中西条(加古川市八幡町中西条)の山本定次さんは、昭和20年ごろの思い出を『ふるさと・やはた』に、投稿されている。一部を引用したい。
(太子岩付近の)比較的浅かった所では、鮎釣りをしする人や雑魚とりの好きな人が網を張り、上流から鮎を追って投網を打ってこれを捕獲していた。
・・・子どもは石の下に隠れているエビや雑魚をすくい取るなどして夏の間は楽しかった。
五か井堰の水門辺りは小砂利が多かったから、シジミ貝がよくいた。じょれん鍬で石ころをすくい、「とうし」でふるとシジミが混じっているのでそれをとった。
太子岩付近は、蛍の名所で、六月初旬になると、たくさんの大きな宇治蛍が飛び交い明滅するので、麦わらの束を持って行き、それを捕らえるのも楽しみであった。
夏休みになると児童は、昼休みの時間に太子岩付近に泳ぎに行って、タニシを糸でくくったのや、米ぬかでつくった団子を餌にして岩に隠れているエビを歩引きだし、それを網ですくい上げて楽しんでいた・・・
先週、太子岩へ行ってみた。写真のようなプレートが太子岩があることを示していたが、かんじんの太子岩が見つからない。
よくみると、草に覆われ、テッペンが禿(かむろ)のように太子岩がかすかに見える。
山本さんが遊んだ風景ではなった。
*『ふるさと・やはた』(加古川農業改良普及所)参照
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