あうのは、自分の世界がひとまわり広くて多様なものになっていく感じだ。その「感じ」のことを、私たちは「自由」という言葉で呼ぶ。違和感から出発して「書く」ことの先で私たちが出あうのは、この「自由」なのである〉
 イエス・キリストは、「あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする」(「ヨハネによる福音書」8章32節)と説いた。大堀氏は、イエスが説いたのと同じ事柄を、小論文を題材にして別の言葉で述べている。>

(4)息苦しい時代にこそ鍛えるべき「書く」こと
 <言葉と真理の関係を考える上でも本書は有益だ。大堀氏は、言語の指示機能に着目し、こう述べる。
 〈「言語の指示機能」とは、「生活のうえで他人との交通の必要がうまれたために」使われる機能を指している。グローバル化とIT化が進み、生産過程が高度に複雑化していく現代社会において、そこで使われる言葉は「機能化と能率化の度合いをますますふかめていく」。その一方で、語彙は多様化しながら、それぞれに「単一の明晰さをもとめられる」。私たちの使う言葉は曖昧さが許されず、同調圧力は高まって、「じぶんがこころの奥底にもっている思いは、とうてい言葉ではいいあらわせないという感じはつよくなってゆく」のである。現代は、たくさんの言葉が行き交っているように見えながら、じつは「みんなもそう言っている」と思える範囲のことしか語りえないかのような、息苦しさにとらわれた時代なのだ。
 このように、私たちは自分の内心の思いを発することが困難な時代を生きている。だからこそ、「書く」ことをいっそう鍛えていかなければならない〉>

(5)内心の自由を確保するために必要な「書く」作業
 <同調圧力が強い時代に、内心の自由を確保するためには書く作業が不可欠なのである。小論文という形にこだわる必要はない。大学ノートや手帳、あるいはスマートフォンやタブレットのメモ機能を用いて書く作業を日常的に行うことで、われわれの知力は強化される。
 同時に重要なのは、書く作業に素直さが要求されることだ。大堀氏は、〈「書く」課程での論理的思考は、現実への単なる拒絶や立場の異なる者への攻撃、糾弾を意味していない。(中略)「論理」という言葉の硬く冷たいイメージとは裏腹に、論理的思考がやわらかな言葉を研ぎ出すことが、むしろ重要なのだ〉と強調する。
 新聞や雑誌では、相手を攻撃することをあらかじめ決めた論考が溢れている。このようなポジショントークをいくら読んでも知力は高まらない。書く作業にあたっては、そのようなポジショントークを行わない気構えを持つことも重要になる。知のモラルという観点からも、本書から教えられることがたくさんある。>

□佐藤優「「書く」ことの鍛錬こそが複雑な現代社会で自由になるための方法だ! ~ビジネスパーソンの教養講座第83回~」(「週刊現代」2018年6月2日号)を引用、ただし内容に応じて項目を設定

 【参考】
【佐藤優】コラム傑作選、ロシアのことがよく分かる小説家、官僚の考現学
【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」
【佐藤優】堕ちたエリート、小説という代理経験 ~『桜の森の満開の下』~
【佐藤優】うつ状態を克服する道、知識人の団結、医学部の現状
【佐藤優】正しいことをしていると思い込む者の暴力、組織が個人に責任をいかにかぶせるか、投獄経験を描いた自伝の傑作
【佐藤優】トランプvs.インテリジェンス・コミュニティー ~『炎と怒り』(その2)~ 
【佐藤優】日本はトランプ大統領に命運を託せるのか? ~マイケル・ウォルフ『炎と怒り』~ 
【佐藤優】収入格差と教育環境、女性の負担が却って増す懸念、生命医科学と倫理
【佐藤優】英EU離脱と北アイルランド、文科省が進める教育改革に対する批判的検討、イスラエル独自のミサイル防衛システム

【佐藤優】職場ハラスメントを生む土壌、外務官僚の機密費疑惑、キリスト教の教義と思想の基本事項
【佐藤優】われわれの思考の鋳型、沖縄をめぐる知的に富む対談、高校で全科目を学ぶと社会に出てから役立つ
【佐藤優】文語訳聖書 ~キリスト教の魅力は死生観にある~
【佐藤優】北朝鮮がソウルと東京を攻撃したら、ウィスキーの美味しさの秘密、明治新政府の権力奪取法
【佐藤優】よりましなポピュリスト、「普通の人」が豹変するストーカー、規格外のトランプ米大統領
【佐藤優】人工知能は意味をまったく理解できない/数学者が説く「シンギュラリティ」の不可能
【佐藤優】トップリーダーの孤独、紛争地域や犯罪組織への武器拡散、精神科医と諜報工作員の共通点
【佐藤優】混乱する現代との類似性 ~『応仁の乱』~
【佐藤優】自死した保守派論客の思想の根源 ~『保守の真髄』~
【佐藤優】「当事者にとって」と「学理的反省者として」の二重の視座 ~『世界の共同主観的存在構造』~
【佐藤優】テロ対策に関する世界最高レベルの教科書、宇野弘蔵の経済学を取り入れたユニークな社会学演習書、シンギュラリティ神話の脱構築
【佐藤優】憲法改正は見せ球に終わるか
【佐藤優】日本と米国の社会病理
【佐藤優】消費者金融のインテリジェンス
【佐藤優】官僚を信用していない国民
【佐藤優】中国が台頭しつづけたら、仏教の末法思想と百王説、時計の歴史
【佐藤優】子どもや孫の世代への重荷
【佐藤優】日本のレアルポリティーク
【佐藤優】巨大さを追求する近代的思考
【佐藤優】アナキズムという思考実験
【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ」
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【佐藤優】コラム傑作選、ロシアのことがよく分かる小説家、官僚の考現学

2018年05月23日 | ●佐藤優
 ①竹内政明『読売新聞朝刊一面コラム 竹内政明の「編集手帳」傑作選』(中公新書ラクレ 920円)
 ②加藤登紀子『運命の歌のジグソーパズル』(朝日新聞出版 1,500円)
 ③中野雅至『没落するキャリア官僚 エリート性の研究』(明石書店 2,500円)

 (1)①は、読売新聞の名コラムニストの、タイトル通りの傑作を集めている。
 <古代日本では言葉に神秘的な霊力が宿ると信じられ、それを言霊と呼んだ。言葉を伝える文明の利器である携帯電話に、昔の人が「あくがれいづる魂」に例えた蛍の瞬く光景は、それなりにつじつまが合っているのかも知れない。
 記事の切り抜きを取り出しては読み返している。JR福知山線の脱線事故で、無残につぶれた車両のドアを切断して救助隊員が車内に入った時、折り重なる遺体の傍らには携帯電話が散乱していたという。
 あちこちで光がともり、呼び出し音が鳴る。切れても、すぐにまた鳴り出す。着信表示に「自宅」の文字が浮かんでいるものもあった。肉親を捜し求め、一刻も早く無事の声を聞きたい家族からの電話である>
 携帯電話に言葉という魂が宿っているのだ。

 (2)②を読むと、加藤登紀子氏の深い教養が伝わってくる。例えばロシアについて。
 <ショーロホフの説明によれば、コサックとは、もともと農奴だったものが逃れて来て自立した農業共同体を築いた。その存続を認めさせるために馬を乗りこなす技術、戦いの技術を磨き、ロシア帝国の皇帝の親衛隊の地位を獲得するに至った。
 だから、彼らは農民だが、誰よりも勇敢で、いつも戦闘の最前列に配置された戦争のプロ集団でもあった。
 ロシア革命の時は、ドン川の上流がロシア帝国側の白軍につき、下流が革命派につく、という内戦状態に陥り、『静かなドン』の主人公もその混乱のまっただ中を生きることになる>
 現代ロシアをほんとうによく知っている人は、あの国を理解するために最もよい小説家として、ドストエフスキーやトルストイではなく、ショーロホフを挙げる。

 (3)③は、官僚に関する優れた考現学だ。
 <内政問題よりも外交・安全保障問題が大きくクローズアップされる時代は政府にとっては非常に好都合だということである。内政問題に対する関心が弱まることで不祥事などに対する目線が緩くなるし、国民の実益に関わるような社会保障などの問題が見えにくくなるため国民感情が激化することを避けられる一方で、外交・安全保障問題は難しいものだから政府にすべてを委ねるという受け身の姿勢が強まり、政府が流す様々な情報に国民が影響されやすくなるからである>
 北朝鮮情勢の緊張が安倍政権の延命を助けていることも、政治の外交化という補助線を引くとよく分かる。

□佐藤優「ロシアがよく分かる小説家 ~知を磨く読書 第248回~」(「週刊ダイヤモンド」2018年5月26日号)

 【参考】
【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」
【佐藤優】堕ちたエリート、小説という代理経験 ~『桜の森の満開の下』~
【佐藤優】うつ状態を克服する道、知識人の団結、医学部の現状
【佐藤優】正しいことをしていると思い込む者の暴力、組織が個人に責任をいかにかぶせるか、投獄経験を描いた自伝の傑作
【佐藤優】トランプvs.インテリジェンス・コミュニティー ~『炎と怒り』(その2)~ 
【佐藤優】日本はトランプ大統領に命運を託せるのか? ~マイケル・ウォルフ『炎と怒り』~ 
【佐藤優】収入格差と教育環境、女性の負担が却って増す懸念、生命医科学と倫理
【佐藤優】英EU離脱と北アイルランド、文科省が進める教育改革に対する批判的検討、イスラエル独自のミサイル防衛システム

