ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

瀧瓢水物語(26) 『続 近世畸人伝(二)』より二話

2016-10-25 07:37:23 | 瀧瓢水物語

        『続 近世畸人伝(二)』より

   2話)小川に落ちた時の話

 近村の小川の橋を渡るとき、瓢水は足を踏みはずして、落ちてしまいました。

 近くにいた農夫は、瓢水が小川に落ちたことを知り、びっくりして助け上げようとして大騒ぎになりました。

 下を覗き込むと、腹が減っていたのか、彼は濡れながらも懐の餅を悠々と食べているのです。

 農民はあきれたといいます。

   (3話)蔵売って 日当たりのよき 牡丹かな

 さらに、こんな話もあります。

 瓢水が60歳も半ばの頃でした。

 本宅が人手に渡ってしまって、別の家(別宅)に移り住んでいました。

 別宅とはいうものの、ちょっとした庭に蔵があります。

 そこには一面に牡丹の花が見事に咲いていました。

 見事な大輪の牡丹です。

 瓢水はそれ、それをぼんやり眺めていました。

 「この蔵も売れてしまったか・・・」と、つぶやくのでした。

 瓢水はあまり、それを気にする様子もありません。

 やがて、一句が出来上がりました。

    蔵売って 日当たりのよき 牡丹かな

 瓢水には、上記のような話がいくつも伝えられています。

 瓢水は、謎めいた俳人でした。(no3374

 *写真:牡丹の花

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