語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~

2015年11月26日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)加齢黄斑変性症(AMD)とは、網膜の中心部にある「黄斑」が加齢によって障害される眼疾患のことだ。
 網膜は、視覚的な光情報を電子情報に変換する組織だ。デジタルカメラの「イメージセンサー」あたる。
 黄斑は、網膜のなかでも高精細・高感度の組織で、黄斑が損なわれると視力全体に影響がおよぶ。
 事実、AMDは国内の失明要因の第4位を占める。3:1の割合で男性に多く、50歳以上の1%がこの疾患を患っている。

 (2)眼の加齢を遅らせる手段は、
  (a)紫外線を避ける。
  (b)眼を酷使しない。
  (c)カロテノイドがよい。

 (3)(2)-③については、米国医師会雑誌「JAMA」の眼科学版に掲載された報告がある。米ハーバード大学公衆衛生学部の研究だ。
  (a)研究者らは、米国在住の医療従事者を対象とした1968~2010年の健康調査データを使用。50歳以上の男性38,603人、女性63,443人のデータから、食事とAMDとの関連を調べた。試験期間中、2.5%が中等度~重度のAMDを発症した。
  (b)食事とAMD発症リスクの関連を調べたところ、ルテインとゼアキサンチンというカロテノイドを最も多く摂取していた集団は、最も摂取が少ない集団より、重度のAMDリスクが40%も低いことが判明した。ただし、中等度のAMDリスクとの関連は認められなかった。
  (c)「カロテノイドを豊富に含む野菜や果物の摂取を増やすことで、進行性AMDを減らせるかもしれない」と研究者は考察している。

 (4)ルテインとゼアキサンチンは、色の濃い野菜に含まれる抗酸化成分だ。ニンジンの赤、ホウレンソウやブロッコリーの濃い緑、カボチャやパプリカの橙色が含有のしるしだ。
 冬が旬のホウレンソウの場合、これから出回る「寒締めホウレンソウ」のルテイン含有量は、100gあたり11~12mgと、ぐんと高くなる(通常は品種にもよるが7mg前後)。
 ルテインが以外に「頭によい」とされるβカロテンの含有量も増えるから、一石二鳥だ。
 ルテインは加熱に強く、油脂と一緒に食べると吸収率がよくなる。シンプルな野菜炒めとか。

□井出ゆきえ(医学ライター)「目の老化には赤と緑と橙色 加齢黄斑変性症を予防しよう ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.277~」(週刊ダイヤモンド」2015年11月28日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【佐藤優】日ソ戦の悲惨、1... | トップ | 【食】世界中でバッシング?... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療・保健・福祉・介護」カテゴリの最新記事