【佐藤優】職場ハラスメントを生む土壌、外務官僚の機密費疑惑、キリスト教の教義と思想の基本事項
【佐藤優】われわれの思考の鋳型、沖縄をめぐる知的に富む対談、高校で全科目を学ぶと社会に出てから役立つ
【佐藤優】文語訳聖書 ~キリスト教の魅力は死生観にある~
【佐藤優】北朝鮮がソウルと東京を攻撃したら、ウィスキーの美味しさの秘密、明治新政府の権力奪取法
【佐藤優】よりましなポピュリスト、「普通の人」が豹変するストーカー、規格外のトランプ米大統領
【佐藤優】人工知能は意味をまったく理解できない/数学者が説く「シンギュラリティ」の不可能
【佐藤優】トップリーダーの孤独、紛争地域や犯罪組織への武器拡散、精神科医と諜報工作員の共通点
【佐藤優】混乱する現代との類似性 ~『応仁の乱』~
【佐藤優】自死した保守派論客の思想の根源 ~『保守の真髄』~
【佐藤優】「当事者にとって」と「学理的反省者として」の二重の視座 ~『世界の共同主観的存在構造』~
【佐藤優】テロ対策に関する世界最高レベルの教科書、宇野弘蔵の経済学を取り入れたユニークな社会学演習書、シンギュラリティ神話の脱構築
【佐藤優】憲法改正は見せ球に終わるか
【佐藤優】日本と米国の社会病理
【佐藤優】消費者金融のインテリジェンス
【佐藤優】官僚を信用していない国民
【佐藤優】中国が台頭しつづけたら、仏教の末法思想と百王説、時計の歴史
【佐藤優】子どもや孫の世代への重荷
【佐藤優】日本のレアルポリティーク
【佐藤優】巨大さを追求する近代的思考
【佐藤優】アナキズムという思考実験
【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ」
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【池上彰】の情報整理術 ~新聞記事スクラップ40年以上~

2018年05月22日 | 批評・思想
 <新聞記事のスクラップというアナログ的な方法が、実に役立っています。
「このテーマを集めなければ」という義務感からではなく、自分の興味のおもむくままにスクラップを続けることがポイント。自分がどんなジャンルに興味・関心を持っているかが見えてくるのです。
 情報の整理のためと言って分類やファイリングに時間やお金をかけている人がいますが、これでは本末転倒。本章で紹介する私の新聞記事整理法は、みなさんがきっと驚かれるほどシンプルです。
 大切なのは、どの情報を選ぶかという「選ぶ力」と、それをどう並べるかという「並べる力」。何を選び、どう並べるかを考えることで、独自の見方が生まれ、わかりやすく伝える方法が見つかるのです>

□池上彰『情報を活かす力』(PHPビジネス新書、2016)の「第3章 私の情報整理術」の扉から引用

 
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【佐藤優】人生を変えた旅の記録 ~『十五の夏』~

2018年05月21日 | ●佐藤優
  

 <「43年遅れで宿題を仕上げたような気持ちです」と作家の佐藤優さんは話す。高校1年の夏休みを全て使って、ソ連と東欧を一人で旅した記録を、計800ページを超す大著「十五の夏」(幻冬舎)としてまとめた。
 猛勉強の末、進学校に合格した「ご褒美」として両親が費用を出してくれた。中学時代から社会主義に関心を持つ早熟な少年だったが、「米国に留学する同世代の生徒に対して、『だったら逆を』という子どもっぽい理由が先に立っていました」といたずらっぽく笑う。
 社会主義圏への個人旅行はきわめて珍しい時代。想定外のトラブルと幸運に見舞われながら、佐藤さんはさまざまな人と語らい、思索を深めていく。人により、ソ連や社会主義体制への評価は十人十色。日本で伝え聞いた先入観は覆り、旅の終盤、「人間はどの国に住んでも大きな違いはない」と気づく。「むしろ彼らは国家が信用できない分だけ、家族や友人を大切にしていた。今の日本はどうでしょうか」
 臨場感に満ちた会話の再現と緻密な情景描写により、読者はいつしか佐藤さんに同行している気分になるだろう。いつもは「悩んだら落とす」書き方だが、今回は「悩んだら残した」という。ある記憶を思い出すことで、「瓶のふたが取れて、中の液体が気化して出てくる」ように、古い記憶がよみがえるからだ。「外交官になりソ連を担当したことなど、この旅が人生に影響しているから、できる限り思い出したかったんです」
 帰国後、詰め込み型の受験勉強に幻滅した佐藤さんは受験に失敗。だが浪人して入学した大学で学問の面白さに目覚めることになる。「それでも受験勉強は外交官試験では役に立った。無駄なことは何もなかった」
 国際政治分析から人生論まで驚異的なペースで執筆する佐藤さんの中で、本書を含む幾つかの自伝的作品の主題は「教育」なのだという。ロシアに外交で押され続けるのは、外交官や政治家の「人間力」の違いだと現地で痛感したからだ。「日本の教育を考える材料として、僕の経験を提示しているんです」
 (「十五の夏」は幻冬舎・上下各1,944円)>

□「人生を変えた旅の記録 「十五の夏」の佐藤優さん ~新著の余録~」(「日本海新聞」2018年5月21日))を引用

 【参考】
【佐藤優】世界に向かう真っ当な好奇心 ~『十五の夏』の書評~
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【佐藤優】世界に向かう真っ当な好奇心 ~『十五の夏』の書評~

2018年05月21日 | ●佐藤優
★佐藤優『十五の夏(上・下)』(幻冬舎 各1,944円)
  

 <(前略)本書の15歳の「僕」は、高校1年の夏休みに、理解のある親に旅費48万円の大半を出してもらい、当時は珍しかった東欧、ソ連への一人旅へ出る。
 ある種、恵まれた境遇にある少年の旅行記であり、〈共産主義にかぶれているんじゃないだろうか。少し頭がいいと思って、生意気なことをするんじゃない〉と非難する日本人の大人と旅先で出会うこともあるが、「僕」の世界に向かう姿勢の真摯さ、真っ当な好奇心の在り方が、自ずと読者に自分の15を振り返らせ、旅の行方を見守りたい思いにさせる。旅先にアメリカではなく東欧、ソ連を選んだのは、ハンガリーにいるペンフレンドやモスクワ放送の日本課長を訪ねるとともに、社会体制の異なった国を見てみたいという希望からだった。(中略)
 形容詞を省いた文章が、思い入れを廃した旅の記録となり、頻出する食事の記述が、観念的ではなく庶民の暮らしぶりを生き生きと描き出している。この旅が“佐藤優”たらしめたというよりも、執行猶予の時期にあって、単なる回想ではなく、いまある原点の15の自分を作品の中でもう一度生き直そうとしたのではないか、と評者には感じられた。会話の箇所の〈僕は言った〉の中に、ごく稀に〈僕が言った〉という表現が混入する叙述が、「語る僕」と「語られる僕」を孕んでいる一人称の表現としてスリリングであり、著者がこの先、本格的に小説に向かう予感を抱かせる。>

□佐伯一麦(作家)「世界に向かう真っ当な好奇心 ~佐藤優『十五の夏』~」(「朝日新聞デジタル」2018年5月19日)を一部引用

 【参考】
【佐藤優】人生を変えた旅の記録 ~『十五の夏』~

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【佐藤優】AIに関連した宗教の具体例 ~『思考法』(2)~

2018年05月20日 | ●佐藤優
 (承前)

 <この観点からすると、東京地方検察庁特別捜査部が昨年12月に摘発したスーパーコンピューター(スパコン)開発に関連した詐欺事件も、AIに関連した宗教の具体例に挙げられる。
 スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」の代表取締役をつとめていた齋藤元章(さいとうもとあき)被告人は、「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」から得た助成金を騙し取ったとの疑いで、12月5日に逮捕され、同25日に起訴された。今年、2月13日には、脱税容疑で起訴されている。齋藤被告人が騙し取った助成金は、合計で約6億5,300万円にものぼり、脱税額は約2億3,000万円になる。問題は、AIという夢を語る人物に、なぜ政治家、官僚やマスコミ関係者の大多数が惑わされたかだ。ただし、真の勉強をしている人は、事柄の本質を当初から見抜いていた。それを紹介したい。
 齋藤氏は、AI(人工知能)が2030年頃には人間の知能を備えるシンギュラリティ(技術的特異点)が到来すると主張している。2016年10月3日、内閣府の^「2030年展望と改革タスクフォース」と題する会合で齋藤氏が行ったプレゼンテーションに対して、国立情報学研究所社会共有知研究センター長の新井紀子教授が辛辣な批判を行った。

  〈齊藤委員のプレゼンに関して、特に2015年のグリーン500において、今までダークホースであったPEZYのコンピュータが1位から3位まで入ったことは非常に画期的なこと。一つの日本のスパコン、特にグリーンのスパコンというような観点で、ぜひ今後も頑張っていただきたい。一方で、数理論理学者というか、計算量の理論の方の研究者として一言申し上げておきたい。計算が大変に速くなったり多くなったり、特に1000倍、1万倍、100万倍ということになると、今まで計算できなかった全てのことが計算できると考えがちであるが、それはまったく見当違いである。例えば私は「ロボットは東大に入れるか」という大学入試を突破するというプロジェクトをしているが、そこで開発しているAIには(東大生が解けているのに)解けない数学の問題がいくつもある。それは今、御提案の次世代のスパコンが地球の滅びる日まで計算しても計算ができないことが理論上わかっているタイプのものばかりである。それをなぜ人間が解けるのか、AIという言葉が生まれてから50年以上研究が進められてきたが、その理由は全くわかっていない。
 結局、コンピュータには意味がわからない、というのが決定的な弱点だといえるだろう。画像認識については、人間の脳の動きを模したといわれるニューラルネットワークという統計的手法によって、限定的なタスクに関しては人間を超えるような性能を発揮してはいる。しかし、言葉に関して、つまり言語に関してのシンボルグラウンディングは全く理論上も突破できる見込みがまだ立っていない。意味がわからないコンピュータがどんなに速く計算しても、できない。
 シンギュラリティが来るかもしれない、というのは、現状では「土星に生命がいるかもしれない」とあまり変わらない。土星に生命がいない、と証明されたわけではないように、シンギュラリティが来ないことを今証明できるわけではない。一方で、土星に土星人がいるかもしれない、ということを前提に国家の政策について検討するのはいかがなものか。〉(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/2030tf/summary_281003.pdf、2018年3月1日閲覧)

