近世畸人伝
『近世畸人伝(きんせいきじんでん)』は、近世の諸階層の特色ある人物百余名の伝記です。正続各5巻があります。
その続編は、寛政10年 (1798) に刊行され、職業,貴賤を問わず、一芸一行にすぐれた者を奇として紹介しています。
続編の(二)に、瀧瓢水が奇人の一人として取り上げています。
『続 近世畸人伝』を読みましょう
・・・・(瓢水は)播磨加古郡別府村の人で、剃髪(仏門に入り)して自得といいました。
瓢水は、俳諧に夢中になり、千石船7艘も持っている富豪でしたが、遊蕩のため財産をすべて費やし、後に貧しい生活となってしまいました。
『近世畸人伝』には彼の数々のエピソードが紹介されています。
なお、『播磨名所巡覧図絵』(享和三年・1803)にも、「・・瓢水はこの別府の生まれで、俳諧を優れており、性質は淡白で『畸人伝後編』に書かれている」と、『畸人伝』で瓢水が紹介されていることを記しています。
『近世畸人伝』に描かれている瓢水は、本当の姿の紹介とは思えません。
しかし、瓢水といえば「奇人」とレッテルを張られ広く知られていたようです。
それでは次号から少し、畸人伝に描かれた瓢水のエピソードを読むことにしましょう。(no3372)
*写真:『近世畸人伝 二』
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