 新井氏は、今年2月に東洋経済新報社から『AI VS. 教科書が読めない子どもたち』を上梓し、巷間に流布しているAI(人工知能)が神になる、AIが人類を滅ぼす、AIが自らの力で人間の知能を超える能力を持つシンギュラリティ(技術的特異点)が来るという言説は、すべて誤りであると退けている。
 その理由をまとめると、次のようになる。コンピューターは計算機に過ぎない。できるのは四則演算(正確には、足し算と、かけ算)だけだ。過去4,000年の歴史で数学が獲得した言語は、論理、確率、統計の三つだけだ。次世代スパコンや量子コンピューターが開発されようとも、非ノイマン型コンピューターが開発されても、使えるのはこの言語だけなのである。

  〈「真の意味でのAI」とは、人間と同じような知能を持ったAIのことでした。ただし、AIは計算機ですから、数式、つまり数学の言葉に置き換えることのできないことは計算できません。では、私たちの知能の営みは、すべて論理と確率、統計に置き換えることができるでしょうか。残念ですが、そうはならないでしょう。〉(新井紀子『AI VS. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018年、118頁)

 論理的にはこの説明で十分なのだが、新井氏は大学入試、機械翻訳、自動作曲、画像認識などのメカニズムを具体的に説明することを通じて、AIの効用と限界を明らかにする。科学を過信せず、科学の限界を謙虚に知ることが重要である、と新井氏は繰り返し説いている。作品の行間から、優れた知識人の知的誠実さが伝わってくる。
 特に重要なのは、人間の言葉に関する新井氏の見解だ。人間の言葉を確率過程に還元することはできない、と新井氏は強調する。
 政府が土星に生命体があるか調査するようなプロジェクトに、国民の税金を用いてはならないのだ。先端科学の問題点を、非専門家にも説明できるサイエンスコミュニケーターの能力が新井氏には備わっている。それは、新井氏が狭い専門分野にとらわれない本質的な勉強をし、論理的なものと論理以外のものとの違いをよく理解しているからだ。ちなみに、新井氏の見解は神学的に見ると「有限は無限を包摂することはできない(finitum non est capax infiniti)」というプロテスタント・カルバン派の立場と親和的だと思う。
 新井氏のような強靱な思考力をつけるための道具として、本書は読者の役に立つ、と私は信じている。>

□佐藤優『思考法 教養講座「歴史とは何か」』(角川新書、2018)の「新書版まえがき」から一部引用

 【参考】
【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」

 

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【佐藤優】書誌(5月19日現在)

2018年05月19日 | ●佐藤優
 ※2018年5月19日現在。なお、「●」は所持するもの。

 《追加分》
●『外務省犯罪黒書 日本国外務省検閲済み』(講談社+α文庫、2018)
●『十五の夏(上下)』(幻冬舎、2018)
●『思考法 教養講座「歴史とは何か」』(角川新書、2018)/共著:松岡正剛
●『読む力 現代の羅針盤となる150冊』(中公新書ラクレ、2015)
●『勉強法 教養講座「情報分析とは何か」』(角川新書、2018))
●『宗教と暴力 激動する世界と宗教』(KADOKAWA)/共著:池上彰、松岡正剛、石川明人、高岡豊
●『宗教と資本主義・国家 激動する世界と宗教』/共著:池上彰、松岡正剛、碧海寿広、若松英輔
●ボアズ・ガノール(佐藤優・監訳、河合洋一郎・訳)『カウンター・テロリズム・パズル 政策決定者への提言』(並木書房 2018)
●『独裁の宴 -世界の歪みを読み解く』(中公新書ラクレ、2017)
●『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社、2016.10.31)

(1)著書
●『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社、2005 →増補版:新潮文庫、2007《解説:川上弘美》)
  ※第59回毎日出版文化賞特別賞
●『自壊する帝国』(新潮社、2006 →新潮文庫、2008《解説:恩田陸》)
  ※第5回新潮ドキュメント賞および第38回大宅壮一ノンフィクション賞
●『日米開戦の真実 大川周明著「米英東亜侵略史」を読み解く』(小学館、2006 →小学館文庫、2011)
●『獄中記』(岩波書店、2006年 →改訂版:岩波現代文庫、2009)
●『国家と神とマルクス 「自由主義的保守主義者」かく語りき』(太陽企画出版、2007 →角川文庫 2008)
●『地球を斬る』(角川学芸出版、2007 →角川文庫 2009)
●『国家の謀略』(小学館、2007)
●『野蛮人のテーブルマナー ビジネスを勝ち抜く情報戦術』(講談社、2007 →講談社+α文庫、2009)
●『野蛮人のテーブルマナー 「諜報的生活」の技術』(講談社、2009)
●『私のマルクス』(文藝春秋、2007 →文春文庫 2010)
●『インテリジェンス人間論』(新潮社、2007 →新潮文庫 2010)
●『国家論 日本社会をどう強化するか』(NHKブックス、2007)
●『世界認識のための情報術』(週刊金曜日、2008)
●『交渉術』(文藝春秋、2009 →文春文庫、2011)
●『テロリズムの罠 右巻 忍び寄るファシズムの魅力』(角川ワンテーマ21、2009)
●『テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方』(角川ワンテーマ21、2009)
●『外務省ハレンチ物語』(徳間書店、2009 →徳間文庫、2011)
●『神学部とは何か 非キリスト教徒にとっての神学入門』(新教出版社、2009)
●『「諜報的(インテリジェンス)生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー』(講談社、2009)
●『甦る怪物 私のマルクス ロシア篇』(文藝春秋、2009)
●『功利主義者の読書術』(新潮社、2009 →新潮文庫、2012)
●『沖縄・久米島から日本国家を読み解く』(小学館、2009)
●『はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲』(NHK出版新書、2009)
●『はじめての宗教論 左巻 ナショナリズムと神学』(NHK出版新書、2011)
●『日本国家の神髄 禁書「国体の本義」を読み解く』(扶桑社、2009)
●『この国を動かす者へ』(徳間書店、2010)
『3・11クライシス!』(マガジンハウス、2011)
『予兆とインテリジェンス』(産経新聞出版、2011)
●『人たらしの流儀』(PHP研究所、2011)
●『佐藤優のウチナー評論』(琉球新報社、2011)
●『この国を壊す者へ』(徳間書店、2011)
『世界インテリジェンス事件史 祖国日本よ、新・帝国主義時代を生き残れ!』(双葉社、2011)
●『インテリジェンス人生相談 復興編』(扶桑社、2011)
『共産主義を読みとく いまこそ廣松渉を読み直す『エンゲルス論』ノート 廣松渉エンゲルス論との対座』(世界書院 2011)
●『外務省に告ぐ』(新潮社 2011 →新潮文庫、2014)
●『野蛮人の図書室』(講談社、2011)
●『国家の「罪と罰」』(小学館 2011)
●『新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析論篇』(中央公論者、2013)
●『新・帝国主義の時代 右巻 日本の進路篇』(中央公論者、2013)
●『神学の履歴書 ~初学者のための神学書ガイド~』(新教出版社、2014)
●『紳士協定 私のイギリス物語』(新潮社、2012/新潮文庫、2014)
●『帝国の時代をどう生きるか 知識を教養へ、教養を叡智へ』(角川oneテーマ21、2012)
●『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』(東洋経済新報社、2012)
●『人間の叡智』(文春新書、2012)
●『同志社大学神学部』(光文社、2012)
●『人に強くなる極意』(青春新書インテリジェンス、2013)
●『知の武装: 救国のインテリジェンス』(新潮新書、2013)
●『国境のインテリジェンス』(徳間書店、2013 →徳間文庫、2015)
●『地球時代の哲学 池田・トインビー対談を読み解く』(潮出版社、2014)
●『元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉』(徳間書店、2014)
●『先生と私』(幻冬舎、2014/後に幻冬舎文庫、2016)
●『佐藤優の沖縄評論』(光文社知恵の森文庫、2014)
●『「知的野蛮人」になるための本棚 (PHP文庫、2014)
『野蛮人のテーブルマナー 完全版』(講談社、2014)
●『宗教改革の物語 近代、民族、国家の起源』(KADOKAWA、2014)
●『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014)
●『修羅場の極意』(中公新書ラクレ、2014)
●『逆境を乗り越える技術』(ワニブックス、2014)
●『「知」の読書術 』(集英社(知のトレッキング叢書)、2014)
●『私の「情報分析術」超入門 仕事に効く世界の捉え方』(徳間書店、2014)
●『創価学会と平和主義』(朝日新書、2014)
●『私が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六』(講談社、2014)
●『佐藤優の10分で読む未来 キーワードで即理解 新帝国主義編』(講談社、2014)
●『日本国家の神髄 ~禁書『国体の本義』を読み解く~』 (扶桑社新書、2014)
●『「ズルさ」のすすめ』(青春新書インテリジェンス、2014)
●『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』(「文藝春秋」2015年2月臨時増刊号)
●『世界史の極意』(NHK出版新書、2015)
●『神学の思考 キリスト教とは何か』(平凡社、2015)
●『危機を克服する教養』(角川書店、2015)
●『人生の極意』(扶桑社新書、2015)
●『プラハの憂鬱』(新潮社、2015)
●『国家の攻防/興亡』(角川新書、2015)
●『希望の資本論』(朝日新聞出版、2015/後に朝日新聞出版、2016)/共著:池上彰
●『危機を克服する教養 ~知の実践講義「歴史とは何か」~』(KADOKAWA、2015)
●『超したたか勉強術』(朝日新書、2015)
●『知性とは何か』(祥伝社新書、2015)
『国境のインテリジェンス』(徳間文庫カレッジ、2015)
●『ケンカの流儀 -修羅場の達人に学べ』(中公新書ラクレ、2015)
●『いま生きる階級論』(新潮社、2015)
●『イスラエルとユダヤ人に関するノート』(ミルトス、2015)
●『知の教室 ~教養は最強の武器である~』(文春文庫、2015)・・・・『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』再構成したもの。
●『お金に強くなる生き方』(青春新書インテリジェンス、201)
●『同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか』(光文社新書、2015)
●『官僚階級論 ~霞が関(リヴァイアサン)といかに闘うか』(モナド新書、2015)
●『この国が戦争に導かれる時 超訳:小説・日米戦争』(徳間文庫、2015) 
『「池田大作 大学講演」を読み解く 世界宗教の条件』(潮出版社、2015)
●『佐藤優の「地政学リスク講座2016」 日本でテロが起きる日』(時事通信出版局、2015)
●『外務省犯罪黒書』(講談社エディトリアル、2015)
●『資本主義の極意 明治維新から世界恐慌へ』(NHK出版新書、2016)
●『危機を覆す情報分析 ~知の実戦講義「インテリジェンスとは何か」~』(KADOKAWA、2016)
●『組織の掟』(新潮新書、2016)
●『自分を動かす名言』(青春出版社、2016)
●『動因を探せ 中東発世界危機と日本の分断』(徳間書店、2016)
●『使える地政学 日本の大問題を読み解く』(朝日新聞出版、2016)
●『貧乏物語 現代語訳』(講談社現代新書、2016)
●『世界インテリジェンス事件史』(光文社文庫、2016)
●『現代の地政学』(晶文社、2016)
●『資本論の核心 純粋な資本主義を考える』(角川新書、2016)
●『現代に生きる信仰告白 改革派教会の伝統と神学』(キリスト新聞社、2016)
●『君たちが知っておくべきこと 未来のエリートとの対話』(新潮社、2016)
●『性と国家』(河出新書、2016.11.26)/共著:北原みのり
●『世界観 』(小学館新書、2016.12.1)
●『大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす 』(NHK出版、2016.11.10)
●『秩序なき時代の知性』(ポプラ新書、2016.12.8)
●『知の操縦法』(平凡社、2016.11.28)
『悪いヤツほど愛される 』(講談社+α新書、2017)
●『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社、2016.10.31)
●『キリスト教神学で読み解く共産主義』(光文社新書、2017.2.20)
●『僕ならこう読む 「今」と「自分」がわかる12冊の本』(青春出版社、2017.2.15)
●『嫉妬と自己愛 「負の感情」を制した者だけが生き残れる』(中公新書ラクレ、2017.2.10)
●『この世を知るための教養 10のキーワードですべてがわかる』(アスコム、2017.3.7)
『佐藤優の「公明党」論』(第三文明社、2017)
●『悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために』(文春文庫、2017)
●『牙を研げ 会社を生き抜くための教養』(講談社現代新書、2017)
●『日露外交 北方領土とインテリジェンス』(角川新書、2017)
●佐藤優・監修『地政学から読み解く米中露の戦略』(宝島社、2017)
●『学生を戦地へ送るには ~ 田辺元「悪魔の京大講義」を読む~』(新潮社、2017)
●『ゼロからわかる「世界の読み方」 ~プーチン・トランプ・金正恩~』(新潮社、2017)
●『佐藤優の集中講義 民族問題』(文春新書、2017)
●『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017.9.25)
●『一触即発の世界』(時事通信出版局、2018)
●『勉強法 教養講座「情報分析とは何か」』(角川新書、2018))
●『読む力 現代の羅針盤となる150冊』(中公新書ラクレ、2015)
●『十五の夏(上下)』(幻冬舎、2018)
●『外務省犯罪黒書 日本国外務省検閲済み』(講談社+α文庫、2018)

(2)共著(対談)
●『国家の自縛』(産経新聞出版、2005 →扶桑社文庫、2010)/聞き手:斎藤勉(産経新聞元モスクワ支局長)
●『国家の崩壊』(にんげん出版、2006)/聞き手:宮崎学
●『北方領土「特命交渉」』(講談社、2006 →講談社+α文庫、2007)/共著:鈴木宗男
●『インテリジェンス―武器なき戦争』(幻冬舎新書、2006)/共著:手嶋龍一
●『ナショナリズムという迷宮 -ラスプーチンかく語りき』(朝日新聞社、2006 →朝日文庫、2010)/対談:魚住昭
『アメリカの日本改造計画』(イースト・プレス、2006)/共著:関岡英之・小林よしのり・西部邁ら
『反省 私たちはなぜ失敗したのか?』(アスコム、2007)/共著:鈴木宗男
『国家情報戦略』(講談社、2007)/共著:高永哲
『中国の黒いワナ』(宝島社、2007)/共著:青木直人・西尾幹二
『佐藤優 国家を斬る』(同時代社、2007)/コーディネーター:宮崎学、連帯運動・編
●『国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える』(太陽企画出版、2007 →角川文庫、2008)/対談:竹村健一
●『正義の正体』(集英社インターナショナル、2008)/共著:田中森一
●『大和ごころ入門』(扶桑社、2008)/共著:村上正邦
●『ロシア闇と魂の国家』( 文春新書、2008)/対談:亀山郁夫
『情報力―情報戦を勝ち抜く“知の技法”』(イースト・プレス、2008)/共著:鈴木琢磨
『政治を語る言葉』(七つ森書館、2008)/山口二郎・編
●『暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠』(日本文芸社、2008)/共著:副島隆彦、
『第三次世界大戦 左巻 新・帝国主義でこうなる!』(アスコム、2008)/共著:田原総一朗
『第三次世界大戦 右巻 新・世界恐慌でこうなる!』(アスコム、2008)/共著:田原総一朗
●『テロルとクーデターの予感-ラスプーチンかく語りき2』(朝日新聞出版、2009)/対談:魚住昭
●『インテリジェンス人生相談 社会編』、『同 個人編』(扶桑社、2009)
●『知の超人対談 岡本行夫・佐藤優の「世界を斬る」』(産経新聞出版、2009)/ 共著:岡本行夫
●『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』(文春新書、2009)/共著:立花隆
『徹底討論沖縄の未来』(芙蓉書房出版、2010)/共著:大田昌秀、沖縄大学地域研究所・編
●『猛毒国家に囲まれた日本 ロシア・中国・北朝鮮』(海竜社、2010)/共著:宮崎正弘
『小沢革命政権で日本を救え 国家の主人は官僚ではない』(日本文芸社、2010)/共著:副島隆彦
『週刊とりあたまニュース 最強コンビ結成!編』(新潮社、2011)/共著:西原理恵子
『国家の危機』(KKベストセラーズ、2011)/共著:的場昭弘
●『聖書を語る 宗教は震災後の日本を救えるか』(文藝春秋、2011 →文春文庫、2013)/共著:中村うさぎ
『沈黙より軽い言葉を発するなかれ』(創出版、2012)/対談:柳美里
●『はじめてのマルクス』(週刊金曜日、2013)/共著:鎌倉孝夫
●『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』 (集英社新書、2013)/共著:佐高信
●『知の武装 救国のインテリジェンス』(新潮新書、2013)/共著:手嶋龍一
『新・帝国主義時代を生き抜くインテリジェンス勉強法』(講談社、2014)/共著:荒井和夫
●『聖書を読む』(文藝春秋、2013)/共著:中村うさぎ
●『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』(文春新書、2014)/共著:池上彰
●『喧嘩の勝ち方 喧嘩に負けないための5つのルール 』(光文社、2014)/共著:佐高信
●『賢者の戦略』(新潮新書、2014)/共著:手嶋龍一
●『死を笑う うさぎとまさると生と死と』(毎日新聞社、2015)/共著:中村うさぎ
●『希望の資本論』(朝日新聞出版、2015)/共著:池上彰
●『反知性主義とファシズム』(金曜日、2015)/共著:斎藤環
●『崩れゆく世界 生き延びる知恵』(キャップス、2015)/共著:副島隆彦
●『「殺しあう」世界の読み方 (田原総一朗責任編集 オフレコ!BOOKS)』(アスコム、2015)/共著:田原総一朗・宮崎学
●『とりあたま大学: 世界一ブラックな授業!編』(新潮社、2015)/共著:西原理恵子
●『イスラエルとユダヤ人に関するノート』(ミルトス、2015)
●『国家のエゴ』(朝日新書、2015)/共著:姜尚中
●『異端の人間学』(幻冬舎新書、2015)/共著:五木寛之
●『インテリジェンスの最強テキスト』(東京堂出版、2015)/共著:手嶋龍一
●ニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」編『90分でわかる日本の危機』(扶桑社新書、2015)
●『政治って何だ!? - いまこそ、マックス・ウェーバー『職業としての政治』に学ぶ-』(ワニブックスPLUS新書、2015)/共著:石川知裕
●『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書』(文春新書、2015)/共著:池上彰
●『あぶない一神教』(小学館新書、2015)/共著:橋爪大三郎
●『インテリジェンスの最強テキスト』(東京堂出版、2015)/共著:手嶋龍一
●『第3次世界大戦の罠 -新たな国際秩序と地政学を読み解く』(徳間書店、2015)/共著:山内昌之
●『平和なき時代の世界地図 戦争と革命と暴力 単行本』(祥伝社、2015)/共著:宮崎学
●田原総一朗・責任編集『「殺し合う」世界の読み方』(文化放送、2015)/共著:宮崎学
●『マルクスと日本人 社会運動からみた戦後日本論』(明石書店、2015)/共著:山崎耕一郎
●『創価学会を語る』(第三文明社、2015)/共著:松岡幹夫
●『小学校社会科の教科書で、政治の知識をいっきに身につける』(東洋経済新報、2015)/共著:井戸まさえ
●『新・地政学 ~「第三次世界大戦」を読み解く』(中公新書ラクレ、2016)/共著:山内昌之
●『佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?』(文藝春秋、2016)/共著:竹内久美子
●『復権するマルクス 戦争と恐慌の時代に』(角川新書、2016)/共著:的場昭弘
『竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか』(ワニブックス、2016)/共著:竹中平蔵
●『右肩下がりの君たちへ』(ぴあ、2016)/共著:津田大介ほか
●『いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』(東洋経済新報社、2016)/共著:山岸良二
●『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編』(東洋経済新報社、2016)/共著:山岸良二
●『いま、公明党が考えていること』(潮新書、2016)/共著:山口那津男
●『21世紀の戦争論 昭和史から考える』(文春新書、2016)/共著:半藤一利
●『世界史の大転換 常識が通じない時代の読み方』(PHP新書、2016)/共著:宮家邦彦
●『右肩下がりの君たちへ』(ぴあ、2016)/共著:津田大介、ほか
●『新・リーダー論 ~大格差時代のインテリジェンス~』(文春新書、2016)/共著:池上彰
●『性と国家』(河出新書、2016.11.26)/共著:北原みのり
●『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016.12.16)/共著:池上 彰
『トランプは世界をどう変えるか?』(朝日新書、2016.12.26)/共著:エマニュエル・トッド
●『死を語る』(PHP文庫、2017.8.3)/共著:中村 うさぎ
●『JAに何ができるのか』(新潮社、2017)/共著:奥野長衛
●『世界政治裏側の真実』(日本文芸社、2017.10.10)/共著:副島隆彦
●『「暴走する」世界の正体』(SB新書、2017)/共著:宮崎学
●『悪の指導者(リーダー)論 』(小学館新書、2017)/共著:山内昌之
●『なぜ私たちは生きているのか シュタイナー人智学とキリスト教神学の対話』(平凡社新書、2017)/共著:高橋巖
●『核と戦争のリスク 北朝鮮・アメリカ・日本・中国 動乱の世界情勢を読む』((朝日新書、2017)/共著:薮中三十二
●『大日本史』((文春新書、2017)/共著:山内昌之
●『武器を磨け 弱者の戦略教科書『キングダム』 (SB新書、2018)』/原作:原泰久
●『ファシズムの正体』(集英社インターナショナル新書、2018)
『40代でシフトする働き方の極意』(青春新書インテリジェンス、2018)
●『宗教と資本主義・国家 激動する世界と宗教』/共著:池上彰・松岡正剛・碧海寿広・若松英輔
●『宗教と暴力 激動する世界と宗教』(KADOKAWA)/共著:池上彰、松岡正剛、石川明人、高岡豊
●『人生にムダなことはひとつもない』(潮出版社、2018)/共著:土屋伸之(お笑い芸人ナイツ)、塙宣之(同)
●『思考法 教養講座「歴史とは何か」』(角川新書、2018)/共著:松岡正剛

(3)訳書
ゲンナジー・ジュガーノフ(佐藤優/黒岩幸子・共訳)『ロシアと現代世界 汎ユーラシア主義の戦略』(自由国民社、1996)
●J.L.フロマートカ(Josef Lukl Hromadka、日本ではロマドカの名称でも知られる)『なぜ私は生きているか J.L.フロマートカ自伝』(新教出版社、1997)
アレクサンドル・レベジ(工藤精一郎/工藤正広/黒岩幸子・共訳)『憂国』(徳間書店、1997)
●ヨゼフ・ルクル・フロマートカ (平野 清美・訳/佐藤優・監訳・解説)『神学入門 ~プロテスタント神学の転換点』(新教出版社、2012)
ヨゼフ・ルクル・フロマートカ (平野 清美・訳/佐藤優・監訳)『人間への途上にある福音 キリスト教信仰論』(新教出版社、2014)
●アモス・ギルボア/エフライム・ラピッド・編(佐藤優・監訳/河合洋一郎・訳)『イスラエル情報戦史』(並木書房、2015)
●『この国が戦争に導かれる時 超訳:小説・日米戦争』(徳間文庫、2015) 
●レム・クラシリニコフ(佐藤優・監訳、松澤一直・訳)『MI6対KGB 英露インテリジェンス抗争秘史』(東京堂出版、2017)
●ボアズ・ガノール(佐藤優・監訳、河合洋一郎・訳)『カウンター・テロリズム・パズル 政策決定者への提言』(並木書房 2018)
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【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」

2018年05月19日 | ●佐藤優
 <危機の時代にわれわれは生きている。危機から抜け出すためには、思考力が必要になる。思考力は、大雑把に言って二つの内容から成り立っていると私は考えている。論理的なものと論理以外のものである。それをきちんと仕分けしておかないと、無自覚的なうちに奇妙な宗教に足を掬われてしまうことになる。
 ここで重要なのは、日本人が神道的なメンタリティを持っていることだ。日本文化と深く結びついている神道は、「言挙げ」(教義内容を理論化すること)を嫌う。そして、外来のさまざまな宗教を受け入れるシンクレティズム(宗教混淆)に傾きやすい。それだから、われわれは、宗教という形態をとらない宗教を強く信じてしまうことがある。その一つが、シンギュラリティ(技術的特異点)というAI(人工知能)に関連した宗教だ、と筆者は考える。>

□佐藤優『思考法 教養講座「歴史とは何か」』(角川新書、2018)の「新書版まえがき」から一部引用


 【参考】
【佐藤優】堕ちたエリート、小説という代理経験 ~『桜の森の満開の下』~
【佐藤優】うつ状態を克服する道、知識人の団結、医学部の現状
【佐藤優】正しいことをしていると思い込む者の暴力、組織が個人に責任をいかにかぶせるか、投獄経験を描いた自伝の傑作
【佐藤優】トランプvs.インテリジェンス・コミュニティー ~『炎と怒り』(その2)~ 
【佐藤優】日本はトランプ大統領に命運を託せるのか? ~マイケル・ウォルフ『炎と怒り』~ 
【佐藤優】収入格差と教育環境、女性の負担が却って増す懸念、生命医科学と倫理
【佐藤優】英EU離脱と北アイルランド、文科省が進める教育改革に対する批判的検討、イスラエル独自のミサイル防衛システム

【佐藤優】職場ハラスメントを生む土壌、外務官僚の機密費疑惑、キリスト教の教義と思想の基本事項
【佐藤優】われわれの思考の鋳型、沖縄をめぐる知的に富む対談、高校で全科目を学ぶと社会に出てから役立つ
【佐藤優】文語訳聖書 ~キリスト教の魅力は死生観にある~
【佐藤優】北朝鮮がソウルと東京を攻撃したら、ウィスキーの美味しさの秘密、明治新政府の権力奪取法
【佐藤優】よりましなポピュリスト、「普通の人」が豹変するストーカー、規格外のトランプ米大統領
【佐藤優】人工知能は意味をまったく理解できない/数学者が説く「シンギュラリティ」の不可能
【佐藤優】トップリーダーの孤独、紛争地域や犯罪組織への武器拡散、精神科医と諜報工作員の共通点
【佐藤優】混乱する現代との類似性 ~『応仁の乱』~
【佐藤優】自死した保守派論客の思想の根源 ~『保守の真髄』~
【佐藤優】「当事者にとって」と「学理的反省者として」の二重の視座 ~『世界の共同主観的存在構造』~
【佐藤優】テロ対策に関する世界最高レベルの教科書、宇野弘蔵の経済学を取り入れたユニークな社会学演習書、シンギュラリティ神話の脱構築
【佐藤優】憲法改正は見せ球に終わるか
【佐藤優】日本と米国の社会病理
【佐藤優】消費者金融のインテリジェンス
【佐藤優】官僚を信用していない国民
【佐藤優】中国が台頭しつづけたら、仏教の末法思想と百王説、時計の歴史
【佐藤優】子どもや孫の世代への重荷
【佐藤優】日本のレアルポリティーク
【佐藤優】巨大さを追求する近代的思考
【佐藤優】アナキズムという思考実験
【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ」
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
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【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【佐藤優】社会人のための「役立つ教養講座」一覧

2018年05月18日 | ●佐藤優
【佐藤優】Q&A(実践的な教養の身につけ方) ~役立つ教養⑪~
【佐藤優】本物のエリートはどこに?/社会人が哲学を学ぶ意義 ~役立つ教養⑩~
【佐藤優】人生に結論はない、教養がビジネスチャンスに ~役立つ教養⑨~
【佐藤優】算数のできない人に仕事を任せるな ~役立つ教養⑧~
【佐藤優】屁理屈を見抜き、かつ、屁理屈を使いこなす ~役立つ教養⑦~
【佐藤優】「夢」を知ることは自分を知ることだ ~役立つ教養⑥~
【佐藤優】欧米のエリートと「イスラム国」の共通点 ~役立つ教養⑤~
【佐藤優】「独断専行」のすすめ/中間管理職心得 ~役立つ教養④~
【佐藤優】アレゴリーなど、インテリジェンスの技術 ~役立つ教養③~
【佐藤優】20世紀はドイツの時代、フランスにないもの ~役立つ教養②~ 
【佐藤優】金正恩の思考回路、なぜ水爆か ~役立つ教養①~
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【佐藤優】Q&A(実践的な教養の身につけ方) ~役立つ教養⑪~

2018年05月18日 | ●佐藤優
 第1回から第10回まで、ニュースの読み解きに始まり、宗教、論理力・数学力、哲学など、社会人が身につけるべきさまざまな教養について話した。最終回は、読者の質問に対する答えの形で、実践的な教養の身につけ方をおさらいする。

 *

Q:ニュースを読む・見るときのポイントは?
A:日本語の報道を読むだけでも大丈夫。英語のメディアは、無理をすることはない。英語が母語でない人が英文を読むのはものすごく疲れるからだ。最初の30分は大丈夫でも、そこからガクンと能率が落ちる。長続きしない。それに、日本語で情報収集・分析するだけでも、かなりのことが分かる。
 では、どの情報をチェックすればいいか。
 ①ウォール・ストリート・ジャーナル日本版。日本の新聞とはまったく違う記事が載っているし、CNNの最新記事も数時間で日本語に訳される。日頃からこれに目を通しておくと、国際ニュース、特に日本のマスコミの弱点である中東のニュースなどは、かなり早く手に入る。
 ②海外大手メディアにも報道されないような深い情報は、イラン国営放送「Pars Today」や、ロシア国営「スプトーニク」のウェブサイトをチェックするとよい。これらはいわゆる「国策女ディ」だから、編集方針が国家の利害を反映していて、とても興味深い。「ハメネイ最高指導者の言葉」とか「今日のコーラン」とかいったコーナーにまじって、重要なニュースが載っている。

 *

Q:数学がとても苦手なのだが、どうやって復習すればいいですか?
A:もし「あまりにも苦手で、数学検定を受けるのも怖い」という場合は、抵抗があるかもしれないが、公文式がおすすめだ。実は公文式では、大人向けの講座も充実している。どれだけ問題を解いても月謝は変わらない。何より公文式は、「ほめて伸ばす」というシステムをとっているので、無理なく続けられる。数学は積み重ねだ。理解の穴を見つけ出し、埋めるためにも、面倒がらずに基本からやり直すことが大切だ。
 教室に通える余裕のある人は、週2回を目安にすれば、半年もかからず中学の数学までは完璧にできる。その後は、高校1年生の過程が3ヵ月くらい、高校2年と3年が合わせて1年ぐらいだろう。とりあえず中学まで終わったところで数検3級を受けてみると、身についたかどうか分かる。全体で1年半くらいかければ、数学は怖くなくなるはずだ。

 *

Q:英語の場合は?
A:まずは、今の英語力を測るためにも、英検2級を受けてみる。これはだいたい高校2年生と同じくらいのレベルだ。歯が立たないようなら3級に戻るとよい。英検の関連教材はすごくよくできているから、それを使って勉強するのがおすすめだ。英検準1級に合格できれば、TOEFL換算でだいたいスコア100になる。これは外務省が入省時に「即戦力になる」と判断する基準と同じだ。
 現在の新人キャリア外交官のうち、何割がこの基準をクリアしているか? 実は、わずかに3割だそうだ。佐藤優が外務省に入った頃は、専門職を含め、TOEFL100は全員が持っていたのだが。
 ちなみに、昔の外務省の入省試験は、「和文外国語訳」と「外国語和訳」しかなかった。これは明治時代からずっと変わっていなくて、採点者さえしっかりしていれば、語学の能力が最もよく分かる方法だ。しかし、現在では、この試験は専門職にしか課されない。現代日本外交の停滞は、外務省職員の英語力低下とも関係している。

 *

Q:論理的に話す力は、どうすれば鍛えられますか?
A:文章を朗読するとよい。最近は朗読のための教材も出ているから、きちんと論理的に整合性がとれている文章を、気持を込めて朗読するのが効果的だ。超えに出して読んで見ると、文章の崩れもよく分かるから。
 朗読すると、ディベート力、議論の力もつく。短めの戯曲など、セリフのやり取りがある文章を、声に出して読んで見るのがよい。

 *

Q:「日本の組織では『独断専行』が評価される」という話が第4回であった。しかし、「独断専行」と「自分勝手」の違いが分かりません。
A:実は、両者に違いはない。ある人の勝手な行動が、組織に利益をもたらした場合は「臨機応変によくやった」と評価されるが、失敗したら「自分勝手だ」と非難される。それが日本の企業文化・組織文化だ。
 では、どうやって自らの行動の成否を確かめればいいのか。自分で「失敗したかもしれない」という認識があるなら、手の打ちようがある。しかし、問題は、本人が「うまくいっている」と思っていても、上司から見ると全然うまくいっていないケースがしばしばあることだ。
 だから、まずは自分がしていることにミスがないかどうか、点検する習慣をつける。もしミスが見つかったら、上司や同僚に責任をうまく分散するようにする。自分の力ではどうしようもない場合は、マイナスを最小限に抑えるために、なるべく早く上司に報告する。組織の中で生き残っている人は、大抵そういったスキルに長けているものだ。
 組織文化というものは、一朝一夕には変わらない。大事なのは、どんな「独断専行」が評価されるのか、逆にどんな「独断専行」がNGなのか、普段からよく観察しておくこと。また、「これはまずい」と思った場合は身を引き、「いける」と思ったら乗っかるといった「ズルさ」も時には必要だ。

□佐藤優「 ~社会人のための「役立つ教養講座」 第11回(最終回)~」(「週刊現代」2016年6月4日号)
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 【参考】
【佐藤優】本物のエリートはどこに?/社会人が哲学を学ぶ意義 ~役立つ教養⑩~
【佐藤優】人生に結論はない、教養がビジネスチャンスに ~役立つ教養⑨~
【佐藤優】算数のできない人に仕事を任せるな ~役立つ教養⑧~
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【佐藤優】本物のエリートはどこに?/社会人が哲学を学ぶ意義 ~役立つ教養⑩~

2018年05月18日 | ●佐藤優
 (1)エトムント・フッサールは、哲学だけでなく芸術や文学など、20世紀のさまざまな文化に大きな影響を与えた。
 フッサールの著書も非常に難解だ。専門家の間にさえ、「あんな難しいものを呼んでも仕方ない」という意見もある。ただ、もし哲学者を誰かひとり勉強するなら、フッサールがよい。なぜなら、彼の研は現代思想の取り組んでいる問題をほとんどカバーしているからだ。

 (2)1859年にオーストリアで生まれたフッサールの実家は、ユダヤ系の商家だった。だから晩年のフッサールはナチスの迫害に遭い、大学教授名簿を除名されたり、大学構内立ち入り禁止を宣告されたりした。
 フッサール哲学をひとことで言い表すと、「世の中、理屈じゃないんだ」ということだ。
 カントは、世界をさまざまなカテゴリーに分けて考えた。ヘーゲルは弁証法や「絶対精神」といった概念で人の精神を説明した。いずれも煎じ詰めれば「理屈」だ。古今東西のあらゆる学問は結局、言葉の使い方が違うだけだ。壮大な世界観や、人びとを鼓舞するような革命思想といったものも、所詮は言葉遊びの幻想にすぎない。だから、フッサールはそれまでの論理学を厳しく批判した。
 さらに、フッサールはこうも言う。人間が何かを考える方法は、突き詰めると二つしかない。
   ①独断論。「とりあえず、私はこう思う」という地点からスタートするやり方。
   ②懐疑論。「誰の言うことも信じない。私の意見さえ本当かどうか疑わしい」という立場。
 しかし、②を採用すると、何が正しいのか判断する基準がなくなり、迷路にはまりこんでしまう。だから、フッサールは①を採用した。

 (3)独断論を採用すると、ひとつ問題が出てくる。自分の考えていることが正しかったとしても、それを他人とどうやって共有すればいいのか。「自分ひとりだけが分かる言葉」というものはあり得ない。現実に、私たちは他人と言葉を使ってコミュニケーションしている。
 そこでフッサールは「共主観性」という概念を考えた。つまり、「『正しい』と皆が思っていることは、皆が『正しい』と認めているから正しいにすぎないのだ」という考え方だ。
 <例>日本では、いくら靴がきれいでも他人の家に土足で上がることはできない。でも、欧米ではそれが当たり前だ。あるいは、「今、素っ裸になって外を走り回ってください」と言われてもできないが、なぜできないのか、理由を説明するのは意外と難しい。世間で「正しい」とされていることも、少し見方を変えると、どうして正しいのか分からなくなってしまうわけだ。
 つまり、私たちが他人と分かり合うことができるのは、相手と共同主観性を分かち合っているからだ。
 逆に言うと、自分ひとりだけが持っている純粋な「主観」というものは存在しない。すべての「主観」は、日本人なら日本人、欧米人なら欧米人といった、ある集団の中での「共同主観」なのだ。
 もっと言えば、われわれが使っている「私」という主語も、本当は私たちと言うべきだ。
 実際、何か考えるとき、「完全に自分だけのオリジナルな意見」というものはない。多かれ少なかれ、現代社会の常識や、メディアを通して得た知識に影響されているし、サラリーマンならサラリーマンの常識の中で考えているわけだ。
 人は共同主観性から逃れることはできない。そして、この共同主観性という視点を身につけることこそ、社会人が哲学を学ぶ最大の意義だ。

 (4)フッサールの考え方は、ヘーゲルの思想とも、根っこのところでつながっている。政治家にも科学者にも、それぞれの共同主観性がある。そして、世の中にいくつも存在する共同主観性を、なるべく客観的に見るということ。なぜそれが重要であるかというと、自分の人生の選択、特にキャリアをどう考えるか、ということに幅を与えてくれるからだ。
 <例1>幼いときから「お受験」をして、進学校に通い、東大に進む。こういう人生をめざしている人びとも一定数いる。しかし、それは「お受験組」の共同主観性であって、真のエリートはそんな人生なんてはなから目指していない。「お受験組」の人びとは「自分はエリートだ」と思っているかもしれないが、本物のエリート街道を進むことは難しいということに、いつか気づくだろう。そのとき、彼らは頭を抱えることになる。
 <例2>35歳のフリーター、先の展望は見えない、という人がいるかもしれない。でも、状況を冷静に分析することはできる。とりあえず、宅配便の仕分けのアルバイトをやれば時給1,000円はもらえる。しかし早晩、体力的にキツクなるだろう。では、できる範囲で将来につながることは何か。今から語学を勉強しても、お金も時間もかかるし、モノになるかどうか分からない。それなら、町の不動産屋さんに頭を下げて就職するのはどうか。不動産鑑定士の資格をとれば、外国語はあまり必要ないし、年収1,000万円超えの人だって少なくない。45歳までに不動産屋として成功してやろう。こういう考え方もできる。

 (5)東大を出てヘッジファンドや官公庁に入った人と、医学部を出て勤務医になった人と、45歳で街の不動産屋さんで働いている人と、誰がいちばん偉いのかなんて分からないし、収入だって誰が高いか分からない。
 人生には無数の選択肢がある。社会人としてしたたかに生きていくために、哲学を学んで損はしない。

□佐藤優「本物のエリートはどこにいる?/社会人が哲学を学ぶ意義 ~社会人のための「役立つ教養講座」 第10回~」(「週刊現代」2016年5月28日号)
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【佐藤優】人生に結論はない、教養がビジネスチャンスに ~役立つ教養⑨~
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【佐藤優】人生に結論はない、教養がビジネスチャンスに ~役立つ教養⑨~

2018年05月18日 | ●佐藤優
 (1)ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルは、「哲学史上最も難解」と評される『精神現象学』を書いた人だが、同時に「あらゆる思想の源泉はヘーゲルにある」と言っても過言ではない偉大な思想家として世界中で尊敬されている。
 彼は、1770年8月27日、シュトゥットガルト(南ドイツ)で、主税局書記官の長男として生まれた。8歳の頃には、小学校の担任からシェイクスピアの作品集を贈られるほど、すぐれた言語能力をすでに身につけていた。
 神学校で学び、成人した彼は、ベルン(スイス)で家庭教師の職に就いた。彼は成績は抜群に良かったけれど、大学に行って勉強を続ける金が実家にはなかったからだ。貴族の家の子どもの家庭教師になって、その給料で研究するのが、当時の貧乏な学者志望者の、普通の生活であった。
 37歳で『精神現象学』を書き上げたあと、地方新聞の編集者もやっている。これも当時は金持ちやインテリのやる仕事ではなかった。ヘーゲルは、たたき上げの男であった。
 彼はあまり女性にモテなくて、41歳まで独身だった。彼は子どもの頃に天然痘にかかって、顔がボロボロになってしまって、ものすごく不細工だった。

 (2)一方、ヘーゲルより半世紀ほど前に生まれた哲学者イマヌエル・カントは、超モテ男だった。カントのパトロンは全員女性だ。貴族の女性のサロンで面白い話をして回って、可愛がられたわけだ。
 実は、いまも名前が残っているような哲学者には、ほぼ例外なく、貴族の女性のパトロンがいた。その女性が「こんなことを知りたいわ」と言うと、論文を一生懸命書いてプレゼントする。そうすると、「アタシにはこんな頭のいい男がいるのよ」と自慢の種になったのだろう。哲学の世界はそうでもしないとやっていけない。カントもデカルトもライプニッツも独身だった。
 でもやはり、そういう学者たちの哲学は、話は面白いけれど現実から乖離している。結局は、「独身男の哲学」なのだ。
 その点、ヘーゲルみたいにきちんと家庭を持った哲学者は珍しいし、現代人にも親しみやすい。

 (3)ヘーゲルは『精神現象学』に何を書いたか。
 簡単にいえば「人生にゴールはない」ということだ。
 いろんな悩みや課題が出てくる。目標を達成したと思っても、実はそこは本当のゴールじゃなくて、また新しい問題が現れる。最終的な結論にはなかなかたどり着けない。そういう本だ。
 <例>小学校の頃から一生懸命勉強して、中高一貫校に行き、東大に合格して、キャリア官僚になった。そこが人生のゴール・・・・ではなくて、最初の10年は下積みだ。係長をやって、筆頭課長補佐をやって、15年くらいで課長になる。しかし、その上に進むとなると、今度は省内政治との兼ね合いが出てくる。明らかに自分より優秀とは思えない人が政治任用で偉くなっていく。50代初めで同期が次官になったら、その期は全員天下りで、民間企業や外郭団体に出されてしまう。給料はそこそこ貰えるが、本気で仕事ができる期間は一生の中で10年もない。人生なんて、だいたいそんなものではないか。
 『精神現象学』を読むと、こういう「人生って、そんなものなんだ」ということがよく分かる。30代でこの本を書いたヘーゲルは、世間のことを相当ドライに見ていた。

 (4)もう一つ、ヘーゲルが発見したのが、教養の大切さだ。
 「知識を増やすことと、人格を高めること、すなわち教養を身につけるのが人間の特徴だ」
 近代社会においては、「知は力なり」だ。教養を持っている人ほど、富を得るチャンスや、権力に食い込んでいくチャンスが増える。目の前のことをあるがままに受け入れているだけでは、「教養がない」と」言われても仕方ない。
 <例>黒田東彦・日銀総裁が、2016年2月にマイナス金利を導入した。新聞には「マイナス金利導入によって、国内の資金貸し出しが増える」と書いてある。ここで「そうか」と読み流すのではなく、少し考えてみるのだ。
 ヒラリー・クリントン・米国大統領候補は、マイナス金利政策について「日本は為替ダンピングをしている」と非難した。マイナス金利を導入すれば、長期国債の利率が下がるから、日本国債から資金が逃げていく。そうすると円安になって、米国製品が世界で売りにくくなる、ということだ。
 つまり、マイナス金利は外交にも大きな影響を与える。日米だけでなく、日韓の経済関係も悪化する。だから、慰安婦問題も、それ自体は軟着陸しそうに見えるが、こうした経済状況を考えると、難しいかもしれない。
 こういうことがわかれば、ビジネスチャンスも掴める。いつまでもこの状態が続くわけではないので、今のうちに少し米国債を買っておこうか、という判断もできる。外務省関係者ならば、日米関係・日韓関係がこれから大変になるから、何か政策を考えないといけない、となる。
 教養というものは、身につけた分だけ自分を助けてくれる。

□佐藤優「ヘーゲルに学ぶ「人生に結論はない」/エリートは幸せなのか ~社会人のための「役立つ教養講座」 第9回~」(「週刊現代」2016年5月21日号)
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【佐藤優】算数のできない人に仕事を任せるな ~役立つ教養⑧~

2018年05月18日 | ●佐藤優
 (1)論理、理屈について、承前。 
 英語力強化ばかりが叫ばれる昨今だが、グローバル化が進むと、実は英語力より論理力が重要になる。国や文化が違う人にも、自分の考えを筋道立てて説明する力が問われるからだ。
 しかし、近年、日本人の論理力、中でも数学力はこれまでになく低迷している。
 <例>分数や足し算ができない大学生は、今や珍しくなくなった。20年ほど前から、「2分の1足す3分の1」の答えを「5分の2(正解:6分の5)」と答える大学生の割合が全体の約17%に達している【芳沢光雄・数学者】。
 こんなことになった大きな原因は、
  (a)入試科目から数学をなくすと、受験者が増えて偏差値が5ポイントも上がる。だから、私立大学の文系学部の多くは数学の入試を止めた。その結果、数学がまったくできない学生が経済学部に入り、そのまま大学院にも進学するという「異常事態」が常態になってしまった。かくして、分数の足し算さえできない若者が毎年大量に生み出されるようになった。
  (b)センター試験のようなマークシート式のテストが増えた。マークシート式には様々の欠点がある。①5つの選択肢がある場合、出題者はなんとなく「端っこの1番と5番には正解をおきたくない」と思ってしまうので、結果として3番に正解が偏ってしまう。これは統計的にも有意差が出るそうだ。②記述力を測ることができない。濃度や速さの計算といった、文章題・応用問題が理解できない学生が増えている。

 (2)憂慮すべきは、大学生はまだしも、小学校レベルの算数ができない社会人が大量生産されていることだ。さらに、驚くべきことに、ここ数年、ゆとり教育と相まって、教師の中にもそうした人がたくさん現れている。 
 教師自身が理解できていないことを、子どもに教えらるはずはない。算数がわからない教師が、算数ができない日本人を再生産している。深刻な問題だ。
 今、団塊世代のゆとり教育の見直しによって、教員採用者数が急増している。全国の小・中・高の公立学校の採用者数は、10年間で次のように増えた。
   2001年 約14,700人
   2011年 約26,000人
 このため、特に採用枠が地方に比べて大幅に増えた東京などの大都市圏では、
   「3つの角度が全部異なる二等辺三角形がある」
と誤ったことを生徒の前で平然と言ってのける教師も現れている。ゆとり教育をやめて教師を増やした結果、ゆとり教育を受けた学力の不十分な若者が教師になっている、という皮肉な現実があるのだ。

 (3)(2)のような話は教育現場に限ったことではない。企業の新人教育でも「数学力の弱い新人をどうするか」という問題が出ている。
 部下に数学がからっきしできない新人が入ってきたら、まずは数学検定3級(中学卒業レベル)に合格できるレベルを目標にして指導するとよい。半年くらいの学習でクリアできる。
 もしクリアできないようであれば、その人に大事な仕事を任せるのは危ない。
 数学力をつけると、職場やチームの力は目に見えて強くなる。だから、「英語より先に数学」なのだ。そうでないと、いくら英語ができても説得力が身につかない。説得力を身につけるには、数学のような論理力を鍛えることが欠かせない。

 (4)数学力と並んで「文章力」も、もう一つの重要な論理の力だ。
 <例>「起承転結」では困る。
 起承転結は、「書き出し→その続き→別のテーマ→もとのテーマ」という漢詩の構成法で、それを使って論文を書けば、何が幹線なのかよくわからないものができあがる。
 起承転結は、論文やビジネス文書では絶対に使ってはいけない。論理が破綻した文章になるからだ。
 ただ、上司に提出する文書などでは起承転結を盛り込んだほうが、相手が納得しやすい、という現実もある。この感覚は、海外の人には理解してもらえない。起承転結が通用するのは日本人だけだ。

□佐藤優「算数のできない人に仕事を任せるな/「ゆとり教師」の実態 ~社会人のための「役立つ教養講座」 第8回~」(「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号)
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 【参考】
【佐藤優】屁理屈を見抜き、かつ、屁理屈を使いこなす ~役立つ教養⑦~
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【佐藤優】屁理屈を見抜き、かつ、屁理屈を使いこなす ~役立つ教養⑦~

2018年05月18日 | ●佐藤優
 (1)社会人には「論理力」が不可欠だ。文章の正しい読解、部下の作った書類のミスのチェック、大事なプレゼンなど、論理的思考がものをいう局面は山ほどある。
 野矢茂樹(東京大学大学院教授/哲学)『論理トレーニング101題』(産業図書、2001)は、東大の教養課程などでも教科書として使われ、楽しみながら論理学を学べる名著だ。本書から例題を引きつつ、論理力の鍛え方を、以下、解説する。

 (2)まず心がけたいのは、文章を書くときにはなるべく「なぜなら」「しかし」「また」といった接続詞を使うことだ。
 プロが書いた文章いも、接続詞の使い方が誤っているものが少なくない。
 <例1>大野晋(言語学の大家)の<近畿地方を中心に西日本では、女性や子供が一人称としてウチを使う。ウチは内であり、家(うち)であり、自分(うち)である(中略)相手をウチの人だと思うと急に親しくなり、特の便宜をはかり、相手をソト者と思うとはっきり別扱いします。それは古い体制の名残なのです。つまり、日本語社会では、人々は相手が自分に近いか遠いかについて鋭い感覚、区別をいつも内心で保っています(これが敬語の基礎の一つです)。だから、近しい扱いでは、しばしば親密さから、時によると相手を粗略に扱うことになります>。
  この文章の結論は、接続詞「だから」の後の「日本語社会では時に、親密な相手を粗略に扱う」だ。現実にはそうかもしれないが、論理学で扱うのはそういう常識論ではなく、「この文章の中に矛盾があるかないか」だ。
 全体を要約すると、「日本人は相手が自分に近いかどうか常に鋭い感覚で区別している。だから、親しい人を粗略に扱う」。
 これは、少し不自然だ。無関係な2つの命題が、「だから」で結ばれているので、あたかも論理的な文章のように見えているわけだ。

 (3)<例1>は、文章の中に込められた論理だけでなく、文化などの「前提」が関わってくるので難しくなる。
 <例2>「テングタケは毒キノコだ。だから、食べられない」
 暗黙の前提「毒キノコは食べられない」が本当かどうか、わからない。事実、テングタケはきちんと毒抜きすれば食べられるそうだ。

 <例3>「吠える犬は弱虫だ。うちのポチはよく吠える。だから、うちのポチは弱虫だ」
 これは意外と難問だ。「『吠える犬=弱虫』という図式は必ずしも成り立たないから、ポチは弱虫じゃない」という指摘も間違いではないが、もっと大きな論理の穴がある。それは「ポチは犬である」と、どこにも書いてないことだ。もしかしたら、ポチは虎かもしれない。

 日常生活でこういうことばかり言っていると、「屁理屈を言うな」と嫌われてしまうが、あくまで論理力を鍛えるうえでは、こういう常識や前提を疑う力が必要だ。

 (4)以下、応用。
 <例4>「日本の自動販売機は、商品を美味しく見せるための、メタクリレート樹脂でできた透明のカバーで、ショーウインドウのように覆われています。ところが、この美しい樹脂が自動販売機にそのまま使われているのは日本だけで、外国では使えません。なぜなら、メタクリレート樹脂はきれいですが、ハンマーで打ち壊せば簡単に砕けるからです」
 実は、これは排外主義的な言説だ。「外国ならばどこでも、自動販売機は壊されて中身が盗まれる」、そして「日本では、そういうことはない」というのが暗黙の前提になっている。
 でも、本当にそうか。

 <例5>「私は今年73歳になるオジンだが、脳梗塞、動脈硬化、白血病、前立腺癌、それに死を予告された末期の膀胱癌を抱えている。したがって本や新聞はいっさい読まない。テレビっ子である」
 「したがって」とあるので、勢いで押し切られそうになるが、大きな論理の飛躍がある。考えるべきは、この人がどんな暗黙の前提を抱いているかだ。おそらく、こんな感じだ。
 「余命いくばくもない私にとって、重要なのは今この瞬間だけだ。だから本や新聞のように形に残り、蓄積されていく情報は拒み、テレビのようにその瞬間に完全に消費できる情報に触れるべきだ」
 論理学といえば難しく聞こえるが、日常の言葉で「翻訳」すれば、なかなか面白い。

 (5)論理学には「トートロジー(同語反復)」という理屈がある。
 <例6>天気予報士が「明日の天気は、晴れか、晴れ以外のいずれかです」と言えば100%当たる。
 明日の天気のことは何も分からない。そういう類いの言説のことだ。

 トートロジーは、欧米では「公共の場では使ってはいけない論理」であるとされている。社会人がトートロジーを口にすると、「お前、いったい何を言っているんだ?」ということになるわけだ。
 しかし、かつて小泉純一郎・首相(当時)は、イラクに自衛隊を派遣するに当たり、平然とトートロジーを使った。

 <例7>野党「自衛隊が派遣される『非戦闘地域』の定義を説明しろ」
 小泉「自衛隊が派遣されている地域が非戦闘地域だ」
 野党「ならば、自衛隊はどこに派遣されるのか」
 小泉「それは、非戦闘地域だ」

 小泉元首相の強さは、このトートロジーを使いこなす点にあった。同じことを繰り返すだけで、絶対に論理が崩れない。しかも、意味のある説明は一切しなくて済む。
 問題は、トートロジーが国会でも平気で使われる日本の風土だ。欧米なら一発退場のはずが、そうならない。日本人の興味深い側面だ。

□佐藤優「目からウロコの「屁理屈入門」/この文章、どこがヘン? ~社会人のための「役立つ教養講座」 第7回~」(「週刊現代」2016年4月30日号)
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 【参考】
【佐藤優】「夢」を知ることは自分を知ることだ ~役立つ教養⑥~
【佐藤優】欧米のエリートと「イスラム国」の共通点 ~役立つ教養⑤~
【佐藤優】「独断専行」のすすめ/中間管理職心得 ~役立つ教養④~
【佐藤優】アレゴリーなど、インテリジェンスの技術 ~役立つ教養③~
【佐藤優】20世紀はドイツの時代、フランスにないもの ~役立つ教養②~ 
【佐藤優】金正恩の思考回路、なぜ水爆か ~役立つ教養①~
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【佐藤優】「夢」を知ることは自分を知ることだ ~役立つ教養⑥~

2018年05月18日 | ●佐藤優
 (1)「夢」と「無意識」は重要だ。
 キリスト教の中でもカトリックは、「プレモダン」(前近代的)な思想を基本的に維持している。
 近代以前の世界観とは、「地球は球体ではなく平らである」「天には本当に神様がいる」といった類いのものだ。
 今の世の中では、かえってプレモダンな世界観が強い影響力を持つようになっている。「近代文明は、もはや限界に近づいているのではないか」と感じる人が増えているからだ。
 <例>環境問題、原発、核兵器。
 カトリックは、こうした近代の「産物」そのものを認めない。神が作った秩序に反しているのだから。
 カトリックでは、「神の作った秩序は最初から完璧なのだから、『進歩』などあり得ない」と考える。人間の命も、あくまで神の意思によって誕生するのであって、セックスはその「きっかけ」にすぎないと考える。したがって、彼らは人工妊娠中絶を絶対に認めない。

 (2)ちなみに、キリスト教ではイエス・キリストが死んだあと、復活したと信じられている。
 実は、古代世界において復活は珍しいことではなかった。
 なぜ古代人が復活を信じていたかというと、彼らにとって「夢に誰かが出てくる」ということは、その人が本当に現れることと同じだったからだ。
 日本でも、『源氏物語』で六条御息所が光源氏の夢に出てくるシーンがある。光源氏は、「自分が浮気ばっかりしているから、きっと六条の怨霊が怒って出てきたのだ」と考えた。
 イエスの復活についても、「イエスが夢に出てきた」ということが、すなわちイエスの復活である、と信じられていた。

 (3)現代人は、「夢のリアリティ」を失っている。夢をもっと大切にすれば、生活は豊かになるし、様々なリスクも相当防げる。
 <例>いい上司だと思って普段は一緒に仕事をしているが、夢の中でその上司が言い寄ってくるとか、自分を攻撃してくる、といった夢を見た時は注意したほうがよい。なぜなら、「もしかしたら、そういう可能性があるのではないか」と無意識のうちに察知しているわけだから。

 (4)夢や無意識について真面目に学びたい人は、ジークムント・フロイト『夢判断』や、カール・ユング『心理学と錬金術』を読むとよい。
 かつて錬金術は多くの人に信じられていた。非金属が、みんなの目の前で金属に変わってしまう。科学的にあり得ないことが、どうして起きたのか。
 『心理学と錬金術』によれば、錬金術師は必ず自分専用の研究所を持っていた。その研究所の職員の無意識を支配し、周囲の全員が「錬金術師の言うことはすべて真実で、この人は神の手を持っている」と、理屈ではなく、心から思うようになった時、錬金術は完成する。つまりユングは、「錬金術は、実は科学ではなく心理学なのだ」という。
 ユングの理論を適用すると、例えば小保方晴子さんのような人も21世紀に現れたきわめて優秀な「錬金術師」と見ることができる。

 (5)夢をテーマにした面白い本をもう一つ。バルカン半島の小国アルバニアの作家、イスマイル・カダレの小説『夢宮殿』だ。
 『夢宮殿』は、オスマン帝国を思わせるイスラム教国家を舞台とする。その国では、「全知全能の神は、人間に対して、これから何が起きるか、夢を通じて知らせてくれる」と信じられている。
 ところが、神は誰にどんな夢を見せるかについては無頓着だ。だから、国は「夢宮殿」という特別な役所を作って、全国民がどんな夢を見ているかについて毎日情報を集め、危険な内容の夢が見つかったらスルタンに報告するのだ。
 その夢宮殿には国のエリート中のエリートが就職するのだが、自分から「働きたい」と言っても絶対に雇ってもらえない。ある日、突然、夢宮殿のほうから誘ってくる。
 夢宮殿で働くことになった主人公が、出勤して「あの、収集課にはどうやって行けばいいんですか」と訊いても、「自分で見つけなさい」と言われて、誰も教えてくれない。
 そんな不思議な雰囲気の小説だが、最後に大どんでん返しも用意されていて、夢の重要性をとても面白く教えてくれる寓話だ。

 (6)枕元にノートと2Bくらいの濃いめの鉛筆を用意して、朝起きた時に、断片的でもよいから、夢の内容を書き留めておくとよい。「夢ノート」を作って、時々読み返すと、自分が潜在的に考えていることや埋もれていたアイデアを、かなり把握することができる。
 そうやって日ごろから訓練しておくと、だんだんと楽しみながら夢を見ることができるようになる。
 ノートと鉛筆さえあれば、夢を通じて、自分が普段抑圧している無意識をよく理解できる。

□佐藤優「仕事にも使える「夢」の有効活用法/上司が夢に出てきたら ~社会人のための「役立つ教養講座」 第6回~」(「週刊現代」2016年4月23日号)
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 【参考】
【佐藤優】欧米のエリートと「イスラム国」の共通点 ~役立つ教養⑤~
【佐藤優】「独断専行」のすすめ/中間管理職心得 ~役立つ教養④~
【佐藤優】アレゴリーなど、インテリジェンスの技術 ~役立つ教養③~
【佐藤優】20世紀はドイツの時代、フランスにないもの ~役立つ教養②~ 
【佐藤優】金正恩の思考回路、なぜ水爆か ~役立つ教養①~
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